ボルトン&バーゼル響/ベリオ編曲集

2019年10月25日 (金) 16:55 - HMV&BOOKS online - クラシック


何とビートルズ「イエスタデイ」も!
ボルトンとバーゼル響の底力が発揮されたベリオ編曲集が登場!
ベンヤミン・アップル、ダニエル・オッテンザマーも参加。


イギリスの名匠アイヴァー・ボルトンが2016/17年シーズンから首席指揮者を務めているスイスの名門バーゼル交響楽団とのソニー・クラシカルへの3枚目の録音は、なんとベリオの編曲アルバムという驚きの内容です。20世紀の作曲家たちは、ルチアーノ・ベリオほど効果的かつ創造的に伝統とモダニズムの関係を活用していませんでしたが、このアルバムではバッハ、ボッケリーニ、ブラームス、ファリャ、マーラーの作品を、ベリオが管弦楽版(管弦楽伴奏版)にアレンジした作品が収録されています。
 『フーガの技法』の中の『コントラプンクトゥスXIX』は23人の器楽奏者用に、ボッケリーニの有名な作品は1975年に大オーケストラのために編曲したもの。ファリャ『7つのスペイン民謡』は1978年編曲の作品で、新鋭ソプラノ歌手ソフィア・バーゴスが情熱的な歌唱と民族的リズム感を引き出した演奏。「ワーグナーや、後期のマーラー作品の成熟を思わせる、これらの若書きの歌曲の多様性に光を当てたかった」と語っているベリオが、マーラーに敬意を払いながら管弦楽伴奏版に編曲した『若き日の歌』では、ベンヤミン・アップルの美しく知性的な歌唱を堪能いただけます。クラリネット協奏曲風に編曲されたブラームスのクラリネット・ソナタ第1番のソロは、ウィーン・フィル首席をつとめる若きクラリネットの俊英ダニエル・オッテンザマーが担います。ウィーンの伝統とベリオの音楽が見事に融合されたオッテンザマーならではの卓越した技巧が聴きものです。
 ディスク2には「ビートルズ」の名曲をベリオが独自に編曲した作品が、世界初録音で収録されています。名曲の『ミッシェル』は2つのヴァージョンがあり、ひとつは「2つのフルートとチェンバロ」版でバッハのブランデンブルク協奏曲のようなバロック・スタイル。もうひとつは「木管と弦楽」版でフォーレやラヴェルのようなアレンジ。ここに収録された独自なベリオのアレンジは、「オープンアートワーク」の特異な形を作り出すコラージュテクニックが含まれるように拡張されています。アイヴァー・ボルトン指揮とバーゼル交響楽団による柔軟な解釈により、音のカラーや演奏技法の面で幅広くヴァラエティに富んだサウンドが湧き上がっています。(輸入元情報)

【収録情報】
Disc1
1. J.S.バッハ/ベリオ編:フーガの技法 BWV.1080より『コントラプンクトゥス XIX』 (2011)
2. ファリャ/ベリオ編:7つのスペイン民謡 (1978)
3. ボッケリーニ/ベリオ編:マドリードの夜の帰営ラッパ (1975)
4. マーラー/ベリオ編:『若き日の歌』より (1986)

 春の朝
 ハンスとグレーテ
 いたずらっ子をしつけるために
 私は緑の野辺を楽しく歩いた
 シュトラスブルクの砦に
 夏に小鳥はかわり
 別離
 もう会えない!
5. ブラームス/ベリオ編:クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調 Op.120-1 (1986)

Disc2
6. ジョン・レノン&ポール・マッカートニー/ベリオ編:『声楽と器楽のためのビートルズの歌』 (1967)

 ミッシェル I
 涙の乗車券
 イエスタデイ
 ミッシェル II

 ソフィア・バーゴス(ソプラノ:2,6)
 ベンヤミン・アップル(バリトン:4)
 ダニエル・オッテンザマー(クラリネット:5)
 バーゼル交響楽団
 アイヴァー・ボルトン(指揮)

 録音時期:2018年8月31日〜9月6日
 録音場所:スイス、ドルナハ、ゲーテアヌム
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
【アイヴァー・ボルトン(指揮)】
1958年イギリス生まれ。1982年からグラインドボーン音楽祭の指揮者を務めるとともに、1984年からはピリオド楽器を使用したセント・ジェイムズ・バロック・プレイヤーズを結成。現在はモーツァルテウム管弦楽団桂冠指揮者、マドリード・レアル劇場音楽監督、バーゼル交響楽団首席指揮者、ドレスデン祝祭管音楽監督。バイエルン州立歌劇場でのバロック・オペラ上演も手掛けています。近年ではピリオド奏法を取り入れた軽やかで透明感ある響きが特徴的なブルックナーの交響曲を演奏し、従来のような重厚な響きを重んじる聴き手の耳にも新鮮な風を送り込んだのも話題となりました。現代から古楽まで幅広いレパートリーを持ち、オペラでもオーケストラ曲でも高いクオリティの演奏を聴かせています。(輸入元情報)

【ルチアーノ・ベリオ[1925-2003]】
ベリオの名前は『シンフォニア』(1968)と『セクエンツァ』(1958)によって広く知られています。前者でのマーラーの『復活』をメインにした数々の有名作の引用に基づくコラージュ技法の面白さは無類であり、インパクトの強さにもすごいものがありました。また、後者での多彩をきわめた奏法、記譜法上の革新などさまざまなアイデアの数々は、ベリオの作曲技法の集大成というにふさわしいものとなっています。
 ベリオは1925年、イタリア、インペリア県オネーリャの音楽家の家庭に誕生。祖父と父はともにオルガン奏者で作曲家であり、音楽の手ほどきも最初は彼らから受けています。
 12歳のとき、ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』にインスパイアされたピアノ曲を書いたといわれるベリオですが、パルチザンとして活動していた19歳のとき、銃の暴発事故で右手を負傷し、ピアニストへの道を断念。
 そのため本格的に作曲家を志すようになり、第二次世界大戦後、ミラノのヴェルディ音楽院でゲディーニに作曲を、ジュリーニに指揮を師事。その後、アメリカに渡り、タングルウッドでイタリア出身の作曲家ダラピッコラに12音技法を学んでいます。
 1955年、友人の作曲家ブルーノ・マデルナとともにミラノに電子音楽スタジオを設立。最初は電子音楽の作曲家として認められ、1974年から80年にはブーレーズが設立したIRCAMの電子音響部門の責任者を務めてもいました。
 録音した音を使ってコラージュ的に作品を仕上げる手法、“ミュジック・コンクレート”を電子的な合成音と融合させようというベリオの試みは、すぐれたテープ音楽作品『テーマ/ジョイス賛』(1958)や『ヴィザージュ』(1961)に結実。両作品とも、「歌唱は知性が90パーセント、声が10パーセント」と力説するアルメニア系アメリカ人メゾ・ソプラノ歌手、キャシー・バーベリアンの歌を前面に押し出したものでした。
 ベリオとバーベリアンは、1950年、ミラノのヴェルディ音楽院で出会って間もなく結婚、緊密な共同作業によって声の可能性を追求する作品をつくっていきます。
 バーベリアンは並外れた才能と感受性をもった歌手で、ベリオは彼女のために『サークルズ』、『リサイタルI』、『セクエンツァIII』などといった作品を作曲。彼女が1983年の3月6日に亡くなったときには『キャシー・バーベリアンのためのレクィエム』を捧げています。
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