【インタビュー】OVERKILL / Bobby "Blitz" Ellsworth

2019年02月23日 (土) 02:15

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ヴェテラン・スラッシュ・メタル・バンド、オーヴァーキルが、19枚目となるスタジオ・アルバム、『ザ・ウィングス・オブ・ウォー』をリリース。ヴォーカルのボビー“ブリッツ"エルズワースに、いろいろと話を聞いてみた。

川嶋未来(以下、川嶋):ニュー・アルバム『ザ・ウィングス・オブ・ウォー』がリリースになりますが、過去の作品と比べた場合、どんなところが進歩している、あるいは異なっているでしょう。

ボビー:間違いなく新しいケミストリーは、ジェイソン・ビットナーがバンドに加わったことだよ。1年以上一緒にツアーしていたわけだけど、こういうケミストリーが起こるであろうことは、レコーディングに入る前から、最初のライヴからわかっていたね。まあ、もちろんアルバムはいつものオーヴァーキルだけれど、アルバムを最高のものにするためには、この変化をうまく利用する必要があることだとわかっていたよ。

川嶋:なるほど。ドラマーが変わって、具体的にどんなところが変化したのですか。

ボビー:変化がある場合は、その変化の一部になる必要があるのさ。ジェイソンのドラミングは非常に精度が高いタイプのものだ。彼はハードに、素早く、そして正確に叩く。これは俺たち全員に大きな変化をもたらしたと思うよ。もちろんレコーディングでは、全員が一斉にプレイする必要はなく、パートごとに、建物を建てるような作業をすることになる。そして、ジェイソンはその基礎になるわけだよ。基礎が変われば、当然すべてが変わるのさ。だから、さっきも言ったようにアルバムはオーヴァーキルらしい作品ではあるけれど、基礎が変わっているので、出来上がったものも違ったものになっているということさ。

川嶋:今回ミックスはゼウスが手掛けています。前作はアンディ・スニープの手によるものでしたが、今回はアンディはやはり多忙だったということでしょうか。

ボビー:アンディは、みんなが知っている通り、ジューダス・プリーストで忙しかったからね。ゼウスを選んだのはシンプルな選択だよ。D.D.ヴァーニはソロでゼウスにミックスやってもらったし、ジェイソンもシャドウズ・フォールで彼と一緒にやったことがある。信用できる2人からの推薦だったからね。アンディが無理だということになった時に、当然ゼウスということになったんだよ。良い選択だったと思うよ。ドラムがジェイソンになったというケミストリーがあり、プロダクションも多少モダンなものに変わった。一方で、ドラムはもっとオーガニックなサウンドになったけどね。

川嶋:例えば、過去に一緒にやったペーター・テクレンなどに頼むという選択肢はなかったのですか。

ボビー:さっきも言った通り、新たなケミストリーがあったからね。それをさらに高めたかったんだよ。「安全策で行こう」という風にではなく。俺たちはこれまでに19枚のアルバムを作ってきて、それらはどれもオーヴァーキルだし、アイデンティティ・クライシスに陥ったことはないけれど、俺たち自身のサウンド、俺たちの音楽の範囲での変化は求めているんだ。リスナーは、俺たちほど変化を感じてはいないかもしれないけどね。ゼウスとの共同作業は、未知へのユニークな実験を提供してくれたよ。

川嶋:最近のオーヴァーキルの作品には、プロデューサーのクレジットがありません。外部のプロデューサーを入れることは好まないのでしょうか。

ボビー:自分自身のヴィジョンをどう扱うかということさ。今のプロダクションというのは、オールドスクールな、昔のものとは違ってきているだろ。プロダクションというのは、良いサウンドを得ること、秩序を保つこと、物事を積み重ねていくことだ。D.D.とデイヴ(リンスク)はスタジオも所有しているし、俺たちは35年に及ぶミキシング・ボードでの経験もある。ミックスに至るまで、ずっと自分たちのヴィジョンを持ち込むというのも、とても楽しいんだよ。ギタリストが来て、「どうやったら良い音になるか教えてあげるよ」なんていう調子でね(笑)。とにかく楽しい作業だからさ。俺も他のメンバーも、こういう作業が好きなんだよ。自分たちでやるのが当たり前だと思っているし、アルバムを作るということは、毎回良いチャンスだと考えている。そして、プロデュースをバンドでやるということは、そのチャンスにリスクを持ち込むということだ。リスクを持ち込むということは、投資ということでもある。つまり、結果に責任を持たなくてはいけない。もし、そのアルバムが成功したら、曲を書き、演奏したということだけでなく、プロデュースという面でも成功したということになるのさ。

