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「ベルリン・フィル・ラウンジ」第3号:オラフ・マニンガー(Vc)、デジタル・コンサートホールの背景を語る ベルリン・フィル・ラウンジへ戻る

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2009年9月7日 (月)

ドイツ銀行 ベルリン・フィル
ベルリン・フィル&HMV提携サイト
 ベルリン・フィル関係ニュース

2009/10年シーズンが、《幻想交響曲》で華々しく開幕!
 約2ヶ月のオフの後、8月29日、ベルリン・フィルの新シーズンがスタートしました。オープニング演奏会は、毎年オフィシャル・パートナーのドイツ銀行との協賛で行われますが、サーリアホの《ラテルナ・マギカ》初演のほか、昨年CDで好評を博した《幻想響曲》が上演。この演奏会は、早くもデジタル・コンサートホール(アーカイヴ)でご覧いただけます。EMIの録音はイエス・キリスト教会での収録でしたが、フィルハーモニーにおける本公演では、ブラームス交響曲全集で好評を博したクリストフ・フランケ(録音技師)による、マッシヴな音響が聴きものです(オープニング特別価格:5ユーロ。写真:喝采を受けるラトルとサーリアホ)。

この演奏会をデジタル・コンサートホールで聴く!

『レコード芸術』が、デジタル・コンサートホールのフリー・チケットを読者全員にプレゼント
 『レコード芸術』9月号(8月20日発売)では、デジタル・コンサートホールの演奏会が1回鑑賞できるフリー・チケットを、読者全員にプレゼントします。ユーザー登録後、誌面に掲載されているコードを入力すると、ライヴまたはアーカイヴの映像が無料でご覧いただけます(おひとり様1回限り)。有効期間は8月20日から9月30日まで。


 次回のデジタル・コンサートホール演奏会

ハイドン・イヤーのハイライト、ラトルの《四季》
(日本時間9月9〜10日の深夜)
 ラトル指揮、ハイドン《四季》の演奏会が迫ってきました。ベルリン・ムジークフェストの枠で行われるこのコンサートは、彼が最も得意とするレパートリーゆえに、期待が高まります。同曲をベルリン・フィルと演奏するのは2003年3月以来2度目ですが、残念なことにCD録音はまだ行われていません。デジタル・コンサートホールでの中継は、交響曲録音での快演に魅せられたハイドン・ファンにとっては、まさに朗報でしょう(映像は、デジタル・コンサートホールの2009/10年シーズン予告編)。

【演奏曲目】
ハイドン:オラトリオ《四季》

独唱:クリスティアーネ・エルツェ(S)
ジョン=マーク・エインズリー(T)
トーマス・クヴァストホフ(Br)
合唱:ベルリン放送合唱団(合唱指揮:サイモン・ハルシー)
指揮:サー・サイモン・ラトル


放送日時:9月10日(木)午前3時(日本時間・生中継)

この演奏会をデジタル・コンサートホールで聴く!
ラトルのショスタコーヴィチ4番。生中継のスタートは夜11時!
(日本時間9月13日23時)
 ベルリン・ムジークフェストにおける第2回目の演奏会は、ラトル指揮のショスタコーヴィチ「交響曲第4番」が主要プログラムとなります。この作品は、ショスタコーヴィチ自身が「大作趣味」と呼び、初演を2度もキャンセルしたものですが、事実巨大な作品です。しかしその大きさは、外観とは裏腹にスターリン時代の内的不安を表すものと言えるでしょう。狂気に満ちた行進曲や舞踏が現われ、マーラーとの関連が指摘されますが、冒頭の《ルル》からの<アダージョ>も、マーラーの交響曲を思わせるものです。プログラムの中央に置かれたデッサウのカンタータ《声》では、デノケとフォークトのソロが期待されます。なおデッサウ(1894–1979)は、ベルリン・フィルでは1970年に短い作品が一度上演されただけで、その後一度も取り上げられていません。
 なお今回の演奏会の生中継は、日本時間の夜11時スタートとなります。ライヴでご覧になりやすい時間となっていますので、ぜひお見逃しなく!

【演奏曲目】
ベルク:《ルル》から<アダージョ>
デッサウ:《声》
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

ソリスト:アンゲラ・デノケ(S)
ラルス・フォークト(P)
指揮:サー・サイモン・ラトル


放送日時:9月13日(日)23 時(日本時間・生中継)

この演奏会をデジタル・コンサートホールで聴く!

