HMVインタビュー:GFUNK

2009年7月30日 (木)

interview

Gfunk

--- まずは日本のファンに自己紹介をお願いします。

Whats up to all my Hunnies & Homies. LAYLOW INCレペゼンのGFUNKだぜ!

--- あなたはどこの出身で、どのような環境で育ったのでしょうか?

オレはカリフォルニアのオレンジ・カウンティ出身で、オレの街は中心部から15分くらい、サンディエゴから30分くらいのトコにあるんだ。ロスとサンディエゴの中間くらいだね。オレはハードな環境で育ったんだ。すげぇ貧しくってね、2つのベッドルームしかないアパートに12人家族で生活してた。ガキのオレからしたらキツかったよ。ガキの頃はイージー・Eやドクター・ドレ、スヌープ・ドッグ、ネイト・ドッグ、クラプトなんかを聴いて育ったんだ。彼らはフッド、カリフォルニアのストリートをリプレゼントしてたからね。

--- 最初にヒップホップに興味を持った時のことを教えて下さい。

う〜ん、ヒップホップと呼んではいなかったけどね。だってヒップホップってのはNasやウータン・クランみたいなのを指す気がするしさ。<ギャングスタ・ファンク>って俺は呼んでたんだけど、興味を持つようになったのは12歳くらいの頃かな。イージー・Eやドクター・ドレ、2パック、トゥー・ショート、スヌープなんかを聴くことで、生きてく上での知恵を身に付けるようになったんだ。俺も同じような経験をしてたし、彼らがラップで言ってたことには共感したよ。

--- ラップを始めたのはいつくらいで、何がキッカケなのでしょうか?

最初は詩を書くことから始めたんだ。それが良い感じになったので言葉にリズムを付けるようになった。最初は色んな愛についてを詩にしていたんだけど、そのうち感じたことを紙に綴ることが心地良くなってきて、現実に起きてることや経験したことを綴るようになったんだ。それからは夢中になって自分の思ったことや感じたことを綴り、ラップするようになったのさ。

--- Gファンクというラッパー名の由来を教えて下さい。

音楽のジャンル、俺が言ってる<ギャングスタ・ファンク>から取ったんだ。Gファンクって名乗る前から俺はラップやファンクが大好きだったし、Gファンクって名前がラップ&ファンクをレペゼンするモノだって思った。そのうちGファンク以外の他の名前は有り得ない、って思うようになったってわけ。

--- 影響を受けたラッパーや曲などあれば教えて下さい。

いやぁ、マジでたくさんのアーティストから影響を受けたよ。でももしあげるとしたら2パックとK-CI&ジョジョかな。俺はギャングスタ・ビートにR&Bをミックスしたようなスタイルが好きなんだ。スヌープやネイトみたいなね。

--- ウエストサイド・カーテルはどのような経緯で結成したのでしょうか?また今は誰が居て、どのような活動をしているのでしょうか?

ウエストサイド・カーテルはジョーカーの家でビールを飲みながらチルってた2つのホーミーの集団で結成したんだ。ジョーカーは機材を持っていて、ある時「ヘイ、このワックな曲の上でラップしてみないか。ビートは良いんだけどラッパーが曲をブチ壊しにしてるぜ」って言って、みんなでやってみたんだ。俺らは既に出来上がってる曲の上でラップしたり、ビートをループさせてラップしたりしてたんだけど、街の連中が俺らのやってるコトを気に入ってくれるまで何も考えちゃいなかったんだ。その頃は誰もそんなことをやっちゃいなかったけどね。今は色んなヤツがやってるし、それは「ミックステープ」って呼ばれるようになったけど当時は誰もやってなかったし、それがキッカケとなって扉は開かれたんだ。でも、今はウエストサイド・カーテルとして何をやってるのか俺はよく解かんないんだよね。チルったりツルんだりすることもあるけど、普段はそれぞれが別々の道を歩んでる。みんな音楽活動を続けていて、一緒に曲を演ったりはしてるけど。

--- 前作『Ridin Low』をリリースして、何か生活に変化はありましたか?

『Ridin Low』は全てを出し切ったアルバムだった。DJ AKにドッグ・マスター、ソヴァン、その他のプロデューサーもその頃は若くて、このゲームの仕組みをよく解かっていなかったけど今は良い感じでやってるしね。オレは07年まで8年間、祖父の仕事の関係でメキシコに住んでたから、それほど親密に出来たわけじゃないけど、DJ AKのマネージャーでギャングスタ・ゾーンのCEOのルイが、アルバム・リリースへのモチベーションを高めてくれた。そしてリリースから最初の2週間で1500枚を売り上げたんだ。俺にとっちゃ良い売上だったね、特に期待もしてなかったからさ。色んなプロデューサーと、各々のアルバム用に仕事をするようになったしね。もし俺が『Ridin Low』を出してなかったら、今の俺はなかったと思うよ。だって俺はウエストサイド・カーテルと一緒に15枚くらいアルバムをリリースしたんだけど、ただラップしてるだけでビジネスとしてはさっぱりだったからね。今俺はLAYLOW INCの下で、俺もリーダー格のひとりとなって色んなことを仕切ってる。さらに伸し上がるために、色んなことがすげぇ良い方向に行ってるね。

--- 今回のアルバムのタイトルを『Welcome 2 California』と付けたのはなぜでしょう?