川嶋:アルバム・タイトルの『ザ・ウィングス・オブ・ウォー』というのは、現在の世界情勢を鑑みてのものでしょうか。

ボビー:いや、そうじゃないんだ。とてもシンプルな話さ。画家が、絵が出来上がった後にタイトルを考えたようなものだよ。俺たちも、アートワークをそういう見方をするのが好きなんだ。今回のアートワークは、5人がまるで会議で何か重要なことを議論しているように見える。アートワークの製作中は、まだアルバムのタイトルがなくてね。仮タイトルしかなかった。デイヴとD.D.が話していて、「軍事会議みたいだな」って言っているのがチラッと聞こえてさ。「それだ!」と思って、そこから考えていったんだ。つまり、アートワークが出来上がってからタイトルができたというわけ。

川嶋:だからタイトル曲もないのですね。

ボビー:そうだよ。アルバム・タイトルが一番最後だったからね。ニュークリア・ブラストにマスターを提出する2週間前になっても、仮タイトルしかなかったくらいだから。

川嶋:歌詞の内容はどのようなものですか。

ボビー:忍耐、献身、忠誠、それから旅についても書いたな。旅というのは人生、つまり35年以上に渡るバンドでのジャーニーだよ。アメリカ、日本などのアジア、そしてヨーロッパにも友人ができた。メタル・ファンというのは、音楽の好みということに関してはみんな非常に近いものを持っているよね。それが俺の書く歌詞に現れていると思う。俺の質や人間性、特徴と言ったものが歌詞には現れていて、人々はそれを聴いているんだ。それをベースに、個人的な成功や個人的な敗北、問題、挑戦することへの信頼とか、「ヘッド・オブ・ア・ピン」では個人的な問題にどう対処するかを歌っている。つまり、個人的に学んだことと、現在経験していることのコンビネーションだね。

川嶋:「ウェルカム・トゥ・ザ・ガーデン・ステイト」は、ブルース・スプリングスティーンのパロディのようになっていて、とても面白いですね。

ボビー:曲の最後の部分だけだけどね。他の部分はブルースは関係無いよ。”Garden State”というのは、俺たちの出身地ニュージャージー州のニックネームなんだ。俺たちの音楽は、パンク・ロックや出身地のニュージャージーからの影響が色濃く出ているのはみんな知っていると思う。この2つにとても誇りを持っているんだ。パンクはエネルギーを与えてくれるし、ニュージャージーは育つには素晴らしいところだ。ニュージャージーというのは、アメリカでも随一のとんがった州だと思うんだ。そして、それがオーヴァーキルが成功した原因の1つだと思う。そういうことを、パンク・ロック的な、頭を使わずみんなで合唱できる、楽しくて簡単な曲で歌ったんだ。「こういう曲を何でこれまでやらなかったんだろ?」ってね(笑)。俺たちの出身地のアティテュードを示した曲で、最後にちょっとしたブルース・スプリングスティーンへのトリビュートになっているのさ。

川嶋:パロディではなくトリビュートなのですね。

ボビー:ブルース・スプリングスティーンに対してというよりは、ニュージャージーに対してのトリビュートさ。もちろんブルースは、ニュージャージーというものの一部ではあるけれど。

川嶋:あなたと音楽との出会いはどのようなものだったのでしょう。

ボビー:13歳の時に初めてベースを手にしたんだ。親父が買ってくれてね。それ以前も、ビートルズやジョニー・キャッシュのレコードは持っていた。だけど、最初の音楽との出会いという意味では、やはり母親だね。彼女は20代前半の時に、何枚か自分のレコードを作っていたんだ。80代後半になった今でも歌っているくらいさ。俺がまだものすごく小さ頃、赤ん坊を脱したくらいの頃、彼女は俺に話しかける前に歌を歌ってくれていたんだ。だから、音楽というのは俺のDNAに刻まれているんだよ。母親が子供たちに分け与えてくれた才能さ。

川嶋:では、メタルとの出会いはどうだったのでしょう。

ボビー:最初に聴いたのは、あの頃のバンドだよ。ブラック・サバスとか。俺の最初の仕事は新聞配達だった。確か14歳の頃、レコード・クラブというのに入会してね。70年代にはそういうクラブがあったんだよ。例えば、コロンビア・ハウスのレコード・クラブだと、最初に1ペニー払うと、14枚のレコードがもらえた。その代わり、毎月1枚定価でレコードを買わなくちゃいけない。俺はその14枚、すべてヘヴィなものを選んだのさ。当時ブラック・サバスはアルバム3枚出していたから、それを全部と、レッド・ツェッペリン、アリス・クーパーとか。でもやっぱりブラック・サバスこそが俺にとってのヘヴィメタルの入り口だったね。

