【インタビュー】DEVILDRIVER / Dez Fafara

2018年07月05日 (木) 17:30

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遥か昔の1950年代、大衆的音楽として市民権を得たカントリー・ミュージック。そのメインストリームに牙をむいた荒くれ者たちの音楽がアウトロー・カントリーだ。

デヴィルドライヴァーの新作『アウトローズ・ティル・ジ・エンド Vol.1』(7月6日世界同時発売)はそのアウトロー・カントリーの名曲を、彼らならではのアレンジでカヴァーした作品だ。メタルとアウトロー・カントリーが正面衝突を起こしている刺激的な今作は多くのアーティストを感化し、ゲスト参加へと繋がった。バンドのフロントマン、デズ・ファファーラが熱く語る!

取材日:2018年5月25日


――新作には、ハンク・ウィリアムスを祖父に持つハンク・ウィリアムス3世、ランディ・ブライとマーク・モートン(ラム・オブ・ゴッド)、ウェンズデイ13やブロック・リンドー(36クレイジーフィスツ)、バートン・C・ベル(フィア・ファクトリー)、フィアのリー・ヴィング、さらにジョニー・キャッシュの息子であるジョン・カーター・キャッシュまで、多くのゲストを招いていますね。制作にどれくらいの期間を費やしたんでしょうか。

Dez:制作期間は2年くらいだな。想定していたよりも遥かに長い時間と労力を費やしたよ。最初はオリジナル・アルバムのリリースの合間に、カヴァー作品をリリースしよう!という軽いノリだったけど、そんな甘いもんじゃなかった(笑)。参加してくれたゲスト・ミュージシャンのジャンルも多岐に渡るからね。メタル、ゴシックロック、パンクロック、カントリーと4つのジャンルのゲストをまとめることは本当に大変だった。そんな苦労の中でゲスト・ミュージシャンたちは素晴らしかったよ。彼らは誰一人、金のために参加したやつはいなかったんだ。“ジャムりながらグレイトな作品を作ろうぜ!”という気持ちで全員が一致団結していたんだ。

――ジャムりながらとおっしゃいましたが、ゲストもスタジオに入って一緒にレコーディングしたということですか。

Dez:その通りだ。80年代以降、音楽で大切なものが失われてしまった。バンドが一緒にレコーディングするということをしなくなったんだ。60年代、70年代はバンドが同じ空間で音を出し、曲を書いて、ゲストも一緒になって参加していた。それがいつの間にか、別々になって一緒に音を出すことをやめちまったんだ。80年代の音楽は“俺が!俺が!”っていうエゴに満ちているよ。俺は同じ空間で顔と顔を突き合わせて音を出したかったんだ、古き良き時代のやり方でね。さらに、ジャンルの境界も超えたコラボレーションをこの作品で実現させたかったのさ。

――ゲストはあなたのプライベート・スタジオにやってきて録音したわけですね。あなたが出向いてレコーディングを行ったケースもあるんですか。

Dez:ジョニー・キャッシュの代表曲「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」はテネシー州にあるジョニー・キャッシュのスタジオ=THE CASH CABIN STUDIOで録音したよ。そこですごい経験をさせてもらったんだ。実はスタジオの中にあった暖炉にサインをさせてもらったんだけど、俺の名前のすぐ近くにウィリー・ネルソンやクリス・コーネルのサインを見つけた。その瞬間、音楽の歴史に俺の名を刻めた気分になって最高だったよ。 俺の死後50年くらい経って、孫がそのサインをCABIN STUDIOで見つけてくれるかもしれない…、なんてこった(笑)!今回の作品は、ただ1枚のカヴァー・アルバムを作った以上の価値を俺に与えてくれたんだ。

ここだけの話、半年前に一度制作を断念しようと思ったことがあった。でも、マネジメント会社や妻が尽力してくれたおかげで完成させる事ができた。辛い時に妻に言われた“楽して手に入れたものに良いものなんてない”って言葉には救われたよ。『アウトローズ・ティル・ジ・エンド Vol.1』は、ヘヴィーなメタル作品だけど、かつてないスタイルを持っているんだ。みんなに聴いて欲しいって心から願っているよ。

――リリースに先駆けて公開された「カントリー・ヒーローズ」はアルバムのオープニング・トラックに相応しい威風堂々たる楽曲ですね。冒頭の悪魔的なヴォーカルは、あなたの声ですか。

Dez:あの声はハンク・ウィリアムス3世だ。最高だよな!

面白い話があるから聞いてくれよ。ある日、ハンクから30枚くらいのCDが届いた。それを聴いてみたら、そのCDの中には多重録音された彼の声が恐ろしいくらい収録されていたことがあったんだ(爆笑)。

「カントリー・ヒーローズ」は彼の曲で、本人を招いてカヴァーするプランもハンク自身からの提案だったのさ。彼は偉大なカントリー・シンガーでありながらパンクロック・バンドでもプレイしている。それに楽器はなんでもプレイできる天才だよ。一番初めに今作に参加してもらいたくて声をかけたのは、まさにハンクだったんだ。


――他に注目すべき楽曲はありますか?

Dez:「ア・サウザンド・マイルズ・フロム・ノーウェア」と「アウトロー・マン」では、俺と一緒にギタリストのニール・ティーマンが歌っているんだ。その歌声が信じられないくらい素晴らしくてね。あいつの声は、次作の秘密兵器になる可能性を秘めているよ。

――私はアウトロー・カントリーを表現するとき、“アメリカ南部の貧しい若者たちのパンクロックがアウトロー・カントリーである”と説明しています。どう思いますか?

Dez:ハハハ!“パンクロックであり、メタルでもある!”だな。俺はパンクロックを聴いて育った、GREEN DAYやSUM41じゃなくてBLACK FLAGやDEAD KENNEDYSといったリアルなパンクロック・バンドをね。実はパンクロック・カヴァー作品を作ることも考えたんだけど、SLAYERが既にやっただろ?

――『Undisputed Attitude』(1996年発表)ですね。

Dez:そうそう。それにLAMB OF GODもBURN THE PRIEST名義でパンクロックのカヴァー作品『Legion: XX』を出したところだ。あれは最高だと思うね。だから、断念したんだ。

――以前のインタビューで、“過去と同じことは絶対にしたくない”とおっしゃっていましたね。

Dez:そうなんだ。過去にやったことを繰り返すことはしたくない。俺は道のないところを突き進んで新しい世界が見たいんだ。芸術家が本来目指すべきはその道だと思う。赤と青を塗れば売れる絵になるから、それを塗る画家もいるかもしれない。でも、俺はそれをリアルなアートだとは思わないし、その手法は取らない。トレンドに迎合した結果、ラジオ・ヒットが生まれて作品が売れることもクールだけど、俺は自分の心に正直な音楽を作った方が良く寝られるんだ(笑)。

取材・文 澤田修



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