トップ > 音楽CD・DVD > 商品情報 > クラシック > 「ベルリン・フィル・ラウンジ」第102号:DCHをテレビ、モバイル機器、オーディオ装置で観よう

「ベルリン・フィル・ラウンジ」第102号:DCHをテレビ、モバイル機器、オーディオ装置で観よう ベルリン・フィル・ラウンジへ戻る

%%header%%閉じる

%%message%%

2014年10月10日 (金)

ベルリン・フィル&HMV提携サイト
 ベルリン・フィル関係ニュース

カーネギー・ホールにおけるニューヨーク・レジデンシー
10月1日から8日まで、ベルリン・フィルがニューヨーク・カーネギー・ホールに客演しました。この期間、サー・サイモン・ラトル指揮の6回のコンサートが開催され、シューマンの交響曲全曲、バッハ「マタイ受難曲」(ピーター・セラーズ演出)のほか、ストラヴィンスキー《火の鳥》、ラフマニノフ「交響的舞曲」、ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(ソロ:アンネ=ゾフィー・ムター)、ハース《暗い夢》(ベルリン・フィル、カーネギー・ホール共同委嘱作品)が演奏されています。
ツアーの写真やコメントが満載のツアー・ブログをご覧ください。

ベルリン・フィル・ツアー・ブログ

 DCHをテレビ、モバイル機器、オーディオ装置で観よう

PCだけではもったいない!機器に接続する方法を詳細解説
 デジタル・コンサートホール(DCH)は、テレビやモバイル機器で観ることができる。多くのユーザーが、パソコン上で観ていると思われるが、小さな画面を前にヘッドホンで聴くのは、なかなかしんどいもの。DCHはハイビジョン画質で、音声もCD並みなので、「もったいない」というのが正直なところだろう。逆にテレビやオーディオ装置に接続すれば、テレビを観る感覚で、高画質&高音質が手軽に楽しめる。ここでは、その方法を紹介しよう。

ネット対応テレビやブルーレイ・プレイヤーを利用
 DCHをテレビに映し出す方法は、ふたつある。ひとつ目は、DCHが初期搭載されたネット対応テレビやブルーレイ・プレイヤーを使うこと。ソニーのテレビ、ブルーレイ・プレイヤーには、DCHのアプリがプリインストールされている(2012年以降製造のもの。日本語対応)。
 メニュー画面の配信サービスから「Berliner Philharmoniker / Digital Concert Hall」(黄色いロゴ)を立ち上げて、スタート。まず機器と自分のDCHアカウントを紐付ける必要があるが、これは画面指示に従えば簡単に行える(アカウントを持っていない場合は、登録手続きに誘導される)。アプリのある場所が分かりにくいのが難だが、ソニーの機器ユーザーは、探してみるといいだろう。

モバイル機器からテレビに映像を飛ばす
 ふたつ目の方法は、スマートフォン、タブレットを使用すること。DCHには、iPhone/iPadおよびアンドロイド対応の無料アプリがある。これをダウンロードすれば、モバイル機器での視聴が可能となる(iTunes App Store、Google Playで入手可能。日本語対応)。
 通勤中や旅行先で映像を観ることができるわけだが、それだけではない。アップルTV(iPhone/iPad)、クロームキャスト(アンドロイド)を併用すると、テレビにビデオを転送できる。この「ストリーミングTVデバイス」は、ネット上の映像をテレビ画面に飛ばす機器。ユーチューブなどの映像も送れるが、一番意味をなすのは、DCHのような高画質ストリーミングだろう。例えばクロームキャストは、4,000円台と値段もお手頃である。
 なお、テレビへの転送とは直接関係ないが、iPhone/iPadでは、オフライン再生も行える。前もって映像データをロードしておけば、ネット環境がない場所でもコンサートを観ることが可能。回線が途切れがちなバスや電車のなかで、効果を発揮するだろう。
 DCHは、AmazonのFire TVにも対応している(アプリを初期搭載)。Fire TVが日本で発売されれば、これを使うのもひとつの可能性である。

