【全曲解説】JILUKA『Xtopia』

2020年11月18日 (水) 13:00

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全曲解説テキストby Ricko(Vo) Sena(Gt) Boogie(Ba) Zyean(Dr)

1. Xtopia

テンションが最高にブチ上がります! 最強のオープニング曲!(Ricko)

今自分たちがいる世界はUtopiaなのかそれともDystopiaか、混沌とした状況の中で僕らはどこへ向かっているのか。突如訪れた変動、そこで始まるストーリー。これこそが僕がこの曲で表現したものです。音楽的には、シンフォニックな要素とEDMの要素を取り入れることで、世界の、または文明の歴史を表現できたのではないかと感じています。掛け合わさることが珍しい組み合わせですが、この「Xtopia」にはマッチしました。ぜひ現在のアーティスト写真と併せて鑑賞してみて下さい。(Sena)

このミニアルバムにおいてのプロローグであり、現在のJILUKAのライブの入場SEでもある、まさに始まりを感じさせる楽曲。ダークな雰囲気を纏いつつも、高揚感を感じさせてくれる、そんな曲だと僕は思っています。(Boogie)

このアルバムのタイトルを冠するに相応しい、ライブでメンバーの入場時にも流れている一曲です。幻想的な雰囲気と勢いを兼ね備えてますね。リロードの音がお気に入り。(Zyean)


2. Edifice


この曲はとにかくドラムのブラストビートですね(笑)。ヴォーカル目線で言うと、メロディがキャッチーで耳馴染みが良く、歌詞の世界観が伝わりやすい楽曲になっていると思います。個人的には冒頭のシンセもお気に入りです!(Ricko)

とある歴史上の話に着目し、それを楽曲にしました。その話は主人公を見る目線で語り継がれている場合が多いのですが、僕はその主人公の側からの目線を想像し表現しました。その物語ではしばし神の存在による意思決定が行われるんですが、結局動いているのは人間で、時代は変われど今も人間が多くの問題の核にいるという点は同じなのではないか……といったことを考えながら制作しました。(Sena)

荘厳さと激しさが混じり合う楽曲。基本的にはギターリフとユニゾンしつつ、サビではコードの移り変わりの美しさを際立たせる動きができたと思います。細かい刻みが多いので、低音を損なわずにアタック感を出すことに苦労しました。今回は全曲でAvalon U5のToneの3番を使って録っています。(Boogie)

今作のデモを作ってる段階で個人的に最も推していた曲。理由はもちろんドラムが速くてテクいからです。制作中にSenaに「好き放題やっていいよ」と言われて、やりたい放題自分の好きなドラムフレーズをぶち込みました。まあブラストビートなんですけどね。随所に出てくる超高速ツーバスも自分の限界に挑戦した結果です。(Zyean)


3. Menace

この曲は『Xtopia』の中でもダークな Dystopiaをイメージし、コロナ渦の全ての人が今まで経験したことのないネガティヴな一面を表現して歌いました。ラスサビのハモがバリ高かったです(笑)。ぜひ聴いて探していただけたら嬉しいです。(Ricko)

世界中が脅威に包まれた現代と、映画やドラマでの世界を重ね合わせた形にして表現しました。シンフォニックなシーケンスフレーズをバックにJILUKA流の重低音フレーズ、それから物語を表現するエモーショナルなヴォーカルワークが聴きどころです。JILUKAはこういったシリアスでシネマティックな表現ができるのも魅力の1つだと考えているので、それを生かせるようなプログラミングアレンジをしました。個人的に、サビのバックで鳴っている5音モチーフのシーケンスフレーズが決め手になったと思ってます。(Sena)

収録楽曲の中で最もダークな雰囲気のある楽曲。JILUKAの全楽曲の中で最も、Low-Cを低く、重く、暗く鳴らせたと思います(笑)。サビでは、儚いような、寂しいような、切ないような、そんなイメージでフレーズを作りました。ローポジションからハイポジションのフレットへ動かすことで、暗く重い雰囲気の中に潜む“切なさ”が出たかなと思います。(Boogie)

チャグっていうかユニゾンのフレーズがまあ難解で苦労した曲。演奏する時は常に頭フル回転させてます。サビのドラムフレーズをめちゃくちゃ凝ったので個人的に今作一番の出来です。このテンポで32分のフィルをちょいちょい入れたんですが、そこもこだわりポイントですね。(Zyean)


4. Flux

勧めポイントはサビのベースラインです! 完全にBoogieがいい仕事をしてくれています(笑)。ギターのコードワークを縫うようにヴォーカルを支えてくれてるベースラインですね〜。直感でいいなと思ってもらえる曲。そんな曲を歌ったなって感覚があります! ラスサビ激アツ!!!(Ricko)

こんな世の中だからか……、情報は目まぐるしく更新されていて、昨日知ったことが今日には嘘になるような世界。“それでも僕らはこの変化に適応しないといけない”。そんなことを表現しました。サウンドは王道のJILUKA流メタルコアサウンドで、全体的に疾走感を意識しました。ギターソロは起承転結を強く意識したので、時代の中でそれぞれの在り方を模索し適応していくショートストーリーが表現できたと思っています。(Sena)

JILUKAらしいキャッチーさのある楽曲。サビ以外はほとんどギターと全ユニゾンをしてます。ストレートなキャッチーさや、歌詞の内容などから、サビは、目まぐるしく動いているけどスッと耳に入ってきて、疾走感を感じる、そんなフレーズ作りを意識しました。アニソンや近年のJ-POPのような、ベースとしての仕事を果たしつつも、フレーズに存在感のある、楽曲を印象付ける大切なパーツの1つになれたと思います。(Boogie)

