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新首席指揮者キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィルの初年度プログラムが発表 ベルリン・フィル・ラウンジへ戻る

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2019年5月1日 (水)

ベルリン・フィル&HMV&BOOKS online提携サイト
キリル・ペトレンコのベルリン・フィル首席指揮者としてのファースト・シーズン詳細が発表


 4月29日、ベルリン・フィルでは2019/20年シーズン記者会見が行われ、そのプログラムが発表されました。この枠で、8月より首席指揮者に就任するキリル・ペトレンコが挨拶し、新時代への期待と抱負を語りました。  下記のリンクでは、キリル・ペトレンコが来シーズン指揮する演奏会の一覧、また2018/19年シーズンに行われるすべての定期演奏会の一覧がご覧いただけます。
 次号(5月10日公開予定)では、記者会見とキリル・ペトレンコの挨拶内容の詳細をご紹介いたします。
 キリル・ペトレンコは、1972年、シベリアのオムスク生まれ。18歳の時に家族(父親はヴァイオリン奏者)と共にオーストリアに移住し、ウィーンで指揮者としての教育を受けました。ウィーン・フォルクスオーパー、マイニンゲン劇場、ベルリン・コーミッシェ・オーパーで活躍した後、2013年よりバイエルン国立歌劇場の音楽総監督に在任。ベルリン・フィルには、2006年に初登場し、その後わずか3回の共演で首席指揮者に選ばれました。2019年8月23日に行われるシーズン開幕演奏会で、シェフとしての初めての演奏を行います。

キリル・ペトレンコ指揮の演奏会一覧
2019/20年シーズン定期演奏会の一覧

キリル・ペトレンコとベルリン・フィルの最初の共演CD「チャイコフスキー《悲愴》が5月11日にリリース」


 5月11日、キリル・ペトレンコとベルリン・フィルの最初の共演CDがリリースされます。演奏曲目は、チャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》。当盤は、2015年夏に彼が首席指揮者に選出された後、最初に客演した機会(2017年3月)に収録されたもので、ゲネプロと3回の演奏会をもとにしたライブ録音となっています。
 その音楽性の特徴は?彼はこれまで、ほとんどCDをリリースしておらず、入手可能なのは特定の希少曲に限られていました。これは、彼が自分の演奏に極めて厳しく、録音の発売を了承してこなかったからからだと言われています。密度の高いリハーサルや、解釈を厳密に徹底させることでも知られますが、最大の魅力は、そうした自分を追い詰める厳格さが、本番では沸き立つような感情の奔流へと変化する点でしょう。彼自身はそれを、「リハーサル中に抑えてきた感情の箍を、演奏会の瞬間において外し、解放する」と表現しています。
 当盤の《悲愴》も、そうした感情の横溢を示すものとなっていますが、この表現性の高さが、ベルリン・フィルの力強い音楽性と合致していることは言うまでもありません。キリル・ペトレンコの放散するエネルギーと、オーケストラの表現意欲がぶつかり合い、激しくドラマチックなチャイコフスキーが展開されています。その燃焼度の高さは、両者の関係に大きな期待を抱かせると同時に、なぜ彼がベルリン・フィルから嘱望され、首席指揮者に選ばれたのかを納得させてくれます。


【商品情報】
● チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 Op.74『悲愴』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
キリル・ペトレンコ(指揮)

録音時期:2017年3月22,23日
録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND

商品詳細を見る

IIJのハイレゾ・ストリーミング・サービス「PrimeSeat」で
キリル・ペトレンコ指揮チャイコフスキー《悲愴》第3楽章全編を192kHz/24bit無料先行試聴


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特別寄稿:キリル・ペトレンコについて(音楽ジャーナリスト:田中知樹)