オーディオ装置につないで聴く
 音声をオーディオ装置とつなぐことも、思った以上に簡単である。ネット対応テレビ、モバイルからテレビへの転送の場合は、テレビの音声出力をアンプにつなげばよい。ブルーレイ・プレイヤーの場合も、音声出力をアンプに接続するが、これは大抵の人が設定済みに違いない。コンサート映像では、何と言っても音が命。この手続きを行うだけで、ベルリン・フィルの演奏がずっとリアルに感じられる。
上記のセットアップは、DCHだけでなく、他の配信サービスにも応用が利くので、ネットで映像を楽しみたい人には、ぜひトライしてみてほしい。

iTunes App Store(iPhone, iPad用無料アプリ)
Google Play(Android用アプリ)
Windows Store(Windows 8用アプリ※)
※DCHモバイル・アプリは、Windows 8にも対応している。ただし、今のところテレビへの転送オプションはない。ダウンロードは、Windows Storeから。

 最新のDCHアーカイブ映像

シューマン&ブラームス交響曲第1番をDCHで観る シューマン&ブラームス交響曲第2番をDCHで観る シューマン&ブラームス交響曲第3番をDCHで観る シューマン&ブラームス交響曲第4番をDCHで観る ラトルのシューマン&ブラームス・ツィクルス
2014年9月18日

【演奏曲目】
シューマン:交響曲第1番
ブラームス:交響曲第1番

2014年9月19日
シューマン:交響曲第2番
ブラームス:交響曲第2番

2014年9月25日
シューマン:交響曲第3番
ブラームス:交響曲第3番

2014年9月26日
シューマン:交響曲第4番
ブラームス:交響曲第4番

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:サー・サイモン・ラトル

 1853年10月、ヨハネス・ブラームスがデュッセルドルフのローベルト・シューマンのもとを訪ねたとき、シューマンは当時20歳だった若き作曲家への期待を「新音楽時報」誌の中でこう述べています。
 「今後、彼の魔法がますます深く徹底して、合唱やオーケストラの中にある量の力を駆使することができるようになった暁には、精神の世界の神秘の、なお一層ふしぎな光景をみせてもらえるようになるだろう。願わくば、最高の守護神が彼をそこまで強化するように」(吉田秀和訳)。
 ブラームスは、それに対してやや控えめに、「あなたの好意がどれほど私を励ましてくれたか、私の作品がすぐにその証しとなってくれたらよいのですが」と手紙の中で記しました。

 今回から4回に分けて、シューマンとブラームスの交響曲ツィクルスを行います。この2人の作曲家にはジャンル上の共通点が多く見られますが(2人とも、3つのピアノソナタ、3つの弦楽四重奏曲、3つのピアノトリオ、3つのヴァイオリンソナタ、4つの交響曲を書いています)、同時に演奏することで、多くの発見を見い出せるのではないでしょうか。
 当ツィクルスは、毎回の演奏会で両作曲家の同じ番号の交響曲を取り上げる、という趣向。ラトルはベルリン・フィルは、昨年のシューマン・ツィクルスの演奏をCD/BDとして発売したばかりですが、それとの比較も楽しいのではないでしょうか。

シューマン&ブラームス交響曲第1番をDCHで観る
シューマン&ブラームス交響曲第2番をDCHで観る
シューマン&ブラームス交響曲第3番をDCHで観る
シューマン&ブラームス交響曲第4番をDCHで観る

ユンゲ・ドイッチェ・フィルがツァグロセク指揮で客演
2014年10月27日

【演奏曲目】
ドビュッシー:《海》
ルトスワフスキ:チェロ協奏曲
サンチェス=ベルドゥ:《アルキブラ》
R・シュトラウス:《ドン・ファン》

チェロ:トルルス・モルク
ユンゲ・ドイッチェ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ローター・ツァグロセク

 ドイツでもっとも著名なユース・オーケストラの一つとして知られるユンゲ・ドイッチェ・フィルハーモニー管弦楽団が、今年結成40周年を迎えます。1974年にブンデスユーゲント管弦楽団出身のメンバーによって結成されたこのオーケストラは、後にアンサンブル・モデルンやドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンといった名高いアンサンブルの母体ともなりました。今回の記念公演の指揮を務めるのは、首席客演指揮者のローター・ツァグロセク。ドビュッシーの《海》、シュトラウスの《ドン・ファン》、ノルウェー出身のトルルス・モルクがソロを務めるルトスワフスキのチェロ協奏曲のほか、1968年生まれのスペイン人作曲家、ホセ・マリア・サンチェス=ベルドゥによる《アルキブラ》が公演に花を添えます。この作品は、2000年にツァグロセク指揮ユンゲ・ドイッチェ・フィルによりベルリン・フィルハーモニーで初演されました。

