【インタビュー】 西山瞳 - NHORHM 『New Heritage Of Real Heavy Metal』-
2015年11月17日 (火)
まさかあの西山瞳が、と泡食ったジャズ・ファンも多かったのではないでしょうか。デビュー当時より「女性版エンリコ・ピエラヌンツィ」と謳われ、香気漂うヨーロピアン・ジャズ・テイストを宿したそのピアニズムで諸人を酔わせてきたことは言うに及ばず。昨今、”パララックス”トリオで吹き込んだ『Shift』にしても、時にアグレッシヴなれど、西山ピアノの精華が随所にほとばしる抜群の安定感を誇っていて・・・
しかし、彼女のもうひとつの、そして絶対的なルーツはここにもあったのです! 極論すればアフロ・アメリカニズムの象徴とも言えるジャズの世界とは対極にある「HR/HM」に青春の一節を捧げていたことは、そこまで大きく報じられてはいなかったはずですが・・・知らぬは僕だけでしたか?・・・このたび、ついにその”HR/HM愛”が大爆発、からの大横溢。「NHORHM」の名のもとに、ピアノトリオ・フォーマット(+@)による驚異のHR/HMカヴァー・アルバムをドロップ!
「キコ・ルーレイロが」、「イングヴェイが」、「人間椅子が」と、爛々とした目で彼らへの実直な愛とリスペクトを語る西山さん。やはり只者ではありませんでした。
インタビュー/文・構成:小浜文晶
ヘヴィネスを生み出すための「重くなる要素」を色々探っていくことはすごく勉強になりましたね。ジャズではあまり重さは求められないですから。延々と繰り返すことも。
-- 先日発売された新作『New Heritage Of Real Heavy Metal』は、まさかのHR/HMカヴァー・アルバムとなったんですが、そもそもこういったアルバムを制作するに至ったいきさつというのは?
今年の1月にAPOLLO SOUNDSの阿部さんと話していた時に浮かんだアイデアですね。ちょうどその頃、ジョヴァンニ・ミラバッシのアニメソングのジャズ・カヴァー・アルバムが話題になっていて、聴いてみたらこれがかなり良かった。
それまで、こういった趣旨のカヴァー・アルバムって、演奏者のパフォーマンスがあまり記憶に残らなかったというか(笑)・・・原曲の良さが際立って、半ばノスタルジックな気分だけで聴けちゃうから、正直あまり好きじゃなかったんですよ。でも、ミラバッシのアルバムはそれを覆したというか、本当に良かった。その流れで、私はアニソンのカヴァーだったら「アニメタルUSA」が好きだったなという話になり、そこで「逆にメタルのカヴァーはどう?」と聞かれました。
-- 急転しましたね(笑)。それなりに温めてきた企画だったのかと思っていました。
いえ、まったくの思い付き(笑)。さすがに、すぐ取りかかれる感じはしなかったので、「1ヶ月ぐらい準備期間がほしい」って。そこから、実家にあったメタルのCDを色々引っ張り出して聴き返してみて、それなりに当たりを付けてから着手したって感じですね。
-- 西山さんのHR/HM好きを阿部さんは知っていたわけですか?
会話の中でちょいちょい話が出ていたとは思うんですけど、昔から自分のアルバムのライナーノーツやインタビューでも結構そういうことに触れていたんですよ。まぁ、普段はdisk unionさんから真面目なトリオ作品を出しているんで・・・(笑)
APOLLO SOUNDS担当・阿部氏:今回ウチから出すのであれば、ちょっとクセのあるカヴァー・アルバムだろうな、と。
他のレーベルではなかなか実現しにくい企画。もっと商業ベースでオシャレな感じに仕上げたのはいくらでもあるかと思いますけど。
-- で、プロジェクト名が「New Heritage Of Real Heavy Metal」、つまり「NHORHM」と。
メンバーのイニシャルを並べたらうまい具合に「NWOBHM」に近かったんで(笑)、そこに英語を当てはめただけです。
-- 「NWOBHM」ムーヴメントの作品をよく聴いていたとか?