川嶋:パンクよりも先にメタルにハマったのですね。

ボビー:そうだよ。パンク・シーンにハマったのは高校生になってからだから、それよりちょっと後だね。俺にとってのパンクは、主にニューヨークのシーンだった。ニューヨーク・ドールズ、ラモーンズ、テレヴィジョン、ブロンディ。グリニッジ・ヴィレッジのシーンは素晴らしかったのだけど、俺たちはまだガキだから行けなくてね。大学生になってから、やっとニューヨークにも行くようになったのだけど、その時もまだシーンは続いていた。デッド・ボーイズも見たし、ラモーンズもニューヨーク・ドールズも見た。ハートブレイカーズ、ニューヨーク・ドールズのジョニー・サンダース、スティヴ・ベーターズやジョーイ・ラモーンも見たよ。音楽に関わるにはとても素晴らしい時代だったのさ。それで、ヘヴィメタルとパンクのエネルギーを混ぜ合わせていったんだ。

川嶋:ハードコア以前のニューヨーク・シーンも体験されているのですね。

ボビー:そうなんだよ。のちにハードコアもやるCBGBとか、Max’s、The Great Gildersleeve’s、Ritzなんかのクラブがあってね。これらのクラブには地下鉄で行くことができたんだ。当時D.D.とはまだ知り合っていなかったけど、どちらもニュージャージーからニューヨークに行って同じことをやっていたからね。オーヴァーキルを始めた時に、すぐにお互いを理解できたよ。ヘヴィメタルとパンクのエネルギーをミックスするというのが、バンドのコンセプトの大きなパートだったから。

川嶋:ハードコアよりもパンクの方がお好きなのですか。

ボビー:そうだと思うよ。最初に聴いたのがパンクだったし、最初に知っているジャンルがあって、それが変わって行くと、たいていの人は、「ああ、前の方が良かったな」なんて思うものだろ。ハードコアはパンクから独自の特別なものへと発展して行ったと思うんだ。80年代の後半には、俺たちもハードコアのバンドと一緒にライヴをやる機会があった。クロスオーヴァーと呼ばれるムーヴメントがあったおかげで、メタル・バンドは多少ハードコア寄りになり、ハードコアのバンドはメタル寄りになっていったんだよ。それでお互いの関係がより近いものになってね。俺もより高いレベルでハードコアのバンドを楽しめるようになった。アグノスティック・フロント、クロ・マグス、シック・オブ・イット・オールとか、ニューヨークのシーンは素晴らしかった。音的には、俺たちのやっていることもそう遠くはなかったと思うよ。倫理観は程遠かったけど(笑)

川嶋:オーヴァーキルが具体的に影響を受けたバンドというのは、どのあたりなのでしょう。

ボビー:ハードコアから行くと、俺のお気に入りの1つはAF(アグノスティック・フロント)だね。ロジャー(ミレット)のフレージングやメロディは大好きだよ。ダイレクトに影響を受けているかどうかはわからないけど、彼らのことはとてもリスペクトしているし、彼らはオリジネイターではないにしても、メロディックなエネルギーを持ったトップ・バンドの1つであったと思う。パンク・ロックに関しては、表面的に最も影響を受けたバンドということであれば、おそらくラモーンズだ。彼らはビーチ・ボーイズのようなサウンドを取り入れて、それを思いっきりダーティなサウンドにしただろ。ダーティ・ポップというのかな。歌詞を全部知っていて、ギターのリフも全部覚えているようなバンドというのは、特別な存在だからさ。おそらくこの2つが、オーヴァーキルに最も影響を与えているハードコアとパンクのバンドだと思う。

川嶋:メタル・バンドではいかがでしょう。

ボビー:NWOBHMからの影響が大きいと思うよ。決して洗練されたヘヴィメタルではなくて、俺はレインボーやジューダス・プリーストみたいなバンドももちろん好きだったけれど、エンジェル・ウィッチやタンク、タイガース・オブ・パンタンやダイアモンド・ヘッドのようなバンドには、何か違ったもの、違ったアプローチがあったよね。もっとリアリズムがあったというか。こういうスタイルのメタルの方が、パンクと融合しやすかったんだよ。もともとそういう方向性を持っているものだったからね。もちろん俺たちは、アイアン・メイデンやジューダス・プリースト、ブラック・サバスからも影響を受けているけれど、二番手のバンドからも大きな影響を受けているのさ。もっとダーティに、もっとエネルギッシュに、もっと速くプレイをするということを教えてくれたんだ。