 アーティスト・インタビュー

オラフ・マニンガー
(ベルリン・フィル、ソロ・チェロ奏者兼ベルリン・フィル・メディア取締役)
新世代メディアの誕生:デジタル・コンサートホールができるまで(前半)
聞き手:ゲアハルト・フォルク(ベルリン・フィル、コミュニケーション部門)

 ベルリン・フィルは、「オーケストラ共和国」と異名を取る通り、団員自身が運営に関与しています。デジタル・コンサートホールも、その例に漏れません。ソロ・チェリストでメディア部門代表を務めるオラフ・マニンガーは、このプロジェクトに最初から関わり、実現させたキー・パーソンです。今回のインタビューでは、デジタル・コンサートホールがスタートするまでの背景を、発案者の立場から語っています。

フォルク 「今日はベルリン・フィルのソロ・チェロ奏者、オラフ・マニンガーさんに来ていただきました。マニンガーさんは“ベルリン・フィルの12人のチェリストたち”のメンバーでもありますが、さらに財団のメディア部門代表、および新しく設立された“ベルリン・フィル・メディア”の取締役でもあります。実はマニンガーさんは、デジタル・コンサートホールの発案者です。マニンガーさん、1月6日以来、すでに3回の演奏会が中継されましたが(注:インタビューは1月20日収録)、最初の印象はいかがですか。」

マニンガー 「まさにアドベンチャーという感じです。1月6日のコンサートは、サイモン・ラトルとのブラームスでしたが、素晴らしい演奏会になりました。テレビ、ラジオ、新聞のすべてが書きたててくれたおかげで注目を集め、業界関係者、一般の音楽ファンが数多く集まってくれました。中継をライヴで観た人々は、全体で2,500人ほどです。つまりホールの収容人数以上の数ですが、これは最初の中継としてなかなかだと思います」

フォルク 「マニンガーさんはこのサービスの発案者だということですが、準備にはどれくらいの時間と労力が掛かったのでしょう」

マニンガー 「準備は非常に大変でした。最初にこの構想を得てから、ここまで来るのに3年以上掛かっています。演奏会の映像中継を思いついたきっかけは、どうやったらベルリン・フィルをより多くの人に体験していただけるか、ということです。ベルリン・フィルのコンサートは、ベルリンでの定期演奏会、ツアーを問わず、常にソールド・アウト状態です。我々は年間130回の演奏会をやっていますが、これ以上数を増やすということは不可能なのです」

フォルク 「ベルリンで130回ですか」

マニンガー 「ベルリンで約90回、ツアーで30回以上です。そうした時に、より多くの人に聴いていただくためには、中継をするよりほかない。そこで出てきたのが、ホールに映像収録スタジオを作り、インターネットで流すというアイデアでした。もちろん内容は、ベルリン・フィルの名前にふさわしいクオリティ、つまりハイビジョンの映像、可能な限りの高音質を持たなければなりません。それを実現するには、たいへんな労力を要しました。同時に出演するアーティストやオーケストラからも、理解を得なければなりません。しかしこうしたすべての努力が実って、1月6日にスタートすることができたのです」

フォルク 「フィルハーモニーには新しいスタジオができ、中継には多くの人が関わっています。かなり大がかりな感じですが、ユーザーにとっては、比較的シンプルな操作で観れる状態になっていますね」

マニンガー 「それは我々にとって懸案でした。内容そのものがたいへん多岐にわたっていますので、ユーザーにとってサイトが使いやすいものである必要があります。登録や操作が分かりやすいように、利用手引きのページを作ってできるだけスムーズに使えるようにしました。もちろん問題がないわけではありません。初回中継の後、操作に関する質問が多く寄せられましたし、我々としても改善してゆく努力をしています。最初のシーズンは、微調整の時期とも言えるでしょう」

フォルク 「デジタル・コンサートホールは、ふたつの技術的分野に分けられると思います。ひとつはホール内で映像収録を行うシステム、もうひとつは収録されたものをインターネットで家庭まで届けるシステムです。録画をするシステムは、すでにかなり前から設置されていました。昨年の夏だと思いますが、カメラが据え付けられ、シーズン開幕演奏会からすべての定期演奏会が収録されていました。しかしインターネットの中継システムは、導入が遅れていました。データ転送を可能にする装置が送られてこなかったために、1月6日までスタートすることができなかったのですね」

マニンガー 「その通りです。データ転送については、我々はまさに最先端だと言えます。1年前に、一般的なインターネット回線でハイビジョン映像を高音質でストリームする、と言ったら、“そんなことは絶対に不可能だ”と言われたでしょう。これを可能にしたのが、H.264という圧縮装置で、このシステムは大量のデータを変換し、ごく普通の回線に収めこむことができます。機器が我々のところに届いたのは年末のことで、梱包を開けるとアメリカの見本市から直接送られてきた、という感じでした。それを1月6日までに設置・調整して、ライヴ中継に至ったのです」

フォルク 「高画質の映像とは、ものすごいデータ量を持っています。分かりやすく言うと、膨大な情報を細いインターネット回線に通るように圧縮し、再生時に解凍して最高のクオリティで観れるようにする、ということですね」

