【インタビュー】広瀬すず「ラストレター」

2020年01月15日 (水) 00:00

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岩井俊二監督・原作・脚本・編集の映画『ラストレター』が1月17日より公開。岩井監督の故郷・宮城を舞台に手紙の行き違いをきっかけに始まる2つの世代の恋愛と、心の再生と成長を描く珠玉のラブストーリーだ。姉・未咲の死を知らせるために行った高校の同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里(松たか子)は、そこで再会した初恋の相手・乙坂鏡史郎(福山雅治)と文通することになるが…。手紙が繋いだ過去と現在、初恋の想いが切ない。今作で岩井作品初出演の広瀬すずが、未咲の娘・鮎美と高校時代の未咲の二役を繊細にみずみずしく演じている。

◆広瀬すず(ヒロセ スズ)PROFILE

2013年、フジテレビ系ドラマ『幽かな彼女』で女優デビュー。以降、映画『海街diary』、『ちはやふる』、『四月は君の噓』など数々の映画やドラマに出演し、2019年は、NHK連続テレビ小説『なつぞら』のヒロインを好演。野田秀樹演出の『Q:A Night At The Kabuki』で舞台にも初挑戦した。現在、声優を務めた映画『ルパン三世 THE FIRST』が公開中。


不朽の名作『ラヴレター』から24年――ヒロイン役を演じた女優・広瀬すずが語る、岩井俊二監督、映画『ラストレター』にまつわるエピソード。
(※以下:広瀬)


---脚本を読んだときの感想を聞かせてください?

広瀬: 淡い感じが綺麗というか、繊細な美しさみたいなものが、本だけでここまで表現されるんだなって思って。それは手紙の文章でも会話の言葉でもすごく感じましたし、それがなにか日常的ですごく好きでした。



---撮影現場での岩井さんの印象は?

広瀬: 何も言わないんです。芝居をする前に何か言われた記憶はほとんどないです。最後のシーンですごく泣いてしまったんですけど、撮り終わったあとに『めっちゃ泣いたね』って言われたり、『今、どういう気持ちでやってたの?』ってOKを出されたあとに聞かれたり。やったことに対しての感想をよく言われていました。その都度、岩井さんの言葉を自分なりに解釈ながら、本当に自由にやらせていただいていました。

---今作は手紙が物語の大きなカギになっています。広瀬さんご自身は手紙を書くことはありますか?

広瀬: 誕生日プレゼントや舞台を観に行ったときの差し入れには、必ず手紙をつけて渡します。映画やドラマの撮影のオールアップのときにも共演した方々に渡したいなと思うんですけど、全員に書いても結局恥ずかしくなって、一回も渡したことがないんです。

--- そういうときの手紙は、どういう内容が多いですか?

広瀬: 映画『チア☆ダン』のときは、半年以上、毎日何時間もみんなで練習していて、もうただの共演者を超えた人たちだったから書こうと思って。撮影中もみんなで話合ったりすることはよくあったんですけど、一対一で話すことがなかったので、直接話すのは恥ずかしい1人1人に伝えたいメッセージを書きました。それも渡してないですけど(笑)。

---文章を書くことは好きですか?

広瀬: とりあえず自分の感情を片っ端からノートに書くことが、ストレス発散なんです。書くことで自分の考えを整理するとすっきりする。たぶん書くことが好きなんだと思います。

--- 忘れられない手紙というと誰の手紙を思い出しますか?

広瀬: 映画『海街diary』が終わったあとに、是枝裕和監督からいただいた手紙です。そのときドラマ『学校のカイダン』の撮影をしていて、初主演というのもあったし、当時16歳でまだよくわかっていないなか、200〜300人の前で10分くらい演説する大事なシーンがあって。けっこう感情的なシーンでもあって、急にプレッシャーを感じたときに、その是枝さんのお手紙を現場に持っていって読んで、“よし!”ってスイッチを入れられたっていうことがありました。その手紙は今もたまに読み返します。もうひとつは、朝ドラ『なつぞら』で娘役をやってくれた子がくれた手紙。『ママの次に大好き』って書いてあった(笑)。その手紙は片づけずにテーブルの上に置いて、“かわいい〜”って思いながら見てます。

--- この映画はどんな人におすすめですか?

広瀬: どの世代の方にも刺さると思います。小学生ですら初恋を経験する子もいるだろうし。大人の方は思い返したり、今の自分にとって誰が大切なのかとか、いろんなことを考える時間になるのかもしれない。SNSの時代だからこそ手紙というものがグッとくるというか、もっと想いを伝える方法を探したくなる映画だと思います。

--- ありがとうございました!!!




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映画『ラストレター』




公開:2020年1月17日(金)
監督・脚本・編集:岩井俊二
原作:岩井俊二「ラストレター」(文春文庫刊)
音楽:小林武史
出演:松たか子 広瀬すず
    庵野秀明 森七菜 小室等 水越けいこ 木内みどり 鈴木慶一 / 豊川悦司 中山美穂
   神木隆之介 福山雅治
主題歌:森七菜「カエルノウタ」※作詞:岩井俊二 作曲:小林武史
配給:東宝
©2020「ラストレター」製作委員会



ストーリー
裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。 ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく―――

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