マトー、フェルハーヘン/C.P.E.バッハ:鍵盤楽器とフルートのためのソナタ集
2026年05月13日 (水) 18:00 - HMV&BOOKS online ニュース - クラシック

名手ティニ・マトー&フェルハーヘンが描く「多感様式」の真髄
リコーダーによる「原調演奏」で迫る、C.P.E.バッハの革新的なソナタ集!
オランダの「Challenge Classics」より、トン・コープマンの長年のパートナーであるティニ・マトーと、アムステルダム・バロック管弦楽団のメンバーとして知られるレイネ=マリー・フェルハーヘンによる、C.P.E.バッハのソナタ集が登場。 同コンビがかつて手掛けた父J.S.バッハのトリオ・ソナタ集の精神的な続編とも言える企画であり、親子の世代間で変容していく音楽語法を辿る上でも非常に興味深い内容となっています。
バロックの伝統と古典派の革新が交差する時期に書かれたこれらのソナタは、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ独自の「多感様式(Empfindsamer Stil)」を代表する名品。本作に収録されたフルート(管楽器)と鍵盤のためのソナタの多くは、元々トリオ・ソナタとして作曲されたものをC.P.E.バッハ自身が改作したもので、右手の鍵盤パートが独立した旋律を担い、管楽器と完全に対等に渡り合うという「モダンな」語法への移行が刻まれています。
特筆すべきはフェルハーヘンのアプローチです。プロイセン宮廷の嗜好ゆえに通常トラヴェルソ(横笛)で演奏されるこれらの作品をリコーダーで吹く際、慣例的には短3度高く移調して演奏されますが、本作ではあえて「原調のまま」演奏するという挑戦的な手法を採用。3種類のリコーダーを持ち替え、音域の移行やアーティキュレーションの巧みな操作によって、トラヴェルソ特有のダイナミクスを見事にリコーダーで再現しています。「Wq.85」ではC.P.E.バッハの作例に基づいた自作カデンツァも披露するなど、歴史的洞察と豊かな音楽性が結実した古楽ファン、リコーダー・ファン必聴の1枚です。
ティニ・マトーは、オランダのチェンバロ、フォルテピアノ奏者。夫であるトン・コープマン率いるアムステルダム・バロック管弦楽団の数多くの録音でプロデューサーを務めるほか、ソリストとしても定期的に同団と共演。フェルハーヘンとは「コレッリ・アンサンブル」の創設メンバーとしても長年活動を共にしてきました。
オランダのリコーダー奏者レイネ=マリー・フェルハーヘンは、アムステルダム・バロック管弦楽団のメンバーとして長く活動。17世紀レパートリーから現代音楽まで幅広い活動を展開しており、スティーヴ・ライヒや日本人作曲家の作品も得意としています。(輸入元情報)
【収録情報】
C.P.E.バッハ:
1. 鍵盤楽器とフルートのためのソナタ ホ長調 Wq.84
2. 鍵盤楽器とフルートのためのソナタ ハ長調 Wq.87
3. 鍵盤楽器とフルートのためのソナタ ト長調 Wq.85
4. 鍵盤楽器のためのソナタ ト短調 Wq.65/11
5. 鍵盤楽器とフルートのためのソナタ ト長調 Wq.86
6. 鍵盤楽器とフルートのためのソナタ ニ長調 Wq.83
レイネ=マリー・フェルハーヘン(リコーダー)
ティニ・マトー(チェンバロ)
使用楽器:
リコーダー:Frederick Morgan(Bressanモデル:1)、Fumitaka Saito(Dennerモデル:2)、Peter van der Poel(Stanesby Jr.モデル:3-6)
チェンバロ:Titus Crijnen 2014 (Johannes Ruckers 1624 モデル)
録音時期:2025年2月
録音場所:オランダ、ブッスム
録音方式:ステレオ(デジタル)
プロデューサー:トン・コープマン



