【コラム】In a SCAR / Junichi Nakamura

2017年01月30日 (月) 19:30

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HMV&BOOKS online - ヘヴィーメタル

L to R : Adrian (Vo), Junichi Nakamura (Gt & Key), Luis (Ba), Paul (Dr)


※1月30日追加:コメント・スペイン語ヴァージョン

 日本の皆様、初めまして。In a SCARと言うバンドでギターを弾いておりますJunichiと申します。In a SCARはJ-Metalバンドと銘打って活動しております。「J-Metal」と聞き慣れない単語かもしれませんが欧米では頻繁に使われる単語で(タカアンドトシは使ってない)要はJ-Pop等の延長で「日本の」を強調する意味で使われています。と言いますのも私はスペインのバルセロナに在住しスペイン人メンバーとバンド活動しております。スペインに来た理由は既に314159回説明したので今回は省略します(次回オファーがあれば314160回目書きます)。

このJ-Metalと言う単語を使うきっかけはバルセロナでライヴするようになってからです。閉鎖的で保守的で音楽がまだ発展途上なスペインでは誰も「J-Metal」と言う単語を使っていませんでした。その上、ライヴ1つするにも日本とは勝手が違い電話1本ではいきません。直接ホールへ行き支配人と話し気に入れられ(これ大事)、対バンを探し、使いまわし機材の手回し、チケットの手配等、毎回が俗に言う主催ライヴでした。それにスペインのバンドはあまりライヴをしたがりません。日本の何倍も不景気でホールを抑えるお金が無いのは勿論、何より面倒だから(笑)。それなのに月1でライヴをし続けてしまい完全に異端扱いされてしまいました。さらにリーダーがアジア人。差別もありました。もうどこに行ってもパンダです。そう、そこで私はパンダはパンダでもジャイアントパンダになろうと思い敢えて「何それ?」と言う質問を受ける為に「J-Metal」と言う単語を頻繁に使いました。要は自分から色物になったわけです。頭の古いスペインでは日本=アニメか寿司と言うわけで、よくわからないアニメのイベントにも出ました。それでふとパンダは気付いたのです。パンダは祖国中国でも大人気、ならば私もと言うわけで今回のCDを日本でも発売するに至りました。

と言う長い前置きでしたが(校長先生の朝礼の挨拶より長い)、早速今回のアルバムを紹介したいと思います。タイトルは『En este momento』、スペイン語で「この瞬間に」と言う意味です。速さやヘヴィさだけに拘らず1番の自分らしさ、「せつなさ」に拘りました。ヴォーカルラインは勿論、ギター、歌詞等全て。この「せつない」と言う感情をスペイン語に訳そうとしても単語がありません。1番近い単語で「悲しい」です。辞書を引いても「郷里を感じる」等しか出て来ません。きっと英語でもそうなのでしょう。この感情は日本特有のものだと思うのです。パンダはパンダにしか無い特技がある、ならば自分も自分にしか出せないものをと「こうあるべき」と言う固定概念を捨て自分から出てくるものを全て音に詰めました。その結果、一見統一感の無い曲の羅列に見えますが、聴き終えれば一貫した感情が詰まっている筈です。

01. Desamor (デスアモール)
意味はAmor「愛」の対義語です。愛の反対とは?人によって違うと思います。このアルバムのオープニングです。途中の語りは南スペインの有名歌手ペドロ(苗字は4つあるので長いので省略)。人への愛では無く過去、現在、未来への愛を語っています。

02. Kizu (キズ)
唯一タイトルを日本語にしました。その理由はとても深い訳があり…「傷」と言う単語をスペイン語に訳すととてもダサかった。それだけです。失ったものの大切さを失ってから気付く「定番せつない」。ヴォーカルに織り交ざるようこれでもかとギターリフも歌っています。私の中での「J-Metal」のイメージがこれ。


03. Arde junto a mi (アルデ・フント・ア・ミー)
最初のMVの曲でバンド結成当初に作りました。意味は「Burn With Me」のスペイン語訳です。今夜お前と…的な「エロせつない」。1番最初に録った曲でもあり、この曲を聴く度にヴォーカルに日本語の発音を付きっ切りで教えた記憶が甦ります。別な意味でせつない(遠い目)。ダンス調のサビがライブで盛り上がります。

