フルトヴェングラー&ベルリン・フィル/ベートーヴェン:交響曲第9番、1942年4月19日ライヴ
2021年07月28日 (水) 17:45 - HMV&BOOKS online - クラシック
フルトヴェングラーの運命を左右した歴史的ドキュメント。
空前絶後の『第九』ライヴ。UHQCDでさらに音質UPされて再登場!
演奏は「ものすごい」の一語に尽きる。・・・指揮者もオーケストラもいつもとは気の入れ方がちがう。ときには狂気の凄味を見せる。(宇野功芳、『レコード芸術』誌「新譜月評」より)
1942年4月、戦況の悪化のなか、国民統合の象徴としてフルトヴェングラーに総統誕生祝賀演奏会を指揮させようと画策した宣伝大臣ゲッベルスの圧力の前に、それまでほかに演奏スケジュールを入れ要請を断っていたフルトヴェングラーもついに屈服、ナチス党旗を前にして指揮する羽目に陥りました。この日の演奏はドイツ全土にラジオ放送されたため、ラジオ中継音源が遺ることに。演奏の終楽章一部はナチスの宣伝用ニュース映画に撮られました。フルトヴェングラーとしては不本意ながらの指揮であるはずなのに、戦時下、ナチス党幹部を背にしての極限状態のなかで行われた指揮は、「メロディアの第九(同年3月のライヴ)」をも凌ぐ激しさ! ヒトラーに対する怒りの爆発ではないかとも思われ、まさに凄絶の極みです。すさまじいまでの集中力と緊迫感で応じるベルリン・フィルの合奏力は文句なし。怒涛の進撃、熱狂の迫力、『第九』への崇高美がきわだつ空前絶後のライヴです。
音の良さで話題を集めた「VENEZIA」から音源提供をうけて、2014年にキング関口台スタジオでリマスタリングして初の国内盤を発売(キングレコード、KICC1158)。いまは入手難になっておりましたが、このたびキングインターナショナルから「高音質CDの決定版」であるUHQCD仕様にして再発売! 80年前とは思えない驚愕の音で、「世紀のドキュメント」をご確認ください。
初出となった国内盤は『レコード芸術』誌で推薦を獲得しました!
【『レコード芸術』(音楽之友社刊)2015年1月号「新譜月評」より 宇野功芳推薦】
1942年4月19日、ヒトラー生誕記念日前夜祭のライヴ。終楽章のラストのみ映像が出ているが、あとは初出。拙著「ベートーヴェン不滅の音楽を聴く」では51年、52年、53年盤を同列1位に挙げたが、いま、この42年盤をそこに加えたい。同年3月の定期公演ライヴは問題にならない。
録音はノイズが多く、一種異様な音も入っている。ヒトラーの妖気か狂気か。演奏は「ものすごい」の一語に尽きる。56歳のフルトヴェングラーは若い。当然第3楽章などは後年の神技におよばないが、他の部分は荒れ狂っている。第1楽章の冒頭主題はいちばん遅いかも知れない。テンポは絶えず流動、しかし音楽の呼吸と一致しているため、不自然ではない。他の指揮者ならこわくて出来ないような大きなリタルダンドも現われる。それよりも何よりもベルリン・フィルの必死のひびきとその鳴り具合が尋常ではない。指揮者もオーケストラもいつもとは気の入れ方がちがう。ときには狂気の凄味を見せる。
円熟味不足の第3楽章はそれゆえにこそ感情があふれ切っている。そして終楽章! 爆発だ! 大爆発だ!! テンポは常に切迫する。オーケストラだけのフーガは果てしもない加速で突撃、コーラスの二重フーガからラストまでは大迫力の連続となりティンパニはたたきつけ、コントラバスはうなり、ついにプレスティッシモでは全員が地ひびきを立てながら突進する。」(販売元情報)
【収録情報】
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
エルナ・ベルガー(ソプラノ)
ゲルトルーデ・ピッツィンガー(アルト)
ヘルゲ・ロスヴェンゲ(テノール)
ルドルフ・ヴァッケ(バス)
ブルーノ・キッテル合唱団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
録音時期:1942年4月19日
録音場所:ベルリン、旧フィルハーモニー
録音方式:モノラル(ライヴ)
アドルフ・ヒトラー総統誕生記念日前夜祭コンサート
音源提供:VENEZIA
日本語帯・解説付
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