クレア・フアンチ／『Made in USA〜ガーシュウィン、ビーチ、バーバー』

クレア・フアンチが描く、故国アメリカ

「次世代ソリストたちによるモーツァルト」に続くクレア・フアンチの「ALPHA」第2弾は、ソロによるアメリカの作品集。9歳にして奨学金を得て国際的なキャリアをスタートし、カーティス音楽院で学んだ後、2006年浜松国際ピアノコンクール奨励賞、2011年ミュンヘン国際音楽コンクール最年少出場で第2位、2018年にゲザ・アンダ国際ピアノコンクール優勝など輝かしい経歴を持つ彼女にとって、育ったアメリカの音楽を集めたアルバムは待望のものと言えるでしょう。
　絞り込むのにかなりの苦労をしたというプログラムの中でも、エイミー・ビーチ[1867-1944]の『バルカンの主題による変奏曲』はフアンチによると「アルバムの中心であり魂」で、登場する4つのバルカン半島の伝承曲のうち冒頭に現れる「O Maiko Moya」は隣国の支配下で迫害される人々の訴えであり、今日の世界にとっても不気味なほど重い意味を持っていると語ります。アメリカを体現する作曲家とも言えるジョージ・ガーシュウィン[1898-1937]については、代表作『ラプソディ・イン・ブルー』のほか、ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、アール・ワイルド[1915-2010]が超絶技巧練習曲に編曲した数々の歌を収録。ウラディミール・ホロヴィッツが初演したサミュエル・バーバー[1910-1981]のソナタともども、持ち前の軽やかなテクニックと表現力で洒脱に聴かせています。（輸入元情報）

【収録情報】
● ガーシュウィン：ラプソディ・イン・ブルー（作曲者によるピアノ独奏版）
● ビーチ：バルカンの主題による変奏曲 Op.60
● バーバー：ピアノ・ソナタ 変ホ短調 Op.26
● ワイルド：ガーシュウィンによる7つの超絶技巧練習曲
　1. ライザ
　2. 誰かが私を愛してる
　3. 私の彼氏
　4. エンブレイサブル・ユー
　5. レディー・ビー・グッド
　6. アイ・ゴット・リズム
　7. 魅惑のリズム

　クレア・フアンチ（ピアノ／YAMAHA CFX）

　録音時期：2024年2月
　録音場所：ドイツ、ハノーファー、ライプニッツザール
　録音方式：ステレオ（デジタル）