【メタルアーティスト コラム】ETHEREAL SIN の歴史を振り返る

2015年11月06日 (金) 19:00

|

HMV&BOOKS online - ヘヴィーメタル , HMV&BOOKS online - 邦楽・K-POP

L to R Sariel Evileye(gt), Kohen Schnitter(gt), Yama Darkblaze(dr), Leon Magatsuhi(dr), Morgan le Fay(vo/key)

Hello Dark Fellow Soldiers!

やぁ、Ethereal SinのYamaだ。
この度、我々の初のベスト盤『Forbidden Chronicles』がリリースされたので、
良い機会だから、これまでの私達の歴史について簡単に説明したいと思う。
この作業は古い記憶を掘り返して思い出しながら書かねばならないんだ。
なんせ15年以上も前の話だからね。だが唯一残っているオリジナルメンバーである、私にしか出来ない作業なので頑張るよ。

そして、もし既に手元に上記のCDを持っているならば、ジャケットを開き、そこに記載されているChapter&写真と一緒にこの文章を読んで欲しい。
そうすれば少しでも私達の築き上げてきた歴史の裏側が見えてくるに違いない。

さて、まず物語は18年前のある寒い冬の夜に遡る・・・

【Chapter 0 The Beginning... 1997-1999】


1996年、当時まだまだ未熟な学生だった私は、現Amputated Vein Records社長のMasakatsu氏らと結成した、大阪のMelodic Dark Metalバンド「Eternal Forest」にてVo/Guitarとして活躍していた。
また、同時期に、大学で音楽サークルを立ち上げていた私は、同サークルに所属していた共通の知人を介して画家の卵だったNergal(Guitar)と知り合い、「Eternal Forest」のデモ"Elemental Illusion"のジャケットを描いて貰ったんだ。これが白黒のペン画なのに、とても綺麗でね。私はこの若き画家の才能に惚れ込んだんだ。


翌1997年に音楽性の違い等により半ば喧嘩別れに近い形で前述のバンドを脱退した私は、よりSymphonicでEpicなBlack Metalをプレイすべく、幾つかの曲を書き、シンプルに"Demo"と言うタイトルで纏めつつ、新たな道を模索していた。そんなある日、上述のNergalと夜を徹して話し込む機会があったんだ。
そしてその夜、お互いが描く音楽的ビジョンの一致を確認出来た我々は、意気投合し、一緒に新しくバンドを結成する事を決めたんだ。これが誕生前夜の出来事さ。

そして先述のサークルよりLoki(Drum)と当時私のパートナーだったRuine(Bass、Female Vocal)を誘い、ある寒い冬の夜に「Ethereal Sin」と名付けられたこのバンドを神戸でスタートさせたんだ。

すぐに私達は音源の制作に入り、年が明けて1998年前半に"Beggining"と言う名の2曲入りの音源を用意。そしてRuineの友人のShinon(Keyboard)を加入させてレコーディングを開始。
残念ながら途中でShinonは解雇されるが、RuineがKeyboardを兼任し、夏頃にようやく初めての公式音源となる5曲入りのEP、"The Cocoon and Ebony Thorns"をリリースしたんだ。
このジャケットはNergalが描き下ろしたんだよ。とても美しい仕上がりだった。


このEPはTapeの形で販売され、大阪を中心に幾つかのメタルマニア御用達の店舗で販売されていた。
そして当時から海外での活動を視野に入れていた私は、かなり多くのバンドと手紙でコンタクトを取り、音源トレード等で、このEPを広めて行ったんだ。残念ながら当時連絡を取っていた殆どのバンドは既に解散しているけどね。そしてその音源を聞いた「Candlelight Productions」が契約したいと言ってきたので、私達はマスターデータとサインした契約書を送ったんだ。ところが、待てど暮らせど返事がなくてね。
今じゃ良くあるRipOffレーベルの一つだったとスグ分かるんだけど、当時の自分たちにはショックだったよ。

