【映像】サルデッリ&フェニーチェ歌劇場/ヴィヴァルディ:『バヤゼット』
2025年03月07日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック
パスティッチョ歌劇の傑作ヴィヴァルディ『バヤゼット』
フェニーチェ歌劇場より映像世界初登場!
トルコのスルタン、バヤゼットはタタールの王タメルラーノとの戦いに破れ捕虜となります。タメルラーノは異国の王女イレーネという婚約者がいるにもかかわらず、バヤゼットの美しい娘アステリアを強引に妻にしようとします。一方アステリアはタメルラーノの盟友、ギリシャのアンドロニコ王子と相思相愛の仲。アステリアはタメルラーノを密かに毒殺しようとしますが、イレーネにそれを見破られ・・・
ヴィヴァルディ後期の歌劇『バヤゼット』は、ヘンデルの歌劇の台本としても知られるニコラ・フランチェスコ・ハイムによる「タメルラーノ」に作曲し、1735年にヴェローナでシーズンの開幕作品として初演されました。ヴィヴァルディの自筆譜は、ストーリーを語るレチタティーヴォは完全な形で残っているものの、レチタティーヴォに続くアリアの幾つかが失われているため、研究者によってその再構築が試みられています。また、この作品はヴィヴァルディの時代に広く行われていたオペラの劇作法「パスティッチョ(既存の作品の引用による混成)」によるもの。ヴィヴァルディは、この作品にナポリ楽派の人気作曲家たち(ジェミニアーノ・ジャコメッリ、リッカルド・ブロスキ、ヨハン・アドルフ・ハッセ)のアリア楽曲を取り入れています。
バロック・オペラの研究者でもある指揮者のフェデリコ・マリア・サルデッリが、失われたアリアに周到な吟味検討を加え、当時のオーケストラの楽器編成の研究成果も踏まえたヴァージョンを作成しました。さらにイタリア演出界の俊英ファビオ・チェレーザと舞台クリエイティヴ・チームが、作品のパスティッチョとしてのコンセプトを演出にも拡張。これによって出演者たちが舞台の前景でレチタティーヴォによって物語を語り、アリアは物語から切り離された25の短編の劇中劇(メタ・オペラ)として作品にちりばめられ、メリーゴーランドのような華やかな舞台となっています。
舞台に登場するのは2022年、新国立劇場『ドン・ジョヴァンニ』のレポレッロ役で好評を博した名バリトン、レナート・ドルチーニ、ヴィヴァルディを得意とし、熱気に溢れる歌唱を聴かせるコントラルト、ソーニャ・プリーナ、確かな技巧と表情豊かな歌唱で人気を集めるカウンターテナー、ラファエル・ペら歌唱演技に秀でた粒ぞろいの歌手たち。映画やドラマ、コンピューターゲームなど様々なシーンから引用された舞台の上で、サルデッリのタクトに導かれるオーケストラの生気溢れるヴィヴァルディの音楽に乗せて、この傑作パスティッチョを鮮やかに現代に蘇らせています。(輸入元情報)

【収録情報】
● ヴィヴァルディ:歌劇『バヤゼット』全曲
レナート・ドルチーニ(バリトン/バヤゼット)
ソーニャ・プリーナ(アルト/タメルラーノ)
ロリアーナ・カステッラーノ(メゾ・ソプラノ/アステリア)
ラファエレ・ペ(カウンターテナー/アンドロニコ)
ルチア・チリッロ(メゾ・ソプラノ/イレーネ)
ヴァレリア・ラ・グロッタ(ソプラノ/イダスペ)
マイム:ジョヴァンニ・インブロリア、マルコ・マントヴァーニ
フェニーチェ歌劇場管弦楽団
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指揮)
演出:ファビオ・チェレーザ
美術:マッシモ・ケッケット
衣装:ジュゼッペ・パレッラ
照明:ファビオ・バレッティン
ビデオ:セルジョ・メタッリ
収録時期:2024年6月9日
収録場所:ヴェネツィア、マリブラン劇場(ライヴ)
映像監督:ティツィアーノ・マンチーニ
収録時間:165分
画面:カラー、16:9
字幕:日本語、イタリア語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、韓国語