【インタビュー:後編】 tha BOSS [THA BLUE HERB] 『IN THE NAME OF HIPHOP』

2015年10月13日 (火) 18:00

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インタビュー:前編から読む

ど真ん中に据えられたパーソナルな1曲


--- アルバムのちょうど真ん中にあたる7曲目に据えられたのは、「REMEMBER IN LAST DECEMBER」。この曲は超パーソナルな部分に切り込んでますよね。

この曲に関しては、ビートの方が先に来たんですけど、そのビートから想像を膨らまして自然に出たリリックが、あれだったっていう。

--- 郷愁を誘うようなトラックがそうさせたんですかね?

そうですね。そうとしか言いようがないです。

--- トラックはINGENIOUS DJ MAKINO

今回のアルバムの中で一番最初に貰ってたビートなんですよ。ソロアルバムを作るっていう話が出るより全然前にこのビートを貰ってた。

--- ある意味、このビートがソロアルバムに向かわせた部分はあるのでしょうか?

そのビートを発表する機会を作るとしたら、単体ではなくアルバムで行きたいっていう風に発展していくわけだから、そういう意味ではこの曲の存在が引き金になったかもしれないですね。

--- リリックの中に《最高長くて100年間で 起承転結までもっていかなくちゃならねえ》っていう部分が印象的に思ったのですが。自分の人生の起承転結って結構意識しているのでしょうか?

今が起承転結の何にあたるかっていうのは、わからないですけどね。まだ44だから。

--- 9曲目はPUNPEE 。BOSSさんとPUNPEEという組み合わせにも意外性があるように思いました。

PUNPEEとは、一度現場で会って話した程度で、今までそこまでリンクした事がなかったんですよね。アルバム1枚ってなると、PUNPEEの持ってる開かれた感じのトラックにも挑戦したかったし。実際に一緒に仕事をしてみて、彼がどれ程の本物なのかを知りたかったのもあって、声をかけさせて貰ったんです。彼もすげー忙しいんだけど、時間かけて曲を作ってくれたんで、感謝してますね。「SEE EVIL, HEAR EVIL, SPEAK NO EVIL」は一番シリアスなリリックなんだけど、抜けた感じに聴こえるのはPUNPEEの音のおかげだと思います。

B.I.G. JOE、そしてYOU THE ROCK★との共演


--- 10曲目「NOW IS NOT THE TIME」以降は回顧録。BOSSさんのラッパーとしての過去を振り返る内容が続きます。≪時は来る だけどその時は 今じゃない≫っていう思いはずっと持っていたんですかね。

そういう時もありましたね。今は「NOW IS THE TIME」だと思って生きてる。それでも曲を制作している時なんかは、1年間くらい籠るわけで、シーンにはいない存在になる。その1年間って、様々な事が起こるし凄いアルバムもリリースされる。その中で≪自分は今ではない 焦らずに自分の事をやる≫っていう意味で、そのメッセージが有効になる部分は今でもあります。

--- 『WE WERE, WE ARE』はB.I.G. JOEとの共演。リリックを見る限り、やはりお二人はお互いに特別な存在として認識しているように感じました。

間違いないですね。俺とB.I.G. JOEにしか歌えない曲です。B.I.G. JOEは常に仲間だし、同じ街に生きるライバルなので。俺がラップを始めるきっかけになった人だしね。B.I.G. JOEが札幌に乗り込んできてラップをやってるのを見て、かっこいいと思ったところが俺のラッパーとしての出発点だから。俺とB.I.G. JOEの間で起こった事、過ごした時間は20年に及ぶ話だから一言では言えないけど。今もお互いラッパーとして生きてこれてるっていうのは、幸運だと思いますね。