その状況に絶望したのか、Lokiはバンドを離れたんだ。そう言えばこの頃、私は同じく神戸で活動していたバンド「SHADOW」にVocalとして加入し、デモを作ったり、大阪の「Astral Shade」と言うバンドをヘルプしたりしていたのを覚えているよ。

【Chapter 1. In Silent Cave 1999-2005】


ここからの6年間はほぼ活動休止の状態だった。酷い6年間だったね。
上述のメンバー脱退後、残されたメンバーで次の取っ掛かりにすべく、私がVoに、RuineがKeyboardに専任。
新たにCurse(Bass)とYurkil(Guitar)、Moonchik(Drum)の3人を迎え入れ、"Last Dawn..."と名付けた4曲入りの音源を制作したんだが、一向に自体は改善されず、その状況に耐え切れなかった私は1999年の秋に大学を中退して東京に引っ越し、髪を切って就職したんだ。ココで初期Ethereal Sinの活動は一旦終了になったのさ。

東京に移動した私は、勿論バンド活動を継続する予定で、Ruineも東京に移動させ、新たな基盤を作るべく、作曲活動を続けていたんだ。ところが2000年に入り、とある事件で私が逮捕されてね。暫くこちらに戻って来れなくなり、その後も、仕事や住居を変更する必要があり、表立っての音楽活動を停止せざるを得なくなったんだ。

その分、準備だけはしておこうと、Nergalを神戸から東京に呼び寄せ、Ruineと、新たにKilleakz(Drum,Bass)を含んだ4人体制で楽曲だけは作っていたんだ。2002年の"The Return from the Darkest Abyss"や2003年の"Lost Destination"がそれだね。だけど、やはり表立っての活動は出来ず、Ruineもバンドを離れてしまった。
代わりに、Yashak(Keyboard)やChaory(Drum)を招き入れ、何とか継続しようとしたが、そうする間にメンバー間で不和や揉め事が発生して・・・私がNergalに対して裏切り行為とも取れるような罪を犯した事が決定打となってバンドは活動を休止したんだ・・・。以後、私は彼に会っていない。

Nergalがこのバンドに残した物はとても大きく、彼が居たからこそEthereal Sinは産まれて今に至るまで活動が続き、彼が書いた楽曲はLiveでの定番曲として演奏されているんだ。この時から既に10年は経過しており、彼が今何処で何をしているかは分からないが、恐らく今なお私は彼に赦されていないだろう。この文章を読む事も無いに違いない。
それでも私は心より彼に言いたい。ありがとう。そしてすまなかったと。

【Chapter 2. ...Reborn 2007-2009】


事態が大きく変わりだすのはここからさ。すっかり音楽から遠ざかっていた私は2007年にふと気付いたんだ。
今年はESを結成して10年目の年じゃないか!と。そして思った。振り返ってこの10年間、一体Ethereal Sinは何が残せたんだ?とっくに過去の思い出になっているじゃないか。いや、でもまだ完全に死んだわけじゃない。
この10年目が復活の狼煙を上げるのに相応しいタイミングじゃないか!と。

そう考えた私は新たにメンバーを募集し、Rudra(Bass)、Morgan(Keyboard、Soprano)、Zaren(Drum)、Tanathos(Guitar)と言うメンバーで東京でのEthereal Sinを本格始動させたんだ。ある意味、ここが今のEthereal Sinの結成年かもね。


手始めに"Lost Destination"のPVを作成し、DVDにしたんだが、これはイマイチでね(笑) Live予約特典として30枚程度を配布しただけで非公式扱いにしたんだ。その後、技術的な問題からZarenに代わり、TanathosがDrumsに転向、私はGに専念し、Randa(Vocal)とSariel(Guitar)を迎え入れて、レコーディングを開始。2009年に"...the Abyss Will Also Gaze into Thee"と言う我々の12年目にして初のフルレンスCDをリリースする事が出来たんだ。更には初期の入手不可の音源の復刻版として"The Cocoon and Ebony Thorns - and Ten Years passed"も30枚限定でリリースしたよ。


