エルガー・フロム・アーカイヴ 第4集
2026年06月10日 (水) 18:00 - HMV&BOOKS online ニュース - クラシック

エルガー・フロム・アーカイヴ 第4集
「SOMM」の録音や「ARIADNE」の復刻におけるプロデューサー兼エンジニアであるラニ・スパー(Lani Spahr)は、5000本ものエルガー作品の録音を持っています。『エルガー・フロム・アーカイヴ』シリーズは、1951年に創設された英国エルガー協会の75周年を記念して、スパーのアーカイヴから歴史的な価値の高い音源を復刻するプロジェクトです。
元エルガー協会会長で原盤解説筆者のアンドルー・ニールによれば、冒頭に収められた序曲『南国にて(アラッシオ)』を指揮するゲルハルト・プリューガーは1907年ドレスデン生まれで、時代の荒波にもまれて第2次大戦ではナチ党に、戦後は東ドイツの共産主義政党に入党した経歴があるそうです。当音源が10年前には敵国として激しく交戦していたドイツ、特に共産主義政権下の東ドイツで収録され、レコードとして西側でも発売されたことの歴史的意義をニールは評価しています。おそらく演奏者が曲に慣れていなかったために「安全運転」になりがちな個所がある一方で、情熱的な盛り上がりも聴くことができ、楽曲紹介にかける意気込みが伝わってきます。
交響曲第1番はハレ管弦楽団の100周年記念演奏会のライヴ。2009年にバルビローリ協会からリリースされたものと同じ演奏ですが、こちらは「ARIADNE」の復刻を多数手がけているラニ・スパーがマスタリングしています。ハレ管はハンス・リヒター指揮で交響曲第1番を初演した楽団で、この選曲は楽団の100周年記念に相応しいもの。バルビローリは1956年に同曲をハレ管と録音していますが、それは翌年に控えたエルガー生誕100周年に備えたものと思われ、実際に1957年のエジンバラ音楽祭ではハレ管を率いて同曲を演奏した後、喝采がなかなか鳴りやまないほどの大成功を収めたと伝えられます。当演奏が行われた1958年には、バルビローリもハレ管も同曲を完全に掌中に収めていたことでしょう。バルビローリの録音には、先に挙げた1956年盤に加え、1962年のフィルハーモニア管(以上はEMI/Patheへのセッション録音)、1970年のハレ管(BBCのライヴ音源)があり、これら3種は演奏時間が52分から54分で安定した出来栄えを示していますが、当盤の演奏は49分半となっており、特にフィナーレではいきいきとしたドライヴ感があって「ライヴのバルビローリ」の姿を伝えてくれます。(輸入元情報)
【収録情報】
エルガー:
1. 序曲『南国にて』 Op.50
ライプツィヒ放送交響楽団
ゲルハルト・プリューガー(指揮)
録音時期:1953年頃
録音場所:ライプツィヒ、“Springerstrase” Broadcasting House
録音方式:モノラル
音源:1954年発売のレコード 米Urania URLP 7136 (matrix: XTV 21788)
2. 交響曲第1番変イ長調 Op.55
ハレ管弦楽団
サー・ジョン・バルビローリ(指揮)
録音時期:1958年1月30日
録音場所:マンチェスター、フリー・トレード・ホール
録音方式:モノラル(ライヴ)
音源提供:BBCホーム・サービス
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