マニンガー 「我々がフィルハーモニーやっていることは、高品位のテレビ収録とまったく変わりません。その品質のものを圧縮するのですが、既存の映像ではなく、今ライヴで撮っているものを圧縮するわけです。それから今度は、圧縮されたデータを世界中に送る作業があります。これは単にファイルをインターネットに乗せればいい、というようなことではありません。専用の回線を用い、世界中のあらゆるところに中継点を設けて、その回線がほかのデータ用に使われないように、空けておく必要があります。もちろんこれは非常に大変なことです(後半に続く)」

 ベルリン・フィル演奏会批評(現地新聞抜粋)

定期演奏会(2009年5月22〜24日)
曲目:シューベルト《ロザムンデ》への劇付随音楽
マーラー《子供の不思議な角笛》より3曲(独唱:アンゲリカ・キルヒシュラーガー)
ドビュッシー《海》

指揮:クラウディオ・アバド

 毎年5月のアバドのベルリン・フィル客演は、ベルリン人にとってはお祭りのようなものです。彼が舞台に登場すると、親密で愛情に溢れた拍手が続き、会場は暖かな気持ちで包まれます。今年の演奏会では、夢見るようでいながら優しく、そこはかとない孤独に満ちたシューベルトを聴かせ、観客に深い感動を与えました。ベルリンの各紙批評にも、その賛嘆の念が表れています。

「(略)アバドの棒のもとで、これらの(シューベルトの)小品はどれもまったく独自の調子を得、思いもよらない、触れれば壊れてしまいそうな、宝石のごとき繊細さを発揮した。(略)第2の間奏曲が始まると、弦は弓の上部だけを使って消え入るようなピアニッシモを弾いたが、その調子はまるでヴェールをかぶったような音色を引き出し、例の(有名すぎる)メロディを信じられないほどポエティックなものに変化させた。それは単純な繰り返しにすぎないと思われる構成に、軽やかで瞑想的な表情さえ与えていたのである。(略)この語るような調子は、ドビュッシーの《海》で変幻自在の境地へと達する。これは、音楽が瞬間瞬間に生成消滅してゆくことの証明のような演奏である。アバド自身は何もしていないように見えるが、オーケストラの演奏はヴィルトゥオーゾの粋を極め、スコアを完璧に照らし尽くしていた。これは忘れることのできない演奏である。(5月25日付け『ベルリナー・ツァイトゥング』紙/マルティン・ヴィルケニング)」

「ベルリン・フィルは、アバドの希望ならば奇抜でお金の掛かるプログラムさえも厭わない。これまでで言えば、シューマンの《マンフレッド》全曲(ブルーノ・ガンツ主演)、数百人のコーラスを要するベルリオーズの《テ・デウム》等々。プログラム構成は、スフィンクスのように謎めいている(略)。シューベルトはアバドの最愛の作曲家のひとりである。《ロザムンデ》の演奏は、内面から溢れてくるような暖かみに満ち、きわめて個人的な雰囲気を醸し出す。ベルリン放送合唱団は子供のような純粋さで歌い、有名な<間奏曲>はほとんどこの世のものとは思われない美しさである。とりわけヴェンツル・フックスのクラリネット・ソロは、妖精の翼を得て、天空を漂うようであった。(略)終演後、ベルリン・フィルはアバドに聴衆と同じくらいの喝采を送った。彼が皆を立たせようとすると、オーケストラは座ってアバドに拍手し続ける。本人は感激して1列目のメンバーに手を差し伸べ、コンサートマスターのガイ・ブラウンシュタインを抱擁した。(5月24日付け『ターゲスシュピーゲル』紙/フレデリク・ハンセン)」

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 ドイツ発最新音楽ニュース

本コーナーでは、ドイツおよびヨーロッパの音楽シーンから、最新の情報をお届けします。

メンデルスゾーンの作品番号が新編纂
 ライプツィヒのザクセン学術アカデミーが、メンデルスゾーンの新作品番号カタログを発表した。メンデルスゾーンには、これまで学問的な作品番号が存在しなかったが、新カタログの登場ににより作品のより総括的な概観が可能になったという。略号はMWV(Mendelssohn-Werkverzeichnis)で、これは彼が敬愛したバッハのBWVを意識したものと思われる(写真:新カタログを手にする編纂者のラルフ・ヴェーナー氏と、出版元ブライトコップ&ヘルテル社のリーゼロッテ・ジーファース氏。©Dirk Brzoska)。

バイロイト音楽祭がオーパス・アルテからDVD、CD等を発売!
 バイロイト音楽祭のカタリーナ・ワーグナーが、メディア・ビジネスに力を入れる姿勢を明らかにしている。今後、毎年1本のオペラを映像収録し、インターネット配信、DVD、ブルーレイのかたちで発売。今年収録された《トリスタンとイゾルデ》(シュナイダー指揮)はDVD、ティーレマン指揮の《リング》はCDとしてリリースされるという。発売元は、ロイヤル・オペラの子会社で、DVDレーベルとして知られるオーパス・アルテ。


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