銀の猫 文春文庫

朝井まかて

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167914554
ISBN 10 : 4167914557
フォーマット
出版社
発行年月
2020年03月
日本
追加情報
:
355p;16

内容詳細

嫁ぎ先を離縁され、母親と暮らすお咲は、年寄りの介護を助けるプロの介抱人。
誠心誠意、年寄りに尽くすお咲のもとにはさまざまな依頼が集まる。
多くの病人に出会いながら、逝く人に教えられたことがお咲の胸に重なってゆく――

長寿の町・江戸では七十,八十の年寄りはざら。
憧れの隠居暮らしを満喫する者がいる一方、病や怪我をきっかけに
長年寝付いたままの者も多く、介護に疲れ果てて嫁ももらえずに朽ち果てていく
独り者もまた多い。誰もが楽になれる知恵を詰め込んだ「介抱指南」を作りたいと
思い立った貸し本屋から協力ををもとめられたお咲。だがお咲の胸には、
妾奉公を繰り返してきた母親への絶望感が居座っている。
自分は、あの母親の面倒を見続けることができるのだろうか。
いったい、老いて死に向う者の心にはなにが芽生えるのだろうか――?

江戸に暮らす家族の悲喜こもごもを、
介護という仕事を通して軽やかに深く描く、傑作長編小説。

解説・秋山香乃

【著者紹介】
朝井まかて : 1959年大阪生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年『実さえ花さえ』(のちに『花競べ』に改題)で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し作家デビュー。2014年『恋歌』で直木賞、『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、2016年『眩(くらら)』で中山義秀文学賞、2017年『福袋』で舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • mae.dat さん

    表題作からの8話短篇。癒されようと思ったのですけどね。ねこは出ては来るけど、ストーリーに余り関係無く進むのね。最後にはキラリと仕事をするけどさ。『銀の猫』と言うのも、主人公のお咲さんのお守りでもありますね。でもシルバーって事は無さそうに思うけど。これもマストアイテムでは無いよね。お咲さんは、江戸の世で介抱人としてご隠居さん達の介護等々を請負っているんですけど。皆んな自由でね。大変。毒親佐和酷い。言葉が通じない。でもまたまた最後には。おぶんさんは江戸っ子姐さんって感じで👍🏻。一緒にいたら手に余るけど。

  • 小梅 さん

    2021年の猫本3冊目。江戸時代の介護士、三日間泊まりこんで一日休み…大変な仕事だ。それぞれの家にはそれぞれの悩みがある。読後感が良かった。

  • のり さん

    口入屋「鳩屋」に身をおき、介抱人として働く「お咲」。現在の介護士である。様々な年寄りの元に赴くが、心身共に疲労がたまる。3日連続殆んど寝ずに対応して1日の休み。ブラック企業である。下の世話はゴム手袋・洗剤・消毒液等ない時代でそれだけで苦労が偲ばれる。母娘の複雑な過程もあり「お咲」は気を休める時間が少なすぎるが、元・舅に頂いた銀の猫の根付がどれだけ安寧の心持ちにしてくれたことか。とにかく介護はする方もされる方も大変だ。

  • ふじさん さん

    長寿の町の江戸を舞台に、老人介護を扱った小説。嫁ぎ先を離縁さて、介抱人として生きるお咲。介抱する老人は、一癖も二癖もある人ばかりで苦労の連続。介護する側もされる側も丁寧に描かれており、どもまでも温かい。現代にも通じる老いや介護の問題を誠実に、真正面から取り上げた作品は珍しい。介護の事に目が行きがちだが、お咲と妾奉公を繰り返し身勝手に生きて来た母親との確執や和解の経緯も親子の在り方に思いを馳せる内容になっている。お咲の生き方には、生き方には元気を貰えるし、登場人物にも魅力的な人々が多く、読み応え十分。

  • ふう さん

    介抱人、今でいうなら介護士でしょうか。江戸の町でお年寄りの介抱をしながら生きるお咲の物語。出会うお年寄りたちのそれぞれの様子やお咲の考え方、対応の仕方は今に通じるものも多く、共感しながら楽しく読みました。江戸ものにありがちな不条理な部分も描かれていますが、その折り合いのつけ方もほどよくて、町人の知恵ややさしさが感じられます。『最期のその日まで何度共に笑えるかを心得るが肝心。笑いこそが何よりの薬。介抱する側もされる側も。』現実はもっと重く厳しいものでしょうが、そんな気持ちでいると少しは楽になるかもしれません

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朝井まかて

1959年大阪生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年『実さえ花さえ』(のちに『花競べ』に改題)で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し作家デビュー。14年『恋歌』で直木賞、『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、16年『眩(くらら)』で中山義秀文学賞、17年『福袋』で舟橋聖一文学賞、18年『雲上雲下』で中央公論

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