アイアン・メイデンは聴いていたけど、デフ・レパードは当時あまり好きじゃなかった(笑)。ずっとイングヴェイ中心に聴いていたんで。
小さい頃からクラシック・ピアノを習っていたんですけど、高校生になってレッスンをやめたんですよ。で、ちょうどそのとき周りにメタルを聴いていたり、コピーバンドをやっている友達が多くて、それに影響されて聴くようになった。その入り口がイングヴェイだったんですよ。90年代アタマぐらいのことですね。
-- 今回のトリオのメンバー、織原良次さんと橋本学さんも思いっきりHR/HMを通過してきているんですね。
世代的にも確実にそこから音楽に入っているんじゃないかなって。特に、ギター、ベース、ドラムは、「キミもポール・ギルバートになれる!」みたいな教則本やビデオを見て特訓していたと思うんで(笑)。だから、まず世代が近いって部分で二人に声を掛けてみたら、案の定そうだった(笑)。
-- デビュー時から西山さんはスウェーデンでレコーディングやライヴ活動などもしていますよね。アンダーシュ・シェルベリら現地の共演者にHR/HM好きはいなかったんですか? それこそイングヴェイはスウェーデン出身ですし。
少なくとも私が現地でセッションした人たちの中にはいなかったですね。みんなスウェーデンの王立アカデミー出身だったり、小さい頃から音楽の英才教育を受けている。だからポピュラー・ミュージックとは異なる切り口の人が多かった。ジャズにしても“たたき上げ”のミュージシャンには会ってないんですよ。
-- では、ここから1曲ずつお話をお伺いしようかなというところで、まずはオープニングがU.K.の「In the Dead of Night」。U.K.は元キング・クリムゾンのジョン・ウェットンらを中心にしたプログレ・バンドなので、他の曲と少し系統が異なりますよね。
実は、一番最初に聴いたのがイングヴェイのカヴァー・ヴァージョン。『Inspiration』っていうアルバムに収録されています。その後、大学で最初に入れてもらったのがプログレ・バンドで、この曲もやっていたんですよ。私の中で要所要所で傍にあった曲(笑)。それもあって、ずっとカヴァーしたかったんですけど、なかなか取りかかるタイミングがなくて、ちょっとやってみても、いまいちダサくて腑に落ちなかった(笑)。
という感じで7、8年放置していたんですけど、やるなら今かなと思って収録しました。プログレの曲なのでたしかに他と毛色が異なるんですけど、今回の収録曲クレジットを発表したら、分かる人にはちゃんと分かってもらえました、イングヴェイつながりだって(笑)。
-- ちなみにイングヴェイのヴァージョンはポリリズミックな原曲に忠実なんですか?
近いですけど、ドラムが完全にメタルとして演奏されているんで、あのビル・ブラッフォードの変態感はまったくないですね(笑)。
-- 2曲目はパンテラですね。90年代スラッシュメタルの傑作『俗悪』から「Walk」。
言ってしまえば、インテリジェンスからまったくかけ離れたイメージがあるんで、こういう中にポンと入っているとちょっと異質で面白い感じですよね。彼らの曲って、1曲1曲のフックが強い。この曲のベースのイントロにしてもそうだし。だから、そんなにアレンジを加えていないんですよ。
-- 『俗悪』が出た90年代初期〜中頃って、それまでの王道から少し外れた、極端に言えばその後の一部グランジにもつながっていきそうなバンドが最前線に出てきて、よくBURRN!誌でも掲載をめぐって喧々諤々の議論がなされていたと記憶しています。例えば、ガンズ・アンド・ローゼズにしても正統派からはまずまずの “異分子”扱いでしたよね。
めっちゃリアルタイムな話(笑)。そう、だからガンズは入れてないんですよ。ただパンテラに関しては、やっぱりグルーヴメタルの一番大事なところだと思っていたから。遅いテンポのアプローチであれだけ重くするのってすごいですよね。
当時、『悩殺』をよく聴いていたんですけど、『俗悪』は今聴き返したらめちゃくちゃよかった。相当考えられて作ったアルバムなんじゃないかなって思います。
-- そして、レインボー「Man On The Silver Mountain」とディープ・パープル「Demon's Eye」のリッチー・ブラックモア古典。
ルーツ的なものは絶対に入れたいなと思っていて。レインボーは最初の3枚がすごく好きなんです、単純に。だから、「バビロンの城門(Gates of Babylon)」、「Stargazer」、「Kill the King」・・・やりたい曲は他にもいっぱいあったんですよ。むしろあまり思い入れがなかったのがこの「Man On The Silver Mountain」。でも逆にフラットに聴けたんですよね。メロディもエキゾチックな感じで、しかもイスラエルのアヴィシャイ・コーエン・トリオみたいな音も今流行ってるし、そういう感じでできるかなと思って採り上げました。
-- HR/HMカヴァーに取り組んだことによって、全体的に、アヴィシャイ・トリオ、e.s.t.、バッドプラスなんかにも通ずる現代的なピアノトリオ・サウンドに結果仕上がっているのが逆におもしろいなと。
おそらく彼らにしても、元々ジャズから音楽を聴き始めてはいないと思うんですよ。ジャズとは異なる様々な音楽を聴いて育ってきたことは、必ず自分の作品に反映されますからね。「Man On The Silver Mountain」に関して言えば、割とかっちりアレンジを決めていながらも、遊びの部分もちゃんとある、その塩梅が自分でもすごくアヴィシャイ・トリオに近いかなって。
-- リッチー・ブラックモアにしてもイングヴェイにしても、クラシック音楽に対する素養の高さや理解の深さがあるかと思うんですが、彼らの音使いやフレーズ作りなどに共感できる部分もありました?
