【インタビュー 】スワーヴドライヴァー:アダム・フランクリン

2019年02月04日 (月) 17:30

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UKが誇るシューゲイズレジェンド、スワーヴドライヴァーの約4年ぶりとなるニューアルバム『Future Ruins』が1月25日に発売された。

今作では、ウィルコ、ルー・リード、スティーリー・ダン、ジョアンナ・ニューサム、ソニック・ユースなどの作品を手掛けてきたT・J・ドハーティがレコーディングエンジニアを務め、その酩酊感たっぷりのメロディとファズギターのサディスティックな妖美に彩られたサウンドは、まさにバンドの現在進行形のコンセプト”スペース・トラベル・ロックンロール”の真っ芯をとらえたものとなっている。

ジザメリ、スロウダイヴ、ライドといった往年のシューゲイザーバンドが復活を遂げている昨今、これが”シューゲ復権”の決定打となるか? 今回、バンドのフロントマン、アダム・フランクリンにニューアルバムについて語ってもらった。


−スワーヴドライヴァーが活動休止してからは他バンドやソロとしての活躍も見られましたね。しかし、10年越しにまたスワーヴドライヴァーを再結成しようと思ったのはなぜですか?きっかけがあったら教えてください。

俺はスワーヴドライヴァーが活動再開した後も、他のプロジェクトのレコーディングをしてたよ。スワーヴドライヴァーが新しい作品をリリースしてからはフルアルバムは作ってないけど。数年前にレコードストアデイ用にデヴィッド・ボウイとモーターヘッドのカバー曲の7インチは出したけどね。もちろんスワーヴドライヴァーの音楽は大半は知られているもので、音楽を作るのは楽しいし、多くの人に届くものだよ。スワーヴっぽい音楽、特に新しい作品と共に演奏するのが正しいと感じるんだ。俺たちはただ昔の曲ばかり演奏するのは嫌なんだ。新しい音楽を探求するのはワクワクするよ。

−今作についてお話をお伺いしたいと思います。スワーヴドライヴァー本来のアグレッシブなバンドアンサンブルはそのままに、デジタルサウンドの割合が増えたように思えます。テクノロジーを駆使したサウンドを取り入れた理由や惹かれるきっかけはありましたか?

シンセサイザーのこと? だったらそうだね。このアルバムではコルグのミニローグで何曲か作ったよ。それからジミーが「Ether Pad」っていう君の電話でも演奏できるシンセサイザーを持ってるよ。俺は必ずしも意図的なものが必要だとは思ってないんだ、もっと探求する事で起こる自然な進化だね。ジミーは常に最新のちょっとした機械装置に興味があって、俺は古いシンセサイザーのプッシュボタンが好きなんだ。俺たちのレコードのバックグラウンドには、シタールのサンプルや教会の鐘やチェロといった質感を作成するための「エキゾチック」な音が常にわずかに存在してるだ。

−自身のバンドサウンドを「スペース・トラベル・ロックンロール」と例えていらっしゃることもありましたが、1998年リリースの『99th Dream』以降、スペイシーなサウンドも多く、宇宙を彷彿とさせるような開放的な音楽が増えましたね。20年経ってリリースされた『Future Ruins』でも継続され、さらに磨きがかかったように思えます。何かこだわりはありましたか?

う〜ん・・・自分たちをそんな風に言ったことはないよ。多分それはただの歌詞で、それでEPの名前になったんだ。どんな風に言われてても気にしないよ。全てのレコーディングは少し「サイケデリック」な感じに考えがちなのには違いないけど、何とも言えないな(笑)。

−今作では、ルー・リードやソニック・ユースなどの名だたるアーティストの作品に携わった名エンジニアのT.J.ドハーティがレコーディングエンジニアを担当していますね。彼と制作を共にするきっかけは何だったのでしょうか?また、彼と仕事をしてみてどうでしたか?

T.J.ドハーティとは長年の友達なんだ。90年代には俺たちの演奏をよく見に来てたな。2000年代になってから彼はレコーディングエンジアとして仕事をするようになって、すごく忙しくなった。ソニック・ユース、スティーヴン・マルクマス、スティーリー・ダン、ウィルコ・・・グラミー賞を獲る様なたくさんの音楽を手掛ける様になったんだ。でもスワーヴドライヴァーとは今まで仕事をしたことがなくて、だからツアーの終わりにアルバムをスタートさせるために彼をLAに呼んだんだ。彼との仕事は最高だったよ。彼は俺らの今までの作品の豊富な知識を持ってるからね。

−タイトルの『Future Ruins』は、単語だけ見ると悲観的な印象を受けますが、逆に楽曲は華やかで、どれもポジティヴな姿勢を感じます。このタイトルに込めた思いを教えていただけますか?

