HMVインタビュー: Inner Science

2007年2月5日 (月)

☆『Forms』発売記念インタビュー!



ブレイクビーツを軸につくりあげた、メロディックでカラフルなアルバム『Material』で高い評価を受け、リリース後に精力的なライブ活動を行い、北海道から九州まで全国各地を飛び回り、ジャンルやシーンを問わない多方面へと広がるアンダーグラウンドのネットワークを築きあげてきた、Inner Science

それらの現場で培ってきたセンスを糧に、あえて独りでつくりあげたアルバム『Forms』。ゆったりとした力強さを感じさせるドラムのブレイクと、渋くも印象深い空気感を生み出すループとのコントラスト。未分化な音のうねりとビートの刻み、エディットによってフリーフォームなグルーヴを生み出しています。

その作品リリースにあわせてInner Scienceこと西村尚美さんにお話をお聞きしました。

 


Interview with Inner Science


まず、音楽との出会いについて教えていただけますか?

Inner Science(以下:I): 両親が音楽に携わっていた事もあって出会いと言うとどこからなのかわからないのですが、覚えている一番小さい頃の事だと、(習わされていた)ヴァイオリンを弾いていた事でしょうか。今思うと何故ヴァイオリンなのか謎ではあります。


音楽と触れ合ったキッカケからヒップホップに出会うまではどんな音楽を聴いていましたか?

I: X JapanとかBuck-TickからThe Blue Hearts(友達の影響)から、NofxとかNirvanaとかOff Springとかでしょうか?いわゆる当時の流行ものなんですかね。


バンド活動を経てヒップホップに出会ったとのことですが、それは何歳で、その時聴いた作品はなんですか?

I: バンド活動って言うとすごいけど、単なるアマチュアのコピーバンドでした。それを中学生の時にやっていて、その頃友達が2 PacIce-TIce Cubeなどを聴いててその頃は正直全然ピンとこなかったんですが、高校の時に気がついたらすっかりはまってました。


ヒップホップと出会った頃よく聴いていた作品を教えてください。

I: 友達のとか、あと原宿とかで買った名も知らぬミックステープの様な気が。Tape Kingzとか。聴いてましたね、ただただ。レコードは最初あんまり買ってなかったです。なので、あの曲、みたいな印象はあまりないです。


音楽制作をスタートしたのはいつ頃ですか?始めたきっかけとは?

J: それが当たり前だと思ったからです。明確な時期はわかりません。


自身のレーベル<Oneowner Records>を立ち上げたきっかけというのは?目標としているレーベルなどありましたか?

I: 自分たちの作品を、何も変えずにそのままどこかのレーベルがリリースしてくれるとは思わなかったからでしょうか。あと、いつか色々なレーベルと仕事ができた時に、制作や販売の基本を知っていた方が色々な意味で有利だとも考えていました。

目標としているレーベルは、全くと言っていい程ありませんでした。というか、目標に出来る程詳しく知っているレーベルがなかったです。もちろん<Warp>や<Ninja Tune>といった老舗レーベルへの尊敬の念はありますが、それが目標、という事ではない感じもします。


レーベルを立ち上げて運営していく上で良かったこと、悪かったことってどんなことですか?

I: 自分を含め、色々なアーティストの作品をシンプルな行程で素早く世に発表できる、というのが一番大きいですし、それによって自分の活動にも確実にフィードバックがありました。更にごく個人的なこととしては上にも書いた通り、制作から流通、販売までの流れをとりあえず把握出来た事でしょうか。その中で更に、イラストレータの使い方やデータの入校方法、ウェブサイトの作り方からレコードプレスの手配まで。人間、必要に迫られると覚えるものですね。

悪かった事は、一杯あったような気もしますがもう覚えてません(笑)。


自身のInner Science名義での1stアルバム『10Track Sampler』は2001年にリリースされますが、そのアルバムがリリースに至った経緯はどのようなものでしたか?