ユンゲ・ドイッチェ・フィルの演奏会をDCHで聴く

カラヤンのドイツ・レクイエム
2014年10月10日

【演奏曲目】
ブラームス:ドイツ・レクイエム

ソプラノ:グンドゥラ・ヤノヴィッツ
バリトン:ジョゼ・ファン・ダム
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンは、ドイツ・レクイエムの映像を2本残しています。これはそのひとつ目の1978年収録のもの。ソロに、グンドゥラ・ヤノヴィッツとジョゼ・ファン・ダムを迎えた豪華なもので、3月22日にザルツブルク・イースター音楽祭でライブ収録されています。カラヤンの完全なライブ映像は珍しいですが、これはその代表的なものです。
 とは言うものの、合唱の配置はカラヤンの美学を徹底させたもので、通常とは違うかなりスペースを取ったものとなっています。同時に35ミリフィルムではなく、VTRによる制作ですが、これは、当時の最新の技術を反映させた結果ということかもしれません。

カラヤンのドイツ・レクイエムをDCHで聴く

 これからのDCH演奏会

ネルソンスが《ツァラトゥストラ》を指揮。アックスのモーツァルトも
2014年10月19日日本時間午前3時

【演奏曲目】
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番
R・シュトラウス:ブルレスケ
《ツァラトゥストラはこう語った》

ピアノ:エマニュエル・アックス
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:アンドリス・ネルソンス

 米国人ピアニストのエマニュエル・アックスが、アンドリス・ネルソンス指揮ベルリン・フィルと共演します。モーツァルトのピアノ協奏曲第14番とリヒャルト・シュトラウスの「ブルレスケ」が一夜のコンサートで演奏されるケースは稀ですが、アックスはすでに2001年6月にハイティンク指揮ベルリン・フィルとこの2曲を共演し、高い評価を得ました。シュトラウスはモーツァルトを崇拝し、特に彼のオペラを大きな手本としていたことはよく知られています。もっとも、この「ブルレスケ」はむしろブラームスの伝統下にあり、当時21歳のシュトラウスは、交響詩、ピアノ協奏曲、道化芝居など様々な要素をこの作品に取り込みました。ヴィルトゥオーゾの作風の中に、諧謔味やイロニーも入り交じっており、ピアニストにとって非常に難易度の高い作品です。
 最後に演奏されるのは、やはりシュトラウスの《ツァラトゥストラはこう語った》。「ブルレスケ」を作曲した10年後、シュトラウスがフリードリヒ・ニーチェの同名の著作に啓発されてこの交響詩を書いたとき、すでに彼はこのジャンルの第一人者と見なされていました。トランペットのモチーフで始まる壮大な導入部は、映画《2001年宇宙の旅》で使われたことであまりに有名です。ネルソンスはすでにベルリン・フィルとシュトラウスの《ばらの騎士》組曲と《英雄の生涯》を共演しており、今回もオペラティックで表情豊かな解釈が期待できます。

ネルソンス指揮の演奏会をDCHで聴く

 アーティスト・インタビュー

ベルリン・フィル団員、アバドを語る(前半)
「“新しい世界を共に求める”ということが、私のアバドについての思い出なのです」
アバド追悼演奏会(2014 年5月17日)より

 今年5月に行われた「アバド追悼演奏会」より、ベルリン・フィル団員のアバドへの思いを集めたインタビューを訳出します。ここで語っている団員は、すべて80年代の後半から90年代の前半に入団した、「アバド時代の子供たち」。彼の時代を担った奏者だと言えます。
 興味深いのは、@アバドのリハーサルがカオスだったということ、Aしかし、それがまさに彼ならではの室内楽的音楽づくりを生んだ、という証言です。アバドは無秩序と思えるリハーサルによって、各団員に自主権を与え、その自発性によって音楽を作り上げたということが、よく伝わってきます。

