無人島 〜俺の10枚〜 【吉田省念 編】

2016年05月17日 (火) 18:00

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2011年〜13年くるりに在籍した経歴を持つ京都発、奇跡のシンガーソングライター吉田省念。くるりでの活動を経て、温めていた完全セルフプロデュースによる待望のソロ・ニューアルバム『黄金の館』が完成。遂にリリースされる。ゲストコーラスに細野晴臣と柳原陽一郎(ex. たま)。ドラムスには伊藤大地。

ここまで出てきた名前だけで『黄金の館』が素晴らしい作品だって事は容易に想像が付くのだけれど、実際再生してみると直ぐに「これは人生の中で大切な1枚になりそうだな」という予感めいた思いが湧き上がってくる。ロック、フォーク、ブルース、ジャズ、エキゾティック...さらにアンビエント、アヴァンギャルドまで様々にかつ深い音楽背景を感じさせるサウンド。なによりも、決して小難しくなく、ゆったりとリラックスした爽快でポップなメロディー。時間をかけて大きな評価を獲得していくタイプの作品みたいだ。

柳原陽一郎氏は、この作品を「ライ・クーダーや細野晴臣氏ら名工が作った作品の佇まい」と表現しているけれど、決してそれは大げさではなくて言い得て妙。

こんな素晴らしい作品を作る人の「無人島企画」。各ディスクに対するコメントにも彼の人柄と音楽への愛が溢れているようだ。

無人島 〜俺の10枚〜 【吉田省念 編】
音楽好きには、超定番の企画“無人島 〜俺の10枚〜” !!なんとも潔いタイトルで、内容もそのまんま、無人島に持って行きたいCDを10枚チョイスしてもらい、それぞれの作品に込められた思い入れを思いっきり語ってもらいます!ミュージシャンとしてルーツとなるもの、人生を変えた一枚、甘い記憶がよみがえる一枚、チョイスの理由にはそれぞれのアーティストごとに千差万別です!今回のお客様は、吉田省念 が登場。
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Elizabeth Cotten 「Freight Train And Other North Carolina Folk Songs And Tunes」
右利き用のギターをそのまま弦も張り替えずにサウスポーで弾くことにより、唯一無二のスタイルで独自のアルペジオにグルーヴが生まれている。Folkwaysレコードの代表作だと自信を持って言えます。ゆりかごに揺られた子供に子守唄を聴かせるような優しい歌声と、乾いたマキのような渋いギターのサウンド。多くを求めずにゆっくりと流れてゆく日常の営みを感じるとともに、ラグタイムギターとはこう言うものだと学ばせてもらったアルバムです。自分は彼女に憧れてマーティンのギターを購入したと言っても過言ではありません。


The Milk Carton Kids 「The Ash & Clay」
ロサンゼルス出身のアコースティックデュオ。彼らの音楽に出会ったのは2013年、「NPR Music Tiny Desk Concert」というNPR Musicがオフィスの一角で行っているミニコンサートの映像をみて知りました。黙々と曲を演奏していく彼らの佇まいと美しいハーモニー、ギターのアンサンブルはいつきいても泣けてきます。古き良き音楽、その時代の楽器への愛を感じるのは勿論なのですが、古臭さを感じさせないのは、彼らのセンスと音楽に普遍性を感じるからでしょうか。一人でじっくりと聴きたいアルバムとして今回はチョイスしました。


V.A 「Sweetest Music This Side Of Heaven」
戦前スウィングジャズ・ブルース・ハワイアン・クラシックのSP盤を集めたオムニバス。しかしながらオリエンタルを感じずにはいられない一枚。Hoagy Carmichaelが唄う「Hong Kong Blues」は細野晴臣さんがカヴァーされている事でも有名です。戦前音楽の入門編ともいえるアルバムですが、いつも心地よい気分になります。アレンジも楽曲もすばらしく、音楽はいつの時代のものでも初めて聴いたその時が、自分にとってのニューミュージックである事は間違いありません。なかでも「Coffee In The Morning」「Do Something」はお気に入り。Mooney兄弟のハミングがとっても素晴らしいThe Sunshine Boysは外せません!


Gonzales 「Solo Piano」
2004年に発表されて以来自分はピアニストではないのに一時、はまりすぎてずっと聴いていました。彼のセンチメンタルで詩的なメロディには、一気に引き込まれメロメロになります。聴いていると空間が瞬間的に音楽の世界に変わってゆき、曲が終わった後でも余韻に浸ってしまうというか。”空間性感覚的音楽”がこんなにもすんなりと日常生活に溶け込んでしまう驚き。ある種中毒性のあるアンビエントではないでしょうか。2010年初めてパリに行った時、彼のレーベルを訪ねて街をさまよった記憶が蘇る思い出の一枚なので外せません。


