フルトヴェングラー&ウィーン・フィル/ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』
2026年08月10日 (月) 10:00 - HMV&BOOKS online ニュース - クラシック

秘蔵テープ復刻シリーズ
フルトヴェングラーとVPOの第9、欠落はあるものの、新発見か?
【このCDの復刻者より】
「当ディスクの音源はドイツ・フルトヴェングラー協会の創設者、フリートヘルム・シェーニング[1936-2021]の個人コレクション(2トラック、19センチのオープンリール・テープ)です。このコレクションからはこれまでにベートーヴェンの『英雄』(GS2296)、シューベルトの『ザ・グレイト』(GS2253-54)、ブラームスの第1番(GS2227)、ブルックナーの第5番(GS2133)、ウェーバーの歌劇『魔弾の射手』全曲(GS2225/6)などを発売しました。
今回のベートーヴェンの第9はそのコレクションに含まれていましたが、2箇所に欠落があったために、CD化に値せずと封印していました。
この第9の由来は以下の通りです。1953年1月23日、フルトヴェングラーはウィーン・フィルとの第9の公演中に倒れ、聴衆にも出演者にも衝撃を与えました。オットー・シュトラッサー(第2ヴァイオリン首席)は、「フルトヴェングラーとの別れが近いのでは」と悟ったそうです。そして、その代替公演である同年5月の第9は、楽団員も特別な思いを抱いて臨んだようで、深い情緒と壮麗な美しさに溢れた演奏となりました。また、結果的にはウィーン・フィルとの最後の第9ともなりました。
1953年5月の第9公演は29日、30日、31日(この日のみ2回公演)の、計4回行われました。現在、30日、31日の2種のライヴが知られていますが、日付はいまだに特定されていません。また、1日違いの公演にもかかわらず、ティンパニの叩き方が異なるのも議論を呼びました。さらに、31日は2回ともにイルムガルト・ゼーフリートが歌ったとする説、昼がヒルデ・ザデック、夜がゼーフリート、逆に昼がゼーフリート、夜がザデックとの記述もあり、情報が混乱したままです。
久々に欠落のあるテープを試聴しましたが、それは感動的な第9であることは疑いの余地はありません。しかしながら、既存の音源と同一のように思える一方で、違うような印象もあります。元の所有者が故人ゆえに、今ではテープの出自を知る手立てはありません。また、錯綜している情報と、このテープとの関係も不明です。それならば、いっそのこと公開し、広く意見を求めた方が良いのではとの結論に達しました。
改めて欠落の箇所は第1楽章の23〜26小節、第3楽章の1〜11小節です。全体の音質は特別に良くもなく、極端に悪くもなく年代並みですが、第4楽章に混信が含まれます。」(平林直哉)
【収録情報】
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
ロゼッテ・アンダイ(アルト)
アントン・デルモータ(テノール)
パウル・シェフラー(バス)
ウィーン・ジングアカデミー合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
録音時期:1953年5月31日(?)
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール
録音方式:モノラル(ラジオ放送用)
使用音源:フリートヘルム・シェーニング・コレクション(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
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