【レーベル特集】contrarede

2009年8月5日 (水)



  contrarede  
   
 

レーベル特集 【contrarede】

様々な音楽レーベルが乱立する日本のインディーズシーン。例えばパンクロックを中心に扱うものや、ギターロックを中心にしたもの。イロモノばかりを集めたものから、一人のアーティストをリリースする為だけに設立されたものなどなど。レーベルといっても、その掲げるコンセプトやスタイルはそれぞれ異なり、独自の色をだしており、そこがレーベルのおもしろいところでもあり、“このレーベルだから買う”なんていうレーベル買いをしてる人もおおいはず。
そんな雑多なレーベルが数多く存在する中、今異彩を放ち注目されているインディーズレーベルがある。それが今回ご紹介する“contrarede”。
渋谷に存在した伝説のレコードショップ“some of us”の店長・小林英樹氏と54-71のメンバーによって設立されたこの“contrarede”。54-71のリリースはもちろん、Spiral Chord、そして最新ではdry river stringという日本の一筋縄ではいかない気鋭のアーティストを送り出し、海外のアーティストではPeleやGANG GANG DANCEなどを扱う。
“おもしろいことを!”コンセプトに2008年1月に産声をあげたこの“contrarede”ですが、早くも音楽ファンの間で話題となっています。そのcontraredeから小林英樹氏を招き、インタビューしてきました!

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contrarede official site
dry river string 特集ページ
 
   

インタビュー 小林英樹 (contrarede)

Warszawa 〜 some of us まで

HMV:お久しぶりです。今日はレーベルご紹介ということでよろしくお願いします!では、まず小林さんの経歴からお話してもらいましょうか。多分結構知られてるのはWarszawa(渋谷のレコードショップ)からsome of us(渋谷にあったレコードショップ)ってところですよね。その前ってなにをされていたんですか?

小林:その前は普通にサラリーマンですね。それがたまたま吉祥寺に営業に回されて、営業行って来ますっていって、そのときにまだWarszawaが吉祥寺にあったのでそこでよくさぼってたんですよ(笑)。そしたらWarszawaの社長が“お前さぼってんだったら、ウチ来いよ。”って言われて、そのまま(笑)。

HMV:小林さんといえば、ハードコアのイメージがありますが、ハードコアはいつぐらいから聴きだしたんですか?

小林:ハードコアは10代の時は聴いてないんですよね。僕らの時の高校時代ってUSのハードコアの情報って日本に入ってきてなかったんで、パンクっていうとイギリスで、ハードコアっていうとディスチャージとか。ああいう髪の毛たったモヒカンみたいなので、ファッションっぽいな〜と毛嫌いしてて、逆にアメリカっていうとハードコアだけじゃなくインディー系も全然情報入ってなくて、聴けるとするとREMぐらいしかなかったんですよ。まあ田舎だったし、輸入盤ショップもなかったんで。REM聴くと、やっぱりダサいじゃないですか(笑)、なんだこの田舎くさいのは!(笑)って。それでアメリカのインディってこういうもんだと思ってたんで、全然興味もなくて。それで大学行き始めたぐらいからポチポチ情報が入ってきて、そっからですね。それもイギリスのレーベルからアメリカのバンドがどんどん出始めて、ダイナソーJrとか、ソニックユースとかビッグフラッグとか。それでアメリカの音楽を知ったっていう感じですね。もともとはUKどっぷりなんで、スミスとかエコバニとかスージーとか、アノ辺はどっぷりでしたね。なのでアメリカは全然知らなかったんですけど、アメリカのほうがすごいなって気づいたのは10代後半ぐらいですね。

HMV:Warszawaで働き出したころっていうのは何を聴いてたんですか?

小林:ソニックユースからバッドホールサーファーズ、ダイナソー。レーベルでいうとブラスト・ファーストっていうUKのレーベルがあって、そこがアメリカのその辺のバンドを全部出したんですよね。なのでその辺をずっと聴いてましたね。

HMV:で、その後Warszawaを独立という形になるんですか?

小林:え〜とちょっと複雑な感じで、Warszawaが吉祥寺にあって、Warszawa渋谷店を出すことになったんですよ、今のクアトロの4階に。その時に僕が渋谷店の店長になって、その後に景気も悪くなって渋谷店を撤退するっていう話になったんですね。でもせっかく渋谷にもお客さんが付いてくれたので、じゃあそこで独立しますっていうことになって、一回Warszawa渋谷で独立したんですよ。でも吉祥寺のWarszawaとカラーが変わってきちゃったりして、お互い良くないねっていう話になって、その時に店舗も移転する話があって、じゃあその時に名前も変えちゃおうかっていってsome of usにしたんです。

HMV:some of usは伝説のレコード屋ですからね(笑)。

小林:いや〜そんなことないですよ(笑)。ダメダメですよ(笑)。

HMV:あのキャプションがすばらしかったですよね。

小林:あの騙し系の(笑)。試聴機とかも置いて無かったですからね。試聴されると、全然キャプションと違うじゃん!って思われるのが嫌で(笑)。

HMV:あそこに置いてあるものだったらオッケーっていう、何かしらの信頼感はありましたよね。それでキャプションと違っても“全然チゲーヨ”って笑えるっていうか。

小林:一回考えたのが、“チゲーヨ!”って言われたときに買取制度をやろうかって。違うと思った方は返品オッケーみたいのを、おもしろそうだねって。でも、どう考えてもみんな違うって言うんじゃないかと思ってやめましたけど(笑)。

54-71と“contrarede”設立

HMV:そしてsome of us が一旦終了して、54-71と共同でレーベル“contrarede”を立ち上げるんですけど、その経緯を教えてもらえますか?

