激ロック×HMV&BOOKS online vol.90

GENRE：LOUDROCK, POST HARDCORE
サバプロの歴史を辿る、10周年記念リテイク・ベスト・アルバム完成
今年、結成10周年を迎えるサバプロが、自身の活動を総括するリテイク・ベスト・アルバムをリリースする。今作は、単にシングル曲をまとめたようなベストではなく、メンバーがそれぞれの視点で選曲したDiscと、クルーとファンの投票により選出された楽曲を収録したDiscがあり、サバプロというバンドを多面的に理解することができる作品となっている。特にメンバー選曲のものは、選んだ当人がリアレンジしているとのことで、それぞれの個性が分かれていて面白い。ジャンルの垣根を越える音楽性を発展させてきた彼らだけに、「Fool's gold」のような比較的初期のラウドな楽曲も一周回って力みが抜け、音楽との向き合い方を楽しむバンドの今のスタンスがわかって好感が持てる。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, HARD ROCK
メイド服のハード・ロック5人組が放つライヴ映え必至の最強盤
世界を股にかける5人組ガールズ・バンドによる4thアルバムは、原点回帰／現点進化（※造語）をテーマに掲げ、バラエティに富む曲調を揃えた渾身の仕上がりだ。ライヴで鍛え上げたスキルをフル回転させ、緩急を踏まえた当意即妙の演奏が冴え、楽曲至上主義を貫く良質曲が並んだ。攻めて、聴かせて、観客を巻き込んで一緒に頂点を目指すアプローチはライヴ巧者の辣腕が光る。ゴシック風味のイントロから一気に緊張感を帯びていく「Warning!」、骨太のヘヴィ・ロックで攻め立てる「CHEMICAL REACTION」など、多彩な攻めで聴き手を翻弄する最強の1枚と言っていい。爆発力漲るサウンドをぜひ食らってほしい。通常盤のみインスト曲「without holding back」を収録。
荒金 良介 【ライター推薦】

GENRE：POP PUNK
試練に負けずポジティヴに活動を続けたAIRFLIPの信念が詰まったミニ・アルバム到着
2019年10月にメジャー1stフル・アルバム『NEO-N』をリリースして全国ツアーを行い、“まさにこれから！”と勢いづいていた彼らにとって、パンデミックによる活動の制限はかなり歯痒いものだったのではないか。さらに昨年10月にはRitsuya（Dr/Cho）が脱退というつらい状況が重なったが、それでも前向きに活動を続けた彼らの信念が、このミニ・アルバムには詰まっている。明るいほうへと突き進む、力強い言葉、そしてしなやかなメロディ。さらに、ポップ・パンク・シーンきってのテクニカルなギタリスト、Kubotyをサウンド・プロデューサーに迎えたことで、ギター・サウンドにぐっと重みが増した。アニメのタイアップも決まり、エンジン全開で突き進むAIRFLIPの今後が楽しみになる作品だ。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：ALTERNATIVE ROCK, POST ROCK
凛として時雨らしい鬼気迫るアンサンブル＆各楽器の咆哮が炸裂
舞台版“PSYCHO-PASS”主題歌含む1枚をドロップ
TKと345のハイトーンVoの切迫感のある掛け合い、徐々にひずみの濃度を増すヘヴィなギター・サウンド、憂いと陰影を濃くして正誤の軸が揺らいでいくパラノイア的なメロディとサウンド展開で、リスナーを揺さぶる「Perfake Perfect」。清濁併せ呑んだ危うげなバランスで成り立った人の心の繊細さ、脆さ、そのカオスを捉えていく曲はまさに凛として時雨の真骨頂で、特に後半の鬼気迫るアンサンブル、各楽器の咆哮が凄まじい。今作は、アニメ開始時からTV、劇場版と主題歌を担い作品の世界観を彩ってきた“PSYCHO-PASS”の舞台版“舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 2”の主題歌として書き下ろされた。c/w含め、作品のファンもカタルシスを味わえる1枚だ。
吉羽 さおり 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK , SYMPHONIC METAL
“バンドリ！”発リアル・バンド Roselia
まだまだ躍進を続けていこうとするバンドの強い意志が表れたニュー・シングル
昨年2020年は“第14回声優アワード”で“歌唱賞”を受賞し、ますます注目を集めているRoseliaの11thシングルが到着。技巧派バンドらしいテクニカルなフレーズから幕を開ける表題曲の「ZEAL of proud」では、相羽あいな（湊 友希那／Vo）の力強いハイトーン・ロング・ヴォイスに圧倒された。メンバー5人のソロ歌唱パートを取り入れたBメロも聴きどころ。c/wの「Blessing Chord」は、荘厳な鐘の音と激しいロック・サウンドが融合した1曲で、疾走感のあるサビメロには自然と気持ちが昂る。2021年もまだまだ躍進を続けていこうとする、バンドの強い意志が表れたような1枚に仕上がった。Blu-ray付生産限定盤に収められた単独ライヴ“Rausch”の模様も要チェックだ。
宮�ｱ 大樹 【ライター推薦】

GENRE：HEAVY METAL, HARD ROCK
結成40周年迎えた“北の凶獣”SABER TIGER
聴き応え十分のリレコーディング・ベスト・アルバム・シリーズ第5弾リリース
札幌で結成された“北の凶獣”ことSABER TIGERが、今年結成40周年を迎えた。その記念すべき年にリレコーディング・ベスト・アルバム・シリーズ第5弾を発表。幾多のメンバー・チェンジを経て、現5人体制で挑んだ本作はベテランの風格漂う極上のヘヴィ・メタルが炸裂。メンバー個々の技巧の高さはさることながら、プログレッシヴ且つ日本人の琴線と情緒を刺激するメロディ・ラインに妙に引き込まれる。エッジ鋭い刺激と滋味豊かな音色の融合は、年輪を重ねたバンドにしか出せない味わい深さを感じさせる。また、7分前後の展開美を重んじたスリリングな曲調も聴き応え十分だ。ジャパメタの真骨頂を叩きつける「Jealousy」、13分超えのラスト曲「Eternal Loop」における起伏に富むストーリー性も圧巻。
荒金 良介 【ライター推薦】

GENRE：POP, POP ROCK
巷で話題の最狂アイドル“ロンちゃん”
豪華ゲスト・ミュージシャンも参加した、聴きどころ＆ツッコミどころ満載のデビュー作
最上もがも推しアイドルとしてTwitter上で紹介した、“ロンちゃん”ことBRAHMAN／OAUのRONZI（Dr）がソロ・デビュー作を発表。すでに公式YouTube（必見！）でチェック済みの人も多いかもしれないが、ド直球の下ネタの中に鋭いメッセージ性を織り込み、コミック・ソングとはギリギリ（？）一線を画した女装アイドルという新たなジャンルを開拓。歌メロだけにフォーカスを当てれば、老若男女に愛されそうな耳馴染みのいいメロディが盛りだくさん。そこに思わず破顔せずにはいられない歌詞が乗ることで、自然と笑みが零れるロンちゃんワールドを展開する。お友達のゲスト・ミュージシャンの豪華さに加え、全体を通して聴きどころ、ツッコミどころは満載。世界をハッピーにさせる最狂のアイドルだ。
荒金 良介 【ライター推薦】