君がポジティヴだと感じてくれて嬉しいな。同意見だよ。世界は今、奇妙なところにある。核の姿勢、地球温暖化、移民問題、ホームレスと強欲。シリアで爆撃された都市、現代のロケットによって砲撃された美しい古代遺産の事を考え、絶望するのは簡単だけれど、彼らが言う様に希望は常に湧きいでる。その希望を握り、物事をより良くするために努力しなければならない。そして音楽は1つの方法だろ? だからアルバムジャケットにはニューヨーク、コニーアイランドのスペンサー・ビューリー(Spencer Bewley)によるイメージが完璧だと思ったんだ。それは未来的に見えるけど、もしコニーアイランドが将来の世代が見る事ができる唯一のものだとするなら、オリジナル猿の惑星の最後に自由の女神があるみたいな感じ。なんて奇妙なんだろうと思うよ。

−今作は今までにないほどジャンルレスな楽曲が多く、バラエティに富んだ作品となっていて、新しいスワーヴドライヴァーの姿が感じられました。何か意識されたことはありますか?

大したことじゃないよ。君は導かれるところが分からず、結末が好きかどうか分からないとしても、そこに辿り着くまでの旅が楽しいんだ。

−特に印象的だったのは「Everybodys Going Somewhere & No-Ones Going Anywhere」で、セクシーなアダムの歌声に驚きました。ヴォーカルの多彩なアプローチも今作のポイントだと思いますが、こだわりはありますか?

セクシー?それはどうだろうね(笑)。でも驚きだね。あれは美しいインストルゥメンタルの様な曲で言葉を入れるべきかどうか分からなかったんだ。でも言葉があの感じに合うかもって、挑戦してみる価値はあるなと思ったんだ。あの言葉を歌ってみたんだけど、いい感じに聞こえなかったから、話す言葉じゃないとダメだった。 あまり意図的な感じじゃなく、自然と歌に合う様なものだね。

Spiked Flower

The Lonely Crowd Fades in the Air



−バンドを再結成した時は希望に満ち溢れていたと思います。再始動後2枚目の作品を迎えて、次のステージへ進んだスワーヴドライヴァーですが、再結成当時のような希望は今も満ち溢れていますか?

俺たちはスワーヴドライヴァーでいる義務がある!

−ここ数年でシューゲイザーバンドの活躍は目ざましく、世界は再びシューゲイザームーヴメントの兆しを見せています。日本にも多くのシューゲイザーファンがいます。あなたたちから見て、90年代の頃と今のシューゲイザー(またはムーヴメント)の違いは何かありますか?

そうだな・・・人々はテクノロジーによってシューゲイザーサウンドを更新している。 すべてが進化しなきゃ。

−90年代当時、「シューゲイザー」という言葉はあまりいい意味で使われていなかったそうですね。しかし、2019年現在では1つのジャンルとして多くの人から愛される存在となりました。そんな今、スワーヴドライヴァーが「シューゲイザーバンド」といわれるのは、どんなお気持ちでしょうか?

スワーヴドライヴァーは一般的にはもっとロックンロールなサウンドとして受け入れられていると思うんだけど、でもシューゲイザーの要素を持っているとは思うよ。その点で俺たちは自分たちの立場にとても満足してるよ。

−結成から間もなく30年ほど経ちますが、バンドとして何か変わったことはありますか?

俺たちはスワーヴドライヴァーの音の本質、それを取り入れ続ける必要があると気が付いたんだ。同時に全ての事柄は日々変化するから、30年後には結成当初とは異なった見え方をしてる。そうじゃなかったら変だろ? でも決して変わらないこともあるよ。君が言うように、素晴らしい新しい曲を聞いた時の興奮とか、その気持ちは決して失わないよ。

−このアルバムを機に、スワーヴドライヴァーの音楽に初めて出会うという、若い世代の音楽ファンも多いと思います。そんな若者や、新しいリスナーたちに対して一言いただけますか?

昔からのファンの人たちと同様に、俺たちを発見してくれた若い世代の心にも訴えたいと思ってるよ、本当に。今は世界中の若者にとって物事はもっと難しいと思うけど、経済的なこととかね。もちろん物事を変えることは若者の手の中にあり、日本の若者が未来を築く上で大きな役割を担っている。新しいリスナーに向けての俺のメッセージ? 目上の人には親切にして、楽しんで、そしてお金の奴隷にならないでね! あっ、スワァーヴドライヴァーのライヴを観に来てくれよな!

−昨年から今年にかけてマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ライド、スロウダイヴといったシューゲイザーを代表するバンドたちが次々に来日しています。スワーヴドライヴァーは来日されるご予定はありますか?

そうだね、日本に戻りたいね! 君たちの国は海外の人たちにとって常に独自の魅力を持ってる。東の玄関口みたいな感じ、今まで日本に行って戻って来た人で日本からエネルギーを感じなかったって人に会ったことないよ。多くの点で、日本はすべての技術の進歩において凄く未来的だけど、それでも古き良きものは残ったままになってると感じる。今年日本にまた行きたいなと思ってるよ。

−最後にメッセージをお願いします。

音楽がエキサイティングで励みになるもの、これらの不安定な時代に持ちこたえるポジティブな何かでありたいと思ってる。 または、みんなに陽気に、そして一緒に歌ったりして興奮してもらいたいな!

インタビュー●宮谷行美(音楽ライター)


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