【映像】グラジニーテ=ティーラ&ウィーン・フィル/ヴァインベルグ:歌劇『白痴』
2025年06月24日 (火) 17:00 - HMV&BOOKS online - クラシック
注目の女性指揮者グラジニーテ=ティーラがヴァインベルグの超力作の真価を問う。
2024年ザルツブルク音楽祭の白眉と激賞された『白痴』を日本語字幕付きで!
待望の日本語字幕付き登場。ヴァインベルグの『白痴』は7篇ある彼のオペラの最後のもので、1986年作曲の全4幕3時間を超える大作。1991年にポクロフスキーのモスクワ・シアター・オペラが小編成版を初演して注目され、当時忘れられた存在だったヴァインベルグがいっときモスクワ音楽界の時の人となるほどでした。
原作は黒澤 明も映画化したドストエフスキーの名作で、アレクサンドル・メドヴェージェフが台本化。メンタルの病が回復して純粋無垢になった主人公ムイシュキンと気性が激しく女性好きなロゴージンが、しばしば狂態を呈する美女ナスターシャをめぐり繰り広げる三角関係を軸に、ロシア社会のキリスト教的愛と物質欲の醜さを描いた心理劇。ヴァインベルグの暗くシリアスな音楽が見事にはまります。
演出はヴァインベルグと同郷のポーランドの奇才クシシュトフ・ヴァルリコフスキ。妻のマウゴジャータ・シチェンシニャクの舞台美術で会場のフェルゼンライトシューレの構造を最大限に生かし、アールデコ調の空間とオシャレな衣装で現代化。ヴァルリコフスキは作品に歴史と社会のメッセージを込めることで有名で、ここでもロシア精神の凝縮のようなドストエフスキーの世界を因縁浅からぬ国々、ポーランド人の作曲と演出、リトアニア人の指揮とヒロイン(ナスターシャ役)、主役(ムイシュキンをウクライナ人、ロゴージン役をベラルーシ人に配しているのも現代社会への問題提起と感じさせます。
作品と同じ1986年生まれの女性指揮者ミルガ・グラジニーテ=ティーラが明確な描き分けと緊張感を持続させ秀逸。彼女はヴァインベルグを得意とし、ヴァインベルグの音楽はロシア人以上にリトアニア人が深く理解できることを示しています。また話をかき回す美少女アグラーヤ役をオーストラリア出身のクセニア・プスカシュ・トーマスが熱演じ、圧倒的な賞賛を受けたのも注目。「あらゆる点で今年のザルツブルク音楽祭の白眉」と激賞された舞台、日本語字幕付きでじっくりご堪能ください。(輸入元情報)
【収録情報】
● ヴァインベルグ:歌劇『白痴』 Op.144 全曲
ボグダン・ヴォルコフ(テノール/ムイシュキン)
アウシュリーネ・ストゥンディーテ(ソプラノ/ナスターシャ)
ウラジスラフ・スリムスキー(バリトン/ロゴージン)
ユーリ・サモイロフ(バリトン/レベジェフ)
クライヴ・ベイリー(バス/エパンチン将軍)
マルガリータ・ネクラソワ(メゾ・ソプラノ/エリザヴェータ夫人)
クセニア・プスカシュ・トーマス(メゾ・ソプラノ/アグラーヤ)
パーヴォル・プレスリク(テノール/ガーニャ)、他
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ミルガ・グラジニーテ=ティーラ(指揮)
演出:クシシュトフ・ヴァルリコフスキ
舞台美術・衣装:マウゴジャータ・シチェンシニャク
照明:フェリーチェ・ロス
収録時期:2024年8月
収録場所:ザルツブルク、フェルゼンライトシューレ(ライヴ)
映像監督:ダヴィデ&ティツィアーノ・マンチーニ
収録時間:196分
画面:カラー、16:9
字幕:露(歌唱言語)・英・独・仏・ポーランド・韓・日本語