ドワーフ研究の権威、ベーテ・有理・黒崎氏が大いに語る。『ArcheAge』ドワーフ実装記念特別インタビュー

2016年12月14日 (水) 15:30

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ファミ通 - ゲーム

●会議室にリアルドワーフが出現!?

 バラエティ豊かなコンテンツでプレイヤーに自由なプレイスタイルを提供し続ける、PC用MMORPG『Archeage』。2016年12月14日には大型アップデート“Archeage3.0 オーキッドナの憎悪”が配信される。その目玉となるのが、新種族となる“ドワーフ”と“ウォーボーン”の追加だ。


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ドワーフ男性

ドワーフ女性

ウォーボーン男性

ウォーボーン女性

 今回は、そんな新種族追加を盛りあげる企画として、本作を運営するゲームオン主催の特別インタビューが開催。ファンタジーにおける定番種族でもあるドワーフにたいへん造詣の深い、グループSNE所属のゲームクリエイターであるベーテ・有理・黒崎氏にその魅力を語っていただくこととなった。

 屋形船のオフラインイベントや鍛冶体験など、ゲームの自由度さながらの独創的な企画をこれまでに数々実施してきた本作。今回はどんな内容になるのだろうと内心ワクワクしながら、会場となるゲームオンの会議室へ足を踏み入れる。扉を開けた先で筆者を待っていたのは、ファンタジー世界から抜け出してきたかのような、完全武装の“リアルドワーフ”だった!


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 強烈なインパクトで出迎えてくれたベーテ・有理・黒崎氏は、グループSNEのゲームクリエイター。『ソード・ワールド2.0』などのリプレイ小説を、アメリカ出身・日本育ちならではの独特な切り口で展開されている。大きな体と立派な髭という容姿はまさにドワーフ。著作内でもたびたび話題にあげられるユニークな人物だ。また、プロ・フィット声優養成所卒の経歴を活かして、声優としても活動している。

 会議室という空間には異質すぎるそのビジュアルに思わずたじろいだ筆者だったが、「この装備、全部自前なんですよ。LARP(※)で使ってるんです」と笑顔で語るベーテ氏は非常に気さくで、インタビューは終始和やかに進行。得意とするファンタジー世界のなかでもとくに思い入れの深い、ドワーフの魅力をたっぷりと聞くことができた。

※ライブアクションロールプレイングの略称。TRPGのようなセッションを、仮装やアクションを駆使して進行する。


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■屈強で頑固な職人に“ヒゲ”が欠かせない!

 ここからは、実際のインタビュー内容をQ&A形式でお届けしていく。

Q1.ドワーフに精通されているベーテさんですが、ドワーフに魅了されたきっかけは?

A1.
 子供の頃から寝物語にC・S・ルイスの『ナルニア国物語』を聞かされて、ファンタジー世界に影響を受けていましたが、いちばん最初のきっかけは中学生のときにハマった北欧神話ですね。同時期にJ・R・R・トールキンの『ホビットの冒険』や『指輪物語』を読んでファンタジー世界の虜になりました。いずれもドワーフがフィーチャーされた作品だったので、そこが大きいかなと。

Q2.作品によって扱いや表現の違いはあるかと思いますが、「これぞドワーフ!」という共通のイメージやキーワードはあるのでしょうか?

A2.
 キーワードでいえば、“鍛冶”“職人”“戦士”ですかね。職人であり戦士であるというのが重要かと。地下に住む小人という大元の伝承に、トールキン先生がバイキングの要素をつけたのが、職人であり戦士というイメージが定着する原因になっていると思います。あとは“ヒゲ”ですね! 自分のヒゲもドワーフを意識して伸ばしてます(笑)。


Q3.なるほど。我々の慣れ親しんだドワーフのイメージにも共通しますね。では、ベーテさんの知る限りで、今と昔で作品に登場するドワーフの変遷などはあるのでしょうか?

