【コラム】In a SCAR / Junichi Nakamura 第4回

2017年05月26日 (金) 19:00

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【コラム】『Arde Conmigo』

初めましての皆さん、毎度ありがとうの皆さん、おはずんだ(おはようの意味、一向に浸透しない)。スペインで活動中のJ-METALバンド In a SCARのJunichi です。昨年末に1stアルバムを逆輸入と言う形でリリースさせてもらって以来コラムを書かせて頂いてますが、最初から文化の違いやら事件やらでスペイン=変な国と言うイメージを与えてしまったので、今回は反省しまして僕の住んでいるバルセロナでガイドブックには載っていない変な「通り」を散歩したいと思います!(反省の色なし)でも、ちい散歩みたいに食べてばかりではここで書く意味が無いので勿論音楽と絡めて書いていきたいと思います。


皆さんはバルセロナと聞いて何を思い浮かべますか?サグラダファミリア、フラメンコ、闘牛、パエージャ、1992年バルセロナ五輪応援ソング、光GENJIの「リラの咲くころバルセロナへ」等でしょうか?確かにサグラダファミリアは有名ですが、フラメンコ、パエージャはバルセロナと何の関係もありませんし闘牛は法律で禁止されています。意外ですよね!?闘牛禁止は僕も来るまで知らなかった(笑)そんなバルセロナを今回ちい散歩、いや、じゅん散歩するのは「タジェール」と言う道です。スペインは全ての道に名前が付いています。どんなに細くても短い道でも名前が付いているので便利ですね(コラム4回目にして初めてスペインを褒めた)。ここに行くにはまず「プラザカタルーニャ」と呼ばれるバルセロナの中心街、東京で言えば渋谷ハチ公前、大阪で言えばミナミ三角公園、茨城県日立市で言えばシビックセンター前(誰も知らない)に行かないといけません。


プラザカタルーニャはどのガイドブックにも載っていると思います。あのサグラダファミリアからも地下鉄で4駅。なので写真の様に観光客で溢れかえってます。日本からの方も多いです。そしてこの道は「ランブラス通り」と呼ばれる道です。ランブラスの意味は「並木通り」、となると「並木通り通り」と言うわけで井上陽水の「ホテルはリバーサイド、川沿いリバーサイド」を思い出してしまいました。そしてこのランブラス通りから2本目を右に曲がると今回の目的地「タジェール通り」に着きます。この「タジェール通り」はバーやレストランも多く、週末の夜になると地元の人、観光客でごった返してます。また楽器屋やCDショップ等も多く、メタルやゴシックな服を置く店もあるのでメタルやゴシックファッションに身を包んだ人達も大勢います。バルセロナ唯一のそう言った店が集まる場所ですね。昔の竹下通りを想像してもらえたらわかり易いかもです。


この通りに入って100メートル左に何やら真っ黒いゴシック感溢れる服ばかり置いている店があります。「PINK PEPPER」と言う店です。こんなエロい服いつ着るんだ?と思うような叶姉妹テイストもある店ですが、実は最初のMVで着ている服はここで買いました。ビデオをリリースした当時、良く宣伝してもらっていたのでお礼も込めてCDをプレゼント。店長「えー写真撮るの?恥ずかしい!綺麗に撮って!」なんてしおらしい事言ってるわりには谷間を強調し過ぎ…あとスカート短すぎ!

店長のスカートが短すぎるので次へ。その服屋の隣に老舗のCDショップがあります。何軒かありますがちょっとボロいので恐らくここが1番古いでしょう(笑)。バカでかいCUREの看板が目印の「DISCOS REVOLVER」。メタル専門ではありませんがほとんどメタルしか扱っていない様子でした。入るとディズニーランドのカリブの海賊に出てきそうな男発見!よし、この海賊が店長だなといきなりどのバンドのCDが売れているか聞くと若干「なんだチミは!?」的な様子。「そうです、あだすが変な日本人です」と志村風には斬り込みませんでしたが、親切に不動の人気はMetallica とかSLAYER、新しいバンドはあんまり売れないと言うことを教えてくれました。以前のコラムでも書いた通りここの人はあんまり新しいバンドを探して聴くと言った習慣が無いからでしょう。でもそんな想像通りの在り来たりな答えをもらっても困るのだ…海賊なら何か面白いこと言ってくれ…じゃあ売れてなくても良いから店長イチオシのバンド教えてと言ったら、店長はデスメタルの「GOHST」と言うバンドがイチオシなようです。そうそう、そういうのどんどん言って!と思ってた矢先、日本のバンドも好きだよ!とのこと。X JAPANとかLOUDNESSとか…LOUDNESSは毎年バルセロナに来るからね。でも1番は「Moi dix Mois」かな、と…なんと、この太鼓っ腹のカリブの海賊からMoi dix Moisの名前が出るとは意外(笑)おじさんはMALICE MIZERも好きなようです。なんと麗しいおじさんでしょうか。胸のポッケに薔薇を差してあげたくなりました。おじさん、Mana様が大好きでこの店でMoi dix MoisのCDを扱っていたこともあったそうです。でも今は輸入盤を扱うのが難しく扱ってないそうです。そう、遠まわしにこの店に僕のCDを置くのを断られました(笑)でも親切になぜ置けないのか説明してくれましたが「バーコード」「税金」などの単語が云々言ってました(あまり聞いてなかった)。単に労働力と仕入れ値の割りには儲からないらしいです。なので今まで唯一取り扱ったバンドがMoi dix Moisだけだったらしいです。


