Rei Harakami インタビュー
2005年5月17日 (火)
前作から4年。『Red Curb』、そのリミックス『レッドカーブの思い出』発売以降、クラブミュージックやエレクトロニカといった枠を超えて多彩な活動を展開してきたRei Harakami。
待望という言葉が相応しい新作「Lust」が遂に完成。初めて自身でヴォーカルをとった楽曲が収録されるなど、より「素」が表に出た内容に仕上がっている。
新作を完成させたRei Harakamiにお話を伺いました。
Interview with Rei Harakami
○実に4年振りのアルバムリリースになる訳ですが、まず製作を終えての感想を聞かせて下さい。
Rei Harakami(以下RH):兎にも角にも完成させる事が出来てよかったなと心から思っています。自分にはまだ音楽を作り続ける動機があるんだなあ、という事を再認識出来た事が嬉しいです。次のアルバムの事なんてまだ全然考えられません。
○前作「Red Curb」はセールス的なヒットもそうですが、アーティストや音楽関係者等、各方面からの評価も非常に高く、ハラカミさんにとって様々な意味で分岐点となったのではないかと思うのですが、いかがでしょう?また、今回のアルバムの製作にあたり、そうした点からのプレッシャー等はありませんでしたか?
RH:「Red Curb」は、それ以前までの作り方を踏襲させつつも、自分の音楽をクラブミュージックとして機能(DJが使いやすいか否か)させる事への興味がどんどん薄れていったプロセスがそのまま出ていると思います。『自分が聴きたい音楽/時間を作る』という素朴な動機で作ったモノが、それまで関わる事のなかった世界の人たちにアピールした事は、やはり大変励みになりました。ただ、元々音楽を作るペースは遅いので、色んな人のオファーをこなして行くのはとても楽しかったのですが、その分、自分の音楽を作る時間が全くなくなっていくわけです。4年も空いてしまった理由はそこが一番大きいです。もしかしたら、作業効率を無理矢理アップさせる手段もあったのかも知れませんが、そうする事でクオリティを下げる可能性の方が大きかったのではないかと考えています。時間的なプレッシャーはもちろんありましたが、気にしても仕方ない、と自分に言い聞かせてました。
○この4年の間に、くるり、UA、Great3、Date Course Pentagon Royal Garden、それに矢野顕子さんといった、ある種ご自身のフィールドとは異なるアーティストの方々と、リミックスやプロデュース、アレンジといった形で交流されてきましたが、そうした経験はハラカミさんにとって、どういったフィードバックをもたらしましたか?また、そうした経験は、やはりアルバム「Lust」にもフィードバックされているのでしょうか?
RH:多くのリミックス/プロデュースを経験した事で、逆に自分のソロアルバムくらいは、自分1人だけで作らなきゃなあ、と思えた事が一番大きいと考えています。僕のここ数年のリミックス/プロデュースワークで、共通している事は、僕の作る音楽の真ん中に『声』という主体が定位している事でした。『声=主旋律』を生かす音楽の作り方をしていたわけです。それ以外の事は考えないようにしてました。ただずーっとそういう作業が続いたおかげで、いざ自分のアルバムを作り始める段階で、主旋律が真ん中に定位していない自分の音楽が今後も成立させられるのか?という疑問が自分の中で不安感としてあったのは確かです。ウダウダしながら作り続けるプロセスの中で「そもそも自分のやっている事は真ん中に人が立っていない風景画みたいなもんだ」と考える事が出来てからは、比較的にスムーズに進行させる事ができました。
○細野晴臣さんの“終わりの季節”(アルバム「Hosono House」収録)のカバーには、少し驚きました。エレクトロニカというフィールドで考えるとカバーってなかなか無いですよね…。そしてヴ ォーカルはハラカミさん自身によるもの。この曲を収録するに至った経緯、また何かエピソードなどがあったら教えてください。
RH:“終わりの季節”は、元々発表を前提とせずに作ったものです。2003年に矢野顕子さんのコンサートで「ハラカミアレンジで歌いたい」というリクエストで作り始めたものです。デモを作っている時、雰囲気がつかみずらかったので、自分で歌ってみたのです。今回のアルバムとは、まったく別のプロジェクトと捉えていたのですが、この曲を入れる事でアルバム全体の流れが、ふくよかになるような気がしたので入れたわけです。例えば、2曲目にこのカバーが入っていたら、アルバムイメージはまったく変わってしまうわけです。あえて5曲目に配置している事を認識していただければ、幸いです。
○先日の野音のライブを観させて頂きましたが、上記のカバー曲はプレイしなかったものの、アルバム同様、"Long Time"〜"Joy"の幕開けでしたね。そしてその"Joy"ですが、トラック的には四つ打ちのハウスなんだけど、Dubを聴いているようなゆったりした感覚が、夕方の暗くなりかけの時間帯の中、ホント最高(Joy)でした…。ところで、ハラカミさん自身の中で、アルバム「Lust」の中のフェイバリット・トラックはありますか?
