フランコ・ファジョーリ/『ヴェッルーティ、イタリア歌劇界最後のカストラート』
2025年02月04日 (火) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック

ファジョーリ縦横無尽! ロッシーニの時代まで活躍した大物カストラートの至芸
日本を含め世界中に熱狂的なリスナーを持つカウンターテナー歌手フランコ・ファジョーリの新たなソロ・アルバムは、初期ロマン派時代に活躍したカストラート歌手ヴェッルーティの得意曲を集めた意欲的なプログラム。
変声期前に去勢手術を受け、成人後も力強く輝かしい高音域の歌声を保ったというカストラートがオペラの舞台で最も活躍したのは18世紀で、やがて社会規範と音楽嗜好の変化により徐々に劇場で求められなくなりますが、19世紀初頭には未だその黄金期を知る人も多く、カストラート向けの役にふさわしいアリアを書いた作曲家も少なくありません。そうした最後の需要に応えた名歌手のひとりが本盤の主人公、パガニーニと同世代のジャンバッティスタ・ヴェッルーティ[1780-1861]。メルカダンテやパチーニ、マイアベーアといった後年の大家たちの作品でも活躍しましたが、絶頂期はロッシーニ全盛の1810〜20年代で、本盤ではその時期のイタリアを沸かせたニコリーニやモルラッキ、ベートーヴェン世代のボンフィーキといった作曲家たちの名品も選ばれています。
18世紀作品より大がかりな構成の曲が続く中、ファジョーリの歌は見事に冴えわたり、カストラートの伝統が最後に見せた熱狂をありありと彷彿させてやみません。18世紀劇音楽の解釈で確かな実績を重ねるプレヴニャク率いるヴェルサイユの楽団も意欲充分、堅固なサポートで生のままの19世紀音楽の姿を21世紀の現代に蘇らせてゆきます。(輸入元情報)
【収録情報】
パオロ・ボンフィーキ[1769-1840]:
● シェーナとカヴァティーナ『わが身を包み、震え上がらせるのは〜痛ましくも愛おしい面影よ〜あなたはまのあたりにするでしょう、この魂が』〜歌劇『アッティラ』(1814)より
ジュゼッペ・ニコリーニ[1762-1842]:
● レチタティーヴォとアリア『だが、我が子供たちよ〜彼女の苦しみを目にするとは』〜歌劇『スポレート公バルドゥイノ』(1816)より
● アリア『ああ、わたしを置いてゆくのか、愛しい人よ』〜歌劇『ダチアのトライアーノ(ダキアのトラヤヌス帝)』(1807)より
● シェーナとロンド『さあ神々よ、これで果たされた〜ああ、いつになったら止むのか〜わたしは恐れない、どれほど激しい怒りが』〜歌劇『大帝カルロ(シャルルマーニュ)』(1813)より
サヴェリオ・メルカダンテ[1795-1870]:
● カヴァティーナ『私は今どこを彷徨っているのか』〜歌劇『アンドローニコ』(1821)より
● 大シェーナ『不気味な呻き声が』〜歌劇『アンドローニコ』より
フランチェスコ・モルラッキ[1784-1841]:
● シェーナとロマンツァ『恐ろしい夜だ〜耳に心地よいこの響き』〜歌劇『テバルドとイゾリーナ』(1822)より
ジョアキーノ・ロッシーニ[1792-1868]:
● カヴァティーナ『思いがけぬ慰めで』〜カンタータ『まことの尊敬』より
フランコ・ファジョーリ(カウンターテナー)
ヴェルサイユ王室歌劇場合唱団
ヴェルサイユ王室歌劇場管弦楽団(古楽器使用)
ステファン・プレヴニャク(指揮)
録音時期:2024年7月4-12日
録音場所:ヴェルサイユ宮殿王室歌劇場
録音方式:ステレオ(デジタル)
9件中1-9件を表示
表示順:
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。