川嶋:オーヴァーキルは間違いなくヘヴィ・メタル・バンドではありますが、パンクからの影響なども見られます。無理やりカテゴライズするとしたらどうなるのでしょう。

ボビー:35年やってきて思うのは、オーヴァーキルはオーヴァーキルなんだと思う。決して傲慢なことを言おうとしているわけではないよ。オーヴァーキルの音楽は、オーヴァーキルだとすぐにわかると思うんだ。オーヴァーキルの曲を、他の同時代のバンドの中に混ぜても、すぐにオーヴァーキルだと判別できる。ヴォーカルがなくてもわかると思うんだよ。ベイエリアのバンドとオーヴァーキルを並べても、すぐにわかるだろ。それに、ベイエリアのバンドというと、4つ5つ、あるいは10のバンドがいるけれど、オーヴァーキルのサウンドはオーヴァーキルとしか形容しようがない。まあ、もちろん俺はオーヴァーキルのメンバーだから、この意見が偏ってるであろうことは認めるけど(笑)。

川嶋:オーヴァーキルはスラッシュ・メタル・バンドだと認識されることもありますが、それについてはいかがですか。

ボビー:それは良いと思うよ。もちろん定義にもよるだろうし、昔はその定義がよくわからなかったのだけど。今ほど定義がはっきりしていなかっただろう?エクソダスやデストラクション、クリエイターやヒーゼンといったバンドはみんなスラッシュ・メタルとされていたけれど、それぞれ出している音が違ったし、オーヴァーキルの音楽とも違うものだった。だけど、最近はオーヴァーキルもスラッシュ・メタルとされることを受け入れているよ。俺にとってスラッシュの定義は、エネルギーが存在していることだからね。ヘヴィメタルをベースにした、エネルギーのある音楽。それは曲の速度とは関係がない。あくまで音楽からエネルギーが溢れているかどうかだ。だから、最近はスラッシュ・メタルとされることに問題はないよ。

川嶋:先ほどニューヨークのシーンのお話がありましたが、ニュージャージーのシーンはどんな感じだったのですか。

ボビー:ニュージャージーのシーンというのは見えづらかったと思う。パンクやハードコアのバンドは色々いたし、良いクラブ・シーンもあった。クラブ・シーンの一部は、カバー・バンドが担っていたよ。18歳になって、クラブに行けるようになると、カバー・バンドをよく見たことを覚えている。ヘヴィメタルやパンクなど、いろいろなカバー・バンドを見たよ。レッド・ツェッペリンやブラック・サバス、ジューダス・プリーストのカバーなどをやる、ホワイト・タイガーというバンドとかね。その後トゥイスティッド・シスターが出てきて、それでニュージャージーのシーンにもオリジナルの曲をやるというのが定着した。特にヘヴィメタルに関してはね。当時いろいろなバンドを見たな。ウィプラッシュとか、名前は忘れてしまったけど、のちにスキッド・ロウに入るデイヴ・セイボの最初のバンドとか。ニューヨークには独自のシーンがあって、ニュージャージーはカバー・バンドが多かったのだけど、その後オリジナルのシーンが爆発して、クオリティも高かったと思う。ニューヨークはおしゃれで高価なナイトライフにダーティなパンク・シーンがあった感じだけど、ニュージャージーは常にワーキング・クラスだったからね。メタルやパンクは、ニューヨークよりもニュージャージーの個性にぴったりだったと思うんだ。

川嶋:やはり当時は、新しいシーンが生まれている興奮が感じられましたか。

ボビー:当時最もユニークだったものは、混乱状態だと思うんだよ。ルールなどなくて、むしろその日、その日に新しいルールができていく感じで。新しいスタイルの曲が毎日生まれてね。ニューヨークであろうと、ドイツのエッセンであろうと、イギリスでも東京でも西海岸でも同じだったと思う。だから、エキサイティングだと感じたのは、新曲を書くたびに、それは過去に誰も書いたものがないというものであるという感覚だったよ。出来上がった曲を測る基準なんて存在しなくて。どの曲も、その日に新しく生まれていたからね。10年前のスタイルを踏襲するのではなく。

