昭和の香り炸裂 舞台「パタリロ!」ハチャメチャ&ハッピーに開幕

2016年12月10日 (土) 07:00

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12月8日(木)、世紀の舞台が開幕した。

実写不可能と思われていた大人気漫画「パタリロ!」がついに実写化、あの独特なキャラクターと世界観が、余すところなく、いや、予想をはるかに上回る高いクオリティでステージいっぱいに表現された、夢のような舞台となった。

初日公演を前に、公開ゲネプロと囲み取材が行われた。ゲネプロ前の囲み取材にはパタリロ役の加藤諒、バンコラン役の青木玄徳、マライヒ役の佐奈宏紀、そして演出の小林顕作が登場し、公演への意気込みを語った。加藤のキャラクターがゆえかもしれないが、最初から最後まで明るく朗らかな会見となった。

まず口火を切ったのは座長の加藤諒。「初座長ということで結構なプレッシャーがあったんですけれども、小林顕作さんについていきまして、なんとかパタリロになれたのではないかと思います。パタリロっぷりをぜひご覧いただきたいです」と挨拶した。そもそも見た目から既にパタリロ殿下以外の何者でもないのだが、非常に控えめだ。また「パタリロの世界を作る役目を担ってくれているので、ぜひ注目していただきたい」と魔夜メンズを絶賛する姿に座長らしい配慮と加藤の人柄を感じさせた。
「BLものの走りということで、バンコランとマライヒの・・・その辺を注目していただきたいかなと思います。僕自身もそういう芝居をするのは初めてでしたので、ぜひ」とコメントしたのは、バンコラン役の青木玄徳。スラリとした立ち姿、キリリとした美しい顔立ちは、写真で見た以上にバンコラン。声まで似ているのでご注目を。
そして「類まれなる未成年の色気を思う存分に発揮して盛り上げたいと思っております!」と元気いっぱいな挨拶をしたのは、今回最年少(19歳)の佐奈宏紀。見事な美少年ぶりを遺憾なく発揮。はにかむ笑顔と流し目の色っぽいこと・・・。
演出の小林は「この作品はとある年齢から上の方にはものすごく認知されている反面、下の方にはあまり認知されていないものですが、加藤諒くんが演るということで話題にしてもらえたので僕も期待しています。BLを最初にやった漫画ということで、その辺もふんだんに盛り込みたいと思いますし、ギャグ漫画ですので、80年代の大らかなギャグの世界を存分にやっていきたいです。脚本を書いたのは池田鉄洋くんなんですが、僕が“無茶に書いていいよ”と言ったら、本当に無茶に書いてきました。彼は“顕ちゃんが削るだろう”と思っていたと思うんですが、僕が本当にまんまやってしまいました」と明るくあっけらかんとコメントした。相当“ハチャメチャなことをしている”という言葉にワクワクしてしまう。


好きなシーンについて質問されると、加藤は「僕はマライヒとバンコランのラブラブシーンがすごく好き」とのこと。「二人の愛が純粋で見ていてドキドキしちゃう。男性と男性なのに全然見てられちゃうし、オススメです」と目力たっぷりに語り、笑いを誘った。
そしてここでも魔夜メンズの働きぶりに触れたのは佐奈。「ぜひ観て欲しい」とコメントした。

加藤の初座長について訊かれると、それぞれが口々に“素晴らしい座長”と誉めそやす中、演出の小林からは「諒くんがやりたいようにできること、そのままでいられることが大事なカンパニー。いえばマスコットのようなもの」と愛情たっぷりのコメントが。嬉しそうな加藤が印象的だった。


そして最後に加藤からお知らせが。何事かと思えば「加藤諒、カレンダーを出しましたー!」(笑)。舞台「パタリロ!」千秋楽翌日に、紀伊国屋でイベントをすることになったというのだが、パタリロの恰好でイベントに臨むとのこと。一緒に写真を撮れるというオマケもあるのだとか。ご興味のある方は、ぜひ。

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ゲネプロレポート



舞台が始まる前の客入れ時に流れる曲でなんとなくその舞台の雰囲気が知れるものかと思うが、これがまたなかなかの選曲で、昭和をトコトン意識しているのが分かる。
甲斐バンドの「HERO(ヒーローになる時、それは今)」、西城秀樹の「ヤングマン」、ジュディ・オングの「魅せられて」、桑名正博の「セクシャルバイオレットNo.1」、山口百恵の「プレイバックPart2」、ピンクレディーの「UFO」・・・いわゆる昭和のヒットメドレー。四十路や五十路に嬉しい曲のセレクション。果たして観客の年齢層に合致しているのかどうかはさておき、筆者の心は見事に撃ち抜かれた。その昭和の歌謡曲がミラーボールの妖しい光と相まって、これから始まる「パタリロ!」の世界への期待が高まる。

ギャグ満載でありながら、BLの先駆けのような描写が多用され、耽美で妖艶な「パタリロ!」の世界。どんな風に展開されるのか、ワクワクしながら開演を待った。


漫画同様にマリネラ王国のパタリロ殿下が英国ヒースロー空港に到着するところからストーリーが始まった・・・のだが、まあそこからの怒涛の展開がスゴかった。
基本のストーリーは漫画のそれを追っているのだが、その合間に挟み込まれる小ネタの数々がまずスゴい。再ブレイクを起こしている「飛んで埼玉」や同じく花とゆめに掲載されていた「ガラスの仮面」、ミーちゃん先生の登場など、ネタが随所に散りばめられている。