A3.
 最初期のドワーフは妖精物語や北欧神話のドゥエルグなどのように、妖精や小人というだけの扱いでした。この頃は技術は持っているものの、戦士というイメージはなかったように思えます。また、金が好き、欲深い、疑り深いといったネガティブな要素も多かったのですが、多くのフィクションで扱われるうちに少しずつ削られていき、最終的には頑固な職人というポジションに落ち着いたようです。


■男性ドワーフは世界共通! でも女性は……?

Q4.日本と海外の作品でドワーフの描かれかたは変わったりするのでしょうか?

A4.
 男性のドワーフの描かれかたはほとんど変わらないです。技術や鍛冶に明るい、職人の一族、戦士の一族というイメージも共通してますね。一方で、女性に関してはだいぶ差があります。
日本のドワーフといえば、いつ頃かは定かではないですが、人間の少女のような姿で描かれることが多くなったと思います。
 海外では、昔のドワーフ像としての“女性にもヒゲが生えたビジュアル”はスポイルされがちですが、骨格や体格は明らかに人間とは違う種族として強調される傾向にあります。日本のドワーフも外見の幼さと成熟した中身のアンバランスさは特徴的なんですが……個人的に思うところいろいろあります(笑)。

――となると、ベーテさん個人としては女性ドワーフは海外の方が魅力的ですか?

 うーん、魅力的というのはおもしろい言葉ですね……(笑)。僕はファンタジーやサイエンスフィクションにおいて、“人間じゃない種族”というものにとても心惹かれるんです。だからこそ、ドワーフも種族としての個を持っていて欲しいし、ドワーフにあった骨格や体格にあった女性像があるべきだとは常々考えています。人間の少女に寄り過ぎたデザインは媚びすぎていて嫌だという思いはあるにはあるんですが、やはりかわいいものはかわいいので、完全に否定しているわけではないです(笑)。

Q5.ちなみに、ベーテさんがこれまで見てきた作品のドワーフのなかで、とくに印象に残っているものはありますか?

A5.
 ある古典TRPGで、機械の神を崇める種族としてドワーフが描かれていたのが印象に残っています。社会のなかでゼンマイのように働く姿は、よくある職人集団というイメージをさらに突きつめた結果のおもしろい解釈じゃないかな。衝撃度でいえば、女の子どうしが戦う日本の対戦型ゲームブックに登場したドワーフですね。それが自分の初めて経験した少女イメージのドワーフだったもので。それと、ミニチュアゲームやビデオゲームとしても展開されている、イギリス産TRPGの『Warhammer』があるんですが、そちらに登場するドワーフもスチームパンクな雰囲気が印象的ですね。なかには「失うものは何もないから戦って死ぬだけだ! ヒャッハー!」と鎧を脱ぎ捨てて裸一貫で突撃するモヒカン頭のドワーフもいて、個人的にはかなり好みです!

――流石ドワーフのパイオニアです。どんどん出てきますね!

 古典TRPGのひとつには、ドワーフがその世界の最多数を占める種族となっているものもあって、公用語もドワーフ語なんですよ。その世界にはドワーフの賢者とか、ドワーフの詩人とか、ほかの作品では見られないようなドワーフと職業の組合せが見られたので、印象に残っています。


Q6.いろいろなドワーフを見てきたベーテさんが個人的に「ドワーフならこれは外せない!」というとくにイチオシの要素はありますか?

A6.
 ぱっと見てドワーフだとわかる記号はヒゲですかね。男性ドワーフのヒゲに対する誇りと愛着は種族らしさがあると思います。また、あるTRPGでは男性が長いヒゲを編み込むスタイルが多いのに対して、女性はヒゲを短くシャープに整えることが身だしなみになっています。そういう設定にはワクワクしますが、女性にもヒゲが必要かと問われれば、あまりこだわりはないです。そういった意味では、小さくてがっしりとした体格、というのが男女共通のドワーフ像かもしれません。


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 そのほかにベーテ氏は、日本でドワーフ像を定着させた作品として小説『ロードス島戦記』を挙げ、エルフと仲がよくないという設定は『ホビットの冒険』や『指輪物語』が元になっているのでは、とも語った。


