【インタビュー】リンゴ・デススター

2020年02月13日 (木) 19:00

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約5年ぶりとなる最新4thアルバム『RINGO DEATHSTARR』を全世界に先がけて日本先行発売したリンゴ・デススター。先日、早速来日ツアーを行なった彼らのツアー初日にインタビューを敢行した。


− 前作から今作がリリースされるまでの5年で、何か自分たちに起きた出来事や思い出があれば教えてください。

ELLIOTT FRAZIERエリオット・フレイザー(以下E) : 正確にはまだ5年経ってないよ! 前作は2015年の11月だったから、4年とちょっとかな。この間に起きたことといえば、2016年5月に第一子となる息子の親になったよ。全て生活が変わったね。音楽同様に親のことが好きになった。今までこんな経験をしたことはなかったから、週あたり多くのレコーディング時間を費やすことは挑戦だった。

ALEX GEHRINGアレックス・ゲーリング(以下A) : そうね、エリオットが父親になるのを見ているのはワクワクしたわね! 私はこの期間に母親が亡くなって・・・ 私の歌詞や作曲のための全体的な気分にすごく影響したわ。悪い意味という訳ではなくね。でも音楽を用いることが感情の乗り越える私の手助けになったわ。このアルバムでそれを聴くことができると思うわ。

DANIEL COBORNダニエル・コボーン(以下D) : 僕は他のことをして、忙しさをキープしようとしてたよ。仕事をして、それからできるだけドラムは演奏したね。どうやったら音楽が下手くそにならないかって常に考えてた。

− 1曲目には「Nagoya」という楽曲がありますが、なぜ「Nagoya」というタイトルをつけたのでしょうか?

E : なぜ「Nagoya」って曲名にしたかって? それはあの曲が前回の名古屋でのライヴの際に会場のタイトロープのバックステージで作曲されたからだよ。ガレージバンドを使って自分のiPhoneで作ったんだ。

− 今作はペイル・セインツやコクトー・ツインズを彷彿とさせるドリーミーな楽曲が多い印象を受けましたが、どうしてこのような音作りや楽曲制作にシフトしたのでしょうか?

E : コクトー・ツインズは本当に大好きだよ! でもペイル・セインツは聴いたこと無いな。。このアルバムを作っている時、僕らは異なった人生経験をしていた。だから自然に違った感じの曲になったんだと思う。でも今回は以前にも増して3人全員がギターパートに関わっているからかな。アレックスがギターパートを作ったら、僕がベースラインを作ったり、またはダニエルが彼自身のスタイルでギターパートを作ったら、僕がそれを自分のスタイルに入れ替えたりして。ダニエルはボーカル用の素晴らしいメロディーを思いつくんだ! だから僕がそれに合うようにギターを作らなければならなかったりしたよ。

− どんなにドリーミーな楽曲の中にもヘヴィなサウンドが必ず際立つのがリンゴ・デススターの魅力だと思います。いつもサウンド作りやレコーディングではどういった部分にこだわって制作しているのでしょうか?

E : 気が付いてくれてありがとう。個人的にはキャッチーなサウンドと薄暗いぼんやりした音を同時に成し遂げたいんだよね。それにドリーミーなギターと同じくらいヘヴィなギターも好きだし。だからそれらのサウンドをごちゃ混ぜにするのが楽しいんだ。次作はもっと探究するよ!

− エリオットとアレックスの溶け込むようなツインボーカルが印象的でした。ボーカルのレコーディングやマスタリングではどのような点にこだわりましたか?

E : ありがとう。アレックスのレコーディングはいつもめちゃくちゃ簡単で、僕は自分自身レコーディングするのは凄く難しいんだ。僕はダブルトラッキングが好きで、時々は何重にも重ねたり、ボーカルだけで5や10トラック使うこともあるんだ。マイクはいつも至ってシンプルだよ。Shure Sm7 か AKG 414 を使ってる。

− 今作で新たに用いた楽器や機材で良かったものを教えてください。

E : マジで、本当にこの答えを聞きたい(笑)? 僕が最初に買ったのは Universal Audio Apollo Interfaceだよ。スパークラー、カラートリップ、モーヴ、シャドウ、ゴッズ・ドリームをレコーディングしたThe Bubbleスタジオっていう所で「Cotton Candy Clouds」をレコーディングしたよ。自分自身のディストーションギターは自宅でレコーディングしたものなんだ。ギター用にMarshall JMP-1 pre ampとMesa/Boogie Strategy 500 power ampを買ったんだ。ディストーションペダルを使うのはヤメにしたんだ。あの曲を作った後に僕らはTascam 388 open reel 8 track tape machineを手にする機会があって、購入する事に決めた。だからどうやって使うのか覚えないといけなくて。。それからそれを売って、次にTascam 85-16B one inch 16 track machineを買った。また、アレックスと僕は初めてpedal steel guitarを演奏したよ、Diseaseって曲でね。Geddy Lee signature Jazz Bass も使ったね。

D : 少なくとも3つのride cymbalは壊したね。それからドラムセットに80's Pearl Professional Series snareも導入したよ。

− 今作のレコーディングにあたり影響を受けたもの(アーティストや作品など)はありますか?