今作の中では演奏していて一番楽しい曲。叩きやすいテンポで、尚且つ僕の手癖フレーズを全面に押し出してます。曲全体のビート感も個人的に好き。あとヴォーカルのメロディがとてもいいです。(Zyean)


5. Ignite

この曲は先行シングルになっていたんだけど、remixして更に強化して帰ってきました! サウンドがまたエグくなってるんだ! コロナ渦のこの現状をブチ壊す曲で、歌っている自分自身も励まされたような楽曲です。沢山の人に聴いてもらえたら嬉しいです。(Ricko)

世界にはネガティヴな要素が多く存在していて、でも、そこから目を背けていては何の解決にもならない、今こそ悪夢に灯りをともそう……という楽曲です。サビのコーラスワークは直前まで熟考しましたが、結果とても爽快でパンチのある内容になりました。(Sena)

今回の収録曲の中では一番バッキバキな楽曲。サビ以外のリフなどは基本的にパワー&アタックで弾いてます。攻撃的なサウンドにしたかったので、他の曲よりもドンシャリ感強目のバキバキサウンド。ラスサビのクリシェ(“望み願い 明日を照らすんだ”〜の部分のベース)はスライドで音にメロディアスさを付け、それまでのフレーズとは差別化を図っています。(Boogie)

制作中にそんな意識したわけではないけど、今作で最もドラムのグルーヴ感が心地好い曲。全体的に流れるように叩けるフレーズが詰まってるんですが、音数はかなり……、いや相当エグいです。音数も相当詰まっているってことですね(笑)。一瞬無音になるブレイクダウンも聴きどころ。(Zyean)


6. -Prologos-

俺もこんな音でギター弾いてみたい! ギターで奏で上げる雄麗な音世界! 光り輝く素晴らしさです。(Ricko)

7曲目の「The Purge」に強く引き込むことを意識して制作しました。ここまでやる?ってくらいコテコテにクサメロに染めているので、リードギターを意識していただければと思います。(Sena)

ギターヒーローにのみ許された始まり(笑)。ベースは特に凝ったことをしてるわけではないので、どうぞギターに酔いしれてください。(Boogie)

絶対的ブチ上がり曲。まじで強いし熱いしクサい、それがメタル。つまり最高。これを聴くと、気付いたらみんなメロイックサインを掲げている。そして次の曲「The Purge」への光が差しこみ導かれていく。さあ、壮大なストーリーの幕開けだ。(Zyean)


7. The Purge

この曲は、リーダーのSenaから“雲の隙間から光が差し込んでいる画像”が送られてきて、「これをイメージして歌ってほしい」とデモの段階で伝えられました。一瞬で歌いたいニュアンスが湧き出てきましたね(笑)。俺たちJILUKAはもちろん、リスナーの皆さんたちと一緒に向かうのは必ずUtopiaだと信じ、しゃがれ声で歌ってみたり、闇はもちろん、雲ですら突き抜けるハイトーンで歌いました! ライブでも、一緒に前に進むんだという強い気持ちを込めて歌っています! 聴いてくれている人の心が少しでも救われる、そんな楽曲と演奏を届けたいと思います!(Ricko)

ミニアルバムのラストということで、暗闇が晴れていくイメージを持って制作しました。イントロで聴けるリフフレーズが次々に表情を変えて、ラストではエモーショナル極まりない展開のキーとなっていることにも着目してもらえたらと思います。ギターソロは光と闇を繋ぐ良いフレーズワークができたと思っていて、JILUKAのギターソロの中でもかなり気に入っているものになりました。いつか、この状況が変わることを信じて、みんなでまた音をぶつけ合ってライブができる日を願って、最後にはシンガロングパートを設けました。(Sena)

アルバムを締め括るに相応しい楽曲。荒々しく、カオティックなリフから、突き抜けるようなサビで、楽曲に一気に光が差し込むような、そんなイメージで弾いています。疾走感に耳がいきがちですが、楽曲の随所に盛り込まれたエモーショナルなフレーズや展開を際立たせるようなベースラインを作るのに時間がかかりました。ベースの印象どうこうというよりは、スッと耳に入って邪魔にならず、どこか暖かみを感じるようなフレーズ作りを意識しました。(Boogie)

スピードメタル基調で壮大な展開を魅せたと思ったら、最後にはエグいブレイクダウンが待ち構えてる、なんとも欲張りな曲。イントロの高速ツーバスフレーズが速いし長いしで、このままじゃ踏めねえってなってペダルを変えたり脚を強化したりして完成しました。手こずらせやがって。そのおかげで最高の曲になりました。(Zyean)


JILUKA『Xtopia』

GENRE:METALCORE, DEATHCORE
V系モダン・メタルの旗手“JILUKA”
ブーストさせた無二のサウンドが高らかに響く、現情勢を色濃く映した最新作

UtopiaでもなければDystopiaでもない、その先にある“Xtopia”。今、JILUKAが目指し始めたのはきっとそんな超越的次元になるのだろう。V系モダン・メタルの旗手として始動から5年間が経った今、彼らの生み出す音像はより唯一無二なものへと超進化を遂げた感がある。しかも、今作では歌詞面でもリアリティが追求されており、コロナ禍で彼らの感じたことが各曲にてそのまま投影されている様は、説得力に充ち満ちているのだ。中でも「Ignite」の“今渦巻くこの闇を 撃ち抜け”という一節と、「The Purge」での“雲は ひび割れて/今 絶望が明けてゆく”なる一節は実に感慨深い。確かな技術力と豊かな表現力にいっそうの磨きをかけた彼らの音楽は、どこまでも高らかで鋭く胸に刺さってくる。
杉江 由紀 【ライター推薦】


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[プロフィール:JILUKA(ジルカ)]
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