素養というよりは、強い憧れがありますよね。それと他の音楽に対するリスペクト。だから研究熱心ですよね。実際私も、そういう部分でクラシック・ピアノをやめたときに入りやすかったんだと思います。自分の知っているクラシック音楽がアレンジと演奏の仕方ひとつでこんな風にもなるんだって驚きでした。イングヴェイを聴くまで、ヘヴィメタルってとりあえずみんな叫んでるってイメージしかなかったけど(笑)、ちゃんと様式美みたいな世界観があるんだなって。
-- メガデスにしても、いわゆる“インテレクチュアル・スラッシュメタル”を標榜していましたし。
知能指数高い感じの(笑)。逆に、デイヴ・ムステインとかジャズ結構聴いてそうですけどね(笑)。この「Skin O' My Teeth」が入っている『Countdown To Extinction』はよく聴いていました。
-- 今回のアルバムのプロモーション用にマーティ・フリードマンからコメントを頂戴しているんですね。
いやもう、テンション上がりますよ。『Rust In Peace』も大好きだったから(笑)。「ジャズの演奏者はメタルを音楽として認めてくれないと思ったけど」っていう言葉にシビれましたね(笑)。でも、私たち3人がずっと憧れていた神みたいな人でもそんな“引け目”を感じていたんだって考えると、ちょっと複雑な気分にもなりました。
阿部氏:実はもうひとつ、アングラ(&メガデス)のキコ・ルーレイロからのコメントもあって。メガデスの新旧ギタリストからお墨付きをもらえたという。
Amazing approach to Angra's song
The original song is greatly influenced by latin fusion and it’s cool to listen to it in this Latin jazz format.
Excellent arrangement.
- KIKO LOUREIRO (ANGRA/MEGADETH) -
NHORHMを聴いて、ヘビメタってこんなにお洒落になるって驚きました!とても素敵なアレンジばっかりです。メタラーの僕はずうと「ジャズの演奏者はメタルを音楽として認めてくれない」と思ったけど、このケースではメタルにたいしての熱心と尊敬が伝わって来た。そして伴奏のメロディセンスは原曲より面白いと思います!!マジで(笑)
- マーティ・フリードマン(ギタリスト) -
これは今迄に聴いてきたメタルのカバーアルバム(しかもジャズ!)とは全く違う。オリジナルやHR/HM好きにとって親しみのある部分を絶妙な加減で残し、見事にジャズ化させている。また、ジャズの魅力に気付かされる一方で、オリジナルをもう一度聴いてみたくなる素晴らしいカバーアルバムです。
- 大村孝佳(ギタリスト from C4、LIV MOON、BABYMETAL etc.) -
どのカバーも、原曲の味を残しつつ歌メロに新たなメロディをのせて聴かせてくれるので、とても面白いDEATH! 特にMR.BIGの「60'SMIND」は最高!!! 生粋のメタラーのワタクシですが、この「NHORHM」をきっかけにJAZZにもハマれそうな気がします!