E : ボブ・モールド、ハスカー・ドゥ、シュガー、コクトーツインズ。

A : えーっとそうね、私はドリームスケープ。あとは沢山の90年代のカントリーね。

D : ブライアン・ウィルソンの「I Went to Sleep」の曲での叙情的な感じ。


左から:ダニエル・コボーン、アレックス・ゲーリング、エリオット・フレイザー(photo by MASAKI YAMASHITA)


− 今作でメンバーがお気に入りの楽曲やおすすめしたいポイントがあれば教えてください。

E : 1つは選べないな。でも「In Your Arms」を作るのは楽しかったよ。ドラムの速度を落とすのにテープマシーンを使ったんだ。「The Same Again」も好きだよ。かなり変な感じだからね。

A : 「In Your Arms」は同感よ。あの曲は一緒に作った最後の曲の1つで、インストルメンタルバージョンができたんだけど、私たちが好きなヴォーカルがなかなかできなくて。エリオットが曲を遅くしてボーカルを追加するために送ってきたのよね。そしたら突然ピタッとハマったのよ。

D : 選ぶのは難しいけど、「the same again」のドラムのレコーディングはお気に入りだよ。なぜなら僕らのいつものスタイルとは全く異なった感じだからね。それから日本盤のボーナストラックに入っている「you can do anything」のビートも本当に楽しかったね。

− マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやライド、スロウダイヴたちは、自分たちのことを“シューゲイザー”と呼ばれることを嫌がっていました。しかしシューゲイザーファンは多く、リンゴ・デススターも“シューゲイザーバンド”として人気が高いです。そう呼ばれることに対してどう思いますか?

E : 彼らの意見に同意するよ。なぜならその名前は音楽の種類をすでに知っているファンの人たちに対してのみ魅力があるものであると思うんだ。でも僕はできるだけ最大数人々に聞いてもらいたいし、シューゲイザーと言う言葉が僕達を表現するものではないと思うんだ。それにその言葉が正確にマイ・ブラッディ・ヴァレンタインを表現するものでも無いしね!

D : これについては今まで考えた事も無いな。。。でも、もしバンドをカテゴライズすることが何かの役に立ってるなら、それはそれでいい事だと思うけどね。

− 前作から新作リリースまでに5年空きましたが、その間もライブ活動を続けていましたね。昨年末にはライドのオープニングアクトを務めていましたが、彼らと共演したことで何か影響を受けましたか?思い出があれば教えてください。

E : もう一度言うけど、4年と3ヶ月ね!(笑) でもそうだね、ライヴはやっていたよ。昨年も日本に行ったしね。上海、メキシコ、アメリカのミニツアーもやった。それらがレコーディングがゆっくりなペースになった要因でもあるね。ライヴをするのにいつもリハーサルをしてたから。ライドとのライヴは凄く楽しかったよ。ライドが日本で公演をした時に僕達のTシャツを着ていたらしいね。

− 今回で10回目の来日となります。日本の好きなところや日本のファンのイメージについて教えてください。

E : 日本が大好きだよ。日本のファンのみんなは世界のどの国の人達よりも最も僕達を支えてくれていると思う。僕達が経験してきたみんなの対応にいつも恐縮するし、驚かされるばかりだよ。ある時なんてファンの人が自身で作ったBig Muffのペダルをくれたんだ。凄く気に入ってるよ。僕のBig Muffよりも音がいいよ!