ここまでがUnderground Black Metal時代だ。
私は一つのEPと一つのフルレンスをリリースするまでは同じテーマでバンドコンセプトを作っていくと言う考え方でバンドを動かしているんだ。衣装は勿論、バンドロゴもそれに伴って少し変更している。
結果的にここの時代がとても長くなってしまったけどね(苦笑)
この時代ではLiveで十字架を壊したり、血みどろにしたり、火を使ったりととてもシアトリカルなステージングだったよ。

【Chapter 3. Wind of Change 2009-2010】


アルバムリリース後、TanathosとRandaはそれぞれの理由でバンドを離れ、代わりにより個性的なサウンドを追求すべく、Seth(Guitar)、Wood Bass奏者のVlad、そしてテクニカル系DrumだったSokarisを迎え入れて新しいEPの作成を開始したんだ。
前述のとおり、ココからはテーマを一新したんだ。Dark Fantasy時代さ。衣装もレザーの鎧にマントを羽織り、鋲を打った足に剣を携えたスタイルに変更したから、だいぶ印象は変わったんじゃないかな?私もココからは今と同じく、Voに専念して動きまわるステージングになったんだ。2010年のことさ。


そしてリリースされた新しいEP"The Psalms of Forgotten Saga"は私達の新たな一面を見せるに相応しい仕上がりで、同時に収録曲は、当時、私達のStaffとして頑張ってくれていたコンポーザーのKenが作ったSEに始まり、Morganが中心になって書いた新曲Stormyから、Nergalが書き、2002年に作成したデモの曲Blacken、そして、私が書いた、今なおEthereal Sinの代表曲の一つとなっているSolitudeまで、新旧織り交ぜたとても面白い物になっている。
製作途中にSethが技術不足で解雇されたのは残念だったが。


そして、当時のLiveをDVDに収録した"Live at the Stormy Night"を66枚限定で2011年にリリースしたんだ。
ただ非常に残念ながらこの年、東日本大震災が発生し、Vladはバンドを離れてしまい、私達はまた新たなメンバーを探す必要が出てきたんだけどね・・・。ちなみに当時のLiveではSide GuitarとしてSethをサポート起用していたよ。

【Chapter 4. Fullmoon 2012-2013】


Vladの脱退と共に、ずっと空席だったSide Guitarを含めてラインナップを安定させるべく様々な人材を試したんだ。
そのうちの一人がLamia(Guitar)だ。女性ギタリストで雰囲気は悪くはなかった。ただ、彼女はこのバンドでプレイする重圧に耐えられなかったようでバンドに残る事はなかった。


残された手段は・・・これまでサポートメンバーとして何度か活躍したSethだった。
ただ彼には技術的な不足があり、先述のように一度は正式メンバーになった物の、解雇されてしまっていた。
そこで私達は一つの決断をしたんだ。Sethに突然Bassに転向しろと伝えたんだよ。それまで彼はBassを手にした事は一度も無かったし、しかも一旦はESを解雇されたんだぜ?でも、彼はそれを快く受け入れ、ベースを入手して練習を始めた。
彼はその折れない心でその席を手に入れたんだ。そしてサイドギターには「Crucified」からKohen(Guitar)を招き入れ、ここにベストと言うべきラインナップが揃ったんだ。


私達にはずっと心残りがあった。2009年にリリースした最初のフルレンスの完成度と演奏力に。
私達が本当に描きたかった世界が力不足で表現しきれてない事に・・・。
そこでまず最初に私達が行ったのは、このアルバムのリレコーディング版の作成だった。
このメンバーで再度レコーディングを行い、この頃、アジアの盟友として仲が良くなっていた韓国の「Dark Mirror ov Tragedy」らのゲスト参加曲を加えて"...the Abyss Will Also Gaze into Thee (ricordo)"を完成させ、ついで待望の2ndフルレンス"Millendium"を共に2013年にリリースしたんだ。

