特集：Sly & The Family Stone

2009年4月23日 (木)

Sly & The Family Stoneとは...

ブラック・ミュージックとロックや様々な音楽ジャンルを融合させた音楽を生み出した、“ワン・アンド・オンリー”な存在Sly & The Family Stone。

67年のデビュー以来、数々の傑作を世に送り出した彼らの存在、音楽は今だに様々なアーティストに影響を及ぼし続けています。

60年代末にはそれまでのJBらに代表されるファンキーソウルをベースに、ゴスペルやドゥーワップ、ジャズ、サイケデリック･ロックなどを渾然一体にした新しいタイプのファンク･ミュージックを創造。

その影響力は絶大で、マーヴィン･ゲイ、カーティス･メイフィールド、スティーヴィー・ワンダーといったニューソウル・アーティストはもちろん、マイルス、ハービー･ハンコックらジャズ・アーティストもファンク･リズムを採り入れたほど。 80年代末にはヒップホップのサンプリング・ネタとして再評価。現在ではブラック・非ブラック関わらず幅広いジャンルのミュージシャンからカヴァーされるなど、その功績の偉大さは一口では語ることができません！

・詳しくは...「100人の偉大なアーティスト～スライ＆ザ・ファミリー・ストーン」

★「Different Strokes By Different Folks」については...
⇒Slyトリビュートアルバムは前代未聞！

Sly & The Family Stoneアルバムガイド

1967年 Whole New Thing
Epicでの1stアルバム。リズムがロックっぽく荒削りだがパワーは漲っている。"Turn Me Loose"のエネルギッシュさと"Let Me Hear It From You"のクールさの対比が素晴らしい！

1968年 Dance To The Music
Epicの2nd。初の大ヒットとなったタイトル曲は、ロックと黒人のファンクを融合させた彼等独自の音楽性でミュージック・シーンに大きな衝撃を与えた。"Ride The Rhythm"の疾走感たまりません！

1968年 Life
Beatlesの"Eleanor Rigby"を拝借したファンキーな "Plastic Jim"、転調が驚きの"Life"や"I'm An Animal"など予想のつかない展開がもはや尋常ではないっ！様々な音楽を見事にマーブル模様に。

1969年 Stand!
ロックファンをも魅了した"Stand"や"I Want To Take You Higher"、ベースラインが強烈な"Sing A Simple Song"、シンプルな歌詞が返って人々の心に訴える"Everyday People"、ブルージーでサイケな"Sex Machine"など、聴くたびごとに新しい発見のあるスライ・ファンクが凝縮された名盤！

1971年 There's a Riot Goin' On
沈み込むような"Luv N Haight"、Princeにも多大な影響を与えたであろう"Just Like A Baby"、多くのアーティストにカヴァーされた"Family Affair"等全曲駄作なし。どこまでもクールで屈折したファンクはスライの黒人としての存在意義に対する鬱屈した心とどこか重なりあう。

1973年 Fresh
グループ自体は既に過度期にあったが、初っ端の"In Time"は何度聴いてもカッコいい。"If You Want Me To Stay"は多くのミュージシャンがそのベースラインを拝借した。アルバム全体に漂うスライの私的な部分を吐露するようなドロンとした雰囲気がたまらない。

1974年 Small Talk
失速状態にあった頃の作品。ソウルフルな"Say You Will"、ゴスペル風味もある"Time For Livin"、そしてBeastie Boysもネタとして使った"Loose Booty"など聴き応え十分。

1975年 High On You
スライのソロ・アルバム。過去の栄光の焼き直し的な作品だが、"Green Eyed Monster Girl"等ファンク･チューンは冴えている。

1976年 Heard Ya Missed Me, Well I'm Back
こちらはSly & The Family Stone名義。明るくてファンクやらラテンやらありで楽しめる内容。でも全盛期を知ってるだけにね...。

1979年 Back On The Right Track
麻薬に溺れつつもなんとか復活して制作したカムバック作品。これはこれで悪くない。しかし元気なし。

1983年 Ain't But The One Way
今のところラスト作品。

編集盤/ベスト
「Precious Stone: In The Studio With Sly Stone 1963-1965」
Sly & The Family Stone結成前、オータム・レコードの専属プロデューサー/ソングライターとしてSlyが活躍した頃の63年から65年の彼自身の作品やコラボ曲を集めたもの。

「Seventh Son - Rare Tracks 63-67」
Epic入社前の音源集。

「Greatest Hits」
69年当時リリースされたベスト。当時この作品でしか聴けなかった"Hot Fun In The Summertime"、"Thank You"等収録。

「Anthology」
Epic時代のベスト盤。手軽度抜群。「Essential」
デジタルリマスターのグレイテイストヒッツ。オススメベスト。

Slyにまつわる様々なアーティストたち（一部）

Graham Central Station / Jam - Anthology
Sly & The Family Stoneのベーシスト、ラリー・グラハム率いるファンク・バンド。Sly時代に培ったファンク・スピリットを基本に、ロックへの積極的なアプローチと先鋭的なテクノロジーを導入、チョッパー・ベースを用いた所謂「腰にくる」ファンク・サウンドを確立！非のうちどころなし！