ニューオリンズ大特集!

2009年4月23日 (木)

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ジャズ発祥の地として知られ、ジャンプ、R&B、ロックンロール、ソウル、ニューオリンズ・ファンク、そしてヒップホップと時代と共に発展してきた
音楽都市ニューオリンズを大特集!


人々を魅了してやまない不思議な魔力を持つニューオリンズ・ミュージック。その歴史は古く、ジャズの誕生の土地としてもニューオリンズはあまりにも有名。 アフリカの文化と、植民地であったフランスやスペイン、さらにカリブ海の音楽が行き交い、まるでガンボ・スープのように文化が混ざり会った街、ニューオリンズの音楽の歴史を簡単に振り返ってみましょう。

 はじめに・・・

★ニューオリンズ・ミュージック初心者向け
New Orleans Party Classics
ニューオリンズ入門編として最適のライノ編纂コンピレーション。長髪教授による「Go To The Mardi Gras」をはじめ、ロックファンにも人気のDr Johnの「Iko Iko」まで、収録曲全てオールタイム・クラシックスというべき内容。 ニューオリンズの陽気なサウンドが詰まった1枚です。

 Part 1. ニューオリンズ・ジャズ

遡ること1718年、フランスに占領されたその地域は、ルイジアナ州の首都として設定。 当時、高い教育を受けることが出来たフランス人と黒人との混血であるクレオールは西洋音楽を愉しみ、アフリカやカリブから連行された黒人奴隷も他地域よりはダンスや打楽器等で演奏することが許されていました。南北戦争が終結し、奴隷は解放されラグタイム等を演奏。さらに自由の音楽を表現するような即興演奏に発展し、サッチモらを代表とするニューオリンズ・ジャズが誕生します。1940年代にはニューオリンズ・ジャズのリヴァイバル・ブームが起こり終戦後の日本でも人気を博しました。

重要ソング♪
Louis Armstrong / Basin Street Blues ・Louis Armstrong / Struttin' With Some Barbecue  
Jelly Roll Morton / King Porter Stomp ・Sidney Bechet / Maple Leaf Rag 
George Lewis / When the Saints Go Marching In
 
重要アルバム

左から:Louis Armstrong『Hot Five And Hot Seven Recordings』、Jelly Roll Morton『Birth Of The Hot』、Sidney Bechet『Ken Burns Jazz』、Bunk Johnson『Plays Popular Songs』、George Lewis 『With Kid Shots』


 Part 2. リズム&ブルース!

40年代後半からリズム&ブルースが大流行。 50年代にはニューオリンズ特有のサウンドをビートに取り入れたアーティストたちがヒットを飛ばしシーンを支えます。この時期のニューオリンズはタレントが豊富で、大宝的なところでは国民的スターとなったFats Dominoが活躍していた時期です。 葬式のときにブラスバンドが演奏しながら練り歩くセカンドラインのマーチのシンコペーションリズムやカリブ海のサウンドを取り入れた Professor Longhairのような独特の音楽スタイルを表現するアーティストも出現。ロックンロールのパイオニアLittle RichardはニューオリンズのJ&Mスタジオで多くのヒット曲を録音しました。

重要ソング♪
Fats Domino / Blueberry Hill ・Fats Domino / Walking To New Orleans 
Professor Longhair / Mardi Gras In New Orleans ・Smiley Lewis / Bells Are Ringing  
Huey Smith (Huey Piano Smith) / Don't You Just Know It  ・Little Richard / Tutti Frutti  
 
重要アルバム

Fats Domino『Jukebox 20 Greatest Hits』、Professor Longhair『New Orleans Piano Blues』、Smiley Lewis『I Hear You Knockin』、Huey Smith (Huey Piano Smith) 『Havin A Good Time』、Little Richard『Here's Little Richard』


 Part 3. ブルース&ソウル

ニューオリンズは他の南部地域と違い、ダウンホーム・ブルースという伝統はありませんでしたが、 ミシシッピから移住してきたGuitar Slimにはじまり、驚愕テクニックのSnooks EaglinやのどかでヘタうまキャラのEarl Kingへとブルース魂は受け継がれていきます。 またロックンロール衰退と共に新たなスタイルを模索する中、60年代からプロデューサーAllen Toussantが頭角を現し、ソウル・クイーン・オブ・ニューオリンズと呼ばれたIrma Thomasをはじめ、Lee Dorsey、Labelle、The Bandまで手がけ才能を発揮。70年代に入るといっそうR&B /ソウル・シーンも活発化していきます。

重要ソング♪
Guitar Slim / Things I Used To Do ・Snooks Eaglin / Alberta  
Earl King / Those Lonely, Lonely Feelings  ・Lee Dorsey / Ya Ya 
Allen Toussaint / Victims of the Darkness  ・Irma Thomas / Time Is on My Side 
 
重要アルバム

Guitar Slim 『Things I Used To Do』、Earl King『Those Lonely Lonely Night -The Ace Recordings』、Lee Dorsey 『Yes We Can / Night People』、Allen Toussaint 『Life, Love And Faith』、Johnny Adams『Released -Memorial Album』