 キリル・ペトレンコはどのような指揮者か。多くの読者にとっては、彼はいまだに「謎の指揮者」だろう。何しろ録音がほとんど存在せず、あってもレアなレパートリーばかり。判断しようにも、素材そのものが存在しない。これまでにバイエルン国立歌劇場と来日しているが、演奏を聴いたことがある人はわずかだろう。彼が2015年にベルリン・フィルの首席指揮者に選ばれた時には、「ベルリン・フィルが無名指揮者をシェフに選出」という記事が新聞に載ったほどだ。無名とは、メジャー・レーベルでCDを出していないということである。
 しかし、メジャーでCDが出ているかは、演奏会の能力の基準ではない。なぜならペトレンコの場合、大手レーベルから「声が掛からなかった」わけではないからである。むしろその逆だろう。CDがなかったのは、彼自身が録音を拒んできたからである。欧州の音楽界では、ペトレンコは「自分にものすごく厳しい」、「難しい」指揮者として知られている。インタビューには原則的に応じず、解釈に納得がいかないと、演奏会をキャンセルするという噂もある。録音についても、内容に本当に満足しないとリリースに同意しない。商業主義に乗ることを拒み、我が道を進み続けてきた結果として、CDが存在しないのである。
 しかしそれは、頑なさでも身勝手さでもなく、彼の信条なのである。デジタル・コンサートホールで数少ないインタビュー映像を観た人は、ペトレンコがいかに真摯で、虚飾のない人物であるかを実感するに違いない。2017年春、首席指揮者選出後、初めてベルリン・フィルに客演した際には、「過去半年間、この演奏会をどう振るかということだけを考えてきました」と語っている。どのように団員と接したら、自分の意図を理解してもらえるか。彼らとどのような人間関係を確立するべきか。そしてどうすれば、全員を自らの信じる解釈へとエモーショナルに鼓舞することができるか。彼はその方法について思いを巡らし、様々なシチュエーションをひとりでリハーサルしたという。
 指揮者とは、基本的にアンビバレントな立場である。というのは、演奏の解釈を決める存在でありながら、自分では音を一音も出さないからだ。オケは、必ず指揮者を必要とする。ある作品の解釈は、100人の音楽家が集まって「なんとなく」生まれるものではなく、前に立つ指揮者によって示されなければならない。難しさは、自分の解釈を、大勢の他人に何らかのかたちで伝え、実際の音にしてもらわなければならないことにある。
 ペトレンコが以上の言葉で問題にしているのは、このプロセスのことに違いない。自己の解釈を実現するためには、メンバーたちを自分の考えや感情世界へと誘い、それを「彼ら自身の表現」として再現してもらう必要がある。ペトレンコはそれに腐心し、団員たちを自分の理想に一番近いところへと連れて行く努力をして止まない指揮者なのである。もちろんそれは、基本的にはどの指揮者でも同じだが、ペトレンコが他と違っているのは、その途上で本当に妥協しない点だ。彼は団員たちが毎回の演奏会を一期一会の機会と捉え、自分の解釈と共に「生きる」ことを望む。それは、「日常というルーチン」が支配しがちなコンサートの現場においては、極めて高い理想なのである。
 そう説明すると、読者はある伝説的な指揮者のことを思い浮かべるに違いない。そう、カルロス・クライバーである。クライバーも、オケに自分の解釈を伝え、再現させることに極限的に望んだ指揮者だった。ペトレンコの音楽性自体は、必ずしも彼と同質ではないが、理想を求め、妥協しないという点においては、この先人と多くを共有している。クライバーの「精神」を現代に伝えるのがペトレンコだと言っても、決して言い過ぎではないだろう。彼の実演に接すると、「これほど自分を追い詰めるようなリハーサルと演奏会を、ずっと続けて行けるものなのだろうか」と問わずにいられないが、それはまぎれもなくクライバーが直面した問題であった。
 一方、「理想を求め、妥協しない」のは、ベルリン・フィルの性向でもある。このオケの最大の特質は、高みを求めることを止めないことにある。最高の位置にいながら、現状に飽き足らず、それ以上を望むこと。そして一回ごとの演奏会にすべてを賭け、燃焼し尽くすこと。それがベルリン・フィルをベルリン・フィルたらしめているとすれば、彼らは自らの鏡像を、まさにペトレンコのなかに見出したと言える。それゆえ彼が首席指揮者に選ばれたのは、当然である。
 ペトレンコはおそらく、ベートーヴェンやブラームスの交響曲全集を次々にリリースする指揮者にはならないだろう(その希望を捨てたくはないが)。我々は、かつてクライバーが《運命》や「第7」の短いLPを単発で発売したように、数少ない選ばれた録音を待ち望むことになるに違いない。しかし彼とベルリン・フィルが送り出す1枚1枚は、?今回のチャイコフスキー《悲愴》が示すように?どれもが珠玉の輝きを放つものとなることが期待されるのである。

デジタル・コンサートホールでキリル・ペトレンコの演奏会映像を無料試聴!


 デジタル・コンサートホールでは、キリル・ペトレンコを紹介するキャンペーンの一環として、彼の演奏会映像を無料プレイリストとして公開しています。この機会に、彼のこれまでのベルリン・フィルとの共演を、存分にご体験ください。

キリル・ペトレンコ演奏会映像無料プレイリスト

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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交響曲第6番『悲愴』 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル

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交響曲第6番『悲愴』 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル

チャイコフスキー(1840-1893)

ユーザー評価 : 4.5点 (6件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥3,565

発売日:2019年05月11日
在庫あり

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ジョン・アダムズ・エディション ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、サイモン・ラトル、キリル・ペトレンコ、グスターヴォ・ドゥダメル、他(4CD+2BD)

CD

ジョン・アダムズ・エディション ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、サイモン・ラトル、キリル・ペトレンコ、グスターヴォ・ドゥダメル、他(4CD+2BD)

アダムズ、ジョン(1947-)

価格(税込) : ¥14,300
会員価格(税込) : ¥13,156
まとめ買い価格(税込) : ¥11,726

発売日:2017年11月21日
在庫あり

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