--- 「44 YEARS OLD」でのYOU THE ROCK★との共演。YOUさんの参加はこの作品のトピックの一つですよね。

俺が札幌から東京に乗り込んできた時代は、YOUとかその周辺の人たちが全盛だったんだよね。その中で“札幌でラップやってるBOSS君でしょ”って感じじゃなくて、一対一で俺の事を認めて貰うためには、こっちもヘコヘコしてられないし、とにかくそういうテンションだったんですよね。彼らをどかさないと自分的にはやってく場所が無いと思ってたから、俺もバチバチで行ったし、ネガティブな事もたくさん起きた。YOUとはそれ以降も現場で何度か会って、少しずつお互いの事を知って、友人になっていったんです。争いから始まったけど、長い時間を経てお互い生き残って、存在を認め合うようになった。そうなったら、仕掛けた俺がこのままで終わったらやっぱり失礼だなって思ったんです。他の誰かにその場所を作って貰うんじゃなくて、自分でその場所を作って、YOUを招いて、お互い生き残ったラップっていうものを残したいと思った。それにYOU THE ROCK★は、ラッパーであり続ける孤独と難しさを知ってる男なんで。そういうYOUの生き様っていうのは、残されるべきだと俺は思っていたので。

--- 当時のいざこざは、勝ち残るためのパフォーマンス的な部分はあったのでしょうか?

いや、本気で思ってましたよ。じゃなきゃあんなの出来ない。当時は俺の世界も狭かった。その世界の狭さが俺の強さでしたし。何度も言うようですけど、サシの付き合いをして貰うためにはヘコヘコしてはいられない。最初から相手にへりくだるのはヒップホップじゃない。でも、そこを経て自分の事を認めてくれた人の事を、今度はこちら側から知ろうとするのは礼儀だと思うし、そうやって生きて来たつもりです。

【YouTube】 tha BOSS [THA BLUE HERB] × YOU THE ROCK★

15年の時を経て「死から生に」。DJ KRUSHとの共演


--- 「LIVING IN THE FUTURE」は、奇しくも同時期にアルバムリリースがあるKRUSHさんによるものですよね。この同じ曲が、どちらの作品にも収録されるという珍しいパターンだと思いますが。

KRUSHさんとは、久しぶりのコラボレーションだから、いい曲を作りたいっていう純粋な気持ちだけでしたね。

--- この曲に関してもBOSSさんのリリックが先ですか?

俺のが先ですね。リリックを渡して、KRUSHさんが送ってくれたビートが1つだけだったんだけど俺的にもバッチリで、やり取りに関してはKRUSHさんが一番短かったですね。

--- BOSSさんにとってKRUSHさんの魅力ってどんなところですか?

自身の作品は11年ぶりなわけだし、DJだけで食っている人ってそうはいないじゃないですか。一人で海外に出てって、KRUSHさんが毎回やってるGIGの凄さって日本の人は殆ど知らないくらいのレベルで。毎回毎回現場で撃ち捨てていくライブの凄さといったらね。ましてや自分のヒップホップというものを維持してやってて。まぁいないですよね、他に。俺らが97〜8年にこの世界にエントリーしてきた時から、その差は縮まってないし、ずっと先頭を走ってるっていう意味でもスペシャルな方ですね。

--- 今回の「LIVING IN THE FUTURE」はタイトル通り“未来”を感じさせるものですよね。

KRUSHさんとのコラボレーションは、2000年に共通の友達を亡くした時の曲「Candle Chant」が最後になっていたので、今回は、生まれた子供に対する視線、親になったヤツへの投げかけの曲。2000年に“死”をテーマに始まったコラボレーションが、時を経て今度は“生きる曲”に辿り着けた。そういう意味でも、すごい良かったと思います。

これは俺が与えられた1回きりのチャンス


--- 『IN THA NAME OF HIPHOP』タイトルについて改めてお答え頂いていいですか?

