ベルリン古楽アカデミー/ベートーヴェン:交響曲第6番『田園』、他

2020年01月27日 (月) 00:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


2020年ベートーヴェン・イヤー
ベルリン古楽アカデミーの『田園』! 指揮者なし、少数メンバーでの録音!


ベートーヴェン・イヤーにあわせ、ハルモニアムンディから、ベルリン古楽アカデミーによる交響曲録音の登場! 今回は第6番『田園』。ほかに1,2,4,8番も同団による録音で登場予定です。『田園』のカップリングは、その30年ほど前に書かれたユスティン・ハインリヒ・クネヒト[1752-1817]の大交響曲。こちらも同じく自然を描写した音楽で、各楽章のタイトルも類似しており、興味津々です。
 この録音に際し、ベルリン古楽アカデミーの面々は、ウィーンでベートーヴェンが演奏したことのある場所(いわゆるホール)すべてを訪ね、その音響を研究。最終的に、小さなホールの響きを理想とし、そのために弦楽器のメンバーも人数を少なくしての編成での録音の運びとなりました。ベートーヴェン自身が指揮をした演奏会の詳細な記録や絵画は残っていませんが、当時の劇場年鑑に残されているオーケストラのメンバーの人数の記録などから当時のオーケストラの陣容を推察。レイアウトについても、弦楽器は観客から見て左側、管楽器は右側になるようにし、コントラバスはトロンボーン、トランペットやティンパニの少し後ろに配置しました。これにより、メンバー間でのコンタクトもとりやすくなり、指揮者無しでもまるで室内楽を演奏しているように各セクションの次の一手を酌むことができたといいます。
 クネヒトの作品は1780年の作(ト長調)。冒頭から田園的な世界が美しい世界です。第2楽章で次第に嵐が近付いてくる様子は不安気に繰り返される転調で表されております。第3楽章の嵐の描写は、何かオペラの序曲を思わせるような華やかなニ長調で展開されており、ベートーヴェンのものとはまた違って興味津々です。終楽章は変奏曲の形式をとりながら、コラールのようなすがすがしい楽曲となっています。ベートーヴェンの交響曲第6番の各楽章のタイトルとクネヒトのものは類似しています。実際、確実な資料は残されていませんが、ベートーヴェンの初期の作品はクネヒトのと同じ出版社から出版されていたことなどから、ベートーヴェンはクネヒトの作品を知っていたと考えられます。当時から自然を音楽で模倣する試みは行われており、1780年当時クネヒトの作品も革新的であったかもしれません。しかしこうして比較して聞いてみると、1808年12月の『田園』初演との間には30年弱の差があるとはいえ、あらためて楽聖ベートーヴェンの革新性と偉大さを痛感してしまうのも事実です。
 ベートーヴェンの終楽章では、ベルリン古楽の面々が採用したバランスのおかげで管楽器が際だって聴こえ、今までの『田園』像が覆されるかのような感覚をおぼえます。(輸入元情報)

【収録情報】
● クネヒト:自然の音楽による描写、あるいは大交響曲

 第1楽章:美しい風景。太陽が輝き、風が穏やかにそよぎ、谷を小川のせせらぎが流れ、鳥がさえずり、山からも美しい清水がそそぎ、羊飼いがパイプを奏で、羊たちが戯れ羊飼いの娘たちが甘い声で歌う。
 第2楽章:突然空が曇り、あらゆる土地が苦しみおびえ、黒い雲が湧きおこり、風がうなり、雷がゴロゴロ鳴り、嵐が少しずつ近づいてくる
 第3楽章:激しい風と打ち付けるような雨の嵐がものすごい勢力となる。こずえがざわめき、土砂降りの雨がものすごい音で打ちつける。
 第4楽章:嵐が少しずつおさまり、雲が切れ、空が明るくなってくる
 第5楽章:自然は喜び、天に向かって、創造主である神への大いなる感謝を表し、甘やかな喜びの歌を歌う。

● ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』
 第1楽章:田舎に到着すると呼び起こされる、楽しく大らかな気持ち
 第2楽章:小川の畔の情景
 第3楽章:農民たちの愉しき集い
 第4楽章:雷雨、嵐
 第5楽章:牧人の歌。嵐の後の嬉しく、感謝に満ちた気持ち

 ベルリン古楽アカデミー
 ベルンハルト・フォルク(コンサートマスター)

 録音時期:2019年6月
 録音場所:テルデックス・スタジオ・ベルリン
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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