SOZORO×あがた森魚 対談
2007年8月13日 (月)
インタビュー |
SOZORO ×あがた森魚 対談 |
![]() 写真左より:あがた森魚、笠原麻矢(SOZORO)、吉原伸(SOZORO) ![]() ![]() |
|
あがた森魚の音楽との出会い。“この人はなんなんだ!!?”
吉原:僕が学生時代にはっぴいえんどとか好きで、大瀧詠一さんが特に好きで、その流れで『僕は天使ぢゃないよ』のアルバムを最初に買ったんです。 正直話すと、初めて聴いたときには、この人は何なんだ??みたいな(笑)、何がなんだかわかんない??そのときは正直消化できないまま。 あがた:ひいちゃった?(笑) 吉原:あぁいろんな人がいるんだなぁ〜みたいな(笑) あがた:怪しいもの聴いてしまったなぁと?(笑) 吉原:ふと、しばらく経って、もう一度同じCDをかけた時に、なんて言うかこう、全然衝撃が違ったというか、大げさじゃないくらい、涙が出るくらい感動してしまったというか。もう、その日のうちにあがたさんのアルバムを何枚か買いに出かけて、その後しばらくずっと聴き続けて、気が付いたらもう中毒になってましたね。 あがた:それいつ頃? 吉原:最初に買ったのは高校時代ですね。衝撃をまた受けたのは、高校卒業したあとぐらいで、19かハタチぐらいかな、まだ地元にいる頃。
あがた:何年ぐらい前の話?
吉原:それはもう10年ぐらい前。 あがた:あぁ〜そう。いろんな出会いがあるんだね。 吉原:今まさかこうやって話をするとは。(笑) HMV:実際出会われたのはいつなんですか? あがた:去年だよね。去年の1月? 吉原:そうですね。 笠原:シン君はその前に居酒屋で。 吉原:そう居酒屋で。俺が昔働いていた居酒屋に飲みに来られたことがありまして。 あがた:俺が!?それはどこだ??(笑) 吉原:それは新宿の居酒屋さんで、ちょうど裏の昭和館でしたっけ?女番長ゲリラの上映をやってて。 あがた:あ〜やってた。見たその“女番長ゲリラ”って? 吉原:見ました見ました。 あがた:う〜ん。なんとも言えず、あの作品自体も、あがた君の登場の仕方もね。(笑)いやだから貴重な作品だよね。 吉原:あれは本人役? あがた:本人役。犯人役じゃなくて、本人役なの。(笑)まぁ似たようなもんだけど。(笑) だから僕は、俺の話をしててもいいのかどうか…まぁ余談・雑談としてね。 ちょうど、俺今、蜷川幸雄さんの舞台、エレンディラっていうのを、ちょうど今稽古してる最中なんだけど。もう舞台やるのも久しぶりなんだけど、やっぱり演劇みたいの最初すごい興味あって、映画にも興味もったりしてて、そういう流れから音楽に入ったっていうのもあるからね。僕の音楽はちょっと、そういう色合いも強かったりするんだけど。 吉原:でもアルバムを聴いても、だいたいそういうちょっと映画に通じる、トータルとして聴くおもしろさがやっぱありますよね。 あがた:あるよね。だからまぁ、蜷川さんのお芝居を今一緒にやっててさぁ、こう、やっぱり歌うこととお芝居やることの違いとか、歌をやることと、映像を創ることの違いっていうのは、まぁどっかではすごく通じてるんだけど、やっぱ具体的な作業としては、やっぱりこうも違うかっていうね。
歌うっていうのは、あれだね、あがたさんってなんなの?”って肩書きを聞かれてるとしたら、僕は歌手なのさって言ってるの自分で。
だから、それができるから歌手っていいなぁって、自分では肩書きとしても、自分のこう一応役職としても、非常に気に入ってんだけどもね、歌手っていう立場がね。 ところがお芝居っていうのは、舞台の上に立つと全部やんなきゃいけないわけね、台詞があって、まぁ台詞があってしゃべる分には、歌うことと一緒なんだけど、歌うってのはすごい抽象的っていうか…非常に音と、音楽的サウンドと、声で全部が、非常に抽象的なんだけども、音楽ってすごい数学的だったり、物理的だったりして、そこの上にこう、声と、リズムとメロディが乗った時にさぁ、ものすごい、えもいわれぬ表現になるわけじゃん。 ところが、お芝居っていうのは、それを全部一回元に戻して…いましゃべってるこの現実、“ハイ、ヨーイスタート”って言ったら、これを、同じことをやんなきゃいけない、久々に芝居をやってさ、以前はあがた森魚さんのままでいいですよって、まぁ今もそう言ってくれてるけど、でも夢千代日記とかTVドラマに出たときも俺こう、ぼ〜っと立ってるだけでいいわけよ。なんか台詞時々ぼそぼそっとしゃべって。 でも今、全体の舞台で生で動いてる中に、俺も一緒にそこに入るときに、俺は、やっぱり、みんなの中に溶け込んで、アンサンブルでお芝居しなきゃいけないわけね、俺、写真屋の役なんだけども、こう三脚立てて、こやって、昔の看板式の写真なわけだから、マグネシウムたいたりとか…マグネシウム本当に焚いたりするわけ、もう必死だよ(笑) SOZOROっていうのも、こうイマジネーションの世界が…、大瀧さんって今言ったけど、大瀧さんっぽくないよねある意味。
|