※ただ僕の記憶が正しければまだ本格的にここに住む前、最初にバルセロナに来た2009年当時BLOOD STAIN CHILDのCDも見かけたような…

この店を出ますと、バー、タトゥーショップやら靴屋、服屋。観光地特有の自転車レンタル、タバコ屋と日本じゃ吸ってはいけないタバコ屋(笑)が続きますがギターを主に扱った楽器店も数軒あります。ならば私もギタリスト、弾き倒してやる!と意気込んで入ってみたものの日本の楽器屋さん特有の「いらっしゃいませー!、どんなギターお探しですか?」と言う接客は無く、いかりやがいたら「声が小さい!」と言われそうな「おいっす」でした(笑)挨拶してもらえただけ良い方で、質問するまで何も言わない楽器屋がここでは普通です。何でもヨーロッパではお客様は神様です、の精神は無く店員と客は同等らしいです。楽器屋に限らずスーパーやマクドナルドもそんな感じですけどね。ここでも店長らしき男にどんなギターが1番売れているか聞くと「フェンダー」らしいです。納得。ストラト、レスポールとスタンダードなモデルばかりで、ギターキッズの僕がテンション上がるようなアーティストモデルや変形ギターはありませんでした。アンプは家用の小さいのが数台、エフェクターも数個のみ扱っているようで何となくせつない雰囲気…日本のメーカーは?と聞くと以前はESPなども扱っていたそうですが、そんなに高級なギターの需要がここでは無いので仕入れても売れない可能性もあり、だったら無難にフェンダー、ギブソンをと言うわけで今は日本のメーカーは一切扱ってないそうです。そうか…我祖国日本産のギター好きなのにな…と思った矢先、思い切り「Tokai」の文字が…おい!思いきり日本のメーカーじゃないか!(笑)この野郎、一体何の為の嘘説明だったんだ?さっきまでの説明はもしかしたら全部嘘か?と疑心暗鬼になりつつも大好きなJohn Sykes風なモデルだったのでちょっとテンション上がりました。


こうやって試奏すると日本の楽器屋さんならもう買いますから勘弁してください!と思うくらい商品の説明してくれますが、ここではアンプのスイッチだけ入れてピックもくれずに去って行きました。まぁたいそうなツンデレですこと(笑)音はとてもアンティックな音、と思いきやただ弦が錆びてただけでした…ずこー。値段は450ユーロ。なんて悩むのに丁度良い値段なんだ…ライヴ、レコーディング用には安すぎる、家用には高すぎる。この悩ませ上手!!よし、こうなったらカゲヤマさんに頼もうと思いましたが「また連絡しますわー」とスルーされそうなのでそっと店を後にしました。


と、今日のじゅん散歩はここまで。特に魅力的な物、珍しい物も無く、それでもバルセロナのメタルファンにとっては唯一共通の趣向を持った人と会える場所なのではないでしょうか。以前はもっと多くのメタル、ゴシックな服やアクセサリー等扱う店、メタルバーやメタルバンド用ライブバー等が多々あり、それらのファンが多く集まる一角だったらしいですが悲しいかな今は普通の服や靴の店がそれらよりも多くある通りに変わってしまったそうです。それでも今も生き残るファンに向け細々と営業している感が否めません。僕とは反対の目線でもし彼らが階別にジャンル分け楽器分けされている東京のCDショップや楽器屋を見たらどう思うのだろうかとも思いました。メタルのみならず音楽ファンにとっても音楽は生活があった上での娯楽の一環、その生活が並々ならぬ経済不況でままならないのでは娯楽が廃れてしまっても仕方のないことかとも思います。まずは強く生きなければならないと言うわけで…こうして武器も売っています。


ドラクエの武器屋か(笑)こうした中でも冗談交じりに明るく、悪く言えば能天気に過ごせるのはスペイン人の強さなのかもしれません。そんなスペインの状況なので、日本と比べるとどうしてもレコーディングやその他諸々の作業に不便を感じてしまいました。だから今までもCDをリリースしてきましたが今回のCDがどうしてもかわいく思えてしまうのは当然かなとも思っています。手のかかる子ほどかわいいみたいな。

Junichi / In a SCAR


デビューアルバム

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In A Scar

(3)

価格(税込) : ¥2,700

会員価格(税込) : ¥2,484

まとめ買い価格(税込) : ¥2,295

発売日: 2016年12月28日

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