I: 出したら面白いかなと思って。






Inner Science 作品 左から 1. 1st 『10 Track Sampler』 (2002年) / 2. 2nd 『No Name No Place』 (2003年) / 3. 3rd 『Material』(2004年) / 4. ノンビートの別名義作品 Portoral 『Material』(2006年) 



3rdアルバム『Material』が<soup-disk>からリリースすることとなった経緯を教えてください。

I: AzzurroさんがちょうどIll Suonoとしてリリースするかも、といった時にご紹介頂きました。当時下北沢にあったonsaのインストア(多分DaedelusとRiow AraiさんのDJだったかな?)の時にデモをお渡ししたところ、ご連絡いただいてリリースできる事になりました。


『Forms』完成にあたって、率直な感想をお聞かせ願えますか?

I: 思いのほか完成まで長かった。でも誰らしくもない自分の感覚が投影できたと思っているので、必要な時間だったんだと今は思うようにしてます。




Inner Science  『Forms』

01.Introduction For Forms
02.Plaited Frame
03.Fold
04.Grace Note_1
05.Tier
06.Periodic Order
07.Diaphamous
08.Sight Perfection
09.Encountered
10.Mood
11.There
12.Grace Note_2
13.Fair





『Forms』とはずばり?

I: それは各々の解釈で。


『Forms』では"心地良さ"というものを強く感じました。そして包み込まれるようなビートに"安心感"にも似たものも感じたのですが、ビートを作るうえで一番重点を置かれていることはどんなことですか?

I: ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。自分的に一番気にしているのは質感とグルーヴで、あとは非コラージュというか、ツギハギ感が出過ぎないように、という部分は気にしています。


『Forms』の楽曲制作において、インスピレーションを受けたのはどんなことですか?

I: 日常生活。猫。犬。ほうれん草。


Portral名義ではノンビート作品に挑戦されていますが、そういった意味で、名義での明確な線引きをされているということでしょうか?

I: ある程度はもちろんそうなんですけど、なんというか自分の中での気持ちの問題なんですよね。楽しいからというか。結局最終的には自分個人に還元される訳ですし。ただ、新しい名義で出すと、世間的には常に新人扱いなので、それも面白いかなぁ、と。わかり辛くてすみません。


"自分をつくりあげた作品"というテーマで3作品をあげていただくことは出来ますか?可能であればそれについてのコメントお願いします。

I: 近年の作品が多いので、つくりあげられたのかどうかはわかりませんがとても好きな曲です。


■black moon / back em dawn (da beatminerz remix)

I: 完璧。元ネタのDonald Byrdの曲自体も最高。


UA / 閃光 (rei harakami ver.)

I: びっくりしました。びっくりしすぎて何故かアナログで2枚持ってます。

atami / nightn gale (child’s view remix)

I: シンプルな音数で最大限のオリジナリティー。名リミックスです。

(※左記は 「nightn gale (child’s view remix)」収録の『Best』)

I: あと、正規リリースされていなかったりする近しい人間たちの作品にも、同様かそれ以上の刺激を受けて自分が形成されています。


今後の活動について教えていただけますか?

I: 3月くらいからアルバムに関連したライブツアーを行う予定で、4月にはOpiateのリミックスを収録した12inchをリリースします。詳しくは<Soup-Disk>、もしくは僕のサイトにアップしていきます。あとはCandleの<Mary Joy>から出るアルバムの収録曲を一曲プロデュースと、<Flower Records>から出る予定のeicoのニューアルバムでも一曲参加してます。他には、また別名儀とかでやるかもしれないし、気持ちを新たにまたゆるーい感じでレーベルでも始めようかと思ってます。今は。


ありがとうございました!



協力: soup-disk




☆関連アイテムリンク 
>レーベル作品をリストでみる: <soup-disk>
>レーベル作品をリストでみる: <corde>

☆関連インタビューリンク 
42006年11月 白石隆之インタビュー
42006年10月 cappablackインタビュー
>2006年8月 Karafuto(田中フミヤ)インタビュー
>2006年8月 suzukiskiインタビュー
>2006年4月 Conflictインタビュー

☆関連リンク 
><soup-disk>オフィシャルサイト
><corde>オフィシャルサイト

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