俺と参加アーティストを繋げているものは、<ヒップホップが好きだ>っていう事であって、そこが無ければ知り合っていなかった。俺自身もBOSSと名乗っていなかったかもしれないし、争いがあったとしても、お互いヒップホップを好きであり続けたから、仲直り出来たんだと思います。そういう意味では、そのタイトル以外は無かったですね。今回そこにヒップホップ以外のミュージシャンや歌い手が入らなかったのは、<ヒップホップの中でスタートして完結させたい>っていう思いもあったから。ヒップホップというものがあったから出来た作品だっていう思いは凄い強いですね。

--- また、ソロアルバムを作りたいと思いますか?

思いますね。思うけど、今回は俺が与えられた1回きりのチャンスなんだっていう気持ちで創りました。それぐらいの覚悟で作らせてもらったアルバムなんで、やれる事は全部やったし、これ以上にないっていう人たちに参加して貰った。だから次の事は、とても想像がつかないです。また次の機会が訪れるなら、それは幸運だと思いますけどね。

--- ありがとうございました

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価格(税込) : ¥4,320

会員価格(税込) : ¥3,974

発売日: 2015年10月14日

限定盤完売


<収録曲>


1. HELL-O MY NAME IS… Beats by Olive Oil
2. I PAY BACK Beats by HIMUKI
3. BLOODY INK Beats by DJ KAZZ-K
4. HELL'S BELLS feat. BUPPON, YUKSTA-ILL Beats by YOUNG-G
5. WORD...LIVE feat. 田我流 Beats by Southpaw Chop
6. S.A.P.P.O.R.A.W. feat. ELIAS Beats by NAGMATIC
7. REMEMBER IN LAST DECEMBER Beats by INGENIOUS DJ MAKINO
8. MATCHSTICK SPIT Beats by PENTAXX.B.F
9. SEE EVIL, HEAR EVIL, SPEAK NO EVIL Beats by PUNPEE
10. NOW IS NOT THE TIME Beats by INGENIOUS DJ MAKINO
11. WE WERE, WE ARE feat. B.I.G. JOE Beats by LIL'J
12. 44 YEARS OLD feat. YOU THE ROCK★ Beats by DJ YAS
13. LIVING IN THE FUTURE Beats by DJ KRUSH
14. ABOVE THE WALL Beats by DJ KAZZ-K
15. ...RELEASED ALL Beats by grooveman Spot

Mixed by TSUTCHIE for SYNC TWICE at Baaaaad Mobile

THA BLUE HERB ライブ情報


12月30日 東京@LIQUIDROOM
12月26日 京都@Octave
12月25日 広島@4.14
12月23日 沖縄@Output
12月22日 福岡@DRUM Be-1
12月18日 金沢@AZ
12月17日 大阪@CLUB QUATTRO
12月13日 札幌@Bessie Hall
12月12日 北見@UNDERSTAND
12月8日 名古屋@CLUB QUATTRO
12月5日 福島@CLUB NEO
12月4日 仙台@LIVE HOUSE enn 2nd



ソロアルバムと地続きの客演集

発売中

tha BOSS(THA BLUE HERB)ソロアルバム前に客演集

MIXは盟友: DJ HIKARU。様々な境目"BORDERS"を打ち壊して自由であろうとしてきた1人の旅人と、その友人達との交歓の記録。この交歓は、ソロアルバムと地続きになっているようだ。

HMV&BOOKS online-邦楽・K-POP|2015年07月31日 (金) 19:00

tha BOSS[THA BLUE HERB]も参加

10月28日発売

DJ KRUSH 約11年振りオリジナルアルバム『Butterfly Effect』完成

全世界のヘッズ待望。DJ KRUSH 約11年振りオリジナルアルバムがアナログとCDで発売される。ソロアルバムも待たれるtha BOSS[THA BLUE HERB]も参加。

HMV&BOOKS online-邦楽・K-POP|2015年08月20日 (木) 19:00

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去る2月18日、都内某所で行われた、THA BLUE HERB の MC:ILL-BOSSTINO のインタビュー。新作DVDでも垣間見えるBOSSさんの"素"。ロングインタビューと併せてご覧下さい!

HMV&BOOKS online-ジャパニーズポップス|2009年03月06日 (金) 11:00

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