小林:54は吉祥寺のWarszawaの時から仲が良くて、some ofになってからはイベントのライブに出てもらったりとか、共同でCD出したりとかしていて。店に週3回ぐらいリーダーが来てましたね。ただ喋ってるだけなんですけど(笑)。そうこうしてるうちに景気も悪くなってきてCDの売り上げも悪くなってきたんですね。かつ、僕の中で“なんか違うな”ってすこしづつ思いだしてきたんですね。

HMV:それはレコード屋としてですか?

小林:そうですね。インディがすごい好きなんですけど、例えばポップだったり受け入れやすいものがあるじゃないですか、そういうCDがすごくいっぱいあるのに、若いお客さんも増えないし、なんか広がらないし、変にマニアックにオタク的に扱われてるのが、なんかおかしいなってずっと思ってたんですね。あと長いことやってたんで、偉そうなんですけど、入ってくるインディ系のCDとかが、もう音がわかってきちゃう感じがでてきたんですよね、ドキドキ感も無くなってきて、でも生活しなきゃいけないからお店もな〜(笑)っていうのもありつつ、レーベルとか(アーティストの)招聘とかもやりたいなと漠然と思ってて。そうこうしてるうちに54がメジャーから切られちゃって、事務所も切られちゃって宙に浮いちゃったんですね。そういう話をリーダーとしてたら、リーダーも“54もフリーになったから何か一緒にやりましょっか?”って言ってくれて、“じゃあやろっか!”って(笑)。それで予定ではお店とかレーベルとか含めてやりたいということだったんですけど、いかんせんお金がないわけですよ(笑)。まずお金がないと、僕らがやろうとしてることは出来ないっていうのが最初にあったんですね。レーベルをはじめようと思ってすぐにはじめることは出来ると思うんですけど、そうするとsome of usの延長でしかなりえないなと思っていたし。54も貯金ないし、僕も借金だらけだし(笑)これは自力では無理だと思って、それで1年半かな?色んな企業にプレゼンに行って、2008年の1月からスタートしました。

HMV:そして“contrarede”の記念すべき第一弾がリリースされるわけですが、第一弾としてSpiral Chordを選んだ経緯は?

小林:中尾(憲太郎)くんも良く店に来てて仲が良くて、もちろんカウパーズも好きでゲンドウさんも知ってたし。HERAさんも知ってたし。ただ、なぜかSpiral Chordのライブを観たことがなかったんですよ、それで54のリーダーから電話かかってきて“小林さん、Spiralヤバイよ。今度ライブ行きましょう。”って。それでライブ観たら、これはヤバイ!と。で、そういう話(レーベル始めるという)をゲンドウさんとか憲太郎くんに話をしたら、他からも話が来てるらしくて、じゃあどこから出すかはSpiralに決めてもらおうと。そしたら“contrarede”から出してくれるということになったんです。

HMV:その時の手ごたえっていうのはどうでした?

小林:まずレーベルをちゃんとやるっていうのが初めてだったんで、それと店閉めてブランクが1年半ぐらいあったんで、この1年半の間にこんなにCDが売れなくなってるのを知らなかったんで。お店に営業に行くのも初めてだったし、もちろん“contrarede”なんてレーベルは誰も知らないわけですし。さらに今までやったことのない細々な作業があって。でもみなさんよくしてくれて、なんとかクリアしました。で、すると今度は特典戦争が勃発するわけですよ(笑)各お店に違う特典を付けて、地方の小さいお店でSpiral Chordを好きで、やってくれてるところにも付けたりして。いや〜勉強になりました(笑)。

HMV:レーベルのカラーっていうのはコンセプト的にあったんですか?

小林:“contrarede”っていうのが造語で、“全てのものに対して反解釈しよう”という意味なんですけど。54も事務所にいて、メジャーレーベルにもいたし、僕もお店をやってて王道といえば王道じゃないですか。それで周りを色々見てきた中で、景気も悪いし、同じスタイルでやっていても、例えば目指せあそこのレーベルとか、そういうことやってても多分何も面白くないし。なので何かをやる時に、一度解釈を反対しにしよう、別のことを考えようという感じでスタートしました。ただSpiral Chordの時の特典戦争だったり、出稿うんぬんだったり…というのがあった時に、結局そういうフォーマットの中でやらなきゃいけないのかなっていうジレンマはすごくありましたね。アーティスト側からもやっぱり色々要求されるじゃないですか。いやいやcontraredeはこういうスタイルでやっていきたいんだよって言っても、そこの気持ちがうまくアーティストと合わないと絶対ダメだし。それはいまも全然答えが出てないんですけど。。。

 

contrarede 作品


buried ep
『buried ep』
dry river string



Idea of a Master Piece
『Idea of a Master Piece』
54-71 & KOOL KEITH



I'm not fine, thank you.And you?
『I'm not fine, thank you.And you? 』
54-71



サ・ヨ・ナ・ラ・セ・カ・イ
『サ・ヨ・ナ・ラ・セ・カ・イ』
Spiral Chord



toe / collections of colonies of bees
『toe / collections of colonies of bees』
54-71 & KOOL KEITH



Best Kept Secret / Mechanism Nice
『Best Kept Secret / Mechanism Nice』
Ultramagnetic Mc's



Lost Masters: Vol.1.2
『Lost Masters: Vol.1.2 』
Kool Keith



My Magic City
『My Magic City』
Caithlin De Marrais



Black Milk
『Black Milk』
Kyle Fischer



Loud Call
『Loud Call』
Holly Throsby



Women
『Women』
Women



Glass Mountain Roads
『Glass Mountain Roads』
Cape May



Fool For Everyone
『Fool For Everyone』
Mike Bones