■『Archeage』のコミカルな男性ドワーフに大興奮

 ドワーフの魅力を存分に語ってもらったところで、次はベーテ氏に『Archeage』のドワーフを実際にプレイして体験してもらうことに。まずは本作のプロデューサー・石元氏より、ドワーフのバックストーリーについて解説が行われた。

 『Archeage』のドワーフは、現在実装されているほかの種族と同様に旧大陸を追われ、ヌイアンやエルフとともに西のヌイア大陸へと逃れた種族。その後は大陸のはずれにて、並外れた技術力を糧に再興を果たしていくが、急速な成長により土地が枯渇してしまう。そして、領地をめぐってとある種族と長い戦争状態にあり、今まで表舞台に出てこなかったとのことだ。戦争がひと段落し、全種族の指命である旧大陸の奪還に動き出すことが可能になったため、晴れてプレイアブルキャラクターとして登場したというわけである。

 本作のドワーフも、ベーテ氏のインタビューで語られたドワーフの共通イメージの例に漏れず、職人と戦士の気質をあわせ持った種族として描かれている。さらに、本作ならではの特徴として、技術力の結晶である“機甲兵”というロボットに乗りこんで戦うことも可能だとのことだ。

 種族解説が終わると、ドワーフのキャラクターメイクがスタート。まずは男性を作成することになったのだが、プリセットの顔リストを見たベーテ氏の第一声は「ヒゲのない顔も多いですね。」だった。インタビューに続いて、氏のヒゲへのこだわりがうかがえたひと幕である。その後、プリセットのなかから、ベースになりそうな好みの顔を選択。そこからさらにディティールを加えて、自分に近い顔を目指していく作戦のようだ。


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 髪型や目、鼻といった細かい調整をしていくベーテ氏がここであるポイントに注目した。「どうしてこんなにアゴのパラメータが多いんですか(笑)」

 『Archeage』には種族ごとに顔の調整項目が異なり、より種族の特徴を表しやすくなっている。ドワーフのアゴもそのひとつで、戦士らしいいかつさをとことん追求できるというわけだ。また、そのほかの項目を決めていく際には、「ドワーフの肌の色は作品によって結構違いがあって、すべて黒色というユニークな設定もあったりします。でも、古くからずっと地底に住み続けている設定のドワーフは、たいてい白色の肌で描かれますね。」と述べた。

 「ドワーフでタトゥーと言えば、『ホビットの冒険』に登場するドワーリンというキャラクターが、頭にルーン文字のようなタトゥーを入れてましたね。なので、外見的に違和感はなさそうです。」などなど、ベーテ氏ならではのこだわりとドワーフトークが次々と披露され、キャラメイクだけでもかなりの盛り上がりをみせた。無論、このボルテージはヒゲの選択で最高潮に達したのは言うまでもない。

 ほどなくして、ベーテ氏オリジナルのドワーフが完成! 最終的には、インタビューで話題に挙がった『WarHammer』風モヒカン頭のドワーフキャラクターも意識した仕上がりとなったようだ。


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 完成したキャラクターを使って序盤の探索も体験。自然豊かな集落のなかで際立つドワーフの機械群に注目しつつも、ベーテ氏がとくに気に入っていたのがドワーフの各種モーションだ。小さな体を思いきり振り回す動きは、どれもコミカルでおもしろいとのこと。また、本作のバラエティ豊かなエモーションにも驚いており、男性ドワーフの体験プレイの多くがドワーフに似合うエモーション探しに費やされていた。


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■少女的な女性ドワーフに妖艶さを見出す

 続いては女性ドワーフのキャラメイクとなったのだが、男性ドワーフのプレイ中に女性ドワーフのNPCとはすでに遭遇済み。本作の女性ドワーフはインタビューでも語られた人間の少女風の容姿だが、対面したベーテ氏は「全然嫌いではないです。普通の女性より少し身長が低いかな? くらいのアクセントがいいですね。」とおおむね好印象だ。

 そのうえで、キャラクターメイクではベーテ氏の理想的なドワーフ女子を目指したカスタムに悪戦苦闘。最終的にはドワーフの既成概念にあえて寄せない形に落ちついたようだが、それでも“人間以外の種としての個性”を追求するこだわりが各所から伝わってくる、ベーテ氏らしいキャラクターが完成したと言えるだろう。


