【インタビュー】IRON ANGEL / Dirk Schroder

2018年06月22日 (金) 18:00

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32年振りとなる復活作『HELLHOUND』をリリースしたカルト・ジャーマン・スラッシュメタル・バンド、IRON ANGEL を率いる唯一のオリジナルメンバーでヴォーカリストのダーク・シュローダーへのインタビュー。

――32年振りとなるニュー・アルバムです。今のお気持ちをお聞かせください。

32年振りのアルバムを遂に発売することができて素晴しいよ。オレにとっても大きな意味を持つと思う。そしてレコードも発売される。それを手にした時には感動したよ。ここにたどり着くまでに様々なことがあった。サウンドとパフォーマンスの面で言うと、シリアスなミュージシャンはそれらに完全に満足するということはなかなかないと思う。もっといいものを、もっと違った方法で別のものを創れるかもしれないという感覚を持っているからね。でもオレはこの愛しい作品にとても満足しているよ。

――セールス・ポイントを教えてください。

パワーと真実さ。そしてエネルギッシュなアルバムだよ。そして多様性も兼ね備えているね。基本的に自分たちがやるべきことをやるべき方法でレコーディングした。そのエネルギーはプロダクションではなく、自身のパフォーマンスからのみ得られるものなのさ。オレのヴォーカルは80年代よりもさらに表情があって、表現力も増していることに気が付いた。これは本当のレコードだし、真のパフィーマンスと気を封じ込めたアルバムさ。

――楽曲はどのようにして完成させるのですか?

新しいメンバーになったけど、昔から同じ方法さ。ギターでリフを創って曲の全体像を生み出す。それにアレンジやアイディアを加えていくのさ。それからそれにあったヴォーカル・ラインを見つけ出していき、さらにアレンジを施していく。全てを変更することもあれば、一回で完全な曲ができることもある。最後にドラマーのマックスと歌詞を書いて完成さ。かつてのドラマーであったマイクも同じように歌詞を書いていたからこれがIRON ANGELの決まり事のようだ。

――アルバム・タイトル“Hellbound”はどのようにして決めたのですか?

レコーディングが終了したときに誰かが「”Hellbound”がいいよ!シンプルだし、覚えやすいしね。」と提案してくれた。当初は「Phoenix From The Ashes」というタイトルで決まっていた。オレたちの歴史や時間を考えるとこれしかなかった。でも「Hellbound」の方がシンプルだし、タイトル・トラックもあるし、結果こっちの方が気に入ったということさ。

――今回のプロデュースを担当したマイケル・ハーンについて教えてください。

彼はスタジオのオーナーでもあり、ミックスとマスタリングも行ってくれた。彼の起用はギターのミッチが提案したのさ。マイケルのアプローチはオールドスクールな方向だったし、オレ達も納得した。彼はオレ達のようなメタル・バンドとのレコーディングは初めてだったから、ある意味チャレンジだったよ。でもエンジニアのアンドレアスと一緒になって必死に仕事をしてくれた。

――あなたが影響を受けた音楽を教えてください。

全ての音楽が好きだけど、影響を受けたのは80年代のNWOBHMのバンドだ。JUDAS PRIEST, IRON MAIDENを筆頭に素晴しいバンドが存在した。いつも彼らの曲を熱唱しては自身を探していたと思う。現在のオレは特定のジャンルに依存しているわけではないので、どのようなものに影響され、その源泉を特定し説明するのは不可能だ。

――あなたにとって大切なアルバムを5枚教えてください。

■IRON MAIDEN / The Number Of The Beast
“Run To The Hills”を聴いたときにピンときた。これだっ!という感覚さ。

■AC/DC / Back In Black
10代のオレにはすべてが完ぺきなアルバムだった。無くてはならないアルバムだ。

■SLAYER / Reign In Blood
当時他のメンバーがブルータルなスラッシュ・メタルに熱中していたがオレは何とも思わなかった。でもこのアルバムはオレの頭の中で何度もリピートされたよ。

■ANTHRAX / Fistful Of Metal
彼らのデビュー・アルバムはNWOBHMに似た雰囲気を持ったアルバムだ。これはオレの心を捉えて離さなかった。彼らの影響で自身のサウンドがさらにアグレッシヴになったね。

■QUEENSRYCHE / Operation: Mindcrime
これはマスターピース!すべてが素晴しい。ジェフ・テイト独自の世界観があるよ。このアルバムが発売されたときにはすでにIRON ANGELは存在していなかったけど、大いに影響されたさ。


――アルバムの中からオススメする曲を教えてください。

正直、全ての曲がオススメさ。それぞれが個性を持っていると思う。でもどうしても曲を選択して欲しいというのであれば”Carnivore Flashmob”と”Waiting For A Miracle”だ。最初の曲は強烈だし、素晴らしいコーラスが収録されているよ。後者はシンガーとしてフレーズやアレンジにチャレンジできる余裕があった楽曲さ。

