【映像】メータ&フィレンツェ五月祭/ヴェルディ:『運命の力』

2022年01月13日 (木) 16:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


フィレンツェ五月音楽祭 2021/ヴェルディ:『運命の力』

舞台は18世紀のスペイン、セビリア。カストラーヴァ侯爵の娘レオノーラとインカ帝国の王族の血をひくドン・アルヴァーロは人目を忍ぶ恋仲。2人が駆け落ちしようとしたところを侯爵に見とがめられます。無抵抗を示すためにドン・アルヴァーロが投げ捨てた拳銃が暴発し、不運にもその弾丸が侯爵に命中。娘を呪いながら絶命した侯爵を残して2人は逃亡します。復讐心に燃えアルヴァーロを追うレオノーラの兄ドン・カルロは遍歴の末、イタリアの戦場でドン・アルヴァーロと出会い、その正体を知らぬまま2人は固い友情で結ばれます。ところが戦闘で負傷したドン・アルヴァーロの命を救ったドン・カルロは、父侯爵を殺し、妹を誘惑した犯人がドン・アルヴァーロであることを知り・・・
 ヴェルディ中期から後期への過渡期に位置する作品『運命の力』。1862年にサンクト・ペテルブルクで初演されたものの、その複雑な筋書とあまりにも陰惨な結末のために作品の評判はあまり芳しくありませんでした。ヴェルディはその後、何度かの改訂を施し、とりわけ最後の大規模な改訂により終幕の破滅的な結末を宗教的な救いに転換した1869年のミラノ・スカラ座での上演は、大好評を博しました。
 2021年6月、フィレンツェ五月音楽祭の新制作上演『運命の力』ではカタルーニャの演劇グループ「ラ・フラ・デルス・バウス」の創設メンバーであるカルルス・パドリッサが斬新な演出を施し話題を集めました。舞台は遠い過去から物語の始まる1759年、近未来(2222年)、遠未来(3333年)と変転し、抵抗できない宇宙の摂理(運命の力)に翻弄される人類の一員としての登場人物たちが、タイム・トラベラーとして物語に参加してゆくというユニークなもの。
 主役の3人には伸びやかな美声で表情豊かに歌い上げるサイオア・エルナンデス、世界中の歌劇場で活躍する名テノール、ロベルト・アロニカ、強烈な存在感を放つ、本舞台がフィレンツェ・デビューとなるモンゴル出身のアマルトゥブシン・エンクバートを配し、脇を固めるアンナリーザ・ストロッパ(プレツィオジッラ役)、フェルッチョ・フルラネット(グアルディアーノ神父役)らを加えた万全の歌唱陣。ズービン・メータがフィレンツェ歌劇場のオーケストラと合唱団を導き作品の内面まで鋭く切り込こみつつ、表情豊かに表現する音楽も聴きものです。(輸入元情報)


【収録情報】
● ヴェルディ:歌劇『運命の力』全曲


 レオノーラ…サイオア・エルナンデス(ソプラノ)
 ドン・アルヴァーロ…ロベルト・アロニカ(テノール)
 ドン・カルロ・ディ・ヴァルガス…アマルトゥブシン・エンクバート(バリトン)
 プレツィオジッラ…アンナリーザ・ストロッパ(メゾ・ソプラノ)
 グァルディアーノ神父…フェルッチョ・フルラネット(バス)
 修道士メリトーネ…ニコラ・アライモ(バリトン)
 カラトラーヴァ侯爵…アレッサンドロ・スピーナ(バス)
 トラブーコ親方…レオナルド・コルテラッツィ(テノール)
 クーラ…ヴァレンティーナ・コロ(メゾ・ソプラノ)
 市長…フランチェスコ・サムエーレ・ヴェヌーティ(バス)
 外科医…ロマン・リュリキン(バス)
 フィレンツェ五月祭合唱団(合唱指揮:ロレンツォ・フラティーニ)
 フィレンツェ五月祭管弦楽団
 ズービン・メータ(指揮)

 演出:カルルス・パドリッサ(ラ・フラ・デルス・バウス)
 演出助手:ジョアン・アボイム・カルヴァリョ
 舞台美術:ローラント・オルベター
 舞台美術助手:エステリーナ・ザリッロ
 衣装:チュ・ウロス
 照明&ビデオ・デザイン:フランク・アルー

 収録時期:2021年6月4日
 収録場所:フィレンツェ五月音楽祭歌劇場(ライヴ)
 制作:フィレンツェ五月音楽祭歌劇場(新制作)

 映像監督:ティツィアーノ・マンチーニ
 収録時間:190分
 画面:カラー、16:9
 字幕:日本語・イタリア語・英語・フランス語・ドイツ語・韓国語