CD

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 クリスティアン・ツィマーマン

ブラームス(1833-1897)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
UCCG1272
組み枚数
:
1
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明

「私は1つの曲を完璧に準備するのに10年を要します。」世界的な名声に溺れることなく、納得のゆくまで自己のレパートリーを磨き上げ、その解釈を徹底的に掘り下げることで知られる孤高のピアニスト、ツィンマーマンのブラームス。レコーディングにも厳しい彼としては異例に属する約20年ぶりのこの再録音では、作品の正しいテンポを知るために80種以上ものレコードに耳を傾けたという研鑚の成果をみせつけてあまりある、素晴らしい演奏を聞かせています。
 ツィマーマンは1984年にバーンスタイン指揮でこの作品を録音、これもたいへん評判を呼んだものですが、ライナーノートに記されたインタビューでツィマーマンは「録音とはすべて一瞬の記録」といかにも彼らしい思慮深い発言のあと、実はレコーディング用に選んだ楽器が交通事故で届かず、まったく予定外のピアノを弾かされたこと、映像収録も兼ねたセッションだったため照明や吸音材等に取り巻かれていたことなど、旧録音が悔いの残るものであったことを明かしています。
 それだけに、今回の録音には万全が期されたのでしょう。通常のコンサート・ホールではなく「スコアリング・ステージ」というレコーディング専用スタジオが選ばれ、なによりラトル&ベルリン・フィルというあまりにも強力なサポートをEMIから借り受けて、望みうる最上の環境が用意されています。
 演奏はまさに圧巻のひと言。まずはベルリン・フィルの凄い迫力に驚きで、ヴァイオリンを左右にふり分けた対向配置によって翼のように広がった高弦の張りつめた響き、左手奥から聴こえてくる低弦の重厚な厚みと、時に荒々しいまでの威力がたまりません。録音スタジオでのセッションであることも功を奏したのでしょうか、既に相当な数になるラトルとベルリン・フィルのCDの中でも、リアルな迫力ということではズバ抜けた仕上がりとなっています。
 対するツィマーマンのソロも気合い充分。ベルリン・フィルの圧倒的な勢力をたったひとりで押し返す剛毅な表現と輝かしい音色が目覚しく、第1楽章展開部冒頭の強烈な打鍵(トラック1、11分27秒付近)、同じく展開部後半から再現部にかけてのオケとの凄絶な競り合い(トラック1、13分23秒〜)など、これこそコンチェルトの醍醐味といいたくなります。しかも、そんな力技の応酬のさなかにあって豊富なニュアンスが一瞬も失われていないのですから、その高度な技量には恐れ入るばかりです。
 ツィマーマンの神経こまやかな表現力は、一転して静謐な第2楽章でより明瞭に聞くことができますが、ここでも毅然とした雄々しさを常にたたえているところが、旧盤とは異なる今回の演奏のポイントでしょう。ラトルの細心をきわめたサポートにも注目で、複雑な味わいを秘めた木管楽器の響きなど筆舌に尽くせません。
 第3楽章はピアノ、オケともに切れ味バツグン。作曲当時26歳だったブラームスの覇気をダイレクトに体現したかのような躍動感が秀逸、カデンツァに相当するピアノ・ソロ(トラック3、08分04秒〜)も、その輝きといいしなやかさといい文句なし。フィナーレ直前にあらわれるヴァイオリンの主題が左右に飛び交う効果(トラック3、10分45秒〜)も満点です。
 ちなみに、ツィマーマン、ラトルともに、同曲は2度目のレコーディング。バーンスタイン指揮によるツィマーマン旧盤の演奏時間は54分03秒、アンスネス独奏によるラトル旧盤は49分03秒でした。
 なお、当盤はラトル&ベルリン・フィル来日を記念して大幅な日本先行リリース。輸入盤は来年の3月以降に発売が予定されています。

・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 op.15[50:58]
 第1楽章:Maestoso [23:16]
 第2楽章:Adagio [15:38]
 第3楽章:Rondo : Allegro non troppo [12:04]
 クリスティアン・ツィマーマン(p)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 サイモン・ラトル(指揮)

 録音:2003年12月 ベルリン、スコアリング・ステージ[デジタル]
 《4Dオーディオ・レコーディング》

内容詳細

ブラームスのパッションを現代の音感覚のなかで捉えきり鮮烈に解き放った、作品イメージ払拭の快演。溶け合いつつも細部まで耳が届いて情に働く艶やかにして透明な響きの美しさ。表情の変化に鋭敏に反応し互いに発止と切れ込むダイナミズムの速さ。快哉の音だ。★(中)(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

総合評価

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高級食材を使った料理を食べたが、さっぱり...

投稿日:2019/10/05 (土)

高級食材を使った料理を食べたが、さっぱり美味しくない。それがこの演奏。何か入れ忘れている感じ。

じゅんとねね さん | 北海道 | 不明

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今更ですが本盤はツィマーマンのショパン協奏曲ポーラン...

投稿日:2015/05/10 (日)

今更ですが本盤はツィマーマンのショパン協奏曲ポーランド祝祭管盤と同格のクオリティーを持った超高音質録音盤です。ツィマーマンのこだわりが見えます。名盤!

井熊 さん | 静岡県 | 不明

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バーンスタインとの2番が充実したできだっ...

投稿日:2014/01/04 (土)

バーンスタインとの2番が充実したできだったので、当演奏にも興味がもたれたが、反面もうひとつ奏者が曲に合わないのではないかという思いもあった。その理由として、ツィマーマンのスタイルは確かに曲の音楽的側面にも充分に心くばりされたものではあるが、それが内面の直接的放射というより一旦デジタル的に解析され客観化されたものの集積のように感じられるからである。言葉を換えれば下書きされたものを塗り絵で埋めていくような印象があるわけである。それで1番というのは2番のような老獪な複雑さがないかわりに青春的な叙情が純粋に表現されていると考えられ、その点で奏者とのスタイルと合うかということではあるが、聴いてみてはからずも、その予感は的中してしまった気がする。そもそも正直なところ第1番の演奏で小生の限られた聴験の中で納得したものは正規録音ものとしてはセル/フライシャー盤のみである。バックハウスもギレリスもポリーニもアシュケナージも余り良くなかった。その理由としては第一楽章の第2主題をはじめとするピアノパートの透き通るような和音のデリカシーにあるのではと考えられる。これなくして音楽にある濃密な夜の叙情と青春の息吹というべきものは伝わって来ない。

M さん | 愛知県 | 不明

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ブラームス(1833-1897)

1833年:北ドイツのハンブルクでヨハネス・ブラームス誕生。 1843年:演奏会にピアニストとして出演。作曲家、ピアニストのマルクスゼンに師事。 1852年:ピアノ・ソナタ第2番が完成。 1853年:ピアノ・ソナタ第1番、ピアノ・ソナタ第3番が完成。 1854年:ピアノ三重奏曲第1番、シューマンの主題による変奏曲が完成。

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