エマニュエル・パユ(ソロ・フルート奏者) 「アバドと最初に会ったのは、ベルリン・フィルのオーディションを受けた1992年10月のことでした。オーディションの後、彼と少し言葉を交わしましたが、それが出会いでした」

ヴォルフラム・クリスト(旧第1ソロ・ヴィオラ奏者) 「私のアバドとの関係、そして友情は、ゆっくりと始まりました。ですので、この時に突然、という思い出はないのです。しかし、首席指揮者になって共演を重ねるうちに、彼が我々に与えるもの、与えようとするものが絶大であると気が付いたのでした」

スタンリー・ドッズ(第2ヴァイオリン) 「最初の出会いは、オーケストラ・アカデミーのオーデョションでした。私はそれに合格し、ベルリンに来ることになりました。そして最初に、アバドの演奏会のリハーサルに同席することができたのです」

ルートヴィヒ・クヴァント(第1ソロ・チェロ奏者) 「思い出せる最初の出来事は、ロッシーニの《ウィリアム・テル序曲》のリハーサルでした。私は当時まだ、トゥッティだったのですが、この曲はチェロ・グループで始まります。私は第4チェロだったのですが、1小節だけソロがありました。私は新米だったので、目立たないように正確にピアノで弾こうと心がけていました。するとアバドが、(声とジェスチャーを真似て)“もうちょっと大きく”と。それで力いっぱい弾いたのです。彼はそれを良いと思ったようで、リハーサルの後に話し掛けてくれました。たった1小節、2秒のことです。しかしそれから、彼は私のことを目に留めてくれるようになったようでした。それが最初の思い出です」

ヴァルター・キュスナー(ヴィオラ) 「アバドとの最初の出会いは、1988年、ベルリン芸術週間でのことでした。当時彼は、毎年フェスティヴァルで、ブラームスの交響曲を1曲振っていました。私は同年の5月に入団し、88年の演奏会で初共演しました。そして89年の芸術週間で、あの伝説的なブラームス《第3》を演奏したのですが、そのすぐ後に、彼は首席指揮者に選ばれました。彼が選出されたことは、非常に嬉しかった。というのは、彼のスタイルは新しかったからです。カヤラン時代のベルリン・フィルは、まったく別の、“縦の社会”でした。そこにクラウディオが来た。彼はリラックスしていて、誰とでもDu(親称)を使い、皆と一緒に音楽をすることを好みました。“お前はこうやれ”という命令的なスタイルではなかったのです。彼は団員のすることに反応して指揮ました。それは非常に特別だった。彼と共に、ベルリン・フィルの新しい時代が始まったのです」

マリー=ピエール・ラングラメ(ハープ) 「私が最初に彼から受けた印象は、謙虚な人だということでした。彼は常に自分ではなく、音楽を第一に考え、オーケストラと室内楽をすることを望んだのです。それはまったく新しいオーケストラのリードの仕方で、それまで全然知らないものでした。彼とは、本当に気楽に話すことができました。全然ボスであろうとしていなかった。ご存知の通り、クラウディオはリハーサルが上手いとは言えませんでした。もちろんコンサートはまったく別だったのですが…。いずれにしても、リハーサルはひどかった。各々が勝手にやりたい放題で、クラウディオはまとめ役になっていなかったのです。しかし、まさにそのために、各個人が自分でどうやるかを考えるようになりました。私は実は、そうした仕事の仕方を非常に楽しんだのです。より自主性を求められたわけで、彼と室内楽をやっている気持ちになりました。もちろん、リハーサルが上手くないというのは、指揮者として弱点だと思います。しかし我々のオーケストラでは、弱点は強みになったのでした。他の指揮者では、こうは行かなかったでしょう。その意味で偶然の部分もありますが、我々の場合では見事に機能したのです」

ドッズ 「私は(アカデミー生としての最初のリハーサル見学で)非常に好奇心をそそられたのですが、それと同時に混乱もしました。というのは、リハーサルの方法がおそろしく変わっていて、外から見ていて何が行われているか全然分からなかったからです」