- 鈴木ヤスナリオ(高円寺メタルめし) -
-- 最も尊敬するアーティストがキコなんですよね。
大好きですね。アングラは、現在はメロスピ〜ドリーム・シアター系ではあるけど、そこまでテクニック重視で複雑な方向に行く、いわゆるプログレ・バンドではないし。精神性は完全にメタルだと思います。キコもそうだし、メンバー全員、ジャズやフュージョンも好きなんじゃないですかね。この間ライヴ観たら、ドラムがレギュラーグリップで2時間フルに叩いてましたから(笑)。
阿部氏:そのドラムのブルーノ・ヴァルヴェルデとベースのフェリペ・アンドレオーリもこのアルバムを気に入ってくれたらしいんですよ。
ジャズだけじゃなくて、ガチのメタルの人たちに喜んでもらえるとやっぱり嬉しいですよね。実際、演者にしてもお客さん同士にしても、ほぼ相容れないジャンルじゃないですか。ジャズ、メタル双方のリスナーだって周りからの印象は大きく違う。
でも、メンバーみんな「入り口はHR/HMだったんだ」っていうリスペクトを持っていることだけは分かるようにやりたかったんですよ。カヴァーだからってパロディみたいにしたり、ジャズ・マナーの押し付けみたいなことは絶対にしたくなかった。テーマだけ弾いて、あとはフリージャズっぽく演奏するのもちょっと見当違いだと思いますし。
-- リスペクトが分かるという点では、今回採り上げているBABYMETALも同じマナーで活動していますよね。
すごいプロジェクトですよね。HR/HMマナーを完全に分かっている人たちが仕掛けているから、ちゃんと楽しめるんだと思います。
去年の今頃は、名前ぐらいは知っていたけどちゃんと聴いたことはなかったんですよ。で、YouTubeで観たら、バックのバンド(神バンド)がすごいうまくてまずびっくり。完全に色物だと思っていたからショックも大きかった(笑)。その後色々と調べていくうちにハマっていって、CD買って、ファンクラブ入って、みたいな。ライヴチケットが欲しくて(笑)。
-- (笑)FC入会までは至ってないですけど、僕もごく最近ハマったクチです。
(笑)ミックスの音がまずアイドルじゃないですよね。分かっている人たちが振り切ってやっているのがとにかく気持ちよかった。
いずれにしても、ジャパメタは1曲入れようと思っていて、ラウドネスとか聴き返していたんですけど、あまりカヴァーしてしっくりいきそうなものがなかった。あと別のアプローチで、ベースがテーマを弾く曲を考えていて、それはジェフ・ベックの「Diamond Dust」が候補に上がっていたんですけど、ジャズの人も結構カヴァーしているからやめとこうと。ちょうどそのタイミングでBABYMETALにハマって、もう即決です(笑)。
-- ちゃんとラウドネスとかも聴き返していたんですね。
やっぱり大事なところは押さておきたいっていうのがあったんですよ。ただ、10曲ぐらいの収録数だとかなり厳選してバランスを考えないとまとまらないんで。それこそジャズのアルバムでスタンダードばかりだと面白くないじゃないですか。
当時ラウドネスは、正直そこまで聴き込んでいなかったんですけどね。人間椅子はめっちゃ聴いてましたけど。
-- まさか西山さんから「人間椅子」が出るとは思っていませんでした(笑)。
ライヴも2、3回行ったことありますよ。昔はプログレ感覚で聴いていました。ネタ的には他にも候補はあったんですけど、最終的にBABYMETALの引力に負けました(笑)。
阿部氏:最近、「○○METAL」ってアカウント名のTWITTERフォロワーが増えたよね?
めっちゃ増えた! BABYMETALのTシャツ買ってファンクラブに入ったって話を誰かにしたら、「この人もメイトさんです」って拡散されました(笑)。
-- 今後、ライヴに生粋のHR/HMファンが観に来る可能性も高いっていうことですよね。
もう来てますしね。彼らからすれば、ライヴに来るまで「ジャズはオシャレなただのBGM」とか、ちょっと敷居の高いものだって思っている部分もあるから、生のライヴを観てくれてそれがちょっとでも払拭されればいいですよね。今回のCDを聴いてくれた人にしても、いずれにせよまだ入り口段階だから・・・その後どうなるかは分からないですけど(笑)。
-- 逆に、西山さんからHR/HMファンに入門として提案できるジャズの作品って何かあります?