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 キャラメイク後は男性ドワーフと同様に序盤のプレイを通して実際の動きを確認。こちらでも、ベーテ氏はキャラクターのモーションに強い感銘を受けていた。いわく、「一見少女のように見えて、お尻を振る歩きかたが意外とセクシーなんですよね。むっちりとした体つきも相まって、非常に個性的だと思います。」


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 ベーテ氏の言葉を受け、女性ドワーフの体をまじまじと見つめる男性記者一同だったが、ここで『Archeage』が生活系コンテンツに力を入れていることをきっかけに、話題はドワーフの日常生活に。「ドワーフの日常については、自著のなかでもよく考えたりします。鉱山で鉱夫を営んだり、鍛冶、宝飾、石工といった職人仕事に従事したりというのが一般的ですかね。食べ物に関しては、標高の高い鉱山ならそこで育つようなヤギみたいな動物がメインになりそうかな。あとは、酒好きという印象も強いです。」ドワーフで生活系コンテンツを楽しむなら、こういった要素をふまえたロールプレイに徹してみるのもおもしろそうだ。


■機甲兵の豪快アクションに酔いしれる!

 体験プレイの締めくくりとして用意されたのが“機甲兵”を使った戦闘だ。機甲兵はドワーフがレベル30で習得する固有スキルを使うことで一定時間搭乗可能となり、通常より遥かに強力なパワーで暴れられる。反面、装備によるステータス補正は適用されないというデメリットもあり、レベル50の状態であれば装備を更新したほうが性能は上回る。既存種族とのレベル差を素早く埋めるためのバックブーストとして活用してほしいとのことだ。


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 体験プレイでは序盤の敵を相手にいくつかのスキルを試し撃ちしたのだが、巨大なアーマーから放たれる重厚感たっぷりな攻撃はかなりのド迫力。ベーテ氏もドワーフの技術力の粋に感嘆の声をあげながら、視点移動でさまざまな角度から豪快なアクションを堪能していた。機甲兵の外見が上半身の大きなトップヘビーになっている点も、ドワーフらしい好印象なポイントとなっていたようだ。


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 また、ベーテ氏は“爆弾発射準備”や“次元のカーテン”といった物々しいスキル名にも注目。石元プロデューサーによれば、機甲兵は味方を支援したり、敵を妨害したりといった能力にも長けているとのことなので、力技だけではない戦術の幅にも期待が持てそうである。


■漢! ヒゲ! ロボ! のドワーフにこうご期待!

 体験プレイを終えたところで、あらためてベーテ氏に感想をうかがった。

Q7.体験プレイはいかがでしたか? 『Archeage』のドワーフでとくに印象に残った点があればお聞かせください。

A7.
 非常に楽しかったです! 印象に残ったのは、女性ドワーフの体型チョイスですね。日本の少女体型でもなく、西洋のずんぐりむっくり体型でもないむっちりとした体つきは、本作ならではのおもしろい解釈だと思いました。男性のドワーフも、ヒゲのないNPCがいるところには独創性を感じましたね。

Q8.最後に、全国のドワーフファンに向けて、『Archeage』のドワーフのひと言アピールををお願いします!

A8.
 ひと言でまとめなら「漢! ヒゲ! ロボ!」ですかね(笑)。もしくは「ちっちゃい女の娘がロボに乗る!」。どちらも響くかたはいるかと思います!


 ベーテ氏のノリノリな言葉で締めくくられ、インタビューは閉会となった。氏のドワーフ愛に感銘を受けたかたは、この機会に『Archeage』でドワーフ生活を楽しんでみてはいかがだろうか。


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▲インタビュー後に行われた記念撮影。石元プロデューサー(写真左)もベーテ氏の勇壮なコスプレに興味津々だった。



(C) 2012-2016 ArcheAge has been licensed by XLGAMES Inc. ArcheAge (R) is a registered trademark of XLGAMES Inc., Ltd. All rights reserved. Published by GameOn Co., Ltd.

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