【コラム】In a SCAR / Junichi Nakamura 第3回

2017年04月06日 (木) 23:00

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【コラム】『Arde Conmigo』

皆さんご無沙汰してます、オイーッス(突然のいかりや口調で)。スペインのバルセロナで活動しております In a SCAR の Junichi です。昨年末に逆輸入J-METALバンドとしてアルバムを日本でリリースさせて頂きましたが、今回は現地スペインでレコ発ライヴを行いました。が、さすがスペインですね。ネタ満載なので今回その事をコラムに書かせて頂きたいと思います。

時は遡ること三ヶ月前、年末の日本一時帰国前の僕はあれ食べたい、これ食べたいと食べることしか頭に無い日々を送ってましたが、フェイスブックであるライヴのフライヤーを見かけました。そこに何と In a SCAR のロゴもあり、場所も僕達が住んでいるバルセロナでは無くスペインの首都マドリッドと書いてあるでは無いですか!とりあえず笑いました(笑)普通だったら「聞いてないよー!!」とダチョウ倶楽部ばりの突っ込みを入れるべきですが私、もう5年も住んでおりますので突っ込みません。様子を見ようとそのまま日本に行きました。

それから2、3週間後にスペインに帰国しますと今度はやれライブでの使いまわし機材がどうだ、ホテルがどうだ、持ち時間がどうだの話を主催者側がしてくる始末でした。これにはさすがに「姉さん、事件です」(ここだけ高嶋口調で)とホテル繋がりで突っ込み入れました。すると主催者側は「去年、その話してたでしょ?」と…。そう、してました…。でも去年ですよ!さらに「来年ライヴ一緒にしたいね!」なんて社交辞令にもならない挨拶じゃないですか。百歩譲ったとしても情報解禁する前にせめて日にちの確認くらいは?と言う会話を始めようと思いましたが、郷に入れば郷ひろみと言うわけでCD出した後でタイミングも良いし条件も良かったので承諾しました。マドリッドと言えばスペインの首都ですしバルセロナのバンドがなかなか向こうでライブ出来るわけでは無いらしいです。僕は前バンド PLASMA JET の時も含めて3回マドリッドでライブしていますが現に他のメンバーは行った事さえ無いらしく大賛成でした。地方のバンドが東京でライブする感覚でしょうか…ただ僕達はもうこの時点で主催者側の罠に嵌っていたわけです。ただあまりにも好条件過ぎて「怪しいな」とは思っていたのですが他の3人はついにマドリッドでライブが出来る!と言うわけで浮かれてましたし、僕自身も「まぁ、いいか」程度に考えていたのが悪かったのかもしれません。主催者側とのやりとりを全てヴォーカルのアドリアンに任せてしまいました。

ライブ当日、僕はAVEと言う新幹線で当日入りしましたが他の3人は旅行気分で浮かれ前日から夜行バスでマドリッド入りし観光を堪能していました。In a SCARはドリフを尊敬しているのでいかりや役の僕はいつも別行動です(半分本当)。ギャラもドリフと同じくいかりやが50で…、あ、口がすべりました。次行ってみよー!とにかくAVEは2時間半でバルセロナからマドリッドに行けますが、バスは8時間かかります。と、電車やらマドリッドの街の話をすると音楽からは離れたコラムになってしまうので省略。鉄道マニアの方は是非AVEをググって下さい。とにかくマドリッドは同じスペインでもバルセロナとは違って「シュっとしてる」「垢抜けてる」と言った感じです。


当日は17時入りと言うわけで、郷に入れば郷ひろみで僕は18時半に着きました。今回はぴったり遅刻したので問題ありませんでした。すると何か様子がおかしい…メンバーがホールの上で僕を待ってましたが見るからに元気が無い。他のバンドもどことなく申し訳なさそうな雰囲気でした。全く意味がわからないのでメンバーに聞いてみると「今日のギャラが全く払われない」と言うことらしいです。理由はホールへの手付金額が上がった為らしいです。真偽の程はわかりませんがそれをライブ前日に主催者側から言われたらしいです。ギャラの金額云々でライブをするしないを言っているのでは無く、莫大な交通費くらいは何とかなりそうだったのでこのライブを承諾したのです。その上スペインはライブ終了時間が遅い為、ホテルも取っており将に八方塞。それでふと思い出したのがライブの条件を書いた「契約書」です。日本はそういう文化はあまりありませんが、欧米は契約社会なのでどんな小さなライブでも主催者との契約書があった事を思い出しました。しかし今回は書いて無いとのことでした。もう最初からこの話自体「ダメだこりゃ」(当然いかりや口調)なわけだったのです。


当然当日キャンセルも考えました。ですがもう数時間後にはライブが始まる上に他のバンドで無く In a SCARを観る為にチケットを買ったり果ては他の国からも来ると言う方がいたので納得なんて全くしてませんでしたがライブをしました。


と、ここまで書きましたが怒りと言うのは実は全くありません。良い事か悪い事かわかりませんが文化の違いへの「慣れ」です。例えば、日本でこんな人を騙すような事はある意味「恥」です。良く日本は「恥の文化」と言われる通り人を騙すと言う行動は相手へダメージを与えたとしても自分へも「恥」と言うものが返って来る文化です。そして日本人はその「恥」が返って来る事を何よりも醜いものと言う認識と言いますか、その思考がDNAに刷り込まれているので契約書なんて無くても「いついつライブをします」だけで済むと思うのです。ですが、ここは日本ではありません。その上、経済が破綻しています。1ユーロでも稼げるなら何でもする輩が大勢います。それを制止する物が契約書であり、本当に醜いものだと憐れんでいます。


そんな笑えないトラブルもありましたが、CDをたくさんのスペイン人が購入してくれたりライブ自体も良かったので今回は外国に住むと言う危機管理を疎かにした自分の戒めで「次行ってみよー!」と言うことで前向きに捉えています。何よりもつくづく日本て良い国だと再認識させてもらえたので結果オーライです。そしてそんな日本だけが持ってる感情に拘って作った「En este momento」と言うCDが日本の皆さんに受け入れられて本当に光栄です。

Junichi / In a SCAR


デビューアルバム

En este momento

CD

En este momento

In A Scar

(3)

価格(税込) : ¥2,700

会員価格(税込) : ¥2,484

まとめ買い価格(税込) : ¥2,295

発売日: 2016年12月28日

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