たくさんの人たちが俺やLAYLOW INCを訪ねてやって来るから、なんだ。彼らに最初に言うセリフは「Welcome 2 California」だろ。俺はまだカリフォルニアに来たことがなかったり、リアルなカリフォルニアのシーンを体験したことがない俺のファンに同じように言ってあげたかったんだ。だからもし俺の曲を聴いたことがなかったら、まずは聴いて、「Welcome 2 California」って雰囲気を感じてほしいんだよね。LAYLOW INCの音楽が気に入ったら、カリフォルニアのこともきっと好きになるよ。ここではクレイジーな事件がたくさん起きてるけど、でも結局人生一度きりだし、身体を返す(死ぬ)前にできる限り色んな経験しないとね。俺らの命は借りているだけのものだから、俺はいつも今日が地球の最後の日だと思って生きてるよ、マジで。

--- 今回はDJ AKやドッグ・マスターといったヨーロッパのアーティストとコラボしていますが、そのキッカケを教えてください。

DJ AKは彼のマネージャーのルイが紹介してくれたんだ。ルイとは一年前くらいに知り合ったんだけど彼が言ってたんだ、トークボックス・プレイヤーをかかえていて、たぶんそいつは世界最高峰のプレイヤーだってね。だったら悩むことはないだろ、ルイがDJ AKと会わせてくれて『Ridin Low』の曲やDJ AKのソロ、パス・パスのアルバムの曲なんかを一緒にやったんだ。ドッグ・マスターはホーミーのギゾを通じて知り合ったんだ。彼がカリフォルニアに来た時に、ちょうど俺もギゾに会う用事があってね。そこで幾つか曲を聴かせてもらって、彼と一緒にやったら良いモノが出来るんじゃないかって感じたんだ。あれは2003年のことだね。俺はAKともドッグ・マスターとも引き続き一緒に音楽を作ってるし、どっちのホーミーともクールだ。ビーフはないぜ!。

--- 日本人ラッパーのTWO-Jも参加しているようですが、彼の参加経緯を教えてください。 実際にジョイントしてみて如何でしたか?

TWO-Jは従兄弟を通じて知ったんだ。ヤツがTWO-Jの曲を聴かせてくれてね。彼の前のアルバムの曲を何曲か聴いたんだけど、どれも良くて、すごく気に入ったんだ。リリックはよく理解出来なかったんだけど、声の感じとかフロウ、ビートはどれもよくて、「一緒にやろうぜ」って感じだったよ。それで従兄弟がTWO-Jの知人にコンタクトをとって、それで繋がったってわけさ。

--- 他にはどのようなアーティストが参加しているのですか?

リル・ロブにDJ AK、ドッグ・マスター、バスタ・Xセス(Busta-Xses)、トリプル・Cのドミネイター、ウィート、ロッキー・パディラ、TWO-J、ビッグ・ストークス、俺の弟のダ・レベル(Da Rebal)にセロ(Selo)、そして一緒にやってるローカルのグループ、プレジャー&ペインが参加してるよ。

---多くの日本人は英語が理解できないのですが、あなたがラップしていることは主にどういうことなのでしょうか?

俺は常にストリートのことや諍いなんかについてラップしてるんだ。一般の人の気持ちを代弁し、俺自身が見てきたことね。俺の人生ってのは小説みたいなモンで、伝えたいコトがたくさんあるんだ。ギャングの一員として生き、一番のダチがドラック・ディーラーになったり、ガールフレンドがストリッパーになったり、みたいなね。俺は金持ちになんかはなれちゃいないし、ガキの頃から貧しかった。でも今は少しずつ状況も変わり、ここ何年かで音楽によってステイタスを確立しつつあるんだ。金儲けについてもラップしてるけど、それはほんの少しで、オレがマジでラップしたいことじゃない。オレがフォーカスしたいのはフッドに居る人たちのことなんだ。あとはパーソナルなこともラップしてるよ。誰にでも日々起きているようなこと、国が違ってもそれは同じだと思う。

---今後の活動予定があったら教えて下さい。

まずは来年日本に行くことだな。DJ AKやドッグ・マスター、ビッグ・ストークス、ダ・レベル、ロッキー・パディラなんかを連れて行きたいね。そしてファンにマジでヤバいショウを見せたいんだ

---最後に日本のファンへ何かメッセージをお願いします。

みんなに会いたくてたまんないぜ。日本に行ったら、酒を飲んでヤバいショウを披露するよ。ウエストコースト・スタイル、LAYLOW INCスタイルなね。イエー!

新譜Welcome To California
CasualやBig Stalksらを擁するチカーノ・シーン屈指の実力派集団Westside Cartelの首謀者の一人、G Funk待望のニューアルバム!傑作と誉れ高い前作『Riding Low』に続き、Dogg MasterやDJ AK、さらにはDogg Free(DPZクルー)ら注目すべきトラックメイカーらがサポート。早くもフッドでは前作を超えたと話題沸騰!トークボックスやRocky Padillaの歌声が絡むメロウ〜スムース系を中心にラインナップ。アッパーなローライディング・チューンや王道Gファンクもばっちり収録なのでご安心を。