―― 海外でのDJや楽曲制作でお忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。
本当にめっちゃ忙しい。今日もスタジオにて作業中で。先週ドイツの<Blutonium Recirds>から頼まれてたDJ NEO「Angel Of Darkness」のリミックスが仕上がって。<Hellhouse Recordings>の次回作 ATMOZER「Time To Time」も同時で進行中。かと思えば、誰やったけなぁ、他にもリミックスの依頼が来てたしなぁ。
―― オーストラリアからリリースされた『Pharmacy Vol.4』以来、半年振りとなるMix CD『GIGA tech-dance extreme』を発表されますが、今の感想を聞かせて下さい。
結構 -品-のある内容になってると思うよ、今回。下品なのは嫌やから(笑)。抑揚って部分を一時間のCDに収めるのはなかなか難しくて、本当はミックスCDやったら2枚組ぐらいがいいけど。例えば一枚がしっとりしてて、もう一枚が激しくて、って感じで。ある程度イメージを分た方がやりやすいってのはある。だからと言って、一枚やからピークタイムのものばかりをドバっと入れるという、あんまり下品な事もしたくないしな。けど、よくまとまったんちゃうかなぁ
―― この作品にはどんなサウンドが収録されているんですか。
タイトルにも付けてるけど、今僕は「テックダンス」という新しいカテゴリーを提唱していて。このキーワードはまだ曖昧で、つかみどころがなかったりすんねんけど。エッジがはっきりしてて、テクノの要素があって。そこにソリッドなテックトランスも含まれる、みたいな。更にシュランツ(ヨーロッパを中心に盛り上がりをみせるハードテクノ系サウンド)も入ってきたりするし。
―― ミクスチャーな感じですね。
そうやねん。ただ、グルーヴ感という意味ではどれも似たところがあるんちゃうかな。その辺はこのCDを聴いてもらえればある程度わかってもらえると思う。海外では「ローリングテクノ』とも呼ばれてるらしいで。
―― 「ローリングテクノ」っておもしろい言葉ですね。
そう。今そんな言葉があんねん。縦じゃなくて転がる。まぁ要するに「ロコモーション」なヴァイブやな。汽車が走っていく様に「シャッシャカシャッシャカ」ってな感じ。それがまずベーシックにあって。
そう、あともうひとつ。これはテクノを作る人が考える基本やねんけど。ひとつのサンプルの音をどこまで追求していじっていけるか、ってのがあるな。メロディを全体的に考えるんじゃなく、ひとつの音に対してもの凄くフォーカスして、引っ張ったり曲げたり、ねじったり。で、曲の構成を作っていく。それが僕にとって今凄いエキサイティングやねんな。
―― 今回、Yojiさんがメインを務めるパーティー「GIGA」の名称が付いていますね。
タイトルが思い浮かばなくってさ(笑)。ま、それは冗談で。3年前に出した『Future Of Hard Dance』シリーズの時も、いいアーティスト達に順番に振ってシリーズとして続けていきたいなぁ、って思ってたやんか。それが叶わぬ夢で終わってしまって。そういう意味で「GIGA」に登場するDJのシリーズになればいいかな、ってのが僕の中にあって。そういうシリーズ・コンピレーションにするために、今回はこのタイトルを付けたんやけど。
―― 後半のREMO-CON「Atavism」からYojiさんの最新シングル「Six Hours」の部分は作品のピークな部分だと思うんですが、いかがですか。
REMO-CONは同じシンパシーで、常に良い音を取り込んでるな。「Atavism」は僕の中ではパーフェクトな楽曲やで。「Six Hours」は、思った以上に影響力が強かったみたいやな(笑)。最近送られてくる音も、早速ああいうテイストの曲が多いし。某アーティストも早速パクっとったで(笑)
―― 最後に、この『GIGA tech-dance extreme』で打ち出した「テックダンス」をどのように広めていこうとお考えですか。
僕がどんだけ頑張れるか、ってのももちろんあると思うねん。テックトランスの人の音も非常におもしろいと思う。けど、もっとローリングしてるアーティストがハードダンス以外にもいるわけやんか。で、彼らがいかにフィールドを超えて、コラボレーションとかやっていって、新しい音を作っていけるか、ってのはあるな。彼らだけやったらもう煮詰まって終わってまうと思う。アイディアを出し合わないかんと思うな。
―― お忙しいところ、ありがとうございました。