【発売】ラトル&バイエルン放送響/マーラー:交響曲第7番『夜の歌』
2024年12月13日 (金) 17:40 - HMV&BOOKS online - クラシック
謎、錯綜、狂騒・・・
マーラーの自信作にして屈指の問題作をラトルとバイエルン放送響が隅々まで照らし出す
壮大で悲劇的な第6番に続けて完成させた交響曲第7番についてマーラーは、コンサートの主催者に「自分の最上の作品」と書いて推薦し、初演は実際に成功を収めたものの、やがてこの曲が複雑すぎると感じるようになります。その難解さを和らげるために彼は第2楽章と第4楽章に「夜の音楽」と名付けましたが(作品全体にかかる「夜の歌」は第三者が付けたもの)、妻アルマに対しては、この作品で「重要なのは、落ち着くことのない生とひたむきな努力を通して人間が何になるのかだ」と書いています。楽想として陽気、呑気、畏怖、歓喜と狂騒が入り混じり、ギターやマンドリンといった近代交響楽には稀な楽器が加わり、楽曲の展開も論理を逸脱して迷走するかに見えつつ、最後に輝かしい大団円を迎えるこの曲こそ、マーラー自身の「落ち着くことのない人生とひたむきな努力」のイメージかもしれません。
マーラーの演奏で際立って高い評価を得て来たラトルは、この曲においても1991年にバーミンガム市響を指揮して録音したEMI盤が画期的な名盤として高く評価されています。そこでは、千変万化する楽想や複雑な構造を単純化することなく明晰に処理し、決してわかりやすくはない80分近い大作において、圧倒的な説得力を持つ演奏を展開しました。ベルリン・フィルの歴代首席指揮者によるマーラー:交響曲全集でも第7番にラトルの演奏(2016年)を充てていることも、その楽曲理解と指揮の卓越さの証。バイエルン放送響との初の来日公演で取り上げることからも、自信のほどがうかがわれます。世界最高水準のオーケストラと評価され、ラトルの解釈を献身的に音にする楽団とのライヴ盤に注目です。
※初回限定盤(数量限定生産)に限り、原盤ブックレットに解説の日本語訳が掲載されます。(輸入元情報)
【収録情報】
● マーラー:交響曲第7番ホ短調『夜の歌』
I. Langsam. Adagio - Allegro risoluto, ma non troppo
II. Nachtmusik I. Allegro moderato
III. Scherzo. Schattenhaft - Trio
IV. Nachtmusik II. Andante amoroso
V. Rondo-Finale. Tempo I (Allegro ordinario) - Tempo II (Allegro moderato, ma energico)
バイエルン放送交響楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
録音時期:2024年11月6-8日
録音場所:ミュンヘン、イザールフィルハーモニー・イン・ガスタイクHP8
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
来日記念盤
初回限定生産(日本語解説付き)
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