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【連載】 森は生きている 「コラム」 第七回 「影響」(7)-新年のご挨拶-

2015年1月9日 (金)

森は生きている
連載「コラム」

森は生きている、メンバー全員登場の「無人島〜俺の10枚」が、めでたく完結し、今度はなんとコラムの新連載。アルバムへの理解を深めるサブテキストのような連載をどうぞお楽しみに!毎週金曜夕方更新を予定しています。

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第七回 「影響」(7)-新年のご挨拶-

 お正月と言えば、炬燵を囲んで、お雑煮を食べながら、かるたをしてた...はずなのに、1人で過ごす...ということもなく実家の大分県佐伯市で悠々自適に過ごすことで始まるはずだった2014年のお正月は、そこにいながらも5月に録音をするということだけ決めていた2ndアルバムの作業に追われ、2階の小さな部屋でひたすら歌詞を書いていた。「プレリュード」を3日、「a,香水壜と少女」を5日、「b,空虚な肖像画」を6日にメンバーに送った形跡を見つけ不思議な感じに捉われている。この実家滞在から丸一年間、自ら設定した『グッド・ナイト』の木霊を部屋に浮かべ続け、気づいたら年を越していたのだ。2014年、僕らはこんな風に見えていました。2014年は終わりましたが、これからもお好きな時に、ご自由に何か浮かべていただけたら幸い。

 年末から年始にかけて、年の総決算として音楽に限らず何かと年間ベストが編まれる。個人的には一年間のツケを返すため、また年末から始まるツアーの準備に追われながら、文字通りの師走を駆け抜けた。
 自らは興味が向く方に忠実に、と言えば聞こえがいいが、周囲を振り返る間もないままに、自分の都合のいいように区切りを付ける癖があるので、「年間ベスト」を編むことはしないが、森は生きているのリーダー岡田拓郎の「年間ベスト廃盤レコード2014」が、ブログに上がっているので、続きを読む前に目を通してみて欲しい。

http://moriwaikiteiru.blogspot.jp/2014/12/20141.html?m=1

 アナログレコードの意義の大事な一つが紹介されている。音楽が音楽たる所以である。このコラムでも言葉とリズムについて私観を述べ続けたり、バンドの歌詞のほとんどを書いているが、歌詞なんて乗れればいい、聞き取れなくても言葉が滑っていったほうがいいと思っている理由にも直結するだろう。最近、下北沢にあるノアルイズ・レコードの阿部さんの後押しもあり、SP盤デビューを果たしたが、それは回るレコードから、音だけでなく当時の人々が音楽と向き合っている姿まで浮かぶ代物だ。(相場さえも未知な、とんだ代物でもある。)
 何かが去ったあとに、いつもの風景や道が違って見えることは生活の中でそんなに珍しいことではないだろう。誰かと放課後でも、夜通しでもレコードを聴いたあとに、1人になった部屋は、回る(回った)思いが渦巻いていて、夢から覚めたら知らない道にポツンと佇んでいた、歩いていたら突然道で何か得体のしれないものを拾った、といったような趣が残る。それも、誰かと音楽を聴いていたからこその効果であろう。そんなときは自分勝手に音楽を聴いてみたい。昨日誰かが言っていたことが突然腑に落ちたり、昨日このこと言えばよかったなんて後悔してみたり、歌詞カードを見て身をまかせてみたり。
 骨董屋などに行くと思うが(狙いは専らSP盤などレコードを安価に手に入れることと、味のあるレコードケースになりうるものを探すことであるが)、やはり一つひとつの味わいの宿り方が違うモノが多くある。味わいが多い分、楽しみ方もまた多い。お店では歪だった香水壜も、時間や場所や光の写り具合によっては歪でなくなるかもしれない。逆もしかり。複層的な楽しみは、喜びでもあるし、大量生産のものでは得られにくいと思うと何がお得なのかもわからなくなることすらある。『Pet Sounds』なんて死ぬまで発見があるのではないか。
 そんなレコードのすゝめは、殆ど2015年もレコードを買いまくってもいいという自らへの言い訳である。そのように各々捉えてもらえれば縁起の悪いものでもないと思うので、新年の挨拶と代えさせていただきます。
 2014年最も影響を受けた人物への感謝を込めて、この曲を贈ります。

a happy new year! a happy4ever!



(続く)
森は生きている 増村和彦(Dr.etc.)