RH:デモ段階でもワンコーラス歌うと、すぐに貧血を起こしていたので、今の所ライブで“終わりの季節”をやる事はないでしょう。このアルバムで一番最初に出来た曲はタイトルトラックの“Lust”です。この曲が出来た時、オマケ的な扱いではなくて、主役として配置されたとしても、とても気持ちよく聴けるアルバムが作れたら良いなと思えたわけです。その意味で、このタイトルトラックはとても大切な曲です。
○YMOやKen Ishii、それに初期現代音楽からも影響を受けた、という話しを以前、雑誌等で目にしたことがありますが、ハラカミさんがこれまでに影響を受けた 音楽(歴史)的変遷を(できれば具体的なアーティスト名、アルバム名を挙げて)教えてもらえますか?
RH:10代から現在辺りまで。
オフコース → YMO-Family → Police → Japan / David Sylvian → King Crimson / Yes → Xtc → Material → Friction → 80's Idol → The Smiths → Fairground Attraction → 矢野顕子 → エレカシ → Robert Wyatt / Soft Machine → Henry Cow / Slapp Happy → Brigitte Fontaine → Reich → Debussy → Monpou → Louis Philippe → The Beach Boys / Van Dyke Parks → The Orb → A Tribe Called Quest → Ken Ishii → Aphex Twin → Stina Nordenstam → Antonio Carlos Jobim → Bach / Handel → Moodymann → スッパ マイクロ パンチョップ → Suzukiski → Sheila Chandra & The Ganges Orchestra → Jim O'Rourke → くるり → Numbergirl → Radiohead → Kraftwerk → Transmat(label) → 七尾旅人
重くなったり軽くなったりのくり返しだなあ、と自分で書いてて思いました。突端まで行くと、真逆の要素が欲しくなる、という事だと思います。
○今後のスケジュールを教えてもらえますか?
RH:ライブはバルセロナ、名古屋、広島、東京で数カ所。その後もおそらく色々と。あとは、ゆっくりと何人かのアーティストとコラボレーションしております。 当たり前なんですが、出来てからリリースしたいと考えてます。作品が出来てもいないのにリリースの予定だけ立っている、なんてのは、僕にとっては大変な脅威です。
○最後にファンにメッセージをお願いします。
RH:出来る限りのんびり作り続けます。のんびり生き続けて下さい。
○ありがとうございました。
special thanks : Sublime Records(http://www.sublimerecords.net)
Rei Harakami〜
広島生まれ、京都在住。<Sublime Records>より『Unrest』(98年)でデビュー。エレクトロニック・ミュージックにフュージョンを足したような自由で繊細な音で高い評価を得る。また、水彩画のような独特のうねりを持った電子音はあきらかにオリジナルなものであり、国内外問わず人気を博している。
UA“閃光”のプロデュース、くるり“ばらの花”のリミックス、くるり主宰イベント<百鬼夜行>への出演、矢野顕子と『ホントの気持ち』で共演など近年は他アーティストとのコラボレーション活動も充実。
テクノ、エレクトロニカ、ロック、現代音楽…、ジャンルやスタイルの壁を問わず今最も注目を浴びる音楽家のひとり。
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