今年初開催の春フェス、POPSPRINGにペンタトニックスら登場

2016年04月04日 (月) 22:40

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洋楽アーティストを中心とした日本最大級のポップ・ミュージックの祭典、「POPSPRING(ポップスプリング)」が遂に開催。世界の音楽チャートを席捲するアーティストが一挙来日する今までにないテイストのフェスの誕生に大きな注目が集まる中、東京公演は4月2日(土)@幕張メッセ、大阪公演は翌3日(日)@神戸ワールド記念ホールにて、春の到来を祝うかのように華やかに行われた。
photo: ©POPSPRING All Rights Reserved.

本来なら花見日和であってほしい4月第一週の土曜日、関東はあいにくの花曇り。外は肌寒ささえ感じるほどであったが、幕張メッセに集合したのは、寒さなんてお構いなしのショートパンツ姿で元気いっぱいな10代から20代の若い女性ばかり。SNS上ではPOPSPRINGが初フェスという声が多く見受けられる中、色々な意味でベテランの域に入ってしまった記者も年齢を思いっきり忘れて楽しんでまいりました。

Little Glee Monster(リトル・グリー・モンスター)


東京公演のオープニングアクトを務めたのは、観客と同世代のボーカル・グループ、Little Glee Monster。日本からは唯一のエントリーだ。パっと見はアイドルグループのそれだが、歌いだしたら驚くようなハーモニーとユニゾンを聴かせる「最強の歌少女たち」。特に映画『ムーラン・ルージュ』で知られる「レディ・マーマレード」の圧巻カバーには後方でゆったり見ていた他アーティストの目当ての客もざわつくほど。共演経験のあるこの日のヘッドライナー、ペンタトニックスへの尊敬の意味を込めたという春のアカペラ・メドレーでは「仰げば尊し」やスピッツ「チェリー」など誰もが知っている季節の曲を見事に歌い上げ、会場を良い感じにあたためてくれた。

HAILEE STEINFELD(ヘイリー・スタインフェルド)


女優としても活躍、テイラー・スウィフトのミュージックビデオ「Bad Blood」にも出演している19歳のポップ・シンガー、ヘイリー・スタインフェルド。ダンサー達と共に、黒のシースルーにキラキラ光るスパンコールがついたセクシーな衣装を着たヘイリーが現れると、あちこちから「カワイイ!」の声が上がる。まだ歌手デビュー間もないというのに、クールなダンスで堂々とパフォーマンスする様は、既にスターのオーラがぷんぷん。昨年発表したEP『Haiz』の楽曲が中心の中、白眉はジャスティン・ビーバーのヒット曲「Love Yourself」のカバー。これがジャスティン・バージョンにも負けないほどヘイリーの歌声にあっており、彼女の強力なレパートリーとなっているようだ。曲の合間に観客に笑顔で手を振ったり「アイシテマス」と投げキッスをしたりと終始ゴキゲンで、ファンとの触れ合いやライブを心から楽しんでいる様子はとても微笑ましくあった。

EMBLEM3(エンブレム3)


続いて登場したのは、初来日となるEMBLEM3(エンブレム3)。米人気オーディション番組「Xファクター」のシーズン2出身の3人組グループで、メンバーはウェズリーとキートンのストロンバーグ兄弟とドリュー・チャドウィック。ドリューは一旦脱退を表明したものの、昨年9月にグループに戻り活動を再開したばかりだ。彼らもアイドル的な人気が強いが、サウンド自体はヒップホップやレゲエをハイブリッドしたポップ・ロックで、POPSPRINGのラインナップの中では最もバンド志向が高い。ちょっとツンデレなイケメンボーカルの兄に、ムードメーカーで鍵盤やギターもこなす多才な弟、ギター片手にラップする甘いマスクのドリューとそれぞれの個性も際立っている。 「初めて日本に来れて嬉しいよ。We Love Japan!」とウェズリーが叫ぶと会場からは長年来日を待っていたファンから黄色い声援が飛ぶ。今月1日に発表したばかりのEP『Waking Up』収録曲はもちろん、デビューシングル「Chloe (You're the One I Want)」など1stからも多数披露。最後は西海岸テイストの哀愁チューン「Sunset Blvd」を披露。その独特のレイドバックな雰囲気を纏ったサウンドに魅了された観客も多かったのではないだろうか。

FOXES(フォクシーズ)


