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ジョルジオ・トゥマ インタビュー

2009年6月16日 (火)

interview

ジョルジオ・トゥマ

美しい日差しが差し込む南イタリアの古都・レッチェ生まれの若きSSW、ジョルジオ・トゥマ。
ボサノヴァ、ソフトロック、イタリアサントラからインディポップまで、多様な音楽的嗜好をギュッと詰め込んだ“マジカル・ローラーコースター”ポップな2ndアルバム『マイ・ヴォーカリーズ・ファン・フェア』、デビュー作『アンカラード(スウィンギンポップ・アラウンド・ローズ)』がここ日本でも"プロダクション・デシネ"よりリリースされる事となった知られざる天才アーティストの素顔に、レーベルオーナー・丸山雅生氏が迫ります。


--- 丸山雅生(以下グリーンの文字部分すべて):チャオ、ジョルジオ。僕が言うのも変だけど、ここ日本での『マイ・ヴォーカリーズ・ファン・フェア』、デビュー作『アンカラード(スウィンギンポップ・アラウンド・ローズ)』の発売、本当におめでとう!

ジョルジオ・トゥマ(以下黒文字部分すべて): ありがとう!君やヒロ(※吉本宏氏。ジョルジオ・トゥマの2作品の解説を担当。)に出逢えて、僕はホントにラッキーだったよ。今のこの幸せな気分を言葉になんてできないよ、日本でリリースされる事にホントに憧れてたんだ。

--- こちらこそ、君や君の素敵な音楽に出逢えてとても嬉しいよ!
早速で申し訳ないけど、日本のリスナーの為に、簡単に自己紹介をお願いします。

OK!僕の名前はジョルジオ・トゥマ。1977年12月に南イタリア・レッチェの近くのナルドという場所で生まれたよ。一緒に活動しているアリス・ロッシは1980年12月生まれだよ。

--- 僕はサッカーチームの名前でしか知らなかったのだけど、ジオが生まれ育った、レッチェはどんなところ?そして君の周りにはどんな音楽のシーンがあるの?

う〜ん、実は僕は自分の街や国が余り好きでは無いんだ…ゴメンね。
でもね、レッチェの音楽シーンは本当に素晴らしいんだ。憧れのバンドや、友達のやっているバンドも沢山あるよ、例えば、僕が曲を提供したGirl With The Gunや、Studio Davoli、大好きなパワーポップバンドのThousands Millions、ドイツのMorr Musicで活躍するPopulousや、ジャンルは違うけど、ハードハウスで世界的に有名なCongo Rock、フォークのThe Brain Olotesterとか、ホントに沢山居る。ポイントとして外せないのは、彼等が皆、僕の友人でもあるステファーノ・マンカの”Sud Est Studio”でレコーディングしている事じゃないかな。

--- アリス・ロッシについて、その役割などについて教えてくれる?

アリスは僕の古くからの友人で、僕らは驚くほどに共通のイマジネーションを持っているんだ。彼女の描く詩の世界はホントにスゴいよ。僕らは1stアルバム『アンカラード』の時から一緒だよ。

--- 君が音楽を作るようになったきっかけは何?

そうだねぇ、僕の人生を永遠に変えちゃったのは、The Clashの「サンディニスタ」。初めて聴いたのは12才の時だったよ。それから11年後、23歳の時にギターを弾き始め、曲も書き出したんだ。ちょうどその頃僕は、ローズと言う女の子に恋をしてたんだけど、そんな気分で曲を書き始めたんだよね。そう僕にとっては“恋”がきっかけだったんだ。

--- 恋心が歌を生み出す原動力になっていたんだね!?
音楽を作り始めた当時、よく聴いたり、影響を受けたアーティストはいたの?

確かに曲を書くようになったきっかけは“恋”だったよ… しかも“失恋”だったなぁ。その当時は、Nick DrakeやTim Buckley、大好きなStereolab、Curtis Mayfield、スウェーデンのKomeda、Marcos Valleに、A.C.Jobim、Motorpsycho、Kings Of Convenienceなどを聴いていたんだ。そうそう、イタリアサントラの名曲達をコンパイルした”Easy Tempo”シリーズは全部聴いてたよ。

--- まさにグッド・ミュージックだね。
ジオの作品は、全てオリジナル曲で構成されているけど、曲を作る時に最も大切にしている部分があれば教えてください。

僕はいつでも、自分の“心の中”を描こうとしている。純粋にシンプルなメロディ、色彩感みたいなモノを大切にしているよ。言わば、僕の曲は“希望”で一杯って感じかな?

--- なるほど、希望で一杯だなんて、まさしく君の音楽そのものだね。
メロディやアレンジの素晴らしさは勿論のことだけど、ジオ達が作る音楽は、それらにマッチしたフェアリーで愛らしい歌詞も魅力だよね!キミ達が歌詞を考えるとき、どういうアプローチをしているの?

ありがとう!歌詞を考える時、僕はいつも言葉に出来無いような思いを表現したいと思っているんだ。例えばそれは、優雅さ、自分の子供の頃のおぼろげな記憶、表現し難い色彩、あるいはカラー/モノクロの入り交じった光景とかね。

profile

ジョルジオ・トゥマ Giorgio Tuma:
イタリア南部の都市、レッチェ生まれのシンガー・ソング・ライター。ザ・クラッシュを愛聴していたロックキッズは、ステレオラブの音楽性との遭遇により、“ポップソング”に開眼。自身のバンド・Os Tumantesを率い、ソフトロック、ボサノヴァ、イタリアサントラなど、多様な音楽的嗜好をギュッと詰め込んだマジカル“ローラーコースター”ポップな名作『アンカラード(スウィンギンポップ・アラウンド・ローズ)』、『マイ・ヴォーカリーズ・ファン・フェア』をリリース。その、キャッチーで時に切なさを感じさせるメロディライン、洒落たアレンジ、甘く澄み切った歌声は天性の物。ブレイク必至の才能です。

丸山 雅生:
神戸のセレクトCD/レコードストア『ディスク・デシネ』オーナー/バイヤー。また、同店の制作部門/レーベル『プロダクション・デシネ』ではセレクション、ライセンス交渉、デザインに至るまで、そのほぼ全ての工程を担当。全くブレの無いセレクト、審美眼は世界的に評価が高い。