激ロック×HMV&BOOKS online vol.76

GENRE：HEAVY METAL

札幌発メタル・バンド、Leopardeath
世界に向けて本格始動する1stフル・アルバム

北海道から世界を目指したバンドとしては、かつてのEZOや近年であればGYZEを挙げることができる。が、今この結成11年を迎える絶妙なタイミングで1stフル・アルバムを発表するLeopardeathも、ここからそこに名を連ねていくことを志しているという。売り言葉として“正統派ヘヴィメタル、90年代イエテボリ系メロデス＋デスラッシュを見事に具現したエクストリーム・サウンド”というフレーズも見受けられるものの、七夕がテーマになっているという「催涙雨」や、いい意味でメタルの領域を超えた「光芒の奏多」など、今作においては和メロや日本語を巧みに活かした楽曲たちが多く呈示されているのもひとつの特徴と言えそうだ。1stフル・アルバムとは言えど、キャリアがあるだけに貫禄十分でもある。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：DEATHCORE, METALCORE

3月に新体制として再始動を果たしたDEVILOOF
衝撃の2ndフル・アルバム完成

“暴虐性に「和」の要素を取り入れた”、DEVILOOFの2ndフル・アルバム。「拷訊惨獄」では雅な音色からの極悪ブレイクダウンなど、和と融合した彼らのおどろおどろしい暴虐性を存分に味わうことができる。また、シングル『「開花」』の2曲に加えて、過去にオムニバスに収録した「アイシテクダサイ」も和風にアレンジし、Ray（7strings/Vo）のクリーンにスポットを当てた「Dusky-Vision」では彼らのもうひとつの強みを感じさせてくれた。『PURGE』で見せたスラム・パート、『Devil'sProof』で見せたメロディアスな面の両方を引き継ぎながらも、デスコアと演歌を組み合わせた「流転」で作品を締めくくることで、このアルバムのコンセプトの本当の意味と、彼らの進化を証明しているのだ。
オザキ ケイト 【ライター推薦】

GENRE：MELODIC DEATH METAL

新体制となったGYZE
“世界目線のメロデス新機軸”を提示する新アルバムをドロップ

名門“Coroner Records”からの逆輸入でキャリアをスタートし、いきなり頭角を現したGYZEが早くも4枚目のアルバムを完成。サウンドの端々にワールドワイドな活動の中で得てきた様々なエッセンスや、より広い視野で自らのアイデンティティを捉えた懐の広さが際立つ。音楽性もメッセージ性もすべてが圧巻の表題曲はもとより、どのトラックもエモーショナル且つハイクオリティに仕上がっており、ブラストビートと雅楽の音色が共存する「Dragon Calling」、抒情的メロディが心を揺さぶる「Japanese Elegy」、和メロディが躍動する「White Territories」、圧巻の表現力で悲劇を訴え掛ける「1945 Hiroshima」など、聴きどころは上げればキリがない。
米沢 彰 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK

MVでコメント欄をざわつかせた「邦 Limited Sazabys」含むロックで常識はずれの新作

定石から逸脱しているものに対しては、賛否両論が沸き起こりがちなのが世の常だ。例えば、アラ天のMV「邦 Limited Sazabys」に関して言えばYouTubeのコメント欄がまさにそれにあたる。また、今作には前述の曲に限らず、某巨大ファストフード店の冬季限定メニューや特定のシチュエーションを想起させる「クワトロこわい」や、完全にタイトルの面でモジりがなされている「栄光の割り箸」なども収録されているほか、ある種“そのまんま”な「ヤバイ、新聞屋さん （アラウンドザ天笠Ver）」が放っている存在感も実に興味深い。いずれにしても、キワキワなところを果敢に攻めるこの姿勢は極めてロックだと言えよう。まずは8月8日に渋谷CLUB QUATTROにて行われる、ワンマンが観たくなった。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：ROCK, MELODIC PUNK, SKA

この夏、ライヴ映え間違いなしのWANIMA至極の4曲

MVが公開されている「夏のどこかへ」をはじめ、ライヴ映え必至の4曲を収録した4ヶ月ぶりのシングル。「夏のどこかへ」は、WANIMAらしいメロディックなロック・ナンバーだ。効果的に使ったメロコア風の2ビートや、サビ前に挿入した“Oh Oh Oh Hey!”というシンガロングを聴けば、彼らがこの夏、この曲でライヴを大いに盛り上げようと企んでいることは間違いない。「サンセットストリップ」は夏のアヴァンチュールを求める、これまた彼ららしいスカ・ナンバー。劇場版“ONE PIECESTAMPEDE”に主題歌として提供した「GONG」は、人生の挑戦とその決意を歌ったちょっとエモいロック・ナンバーだ。そしてロック・バラードの「Mom」が締めくくる。これもライヴで聴いてみたい。
山口 智男 【ライター推薦】

GENRE：METAL, METALCORE

長年のファンから入門者まで幅広い層に捧ぐ
STRUNG OUTのカバーも収めた初のベスト盤

日本が誇るメタルコア・バンドによる初のベスト盤。ライヴでも熱い支持を得ているインディーズ期の「WeRefuse」などの再録バージョンを含む全16曲を収録。改めて通して聴くと、屈強なバンド・サウンドは迫力十分であり、歌心が増したキャッチーな魅力も存分に味わえ、これからHER NAME IN BLOODを聴いてみよう、という入門者にもぜひお薦めしたい。今作には「Darkside」なる新曲も1曲用意され、これがまた重厚に攻め立てるミドル・テンポの曲調。力強い歌声や勇壮なコーラスも映え、ライヴで聴いてみたい魅惑曲だ。また、バンド名の由来にもなったSTRUNG OUTの「Her Name In Blood」のカバーもあり、こちらも実にかっこいい仕上がりとなっている。
荒金 良介 【ライター推薦】