4番手は唯一無二の歌声、独特な世界観、そして共感度の高い歌詞で世界中にファンを獲得してきた英の女性シンガー、フォクシーズ。 「ジャパーン!」と第一声をあげステージに現れたフォクシーズは、頭にボーラー風ハット、白いミニのスリップドレスの上にチェックのネルシャツを羽織り、足元はショートブーツとファッション・アイコンらしく女の子たちが真似したくなるようなオシャレな出で立ち。すぐに新作『All I Need』のリード曲「Body Talk」をたっぷりの声量で歌い上げる。 2年前の初来日公演ではバックトラックだけのショウケース仕様であったが、今回はドラム、ギター、キーボードを従え、迫力あるバンドサウンドが実現。また、大きな瞳でまっすぐ前を見据える彼女の表情は真剣そのもので、最後まで殆ど笑顔もなく、アーティスト度がぐっと増したように思う。 最後は、爽快ナンバー「Amazing」から、ドラマティックで壮大な展開の「Let Go for Tonight」へと なだれ込み、短いながらも確かな爪痕を残したフォクシーズ。 女の子っぽいルックスからは想像もつかない生のフォクシーズの圧倒的な存在感に、周囲の女の子たちからは「フォクシーズって、想像以上にカッコいいね」という声が多く上がっていた。

AUSTIN MAHONE(オースティン・マホーン)


この日、記者が最も目から鱗だったのは、オースティン・マホーンだ。テキサス州サンアントニオ出身の19歳、YouTube celebrityと呼ばれる動画投稿によって生まれた有名人であり、ジャスティン・ビーバー系譜で語られることも多いシンガーだ。そんなオースティンを殆ど期待せずに見始めたら、あれよあれよとその魅力にどっぷりとはまってしまった。 開始早々、後方のスクリーンにライブ用の映像が映し出され、いきなりメジャー感が漂う。「ジャパーン!コンニチワ!」。今度は両サイドに設置してあるスクリーンにオースティンの顔が大きく映るやいなや、会場中から「キャー!!!カッコイイ!!」「ヤバイヤバイ」と悲鳴に似た歓声が上がる。キレキレのダンスを披露した「What About Love」、往年のヒップホップ名曲を引用した「Say You're Just A Friend」と前半から飛ばしまくり。ゲストMCが登場したり、鬼テクのバックダンサー・コーナーを挟み、リアーナ「Work」カバーも飛び出すなど、様々なタイプのリスナーが楽しめる要素がてんこ盛り。途中、「楽しんでる?俺も」「アイシテマス」とコアファンの期待に応える言葉も忘れない。後半はギター弾き語りでしっとりムードでメロメロにさせたかと思いきや、 ベイエリアのヒップホップを取り入れたセクシーな最新曲「Put It On Me」でクールさを打ち出したり、ピットブルとのEDM「Mmm Yeah」でアゲアゲになったりとバラエティに富んだ内容。限られた時間の中でよく練られた構成の「魅せるステージ」は脱帽の一言だ。

REDFOO(レッドフー)


POPSPRINGも佳境、幕張メッセをロックしにやってきたのは世界最強のパーティー野郎、レッドフー。 LMFAOとして特大アンセム「パーティー・ロック・アンセム」等のヒットを生み出し、ソロ活動を本格化してからも世界中のダンスフロアを沸かせまくっている最強のパーティー・アクトだ。 スタート時刻がちょい押しで、じらされた観客の期待が膨らみ、爆発寸前となったその時、暗闇にレッドフーのシルエットが浮かび上がると、会場は大絶叫の渦となる。 被り物をしたダンサーたち、シマウマ型のバルーン、手にはめる巨大ハンドサイン、目まぐるしく変わるド派手な映像と、これでもかのトゥーマッチな演出で、最新アルバム『Party Rock Mansion』のジャケットそのままのレッドフー・ワールド。 レッドフー自身もDJしたり、歌ったり踊ったりとあちこち動いて大忙し。途中からサポートDJには変わったものの、ソロ作品からLMFAO時代の曲まで矢継早に繋ぎ、スモーク噴射や爆発音と共に金の紙ふぶきを飛ばしたり、観客にほっとするヒマを与えない。リル・ジョンとの「Shots」でいったん盛り上がりは絶頂に到達したと思えば、「Champagne Showers」ではお約束の客席へのシャンパンぶちまけ(「演出により糖分の入っている飲料が撒かれます。予めご注意ください」という注意書きも出た)、突如レッドフーが本格的にドラムを叩いたり、複数の女性をステージに上げて電車ごっこする「パーティートレイン」まで狂喜乱舞、テンション・マックスのジャンピンジャンピン。やりたい放題で一気に体力を失った1時間弱であった。

CARLY RAE JEPSEN(カーリー・レイ・ジェプセン)


嵐のようなレッドフーが去った後は、清涼飲料水のように爽やかなカーリー・レイ・ジェプセンの出番。「コール・ミー・メイビー」「アイ・リアリー・ライク・ユー」のヒットで日本でもティーンの間で知名度が高いカーリーは、既に2桁の来日回数を誇る親日家。この時間になると観客エリアもギッシリ埋まっており、カーリー人気の高さが伺いしれる。バンドメンバーと共に登場したカーリーは、音符のプリントが入った黒のハイウエストのシャツワンピースに黒のレースのタイツ、黒のショートヘアとキュート過ぎるスタイル。以前よりほっそりしたように見えるのは衣装のせい?