――今回バンドが復活した経緯を教えてください。

ベースのディディの友人がIRON ANGELのライヴやレコードを観たり、聞いたりするたびに思い出深いと語ってくれたらしい。それがオレにとってはとても印象的だったし、バンドのことを覚えていてくれるファンが今もいるんだと認識できた。それからメンバーを集めて一緒にまた活動すべきでは?と話し合った。自身が楽しみ大好きなライヴを行うためにもね。それから人々からメッセージやリクエストが届くようになり、バンドが復活してくれたらハッピーという言葉がとても目についた。それで再結成を決意したのさ。周辺も流れもオレ達も絶対にそうするべきだと感じていた。


――現在のラインナップを教えてください。

友人でもあるベースのディディはトーステンが脱退した後の1986年に加入した。そして彼がIRON ANGELのファンでもあったギターのミッチを連れてきてくれた。彼がこのニュー・アルバムのほとんどの曲を書いている。かつてのIRON ANGELが持っていたスピリットをうまく捉えているよ。今ではバンドの中心メンバーさ。もうひとりのギタリストであるロバートは2016年に加入した。彼はバンド内に新鮮な空気を運んでくれたよ。ドラマーのオーディションに現れたマックスにはぶっ飛んだ。メタルのプレイを熟知しているし、スネア一発が放つエネルギーに圧倒されたね。それからバンドへ加入してアルバム制作にも参加してくれた。驚いたことに彼には歌詞を書く才能も持ち合わせていたのさ。

――1986年にバンドは解散しましたが、その理由は何だったのですか?

唯一の理由はバンドが一丸となってよりクリエイティヴに活動する術がわからなかったということさ。「Winds Of War」のレコーディングが終了するとベースのトーステンがバンドを脱退したので、新たにガンターを代役に立てKING DIAMONDとのツアーを行う必要があった。レコーディング中にはすでに脱退劇の前触れというか全員のテンションが下がっていたし、次第にメンバーの方向性が定まらなくなってしまった。よって「Winds Of War」が分裂的な印象を与える仕上がりになってしまったと思う。スヴェンは80年代のグラム的な要素を取り入れ、商業的なサウンドを望んでいたし、亡くなったピーターは全面的にスラッシュの方向性を考えていた。今思えばみんなが納得する方向性を見出すことはもはや不可能だったよ。マイクとオレはコマーシャル性と速くアグレッシヴなテイストを組み合わせようとトライしていたけど、すでに内部は分断されていたし、それぞれが自身の道を進んでいくべきだという思いが固まっていたと思う。そういう理由さ。


――80年代のIRON ANGELの活動を振り返って、印象的だったことや今思うことは?

クールな時間だったよ。メタル・シーン全体が大きな友情のようなものだった。オレ達は10代のキッズだったから何も考えてなかったし、ただただ楽しかったね。ベルリンで「Hellish Crossfire」のレコーディングをしていた時にドイツで有名だったクラブ、S.O.U.N.D.Sで一晩中パーティーをしたことを想い出す。ほんとよくパーティーをやっていたよ。思うようなギター・ソロが弾けなかったピーターは高価なギターをスタジオ内で叩きつけて壊したりしていたよ。信じられないだろ?他にもたくさんの思い出があるけど、話せないことばかりさ(笑)。全体的に言えることは何でもチャレンジしていく精神性はすごかったと思う。人々には奇妙に思えることでもそのイメージは紛れもなくロック・スターの証だったよ。でも真実を話すと1986年5月に行ったKING DIAMONDとのツアー以外のライヴは小さなクラブがほとんどだった。時が大きく流れてバンドは伝説のような存在になったけど、みんなが思っているほど大きな存在ではなかったと思う。アルバムは2枚しか発表できなかったし、残念ながら活動期間は短かった。でもその思いを胸に復活できたことは本当に誇りに思えることさ。

――今後の夢を聞かせてください。

「Hellbound」が評価されて順調に売れることだ。あとは孫の成長を楽しみにしているよ。オレにとっては家族が最も大切な存在だ。そしていつかタバコを止めることさ(笑)。

――これからのツアー・スケジュールは?

現時点でヨーロッパでのライヴは確定している。でも世界中でプレイしたいと思っているので、いずれ日程が決まればアナウンスできると思う。楽しみに待っていてくれ。

――日本のファンへメッセージをお願いします。

IRON ANGELのダークだ!日本でプレイする機会があればみんなと会おう。その時を楽しみにしているよ。


2018年 最新作

Hellbound

CD輸入盤

Hellbound

Iron Angel

価格(税込) : ¥2,400

発売日: 2018年06月20日

1986年発表 2ndアルバム

Winds Of War

CD輸入盤

Winds Of War

Iron Angel

(1)

価格(税込) : ¥2,674

会員価格(税込) : ¥1,998

発売日: 2014年01月13日

購入不可

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