Top 100 Japanese pops Artists - No.100

2003年8月23日 (土)

沖縄には、「島唄」と呼ばれる沖縄民謡が暮らしの中にしっかりと根づいています。 沖縄音楽といえば、独特な琉球音階と三線の音色にのったの民族色の強いサウンドで日本でも有数の民謡の宝庫であり、 今でも毎日のように島唄の新曲が生まれていると言われてます。

ブームを迎えたオキナワンポップスは、1990年前期には りんけんバンドネーネーズが活躍し、92年には The Boom (彼らは沖縄出身ではないが)の島歌が大ヒットを記録。 坂本龍一サザンオールスターズらも自作に沖縄 メロディーを取り入れるなどして伝統的な沖縄音楽に電子楽器を加えた新しいスタイルである「オキナワンポップス」 という言葉が誕生しました。オキナワン・ポップスを代表する りんけんバンドを始め、 の大ヒットで有名になった 石嶺聡子、沖縄が生んだ異種アーティスト Cocco、 そしてBegin森山良子 涙そうそうをカバーし注目を浴びた夏川りみなど個性的なアーティストが次々と登場しました。ちなみに涙そうそうが生まれたきっかけは、 Begin がライヴで歌っていたのを一聴き惚れし、“私にも歌わせてほしい”と直接交渉し、そこからもいろいろあって、 ようやく大ヒットへとつながったのでありました。

モンゴル800HYオレンジレンジなど音楽シーンの話題の中心となる若手アーティストも生みだしている沖縄ポップス。 島唄の音階を生かし、ロックやラテン、ブルースなどの西洋音楽を思い思いにミックスさせたオキナワンポップスは、今、 沖縄から日本本土へ、そして世界に飛び出しています。 暮らしに根付いた音楽をやるのは彼らにとって自然なことであり、そこから生まれた作品にも素晴らしい素質があります。 そんな沖縄を代表するアーティストは多いのですが、なかでもマイペースで活動を続けながらもつねに音楽シーンの一角を担う Begin を追ってみました。

■Begin(ビギン)プロフィール
比嘉栄昇 (ひが えいしょう) Vo
島袋優 (しまぶくろ まさる) G,Cho
上地等 (うえち ひとし) Key,Ch

沖縄県石垣島出身の3人組。 小学生の頃よりの”竹馬の友”であった3人がそれぞれ上京。
1988年、友人の結婚パーティーに初めてBeginとして出演。 その演奏を見たライブハウスのマスターから定期的な出演の誘いを受け、ステージに立つ。
1989 TBS「平成名物TVいかすバンド天国」(通称:いか天)に出演、いか天キングに輝く。
1990年、比嘉がアップで唄う日産自動車CMイメージソングが話題となり、 シングル恋しくてでデビュー。
2000年、デビュー10年を迎え、NHK朝の連続ドラマ「ちゅらさん」への出演で、名役者ぶりを披露し 、劇中のオリジナル曲・島唄の演奏でも大好評を得る。
2002年には島入ぬ宝 がNHK沖縄の「沖縄本土復帰30周年イメージソング」となり、年末には紅白歌合戦への初出場を果たした。

記念すべきデビューシングル恋しくて。心温まる独特の音楽と歌声で魅了し、この曲で彼らの名が広く知れ渡るようになりました。 初期の名盤音楽旅団リリース後、 シングルリリースはコンスタントに続けるものの、恋しくて以降はあまりぱっとしない状況が続きます。 そしてデビュー10周年を迎えた2000年、Beginが自分たちを育てたふるさとへ感謝と恩返しの気持ちで作ったオリジナル島唄アルバム。 ビギンの島唄〜オモトタケオをリリース。 (”オモトタケオ”とは、Beginが島唄を作る時にだけ現れる心の住人らしい)
2年後、ロングセールス中のビギンの島唄〜オモトタケオの第2弾 ビギンの島唄〜オモトタケオ2をリリース。
石垣島レコーディング&八重山諸島のミュージシャンが多数参加し、前作を凌ぐ、Beginならではのオリジナル島唄アルバムへと完成。
2003年にはBeginの発見(開発した)新しい4弦の楽器『一五一会』を全面に取り入れ製作された初のセルフカバーアルバム Beginの一五一会邦楽カバー集洋楽カバー集をリリース。 島入ぬ宝涙そうそう恋しくてなどの邦・洋の名曲を、ニューアレンジで収録したりと アルバムの始まりから終わりまで、ずっとリラックスして聴けるアルバムをリリース。

Beginのやさしい歌声と楽曲には、多くの人がやすらぎを覚えています。
今でも沖縄の地元の人たちともマイペースにお付き合いをするようで、そこもまた魅力。 ライヴに出て、と言われたらライヴに出るし、Begin を盛り上げてくれた沖縄の人たちに感謝の気持ちをこめてリリースした 沖縄限定シングルオジー自慢のオリオンビール (エイサーバージョン)もリリースし、ビールの売上に貢献(?)するなど、地元との密着な関係を続けているところに、 あたたかさを感じずにはいられません。 右に出るものはいないほど似合うアロハシャツの3人組。彼らとともに共有するLiveの空気も元気と勇気とやさしさの素です。

沖縄音楽とは一線を画して本土からデビューした彼らですが、いつしか精神的な面からも沖縄・八重山に回帰したようで、 彼らの唄には、沖縄土着の感じ方や考え方、暮らし方が刻まれていて、日本人の抒情性に訴えるものがあります。 沖縄の島唄文化をたっぷりと吸収し、自然に生まれてきたものが Beginの音楽。だから、 それを聴いている私達にも音楽を通して沖縄の香りが伝わってくるのでしょう。

沖縄音楽については、多くの研究もされており、歴史・生活・文化など無視しては説明できないものもあり、非常に奥深く、広がって いるので、ここでふれることは出来ませんでしたが、興味のある方はぜひその濃い文化にふれてみてはいかがでしょうか。
都会に住む私達が忘れてしまった心。それを、長い歴史の中ではぐくまれてきた沖縄の音楽で思い出せるかも知れません。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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