オープニングナンバーは「Run Away With Me」。PAの違いもあるのか昨年のサマソニの時よりもボーカルが前に聴こえ、「E・MO・TION」のフックも訴えかけてくるようだ。 「ニホンダイスキ!」「また来れて嬉しいわ!」 ニコニコ笑うカーリーの笑顔はひまわりのよう。 小さい身体でステージをかけまわり、クルクル回りながら歌う表情は自信に満ち溢れている。昨年アメリカで生放送されたTVミュージカル「グリース」出演や、2月から北米を30ヶ所近く回ったツアーを終わらせた経験からか、カーリーのステージはぐっと洗練されたように思う。

中盤に早くも人気曲「Good Time」のイントロが流れると会場は大熱狂。「どんな時だって最高だよ」「頑張らなくたっていい。いつだって楽しいんだから」という歌詞がシンクロする瞬間だ。 ダンスフロア・キラー「I Didn't Just Come Here to Dance」や80'sポップな「Fever」などを織り交ぜながら、みんなが待っていた「Call Me Maybe」が降臨。大歓声の中、カーリーはステージから降り、観客にかけよりハイタッチやセルフィーに応じるファンサービス。もみくちゃになりながらも、会場全体は大合唱。ラストはもちろんこの曲、「I Really Like You」。サビをみんなで一緒にお腹の底から大声で歌って、最高に気持ち良い瞬間が訪れる。「みんな本当に本当に本当に本当に大好きよ!」「またすぐに戻ってくるわ」 カーリーはそう約束してステージを去って行った。清々しい余韻を残して。

PENTATONIX(ペンタトニックス)


ここまで7時間続いたPOPSPRINGもいよいよヘッドライナー、ペンタトニックスのお出ましだ。「ダフト・パンク・メドレー」が1億7,000万回の再生、さらに公式YOUTUBEチャンネルは10億5,000万回再生を突破した、他に類を見ないアカペラとヒューマン・ビートボックスで表現するグループ。初のオリジナル・アルバムが全米1位を獲得し、貫禄も出てきた彼らの圧倒的な歌ヂカラが堪能できるとあり、始まる前から観衆はざわざわと興奮状態。会場が暗転し、スターウォーズのテーマ曲を歌う5人の声が流れるとこれまでにない大きな歓声が上がった。

モノトーンの衣装で現れた5人は、全米No.1アルバム『ペンタトニックス』から、岩山を突き崩していくような力強さの溢れる「Cracked」を歌いだす。人間の声だけでこの演奏が成り立っているのかわからず、一瞬会場が静まるが、生のアカペラを目の当りにし、どよめきと共に大きな拍手喝采が巻き起こる。 表情豊かなボーカルでメインを張るスコット、シルキーな歌声で華を添える紅一点カースティン、最年少で壮絶ファルセットが圧巻のミッチ、低音とホーミーが得意なアヴィ、テクニカルなヒューマンビートボックスを放つケヴィンの5人によるハーモニーは鳥肌ものだ。

大切な曲と説明した最新シングル「Can't Sleep Love」や、彼らが尊敬する「マイケル・ジャクソン」メドレー、さらには、ヘイリー・スタインフェルドも歌ったジャスティン・ビーバーの「Love Yourself」〜「Where Are U Now」カバーもアカペラで披露し、大いに盛り上がる。また途中、ケヴィンが得意のチェロを弾きながらビートボックスを乗せるチェロボクシングでバッハの「無伴奏チェロ組曲 第1番 プレリュード」を演奏する場面もあった。ペンタトニックスは派手な演出こそないものの、それぞれのメンバーが様々な試みで最後まで楽しませてくれる。

「ミンナダイスキ」「アイシテマス」と日本のファンへの感謝の意を発しながら、最後はお約束の「ダフト・パンク」メドレーで大団円。人の口で出せるとは思えないエレクトリックなサウンドと独創的なリズム、クラシカルなコーラスワークの超絶技巧に場内の熱気は最高潮に到達。10,000人で埋め尽くされた東京会場は大きな感動に包まれた。夢のような時間はあっという間に過ぎ去ってしまったが、ケヴィンが「また夏に日本に戻ってくるよ!」とサマソニ出演を発表。最後に観客を大いに沸かせてくれた。


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