ジャズって50〜60年代のハードバップみたいなイメージが強いかもしれないので、とにかく最近のものを色々聴いてもらうのがいいですよね。それこそe.s.t.だったり、ティグラン・ハマシアンだったり。
-- では、アルバム唯一のオリジナル曲「The Halfway to Babylon」についてですが。
これは、リッチーが「バビロンの城門」で使っているスケールをアドリブ・フォーマットにはめ込んで書いた曲です。イングヴェイもよく使う「ハーモニック・マイナー・パーフェクト5thビロウ」っていうスケールなんですけど、タイトルどおり、「バビロンの城門」へのオマージュですね。
-- そしてラストはミスター・ビッグの「Green-Tinted Sixties Mind」と。
ギターを弾き始めた人が最初に憧れを持って取り組む曲でもあるので、印象に残っている人も多いと思います。
-- 西山さん、全般的にギタリストがお好きなんですね。
ギターヒーローが好きなんですよ。完全にクラシックピアノの反動(笑)。ギタリストとピアニストって根本的に考えていることが違うと思うので、聴いている時にそういうおもしろさはありました。とはいえ、これだけイングヴェイの名前を出しておきながら、イングヴェイの曲が入っていないという(笑)。実は、「Seventh Sign」も録ったんですけど、ちょっと今回は収録を見送りました。
-- 世代だけで言えば、HR/HM以外ではレディオヘッドなんかもど真ん中ですよね。
何より、技術が先にあって、しかもそれが煌びやかであるっていうものに憧れていましたから。例えばレディオヘッドが出てきた時って、退廃感みたいなものがある種トレンドになっていた気がするんですが、私はそこにあまり惹かれなかった。何と言うか・・・世の中に疲れているような曲調が苦手だったんですよ(笑)。ロックやるんだったらもう少し景気よくやれよっていう(笑)。もちろん好きな曲はありましたけど。で、ちょうどその頃ジャズにハマり出したこともあって、それ以降はHR/HMも聴かずにジャズ一筋になっていきましたね。
-- HR/HMの世界って、言わばアフロ・アメリカンのそれとは対極的なところにありますよね。
まさしく。私自身、この当時からヨーロッパ系を聴いていたんだなって改めて思いました(笑)。だからLAメタルとかもあまり聴かなかったし。結局、ビートっていうよりは様式美なんですよね。
-- 今回色々と聴き返して、さらにアレンジを加えて実際にカヴァーする中で、新しい発見なんかも結構あったんじゃないですか?
聴く耳がすごい変わりましたね。ジャズに対してもメタルに対しても。特にジャズはすごく客観的に聴けるようになったかな。メタルに関しては、昔と違ってノリではなく、「どういう構造でできているのか?」っていう分析の耳で聴いたので、そういう部分で新しい発見はたくさんありましたね。
さっきのパンテラの「Walk」がいい例で。それまで暴力的なイメージしかなかったけど、すごく緻密に考えられた音楽なんだっていうのがよく分かった。「In the Dead of Night」にしても、U.K.とイングヴェイのヴァージョンを聴き比べてみると、タイムが全然違う。そうした比較の中で、「ヘヴィネス」みたいなものがどうやってできるかというのを知ることができたんです。速さは練習すれば何とかなるんですよ。だから、チューニングを含めた音作りだったり、ヘヴィネスを生み出すための「重くなる要素」を色々探っていくことはすごく勉強になりましたね。ジャズではあまり重さは求められないですから。延々と繰り返すことも。
-- それは今後のご自身のコンポジションにも大きな影響を与えそう?
ジャズは、繰り返しの中で、どこで開放するかっていうのが肝になってきますから。つまり「緊張と緩和」ですよね。緊張しっぱなしの状態はジャズには向いていない。だから、緩和とのバランスなりを意識するきっかけにはなりました。
ただ、さすがにどの曲もプレイバックを最初に聴き返したときには、「♪ドラドラドラドラ・・・」みたいなのばっかりで、どうしようかなって(笑)。
-- (笑)ロックの強さってリフで成り立っている部分がありますから。
Aメロよりリフの方が有名な曲ばかりだし(笑)。ずっと同じ音を歌い続けてる強さってジャズとは絶対相容れないので、そこをうまくアレンジしなきゃいけなかったんですよ。
-- この企画、続編というかシリーズ化されるとおもしろいですよね。
そう、大きな取りこぼしもあるので(笑)。メタリカ、ブラック・サバス・・・あとイングヴェイもオリジナルをちゃんと収録しないといけないですからね。
西山瞳 (NHORHM) 『New Heritage Of Real Heavy Metal』
前代未聞のジャズピアニストによるヘヴィメタルの名曲カバーアルバムがリリース!!
ピアニスト西山瞳のプロジェクト、NHORHMが2015年に始動!第一弾となる本作は、自身が学生時代に影響を受けたヘヴィメタルの名曲をアコースティックのピアノトリオで演奏するカヴァー・アルバム。ディープ・パープル、U.K.などの古典からメガデス、ミスター・ビッグ、アングラ、BABYMETALまでを幅広く収録した他、自身のオリジナル曲も披露。サイドマンには織原良次(b)、橋本学(ds)を起用。
収録曲
- 01. In the Dead of Night / U.K.