04. Flor Marchita (フロール・マルチタ)
メタルではありませんが90年代のヴィジュアル系を彷彿とさせる1番自分らしさを出せた曲です。歌詞は失恋後いくら時間が経っても傷は癒されない「男のせつない」。この曲のギターソロは自分でも気に入っています。90年代の懐かしさでより一層せつなさを増します。

05. Dos Labios (ドス・ラビオス)
もう9年も前に作った曲をヴォーカルに聴かせたところ、すぐに彼がメロを乗せてきて気に入ってしまい録り直しました。ヴォーカルラインは完全に彼のアイディアです。ただどうしても演歌っぽく歌って欲しかったので「美空ひばり」を聴かせました。全くひばり感は出ていませんが…。よって「愛燦燦せつない」。タイトルの意味は「ふたつの唇」。別に坊主にして日焼けしてダンスを踊るつもりはありません。

06. Arrepentimiento (アレペンティミエント)
「後悔」、タイトル通りの内容です。お互い今日で終わりとわかっている男女が海辺を歩きながら思い出を話す「優しい別れせつない」、優しい別れ程寂しさが増す。ピアノのスローなバラードと相反するヴォーカルの叫ぶようなメロディが印象的です。

07. Yo Mismo (ジョ・ミスモ)
大好きな日本のビートロックを自分なりに弾いたロック・メタルナンバー。意味は「My Self」。生きる故に生じる理想と現実の違い、それでも挫けないで自分を奮い立たせる「せつない自分応援歌」。


08. Muestra tu Bandera (ムエストラ・トゥ・バンデラ)
2つ目のMVの曲でアルバムのクライマックス、2曲目同様自分なりの「J-Metal」のイメージです。直訳すると「お前の旗を見せろ」ですが旗を降ろすな、諦めるなの意味で書きました。あなた自身あなたが思ってるほどかっこ悪くないと言う内容です。単調なバック故にヴォーカルとギターのメロディが引き立っています。「せつないあなた応援歌」。

09. Amor (アモール)
1曲目の対義曲。1コードへのヴィブラートに全てを込めました。

10. P.J.〜日本盤ボーナストラック〜 (ピージェー)
アルバム最後の曲はラブソング。日本のあるものへの愛を歌っています。人でもモノでもありません。それが何かはギターソロ前のシャウトの「Yasai、Ninniku、Mashi」から察して下さい。

長くなりましたが、それでは次にレコーディング秘話を書いていきます。嘘です、もうしめます(笑)。こういう内容のCDです。少しでも思いを伝えたいので全てのトラックにおいてコピー、ペーストはしていません。皆さんがこのCDを手にとって聴いて少しでもその感想が記憶に残れば嬉しいです。

それではアディオス アディオス アディオス(日曜洋画劇場淀川さん口調で)

Junichi / In a SCAR


【バイオグラフィー】
2012年末、スペインのバルセロナで結成。翌年シングルを出すも日本人ギタリストのJunichi以外メンバーは常に流動的だったが、ヴォーカルのAdrianの加入をきっかけに活動を本格化。

泣きのメロディを前面に押し出したギターサウンドと懐かしさを感じさせるヴォーカルラインを軸にロック、メタル共に織り交ぜたサウンド。またスペイン人が歌う日本語歌詞も特徴の一つ。サウンドを簡潔に表すなら90年代のヴィジュアル系(デランジェやルナシーなど)+メロディックデス。


デビューアルバム

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CD

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In A Scar

(3)

価格(税込) : ¥2,700

会員価格(税込) : ¥2,484

まとめ買い価格(税込) : ¥2,214

発売日: 2016年12月28日

スペインから J-METALバンドが逆輸入デビュー

スペインから J-METALバンドが逆輸入デビュー

4年前、単身スペインに旅立った日本人ギタリストがスペイン人メンバーと共に結成したバンド、In a SCAR が逆輸入デビュー。

HMV&BOOKS online-ヘヴィーメタル|2016年10月27日 (木) 17:30

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