HMVインタビュー: DJ EMMA
2014年11月10日 (月)
インタビュー:藤堂輝家 & HMVオンライン
Q: 「EMMA HOUSE」復活ですね。約5年ぶりの復活となりますが、このタイミングで新たに始動することとなった経緯を教えていただけますか?
A: 2011年の震災以降、嫌なことや辛いことが続いて、自分のなかで変化せざるを得なかったんです。そこで、一度ルーツに戻ろうと。自分にとってのルーツって何だろうって考えた。DJを始めたときの気持ちとか、音楽を作るってどういうことなのか、みんなと音楽を共有するということは何なのか、というところまで深く考えた。
ほどなくしてロレッタ(Loleatta Holloway)が亡くなるんですが(2011年3月24日に急逝)、彼女と共演したときのことや彼女の音楽に励まされたことを想いながら、追悼のミックスを録ったんです。ネットに上げたのは、みんなに聴いてほしいというよりは彼女の音楽をずっと、それこそ何百回何千回とプレイしてきたお礼を彼女に直接言えなかった、その気持ちを吐き出した一つの形だったんです。
その後、AIRとの「Heartbeat」シリーズのお話をいただくんですが、そうした自らの欲求やいただいた仕事と向き合ううちに次第に考えが落ち着いてきた。『Acid City』に関してもルーツに戻る過程で生まれた。復興のパーティとかもそう。全部一緒なんですね。
そうして3年が経って、自分のなかで道筋が見えてきた。これをやればいいというのが決まってきた。今までDJ以外のことは極力やらないと決めてきたんだけど、そうじゃないこと、裏方的なことも含めて全部やろうと自分自身も変わったんですね。元々表に出てやるのは苦手なタイプなんですけど、苦手ななりに表現してみよう。それにはやはり「EMMA HOUSE」しかないなって。
Q: この5年の間にAIRのミックスや『Acid City』といった作品をリリースされてきましたが、ご自身にとってこの「EMMA HOUSE」というシリーズはどのような存在ですか?
A: 初期の頃は特別な気持ちはなかったんですが、毎年出していくうちに食うためのライス・ワークからライフ・ワークになってきていますね。キャリアの半分を占めるようになってからはそう自覚しています。
自分にとってはミックスCDって、大げさかもしれないけど、生き方そのもの。失敗したらやり直せるコンピューター・ミックスじゃないというのはその証でもある。アスリートと一緒で一発勝負。一回失敗したら取り返しがつかないところに本質があると思って、ずっと追い求めてきた。
このシリーズが続いているというのは、結果的にそういう気持ちが聴いている人にも伝わってるのかなと思いますね。。
Q: 今回の作品にはスタイル、BPMなどにおいて様々なタイプのハウス・サウンドが収録されていますが、何かテーマをもって選曲されたのでしょうか?
A: 1枚組なので、基本的に3曲で物語ができるように意識して作りました。2枚組だとクラブの現場により近いものを構築できるし、それはそれで聴きやすいですが、今回はそれとは全く逆の方向へ、それこそシリーズ初期に考えていたような感じで構成してあります。
Q: 今回収録された楽曲の中で特に気に入っているトラックがあれば教えてください。
A: Royksoppの曲(Royksopp & Robyn“Say It”)ですね。あの曲はすごいですよ。ここ5〜6年のテクノ、ハウス周辺で一番音がいいかもしれない。どうやって作ってるのかって思う音ですね。使ってる音一つ一つがカッコイイし、ヴォーカルも入ってて聴きやすいし、ポップだし。それと1曲目の“Dreams”かな。
Q: 今回の作品は実に「EMMA HOUSE」19作目となりますが、このシリーズを振り返ってみての思い出などがあれば教えてください。
A: やっぱり『Emma House: Live At Yellow』(2005年リリースのシリーズ12弾。シリーズ初のライヴ・レコーディング作品)かな。人生であんなに緊張したことはないですね。あらかじめ内容は決めていってるんですが、それをみんなの前でやるっていうだけでかなり緊張しました。
ブースの後ろに(エンジニアの)森崎さんやエイベックス・チームもスタンバイしてて、その場のプレイがCDになるっていうプレッシャーは普段のレコーディングとは全然違いましたね。吐きそうでした(笑)。
ただ、そのとき思ったのは、スタイラス(レコードの針)からDJの気持ちも入るんじゃないかって。パッションや想いまでスタイラスは拾うんじゃないかって。CDでもPCでもピックアップから伝わるものはあるかもしれないけど、スタイラスの比じゃないなって。だから、アナログがいいんだって思いました。すごく勉強になりましたね。
Q: 今後、「EMMA HOUSE」は何作まで続きそうですか?
A: 分からないです(笑)。30周年のときの20作目は決めてますけど、21作目は分からないですね。やりたいときにやります(笑)。
Q: 実際のパーティーの復活は予定されていますか?
A: 仙台のADDでやってる「EMMA HOUSE 興」がお店の閉店に伴って来年1月で終了します。仙台でのパーティは名前を変えてやっていきたいと思っていますが、「EMMA HOUSE」自体はそこで終了ですね。
東京で復活するかというのは、今は考えられない。こればっかりはハコありきなんで、現状だと難しいですね。どうせならあのままでやりたい。悲しいですけど、今の若い子たちを見てると、本物を追い求める時代じゃなくなってきているのを感じるんです。形を変えてまで続けることを僕は全然いいとは思わないんですよ。
Q: まもなくDJ活動30周年を迎えるエンマさんが思う“DJ”とは? また今後、目指す方向性などはありますでしょうか?