川嶋:好きなヴォーカリストを教えてください。

ボビー:俺は様々な音楽を聴くからね。ザ・フーのこともずっと大好きだし、ロジャー・ダルトリーの見せ方も大好きだ。ロブ・ハルフォードも大好きだよ。彼が楽々と歌ってみせるさまは素晴らしい。俺はより良いシンガーになりたいと思っているからね。ロブ・ハルフォードのようなヴォーカリストをヘヴィメタルの歌い方のベンチマークにしているんだ。一方で、リズミックなタイプのことをやるのも好きさ。リズミックなものとなると、ブルース・ロックだね。俺はドラムのビートの上にうまく言葉を乗せるように気をつけているのだけど、そういうテクニックはブルース・ロックのアーティストからのものさ。俺はそれをより速いスピードで、一段上のレベルに持っていきたいと思っているんだ。

川嶋:ヴォーカルのレッスンは受けたことがありますか。それとも生まれながらのシンガーなのでしょうか。

ボビー:いや、どう考えても生まれながらのシンガーではないだろ(笑)。酒飲みすぎ、タバコ吸いすぎの声さ(笑)。どんな声なのか自分が一番よく知ってるよ(大爆笑)。『Feel the Fire』の後に、初めて長いツアーをやってね。アンスラックスと海外を、スレイヤーとアメリカを回ったんのだけど、あれほど喉を使ったことがなかったから、声帯に結節ができてしまった。85年から86年のことだね。それで、これを直すにしても、当時はまだ駆け出しでビッグでもなかったから、ヴォーカル・レッスンを受けて、正しい歌い方を学ぶという手くらいしかなかったんだ。だいたい1年くらいレッスンを受けたよ。『Feel the Fire』と『Taking Over』の間のことさ。その時のテープを今でもウォーム・アップに使ってるから、今でも役に立っているよ。

川嶋:お気に入りのアルバムを3枚教えてください。

ボビー:どんなジャンルでも?

川嶋:メタルとパンク、それぞれ3枚ずつにしましょう。

ボビー:OK、デッド・ボーイズの『We Have Come for Your Children』。ラモーンズの『Road to Ruin』、ニューヨーク・ドールズの『Too Much Too Soon』。お気に入りのメタルのアルバムとなるとたくさんありすぎるけど、スレイヤーの『Reign in Blood』。これは歴史的な作品だろうからね。ジューダス・プリーストの『Stained Class』。それから、これがメタルなのかはわからないけど、モーターヘーッドの『Ace of Spades』。


川嶋:バンドの結成から40年が目前ですが、バンドを始めたころ、これほど長く続けるであろうと予測していましたか。

ボビー:40年続けるコツを教えてあげようか。40年続けようなんて思わないことさ(笑)。だからこそこんなに長く続けてこられたんだよ(大爆笑)。今も考え方は変わってないよ(爆笑)。

川嶋:当時はみんな若くて、40、50でエクストリーム・メタルをやるなんて想像もできなかったですからね。

ボビー:思わなかったね。若い人たちのものという感じだったから。今でもメタルの未来は若い人たちの手の中にあると思っているよ。今はとても面白い時代で、オーヴァーキルのような経験を積んだバンドは、その経験をうまく利用して、例えば1989年の一瞬の閃きとか、時間を閉じ込めることができる。そして、それを再生するとは言わないけれど、提示してみせることができる。つまりこのジャンルは、世代を超越しうるということ。オーヴァーキルのライヴには、おじいちゃん、お父さん、子供と3世代が揃っていたりもする。つまりこのジャンルには価値があり、今も簡単には捨てられるものじゃないということを示しているのさ。だけど、やはり未来は若い人たちのためにあるべきさ。年寄りのためではなくね。

川嶋:シンパシーを感じる若いバンドはいますか。

ボビー:もちろんいるよ。最終的にアイデンティティを見出したバンドを教えてあげるよ。もともと若いスラッシュ・バンド達は、80年代に作られたテンプレートを使っていた。そのせいで、過去のバンドのクローンになってしまっていた。だけど、10年が過ぎて、まあ10年もやっていれば若いとは言えないかもしれないけど、ウォーブリンガーなどは、エクソダスのテンプレートの中に、ついに彼ら自身のアイデンティティを見出したと思うんだ。最初の頃は、エクソダスのカバー・バンドのようだったけど(笑)、だんだんとオリジナルなリフが聞こえてくるようになり、やがてオリジナルなヴォーカルも聞こえるようになった。最近では、初期に比べてはっきりとしたオリジナリティが出て来たよ。こういうケースも見当たるようになって来たね。

川嶋:では最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします。

ボビー:日本に行くと、いつでも楽しいからね。ホスピタリティも素晴らしいし、みんなメタルが好きだし。日本で最大のショウであるラウドパークでプレイした時のことは忘れられないよ。Keep the faith, Keep the horns up! またすぐに会おう。

取材・文 川嶋未来




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