何はともあれ先ず触れるべきものは、パタリロ殿下役の加藤諒だ。とにかく、違和感がない。パタリロになり切っているから違和感がないのか、加藤諒がパタリロだから違和感がないのか・・・。最初から最後まで、TVなどで見るキャラクターそのままの“加藤諒そのもの”でありながら、“パタリロ殿下”でもあるという、一心同体なのかと思わずにはいられないほど、パタリロ役をものにしていたと言えるだろう。パタリロの持つ図太さや顔力を見事に体現。期待以上のハマり役だ。


タマネギ部隊のなりきりぶりもそれは見事。全員が同じカツラとメガネ、そしてひし形の口で同一化されているキャラクターを4人とも演じきっていた。正直な話、全てを外したオフの姿を見せるまでは、誰が誰だかわからなかったほどだ。元はイケメンたちの集団という設定になっているタマネギ部隊のオフシーンがフェロモン全開。期待を裏切らない。さすがである。
また、囲み取材で全員が口を揃えてその活躍を褒め称えた“魔夜メンズ”も、通常の黒子的な役割とは全く異なる、なんでもこなす活躍ぶり。しかも裏方“風”にしていながら、思いっきり前面に出てきて主張する、なかなか他では見ない演出も面白い。



そして忘れてならないのが、今回の見どころと言っても過言ではない、バンコランとマライヒとの濃厚にして耽美なシーンの数々。キスシーンも思いっきり振り切ってやってくれている。BLというと、なかなか妙なハードルができてしまうものだが、“美しいものは美しい”ということだけは伝えておきたい。目の前で見て、男女のそれ以上にドキドキさせられてしまった。まさに体当たりの演技、お見逃しなく。


舞台を観ながら、よく大御所のお笑い芸人の方たちが言う「昔はよかった」という言葉を思い出した。だんだん規制が厳しくなったり、自制する世の中に変わってきている昨今で、そうではなかったひと昔前の時代、ハチャメチャなことがまかり通った面白い時代が、ステージ上にてんこ盛りに盛られていた。紀伊国屋ホールという昔ながらの由緒正しい劇場での上演というのも“昭和感”をより強く感じられる結果となり、総合的に素晴らしかったと言える。


ハチャメチャぶりは最後の最後まで続く。ステージ上で、ストーリーの一環として、歌の歌詞として、2018年の春に第二弾公演が決定したことが発表される。最後の挨拶や千秋楽で発表されることはあっても、ステージ上で毎回これが繰り広げられるというのは見たことがない。斬新でありながら全てのお客様にきちんと情報を伝えるという意味で、とても優しい。古き良き時代の破天荒さとあったかさを感じさせられた。


最後に。
「クックロビン音頭」も「ゴキブリ走法」も、たっぷり堪能できるのでお楽しみに。

舞台「パタリロ!」は12月25日(日)まで、新宿・紀伊国屋ホールにて上演される。

「パタリロ!」とは

1978年に『花とゆめ』(白泉社)で連載が始まり、82年にはアニメ化もされた魔夜峰央氏のギャグ漫画。
マリネラ王国国王、パタリロ・ド・マリネール8世(通称:パタリロ)が周囲を巻き込んで起こす騒動を描く。掲載誌を同社の『別冊花とゆめ』『メロディ』に移し、現在はWebマガジン『花 LaLa online』で連載中。コミックスは既刊96巻。
スピンオフ作品も多数。テレビアニメのエンディングテーマにまでなったギャグ「クックロビン音頭」などでも知られる。

【原作】魔夜峰央

1953年、新潟県出身。横浜在住。1973年「デラックスマーガレット」(集英社)でデビュー。1978年、「花とゆめ」(白泉社)にて代表作『パタリロ!』の連載を開始。『パタリロ西遊記!』などのスピンオフ作品を生む大ヒット作となる。
1982年、フジテレビ系列で『パタリロ!』がアニメーション化。現在も『パタリロ!』を連載中。また、「まんがライフ」(竹書房)では年に1回、『眠らないイヴ』を掲載している。


公演概要



舞台「パタリロ!」

2016年12月8日(木)〜25日(日)
紀伊國屋ホール

原作:「パタリロ!」魔夜峰央
脚本:池田鉄洋
演出:小林顕作

CAST:
【パタリロ】加藤 諒
【マライヒ】佐奈宏紀
【タマネギ部隊】細貝 圭 金井成大 石田 隼 吉本恒生
【魔夜メンズ】佐藤銀平 吉川純広 三上陽永 柴 一平※Wキャスト 香取直登※Wキャスト
【バンコラン】青木玄徳
※魔夜メンズ…魔夜峰央の世界観全てを表現することが出来るスペシャリストに与えられた称号。別名、スペシャルエキストラ。

【声の出演】鈴木砂羽 池田鉄洋 西ノ園達大 大堀こういち

■公演詳細はコチラ


©魔夜峰央/白泉社(別冊花とゆめ・メロディ・花 LaLa online)


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