Nina Simone 「Here Comes The Sun」
もしも音楽が宗教だとすれば、僕は彼女の音楽の教徒になるかもしれない。初めて聴いた時は、男性なのか女性なのか分からなくて何度も聴きかえしました。その独特な声色には、いつ聴いても心打たれる普遍性があります。歌が素晴らしいのはもちろんの事ですが、彼女のピアノは歌い手だからこそ弾ける旋律なのかもしれない。唄う人の演奏する楽器はなんで良いのだろうか、自分はそういう演奏がとても好きなんです。カヴァーアルバムである事を忘れてしまう程すばらしいアレンジ、オススメは「OOH Child」何度聴いてもいい。


The Beatles 「アンソロジー 1」
ビートルズは持って行けるものなら全部持って行きたい、サージェント…もホワイトもウィズザ…も。だけどぼくは個人的に思入れがあるのがこのアルバムなんです。中学生の時に他の何よりビートルズに夢中になって、でもこの世にはもう存在しないバンドだから、当時のファンの様に新譜を聴けない悔しさがあって。そんなときこのアルバムが発売される事を知って、めざましテレビで「Free As a Bird」を初めて聴いたんです。あまりの感動で息が止まりそうになり、視界がにじんで、そのまま登校した朝の事は死ぬ迄忘れないです。


Les Rita Mitsouko 「The No Comprendo」
惜しくも2007年この世を去ったフレッド・シシャン。一度でいいからライブを観たかったです。永遠のギターキッズであり、ビートルズを、ロックンロールをこよなく愛していた生き様。そんな彼も僕の理想のギタリストの一人です。カトリーヌの歌唱力も素晴らしいですし、どこかストレンジなアレンジはとってもお洒落で自分をいつも異国へと飛ばしてくれます。 フランス語で唄われる正統なロックには、日本人が洋楽を取り入れて独自のものにしている感覚に近いものを感じるのは僕だけでしょうか。


Paul McCartney 「Ram」
7)でチョイスしたLes Rita Mitsouko / The No Comprendoが理想の恋人だとすれば、このアルバムには理想の家庭的なものをサウンドに感じるんです。楽曲のすべてにおいてポールマッカートニー節を感じるのは当然ですが、ビートルズで感じていたあの感じは、この人の冥利だったのだと改めて気づきます。本当によくできたポップアルバムだと思います。そんな僕の理想的なサウンド。何時聴いてもいいです。


The Beach Boys 「Surfin' USA」
音楽のタイムカプセル。中学3の夏休みに京都は太陽レコードというお店で、産まれて初めて買ったLPがこれ。制服のまま友達と自転車で買いに行き、部屋で一緒にずっと聴いていた思い出の一枚。聴くたびにその頃にタイムスリップする、僕にとってまさに”青春デンデケデケ的”アルバムです。当時アメリカの古着にどっぷりはまっていて、だけど聴いているのはブリティッシュグループサウンドが多かったので、いまいちファッションと音楽との融合がうまくいかなかったんですが。裏写真でメンバーがスタプレストにネルシャツというファッションがかっこ良くて、真似したりしていました。その頃僕は50年代60年代のファッション、ズボン丈ばっかり気にしていましたから。


HIS 「日本の人」
今回の10枚の中で唯一の日本の作品です。アコースティックギターとリズムボックスの音がとても気持ちよく軽快で、そこに坂本冬美さんの切ない恋心を唄う小節の効いた歌がぐっときます。コミカルさと切なさが同時に来る感覚、それはチャップリンのフィルムを観た時の泣けてくる感じに似ているかもしれません。ふと一人で聴くと歌詞の凄さに感動します。全曲素晴らしいのですが、なかでも忌野清志郎さんが唄う「500マイル」は涙なくしては聴けません。日本語とロックンロールの関係性、ロック史の中で、紛れもなく日本人にしかできない独自のロックアルバムだと僕は思っています。でも無人島で日本語歌詞を聴いてしまうとホームシックでどうしようもない感じになってしまいそうです。


吉田省念 大傑作アルバム

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黄金の館

CD

黄金の館

吉田省念

価格(税込) : ¥2,750

会員価格(税込) : ¥2,530

発売日: 2016年05月18日

柳原陽一郎 推薦コメント

ライ・クーダーや細野晴臣氏のように過去のさまざまな音楽のエッセンスを現代に蘇らせる名工が作った作品の佇まいがあるし、その飾り気のない純朴な歌いっぷりから、京都系フォークシンガーの佳曲集とも言っていいかもしれない。このアルバムが彼のキャリアの中でのマイルストーンになることは確かだろう。後に振り返ってみると「吉田省念のすべての要素は『黄金の館』の中にあるよね」と言われるような。
どうしてそれがぼくにわかるかって?だって、どこかがぼくと同じ人だから。

<収録曲>

01. 黄金の館
02. 一千一夜
03. 晴れ男
04. 水中のレコードショップ
05. 小さな恋の物語
06. デカダンいつでっか
07. 夏がくる
08. LUNA
09. 春の事
10. 青い空
11. 銀色の館
12. 残響のシンフォニー
13. Piano Solo




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