【Chapter 5. From Asian Forest 2013-2014】


この頃からLive活動をかなり本格化させ、東南アジア最大のメタルフェス「Hammersonic」に出演したり、韓国のMetalフェス「Hellride」にも連続で出演を行い、また2年連続でWackenへの登竜門である「Metal Battle Japan」の決勝戦に残る等、積極的な展開を行っている。
ただその過程でメンバー間の確執等も一部発生し、2013年の後半にはMorganがバンドを離脱したんだ。。


サポートメンバーとしてSakuya(Soprano)、Professor.TF(Keyboard)を迎えて体制を立て直した我々は、「NE OBLIVISCARIS」や、「MARDUK」と「Taake」の来日ツアー、「Persefone」や「Fleshgod Apocalypse」、「Entombed A.D.」、そして、「MoonSorrow」や「Alestorm」の来日公演サポートを行い、秋にはヘッドライナーとして初の中国ツアーや、フィンランドの「Catamenia」と共にアジアツアーを敢行したんだ。
この頃、我々は7人編成と言う大所帯だった為、Live等ではステージがとても狭かった事を覚えているよ(笑)


そして次のコンセプトを定め、EPの制作を開始したんだ。この時、上述の盟友DMOTと色々話し合いをしてね。
折角だから次は一緒にSplit Albumを作ろう!と言う事になり、お互いが30分程度の楽曲を持ち寄って、完成したのが"Arcane of Ancient Asia"さ。前述のように新たなEP=新たなテーマとして、我々が選んだのは、既にご存知の方も多いと思うけど、現在の私達が表現しているJapanese Mystic時代のEthereal Sinなんだ。

【Chapter 6. Black Sun Rising 2015-】


さて、やっと現在だ!
今年に入り、サポートの役目を終えたSakuya&Professorの代わりにMorganが復帰し、盟友DMOTの結成10周年記念イベントに出演、更に三度目の「Metal BattleJapan」にて遂に優勝を果たし、WACKEN OPEN AIRに出場!!ドラマーが個人的事情によりバンドを離れるも、前述の「Crucified」より、Leon(Drums)が加入。活動の足を止めることはなく、その後も、日本のメタルバンドとしては初めての内モンゴル自治区を含む中国ツアーをヘッドライナーとして周り、また台湾のROCKBANDOHフェスに「Hammerfall」や「Dir en Grey」らと共に出場して、二日目のトリを果たす等、益々盛んに活動をしながら、前Splitに収録されている幾つかの楽曲を、Morganバージョンで収録し直し、ようやくバンド公式では初のPVを作成。今回のベスト盤リリースと共に公開するに至ったんだ。


勿論、このベスト盤には上述の2015年バージョンや、次作に収録予定のデモ曲、更にこれまで未発表だった曲も収録している。そして、ES史上では初めて(ほぼ)全曲の歌詞掲載&私の解説付きなんだ。是非楽しんで欲しい!

さて、長いようで、振り返ればあっと言う間の18年だったけど、皆にはどう映っただろうか?


バンドはこれより次作アルバムに向けて曲作りやレコーディングを開始し、2016年はそれのリリースとプロモーションに集中するつもりだよ。
そして2017年はいよいよ結成20周年。この時をどうやって迎えるか、色々アイデアを練っているところさ。
楽しみにしていてくれ!

それでは、また会おう。
  Keep the Black Flame Burning!!!

Yama Darkblaze / ETHEREAL SIN
ベストアルバム
フォビドゥン・クロニクルス

CD

フォビドゥン・クロニクルス

ETHEREAL SIN

価格(税込) : ¥2,700

会員価格(税込) : ¥2,484

発売日: 2015年10月28日

スプリット作(2014)
Arcane of Ancient Asia

CD

Arcane of Ancient Asia

ETHEREAL SIN & DARK MIRROR OV TRAGEDY

価格(税込) : ¥2,400

会員価格(税込) : ¥2,208

発売日: 2014年12月10日

2013年作品
Millendium

CD

Millendium

ETHEREAL SIN

価格(税込) : ¥2,160

会員価格(税込) : ¥1,987

発売日: 2013年09月20日

HMV&BOOKS online最新ニュース

最新ニュース一覧を見る