- 02. Walk / Pantera
- 03. Man On The Silver Mountain / Rainbow
- 04. Skin O' My Teeth / Megadeth
- 05. Fear of the Dark / Iron Maden
- 06. Upper Levels / ANGRA
- 07. 悪夢の輪舞曲 / BABYMETAL
- 08. Demon's Eye / Deep Purple
- 09. The Halfway to Babylon / 西山瞳
- 10. Green-Tinted Sixties Mind / MR.BIG
西山瞳 (ピアノ、アレンジ)
織原良次(フレットレスベース)
橋本学 (ドラムス)
ゲストミュージシャン:
小田朋美 (ボーカル on M4)
馬場孝喜 (アコースティックギター on M5)
市原ひかり (トランペット on M8)
橋爪亮督 (サックス on M10)
■ジャケットモデル:藤崎ルキノ
(にしやま ひとみ)
6歳よりクラシックピアノを学び、18歳でジャズに転向。大阪音楽大学短期大学部音楽科音楽専攻ピアノコースジャズクラス在学中より、演奏活動を開始する。卒業後、エンリコ・ピエラヌンツィに傾倒。
2004年、自主制作アルバム「アイム・ミッシング・ユー」を発表。ヨーロッパジャズファンを中心に話題を呼び、5ヶ月後には全国発売となる。2005年、横濱ジャズプロムナード・ジャズコンペティションにおいて、自己のトリオでグランプリを受賞。2006年、スウェーデンにて現地トップミュージシャンとのトリオでレコーディング、『キュービアム』をスパイスオブライフ(アミューズ)よりリリースし、デビューする。2007年には、日本人リーダーとして初めてストックホルム・ジャズフェスティバルに招聘され、そのパフォーマンスが翌日現地メディアに取り上げられるなど大好評を得る。
以降2枚のスウェーデン録音作品をリリース。2008年に自己のバンドで録音したアルバム『パララックス』では、HMVジャパニーズジャズチャート1位を獲得、スイングジャーナル誌日本ジャズ賞にノミネートされる。2010年、アメリカで最大規模の作曲コンペティションであるインターナショナル・ソングライティング・コンペティション(ISC)で、全世界約15,000エントリーの中から自作曲「アンフォールディング・ユニバース」がジャズ部門で3位を受賞。合わせて、自作曲「ソウル・トラベル」がセミファイナルに選出され、コンポーザーとして世界的な評価を得た。2011年発表『ミュージック・イン・ユー』では、タワーレコードジャズ総合チャート1位、HMV総合2位にランクイン。CDジャーナル誌2011年のベストディスクに選出されるなど、芸術作品として重厚な力作であると高い評価を得る。
2014年には自己のレギュラートリオ、西山瞳トリオ・パララックス名義での最新作『シフト』を発表。好評を受け、アナログでもリリースする。また、東かおるvocalとのヴォーカル・プロジェクト、安ヵ川大樹bassとのデュオ、ビッグバンドへの作品提供など、幅広く活動。
横濱ジャズプロムナード、定禅寺ジャズストリートをはじめ、全国のジャズフェスティバルやイベント、ライブハウスなどで演奏。オリジナル曲は、高い作曲能力による緻密な構成とポップさの共存した、ジャンルを超えた独自の音楽を形成し、幅広い音楽ファンから支持されている。
2015年秋には、ヘヴィメタルの名曲をカヴァーしたアルバム『ニュー・ヘリテージ・オブ・リアル・ヘヴィ・メタル』をリリース。
『New Heritage Of Real Heavy Metal』発売記念ライヴ
2015年11月17日(火)新宿 Pit inn
(tel 03-3354-2024)
2015年11月28日(土)
名古屋 Star Eyes
(tel 052-763-2636)
2015年11月29日(日)
大阪 Mr.Kelly's
(tel 06-6342-5821)
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名盤1st『End of the World』(81)と2nd『No Way Out』(82)が再発された NWOBHM レジェンド GASKIN の中心人物、ポール・ガスキンのインタビュー。名盤のレコーディング裏話やNWOBHMシーン当時の話など、興味深い話が満載です。
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ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
遂に出た!西山瞳のHR/HM名曲カヴァー・アルバム!
New Heritage Of Real Heavy Metal
西山瞳 (NHORHM)
価格(税込) :
¥2,750
会員価格(税込) :
¥1,925
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販売終了
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その他のリーダー/双頭作品
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Down By The Salley Gardens
西山瞳 / 安ヵ川大樹
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限定盤
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西山瞳
ユーザー評価 : 5点 (2件のレビュー)
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