 Part 4. ニューオリンズ・ファンク

60年代末、Metersの登場でニューオリンズ・ファンクが確立。いわゆるセカンド・ライン・ファンクの代名詞として音楽シーンに多大な影響を与えます。 Meters解散後、メンバーのアートとネヴィルはNeville Brothersを結成し、世界的成功を収めることとなります。 またマルディグラなどで ネイティブ・アメリカンであるインディアンの格好をし、自らのルーツの表現としてチャントを繰り返す土着性の強いWild Magnoliasらも人気を博します。

重要ソング♪
Meters / Cissy Strut  ・Meters / Look-Ka Py Py  
Meters / Hey Pocky Away  ・Neville Brothers / Yellow Moon 
Aaron Neville / Tell It Like It Is  ・Wild Magnolias / Carnival Time  
 
重要アルバム

Meters『Look Ka Py Py』、Meters『Rejuvenation』、Neville Brothers 『Yellow Moon』、Aaron Neville『Tell It Like It Is』、Wild Magnolias『Wild Magnolias』

 Part 5. ロックとの融合

ロック、テックスメックス、カントリーなどとの融合することによりニューオリンズ・ミュージックは世界的に広まります。 それを最も体現したのがDr Johnと言えるでしょう。さらにThe Band、Little Feat、Robert Parmerといったロック・アーティスト達もニューオリンズの音楽に 影響を受けた作品を発表。90年代以降はトラディショナルなスタイルのブラス・バンドや、ニューオリンズの伝統を吸収したGalacticのようなジャムバンドが活躍するようになります。

重要ソング♪
Dr.John / Iko Iko  ・Dr.John / Right Place, Wrong Time 
Little Feat / Two Trains  ・Robert Palmer / Hey Julia  
Dirty Dozen Brass Band / Blue Monk/Stormy Monday ・Galactic / Go Go 
 
重要アルバム

Dr.John『Gumbo』、Bobby Charles『Bobby Charles +4』、Little Feat『Dixie Chicken』、Dirty Dozen Brass Band『Medicated Magic』、Galactic『Coolin Off』

 Part 6. ヒップホップ、そしてカトリーナ

現代に目を向けると、メインストリームで活躍するN.O.出身のアーティストも多数存在しています。 特に90年代後半から始まったニューオリンズのヒップホップ・シーンは浮き沈みしながらも脈々と続いており、、 今最も熱いMCと言われるLil Wayneもシーンを支える一人です(ちなみにWeezyと「Girls Around The World」で共演しているThe Inc.のシンガーLloydもニューオリンズ出身)。 忘れたならないのは05年8月に起こったハリケーン・カトリーナ。ニューオリンズを襲った天災は業界にも深い影を落とし、Juvenileは家を失い、Fats Dominoも一時期行方不明になったことはあまりにも有名。 一時はチャリティソングやアルバムがリリースされたものの、Lower 9th Wardのような貧困地域は未だに復興できず、治安は悪化、社会問題となっています。


Lil Wayne 『Tha Carter III』
客演・コラボ作を含め、ここ数年の圧倒的な仕事量とクオリティを誇る今、最もノッているMC、Lil Wayneの7thアルバムが度重なる延期と音源リークを経て、ようやく我々の手元に到着。ニューオリンズ、サウスという括りを完全に超え、メインストリームのヒップホップを代表するラッパーとなったWeezyがその実力と勢いを見せつけた、これぞNo.1ラッパーという傑作を作りあげた! Lil Wayneニュース

〜98年

B.G.『True Story』、Hot Boys『Get It How U Live』、Master P『Ghetto D』、Big Tymers『How You Luv That Vol.2』、Soulja Slim『Give It To Em Raw』

99年 〜02年

Kane And Abel『Rise To Power』、Mystikal『Let's Get Ready』、Skull Duggrey『3rd Ward Stepper』、C Murder『Trapped In Crime』、Unlv『Return Of Unlv: Trendsetters』


C Murder『C-p-3.com』、John Got'ti『Cut Throat』、Lil Romeo『Lil Romeo』、Lil Wayne『Lights Out』、Kane And Abel / Most Wanted Boys『Down Bad』

02年 〜04年

Lil Wayne『500 Degreez』、Baby Aka The #1 Stunna『Birdman』、B.G.『Livin'Legend』、5th Ward Weebie『Da Unexpected』、Magic『White Eyes』


Juvenile『Juve The Great』、Soulja Slim『Years Later A Few Moments』、Turk『Raw & Uncut』、Juvenile / Skip / Wacko『Beginning Of The End』、Choppa『Da Real Choppa』

06年 〜

Juvenile『Reality Check』、Partners N Crime『Club Bangaz』、Lil Wayne『Carter 2』、Birdman / Lil Wayne『Like Father Like Son』、9th Ward『9th Ward』

 その他オススメ作品


『Doctors Professors Kings & Queens』、『New Orleans Deep -Confessing』、『Our New Orleans: Benefit Albumfor Gulf Coast』、『New Orleans Funk』、『Higher Ground Hurricane Benefit Relief Concert』

ニューオリンズ ベストセラー

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References:
『ニューオリンズ・ミュージック・ガイド・ブック』、『ブルースCDガイド・ブック』、『bmr No.332 〜340』