A: それに関してはいつも悩んでます。夢にまで見るくらい。常に“どうあるべきか”を考えてるからブレないというのはあるかもしれない。もう30年やってきているし、残された時間であと何回DJできるか、その一回一回をどうしていくかと考えた場合、ただ楽しいだけの時間にはしたくない。
楽しさは必要だけど、もっと大事なものが音楽には隠されていて、その鍵みたいなものをみんなと一緒に開けたい。それを一緒に感じたときの気持ち良さっていうのがDJの一番の醍醐味だと思います。だから、ブースで感極まって泣くこともあるし、そういうものであってほしいなと思いますね。
Q: 「今現在のハウス・シーン」について一言お願いします。
A: 最近は音楽以外のもの、例えば、視覚効果やパフォーマンスといったもので成立しているようなエンターテイメント性の高いものが多いし、ハウスはディスコの要素が強いからそういったコマーシャルなシーンに行きがちだけど、いずれ淘汰されるんじゃないかな。そんな気がします。
Q: 最後にこちらをご覧の方にメッセージをお願いします!
A: 音楽が好きな人は新しい古いにこだわらずに聴いてほしい。人生のうちで聴ける音楽は限られてるから大事に選んでほしい。周りの環境やブームに流されないで音楽を聴くことって楽しいですよ。本当に音楽が好きであれば、きっとそういった音楽が見つけられると思っています。
DJ Emma 『Emma House Xix Mouse-colored Cat』 [2014.11.12 Release]
DJ EMMA - DJ SCHEDULE -
●2014.11/15 (Sat) KEITH FLACK - Fukuoka福岡市中央区舞鶴1-8-28マジックスクエアビル1/2FL
http://www.kiethflack.net
●2014.11/22 (Sat) CLUB ADD - Sendai
仙台市青葉区立町14-3パリスビルB1F
http://www.clubadd.com
●2014.11/29 (Sat) CLUB MAGO - Nagoya
名古屋市中区新栄2-1-9-B2F
http://club-mago.co.jp
●2014.12/06 (Sat) CLUB AXIS - Kagawa
香川県丸亀市通町121-1-B1
http://iflyer.tv/ja/club-axis/
●2014.12/13 (Sat) AIR - Tokyo
渋谷区猿楽町2-11-B1.B2
http://www.air-tokyo.com
●2014.12/20 (Sat) ACID ROOM - Sapporo
札幌市中央区南4条西6丁目B3FL
http://www.acidroom.jp
●2014.12/22 (Mon) WORLD - Kyoto
京都市下京区西木屋町四条上ル真町97 BF
http://world-kyoto.com
●2014.12/27 (Sat) UNDERSTAND - Kitami
北海道北見市北4条西3丁目パレスビル2F
http://code-0157.com
●2014.12/28 (Sun) CLUB TRIBE - Asahikawa
北海道旭川市2条8丁目ニュー平和ビルB1
http://clubtribe.jimdo.com
●2014.12/29 (Mon) SABBAT - Nagano
長野県松本市深志2-2-10 2F&3F
https://www.facebook.com/sabbatroom/timeline
ハウス/クラブミュージック最新商品・チケット情報
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
エンマハウス復活!!
Emma House Xix Mouse-colored Cat
DJ Emma
価格(税込) :
¥2,750
会員価格(税込) :
¥2,530
まとめ買い価格(税込) :
¥2,337
入荷日未定
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Live At Yellow
Emma House: Live At Yellow
DJ Emma
価格(税込) :
¥2,724
会員価格(税込) :
¥2,506
まとめ買い価格(税込) :
¥2,316
通常ご注文後 2-3日 以内に入荷予定
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“Say It”収録
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Heartbeatシリーズ
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Heartbeat Presents Mixed By Dj Emma(Nitelist Music / Malawi Rocks
DJ Emma
価格(税込) : ¥2,619
会員価格(税込) : ¥2,410発売日:2012年06月06日
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販売終了
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Heartbeat Presents Mixed By Dj Emma X Air Vol.2
DJ Emma
価格(税込) : ¥2,619
会員価格(税込) : ¥2,410
まとめ買い価格(税込) : ¥2,226発売日:2013年06月19日
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Acid City
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Acid City -Dj Emma Presents Nitelist Music 3
価格(税込) : ¥2,200
会員価格(税込) : ¥2,024
まとめ買い価格(税込) : ¥1,870発売日:2013年07月24日
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EMMA HOUSEシリーズ
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コレクション
EMMA HOUSE 18 MIXED BY DJ EMMA
DJ Emma
価格(税込) : ¥2,724
会員価格(税込) : ¥2,506
まとめ買い価格(税込) : ¥2,316発売日:2010年03月31日
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販売終了
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販売終了
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Nitelist Music Presents Emma House 2015
DJ Emma
ユーザー評価 : 3点 (3件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,828
会員価格(税込) : ¥2,603発売日:2008年04月09日
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販売終了
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