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【連載】 森は生きている 「コラム」 
森は生きているが1stアルバムのさらに上いく圧倒的完成度のセカンドアルバム『グッド・ナイト』を発売した。アルバムの発売を祝し、メンバーによるコラム連載がスタート!アルバムへの理解を深めるサブテキストのような連載をどうぞお楽しみに!毎週金曜夕方更新を予定しています。

第一回 : 「影響」(1)-序- | 第二回 : 「影響」(2)-幼少期のこと- | 第三回 : 「影響」(3)-リズムのこと- | 第四回 : 「影響」(4)-リズムのこと(2)- | 第五回 「影響」(5)-リズムと言葉- | 第六回 「影響」(6)-リズムと言葉(2)- | 第七回 「影響」(7)-新年のご挨拶-


『グッド・ナイト』 森は生きている [2014年11月19日 発売]

『グッド・ナイト』 森は生きている 予てよりバンドが血肉化してきた数々の有機的な音楽遺産に加えて、このセカンドアルバムでは、サイケデリックロックや、時にはプログレッシブロック〜アヴァンギャルド的な語法も交えつつ、枚挙するに戸惑われるほどの数多の要素や音楽美が溶かし込まれている。レコーディング〜ポストプロダクションにおいてもバンドの完璧主義が全面的に敷衍され、ベーシックトラックに於けるアナログテープ録音から、様々な楽器音・電子音の重層的配置、更にはリーダーの岡田拓郎自らによる偏執的とも言える精緻かつ玄妙なミキシング作業までを通して、生鮮と爛熟が奇跡的にバランスする、圧倒的な音楽世界が作り上げられている。そして、ファーストアルバムでも独自の美意識を薫らせていた歌詞表現も更に奔放な羽ばたきを得て、音像と詩的心象がただ一つに融解していくように、聴くものを幻夢の世界へと誘い混む。それは恰も、歴史に晒されながらも清廉を保つ芳醇なシンフォニーのようでもあり、かつてモンパルナスに集った吟遊の芸術家集団による狂騒歌のようでもあり、老練の工人によって紡ぎ出される生活歌( ブルース) のようでもあり、そして、いつか見た未来を朧気に映し出す幻燈の静寂音のようでもある。2014年という時代に屹立する、森は生きているという純音楽集団にしか創り出し得ない圧倒的名盤にして孤高の作品が、ここに誕生した。

【HMVオリジナル スペシャル音源特典】
森は生きている「early tape of “グッド・ナイト” vol.2」CD-R

[収録内容]
1.プレリュード demo
2.青磁色の空 demo

※特典は無くなり次第終了となります。ご購入前に必ず商品ページにて特典の有無をご確認下さい。

『グッド・ナイト』収録楽曲

  • 01. プレリュード
  • 02. 影の問答
  • 03. 磨硝子
  • 04. 風の仕業
  • 05. 痕跡地図
  • 06. 気まぐれな朝
  • 07. 煙夜の夢 (a,香水壜と少女 / b,空虚な肖像画 / c,煙夜の夢(夜が固まる前))
  • 08. 青磁色の空
  • 09. グッド・ナイト

森は生きている プロフィール

岡田拓郎(Gt.,etc.) /竹川悟史(Vo.,etc.) /谷口雄(Pf.,etc.) /増村和彦(Dr.,etc.) /大久保淳也(Flute,Reeds, etc)
柔軟な吸収力と表現力を武器に、滋味豊かでいて瑞々しい独自の音楽を生み出す「純音楽楽団」、森は生きている。
2012年、リーダーの岡田拓郎を中心に東京で活動を開始。その年の末、ファーストCD-R「日々の泡沫」を発表し、自主制作盤にもかかわらず各レコード店にて軒並みソールドアウトを記録。2013年にはP-VINE RECORDS よりファースト・アルバム『森は生きている』をリリース。音楽シーンを代表する作品として各界から高い評価を得、発売を記念して行われた各地でのリリースツアーも大盛況のうちに終える。その後もさまざまなイベントやフェスへ出演するなど活発な活動を繰り広げる中、2014年にはファースト・アルバムのアナログ盤をリリース、それに合わせバンド初となるワンマン公演を東京渋谷WWW にて大盛況のうちに開催。11 月には待望となるセカンド・アルバム『グッド・ナイト』をリリースする。
カントリー、ソフトロック、サイケ、スワンプロック、アンビエント、モンド、トロピカル、ジャズ、ブルース、アフロ、クラシック、現代音楽etc…数々の音楽遺産を深く咀嚼しつつもあくまで現代的な表現として昇華する有機的且つ先鋭的なプロダクション、卓越した演奏、そして仄かに文学の匂いが薫る歌詞世界。森は生きているの奏でる音楽が、時代の心象を儚く切り取るように、そこここへ満たされていく…。

http://www.moriwaikiteiru.com/


無人島 〜俺の10枚〜 【森は生きている 連載編】 一覧はコチラから!

無人島 〜俺の10枚〜 【森は生きている 連載編】 一覧 
森は生きているが1stアルバムのさらに上いく圧倒的完成度のセカンドアルバム『グッド・ナイト』を11月19日に発表する。アルバムの発売を祝し発売日に向け連載された『無人島 〜俺の10枚〜 【森は生きている 連載編】』

第一弾 : 増村和彦 | 第二弾 : 谷口雄 | 第三弾 : 大久保淳也 / 五野上欽也 | 第四弾 : 竹川悟史 | 第五弾 : 岡田拓郎

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グッド・ナイト

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森は生きている

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発売日:2014年11月19日

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発売日:2013年08月21日
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