【インタビュー】POWERWOLF / Falk Maria Schlegel

2018年07月13日 (金) 20:15

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ドイツの誇るパワー・メタルの狼の群れ、パワーウルフがニュー・アルバム『ザ・サクラメント・オブ・シン』を発表する。

ヘヴィで荘厳、そしてメロディアスな音楽性、英語・ドイツ語・ラテン語を駆使した歌詞、そして白塗りメイクと僧衣のヴィジュアル性など、孤高の世界観を築き上げた彼らだが、新作でもその唯一無二のアイデンティティは健在だ。

いよいよ日本に夜襲をかけるべく牙を光らすバンドのオルガン奏者、ファルク・マリア・シュレーゲルが語った。

――あなたはバンド結成以来のオリジナル・メンバーですが、それから音楽性はどのように変化してきましたか?

パワーウルフが結成したのは2003年だけど、当時はよりトラディショナルなメタル・サウンドだった。俺はバンドのキーボード奏者で、当初はハモンド・オルガン的なサウンドを追求していた。でも教会のチャーチ・オルガンのサウンドを取り入れたらすごくクールだったんで、その要素が強くなっていったんだ。チャーチ・オルガンはギターよりもヘヴィになり得ると思う。パワーウルフの音楽性と一体化することで背筋がゾクッとするサウンドになる。『ザ・サクラメント・オブ・シン』ではチャーチ・オルガンやクワイア、オーケストラ、バグパイプまで取り入れているんだ。ただもちろん、ヘヴィでラウドなギターはたっぷりフィーチュアされている。これはメタルのアルバムだからね!

――“ヘヴィなオルガン・サウンド”は具体的にどんな曲でフィーチュアされていますか?

「クロイツフォイア」(『陰翳礼讃/プリーチャーズ・オヴ・ザ・ナイト』<2015>収録)のオルガンはすごくヘヴィだと思うし、新作では「ファイア・アンド・フォーギヴ」にもヘヴィなオルガンが入っている。「ダイアモンズ・アー・ア・ガールズ・ベスト・フレンド」のオルガンはヘヴィではないけど、曲全体のムードに作用していて、一種のダークなムードを出している。このアルバムのハイライトのひとつだと思うね。

――あなた自身はチャーチ・オルガンの教会音楽の専門教育は受けましたか?

家にオルガンがあって、少年時代から弾くようになったんだ。それで教会の日曜礼拝で弾くこともあった。でも、その時期はロックに目覚めて、日曜の朝っぱらから教会に行くことがなくなってしまった。アイアン・メイデンが好きで、彼らのショーが町に来ると必ず見に行っていたよ。その頃から、ヘヴィ・メタルにオルガンを取り入れたかったんだ。ただ、オルガンをフィーチュアしたメタル・バンドなんて滅多にいないし、需要もなかった。今の仲間たちと一緒にやることになったのは、運命だったとしか言えないね。

――影響を受けたロック・オルガン奏者はいますか?

ジョン・ロード(ディープ・パープル)とか...実際にはあまりメタルでオルガンを弾いているプレイヤーがいないから、自分で手探りで、新しい道を切り開く必要があったんだ。ロック・キーボード奏者で共感を覚えるのはエピカのコーエン・ヤンセン、それからラムシュタインのフラケかな。彼らは良いキーボード奏者だし、エンタテイナーとしても素晴らしい。オーディエンスを乗せるのが巧いんだ。

――パワーウルフの音楽は宗教音楽からどのように影響されているでしょうか?

パワーウルフの音楽は決して宗教音楽ではないんだ。宗教や歴史上の出来事を題材にしたりモチーフにしている。聖書や宗教関係の本、それから歴史に関する本も読むのが好きなんだ。それらは俺たちの音楽をよりエキサイティングにしてくれる。俺は小さな町に生まれて、カソリックの家庭に育ってきた。バンド全員がキリスト教文化で育って、それが俺たちの音楽に影響をおよぼしていることは確かだ。ただ、俺たちは特定の宗教を信じてはいない。俺たちのスローガンは“METAL IS RELIGION”だ。身も心もメタルに捧げているし、メタルの宣教師なんだ。

――白黒の顔面ペイントや僧衣のコスチュームなどには、どんなこだわりがありますか?

俺たちの顔面ペイントはブラック・メタルの“コープスペイント”と比較されることがあるけれど、決して特定のメッセージやプロパガンダをアピールしているのではない。自分たちの音楽のヴィジュアル・イメージなんだ。ショーの前、いつも2時間ぐらいかけてメイクをする。別の存在に“メタモルフォーゼ(変身)”していくんだよ。そして、このメイクは俺たちのアイデンティティでもある。俺たちはデビューしてからメイクを進化させてきたし、俺たちみたいなメイクをしているバンドは他にいない。そしてこのメイクは、パワーウルフのコミュニティの証明でもあるんだ。ファンも同じペイントやコスチュームでライヴ会場を訪れるんだよ。

――新作の「シュトスゲベット」はドイツ語とラテン語で歌われていますが、ラテン語というと荘厳でシリアスなイメージに対し、coitum(性交)やphallus(陰茎)、sanguis virgum(処女の血)など、下ネタも交えていますね。

うん、よく気付いてくれたね(笑)。ドイツ人でも「ラテン語だからきっとシリアスなことを歌っているに違いない!」と思っている人がいるよ。でもパワーウルフの歌詞にはダブル・ミーニングやヒネリがあって、シリアス一辺倒にはならないようにしている。ユーモアの要素もあるんだ。これまでにも「レザレクション・バイ・エレクション」なんかでキリスト教と下ネタを融合させたり、ユーモアは忘れないようにしている。

――あなたは個人としてクリスチャン、あるいはアンチクリスチャンですか?

毎週日曜日に礼拝に行くタイプではないけど、俺は“何か”の存在は信じている。良い行いをして他人に寛大であれば、きっと自分にも良いことが返ってくると考えているよ。そんな考えはキリスト教とも合致している。もちろん多くの宗教と共通しているだろうけどね。

――「ナイトサイド・オブ・シベリア」や「ウェアウルヴズ・オブ・アルメニア」ではロシアやアルメニアっぽいメロディが取り入れられていますが、それはどの程度、それらの国の正統な音楽なのでしょうか?

どちらも必ずしも“正確”なロシア音楽だったりアルメニア音楽ではないんだ。「ウェアウルヴズ・オブ・アルメニア」のメイン・パートは俺が書いたけど、“それっぽい”雰囲気を出したんだよ。専門家が聴けば「これは違う!」と思うかも知れないけど、俺たちは決して“正確”なロシア音楽やアルメニア音楽をやろうとしているわけではないからね。大事なのはその場のフィーリングだよ。「ウェアウルヴズ・オブ・アルメニア」はダウンチューニングでヘヴィだけどキャッチーで、一緒にコーラスを歌えるし、ライヴでいつも盛り上がるんだ。「ナイトサイド・オブ・シベリア」は元々、80人以上を殺害したロシアの大量殺人鬼(ミハイル・ポプコフ)からインスピレーションを得て書いたんだ。でも、あまりに胸糞の悪い事件だし、そのまま曲にはしたくなかった。それで「ナイトサイド・オブ・シベリア」としたんだ。この曲もきっとライヴで盛り上がると思う。ぜひ日本のステージで一緒に歌いたいね。その日が来るのが楽しみでならないよ。

取材・文 山崎智之




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