A : 10回も日本に呼んでくれてなんて光栄なの!日本のファンのみんなや友達が本当に大好きよ。もう家族になった感じ❤️

D : 僕にとっては日本でライヴをする事は未だに夢であるかのような感じだよ。毎年、僕の一年のうちの最高の週は日本で過ごす時間だね。何年にも渡ってたくさんの友達もできたし、たくさん笑ったよ。

− 今回の来日公演ではさまざまな日本のアーティストと共演しますね。リンゴ・デススターのメンバーが共演して良かったアーティストや、好きな日本のアーティストを教えてください。

E : うーん、今までに共演したバンドはたくさんいるからね。Lemons Chair、 civic、Bertoia、Plastic Girl In Closet、Maison Book Girl、 Caucus、Told、Cruyff In The Bedroom、Plasticzooms、Kaimy Plants、CQだろ、他に忘れてないかな? 大阪とアメリカではShonen Knifeとも共演したよ。あれは夢が叶ったようだったね。あっ、共演はしていないけどSUGIZOが何度か僕らのライヴを観にきてくれた時は本当にびっくりしたし、嬉しかったね。今回共演するRAYと会えるのも楽しみにしてるよ。彼女たちの「Meteor」という曲を作曲したんだ。

D : cryuff in the bedroomのユウスケ、愛してるよ!

− 今後共演してみたいアーティストはいますか?

E : Luby Sparks、 Luna Sea!

− アレックスがオースティンのベストベースプレイヤーにノミネートされるなど、バンドの人気は高まりつづけていると思います。2020年はどのような活動をしていこうと考えていますか?

A : どうもありがとう!

E : 2月の末にもう一人男の子が生まれるんだ。今年の後半には密かに次のアルバムをレコーディングする予定もある。次はそんなに長くかからないよ。

A : そうね、エリオットの新しい赤ちゃんを抱っこするのが楽しみで仕方ないわ。それから新しい曲を作るのも楽しみね。

− 日本のファンにメッセージをお願いします。

WE LOVE YOU YEAH YEAH YEAH !


21世紀のシューゲイズモンスター
約5年ぶりの最新アルバム

 

国内盤CD

Ringo Deathstarr

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価格(税込) : ¥2,640

発売日: 2020年02月05日


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Ringo Deathstarr(リンゴ・デススター)

アメリカ・オースティンにて結成されたエリオット・フレーザー(ボーカル、ギター)、紅一点のアレックス・ゲーリング(ボーカル、ベース)、ダニエル・コボーン(ドラム)からなる3ピースバンド。本国では2008年、2009年とSXSW、CMJ FESTIVALに連続出演。PITCHFORKなどの各音楽メディアで度々話題となっていた。

09年にミニアルバム『SPARKLER』で日本デビュー、初来日ツアーでは多くのシューゲイザーファンを魅了した。11年2月フルデビューアルバム『COLOUR TRIP』を日本、UK、USでリリース。4月には東日本大震災の影響で多くの来日アーティストのキャンセルが続く中、日本を元気づける為とジャパンツアーを決行。その夏にはFUJI ROCK FESTIVAL '11のホワイトステージへ出演。トップバッターにも関わらず超満員の観衆に出迎えられる。

テレビアニメ『輪るピングドラム』のエンディングテーマの公式サントラシングルにカヴァーヴァージョンを提供。11月にはSMASHING PUMPKINS自らのラブコールに答え、彼らのヨーロッパツアーのサポートアクトを努め、同年12月ミニアルバム『SHADOW』を引っさげ4度目のジャパンツアーを行ない全会場超満員御礼となる。12年、2ndフルアルバムを完成させた彼らは、元電気グルーヴのメンバーで現在は浜崎あゆみ、SMAPなどのアーティストのサウンドプロデュースを手掛ける、CMJKによるリミックスも収録した、タワーレコード限定ワンコインシングル『RIP』をアルバム先行シングルとして日本限定発売。9月には2ndアルバム『MAUVE』をリリース。

13年4月には東名阪ツアーを、5月から再びSMASHING PUMPKINSとのツアーやヨーロッパツアーに同行、12月にはミニアルバム『GODS DREAM』をリリース。14年3月にはGODS DREAM JAPAN TOURを敢行。東名阪に加え全6箇所の公演を成功させた。15年 3rdアルバム『PURE MOOD』を英米の発売に先駆け日本先行でリリース、ジャパンツアーを行なう。

19年、日本デビューミニアルバム『SPARKLER』発売10周年を記念し、『SPARKLER - REMASTERED』をリリース、発売記念JAPANツアーを敢行、本国アメリカでは10月にRIDEのオープニングアクトで観客の注目を集めた。そして過去数年間にわたり楽曲制作を行ってきた新作フルアルバムが遂に完成。2020年1月にはアルバムからの先行シングルをリリース。2月5日にはセルフタイトルとなる新作フルアルバム『RINGO DEATHSTARR』が前作から約5年ぶりに日本先行でリリースされる。


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