キュスナー 「クラウディオは本当に言葉数が少なかった。ほとんど喋りませんでした。リハーサルはカオスで、彼は多くのことを偶然に任せているように思われました」

クヴァント 「彼は途中で細かく切らずにリハーサルすることを好み、中断を嫌いました。細かい部分を取り出して、そこだけ練習する、ということもしなかったのです。しかし団員としては、そういう練習が必要な時もあります。その方が、作品の構造が分かりやすくなるからです。しかし彼にとっては、全体を捉えることの方が重要で、オーケストラの個々の部分が、自分たちで動き、自主的に演奏することを望みました。彼自身は、大きな流れだけを作ったのです」

クリスト 「彼が何もしないというのでも、何をすべきかを知らない、ということではありません。彼は我々皆を、作品を求める旅に連れて行ったと思います。もちろん多くのことも指示もしましたが、彼はむしろ、我々が一緒に音楽を求め、自ら新しい世界を切り開いていくことを望んだのでした。メンバーが、そのような道を共に歩む気持ちがあれば、アバドは最高のパートナーでした。そしてその“新しい世界を共に求める”ということが、私のアバドについての思い出の核でもあります。その姿勢は、最後まで変わりませんでした。何かを探し求める人、そしてその意志を貫く、という意味で、非常に強い人でした」

キュスナー 「私は、同僚たちとは少し違う考えです。つまり、あの無秩序なリハーサルは、意識的だったと思います。彼は我々がお互いを聴き合うように、わざと理解不能なことをしたのではないでしょうか。あのやり方は、わざとだったような気がします。我々は、クラウディオがやっていることが分からないので、お互いを聴きわないと、バラバラになってしまう。だから、お互いを聴き合い、自主的にならざるを得なかったのです。一方コンサートでは、彼は突然しっかり手綱を取って、我々をリードしました。でもその段階でも、我々は常に、お互いを聴くことを止めなかったのです。それは素晴しい結果でした」

パユ 「私にとっては、あえて口にしたいところが、魅力でした。言葉で説明しないで、音楽で、感情で表現する。それは、音楽家として、私自身のモットーとなったのです(後半に続く)」

アバドの演奏会をDCHで観る

 ドイツ発最新音楽ニュース

本コーナーでは、ドイツおよび欧米の音楽シーンから、最新の情報をお届けします。

「今年のオペラハウス」賞は、バイエルン国立歌劇場。「今年の指揮者」賞は、K・ペトレンコ
 ドイツのオペラ雑誌《オーパンヴェルト》が選ぶ、「今年のオペラハウス」賞に、バイエルン国立歌劇場が輝いた。同劇場がこの賞を受賞するのは、今回が初めて。大きな要因のひとつは、音楽総監督を務めるキリル・ペトレンコの活躍である。これを反映して、彼は「今年の指揮者」賞に選ばれている(「今年のオーケストラ」賞は、バイエルン国立管)。バイエルン国立歌劇場をベースとするミヒャエル・フォレ(バリトン)も、「今年の歌手」賞を受賞。彼は、ミュンヘンでの《ギヨーム・テル》とザルツブルク音楽祭での《ニュルンベルクのマイスタージンガー》が評価された。
 このように、ミュンヘンが主要賞を総なめ、という感じだが、「今年の新人歌手」賞は、ザルツブルク・イースター音楽祭で《アラベラ》に出演したハンナ=エリーザベト・ミューラー、「今年の演出家」賞は、ウィーン芸術週間で《オルフェオとエウリディーチェ》を演出したロメオ・カステルッチが受賞している。後者の舞台は、オルフェオの地獄への旅を、臨死体験と解釈したものだという(© Wilfreid Hösl)。

イタリアの歌劇場で、指揮者のキャンセル、首席指揮者の退任が続く
 イタリアの歌劇場で、指揮者が公演をキャンセルしたり、首席指揮者を退任することが続いている。まず夏に、トリノ王立劇場のジャナンドレア・ノセダが、インテンダントとの意見不一致により退任を宣言。続いて9月には、ローマ歌劇場のリッカルド・ムーティが、2014/15年の公演すべてをキャンセルすると発表した。その直後には、ナポリ・サンカルロ座のニコラ・ルイゾッティが、12月の《トロヴァトーレ》のプレミエを最後に、退任意向を発表。またバーリ・ペトルゼッリ劇場のダニエーレ・ルスティオーニも、音楽監督を辞任するという。
 ムーティのキャンセルが雪崩を引き起こしたという印象があるが、実際には彼は、ローマ歌劇場を離れるとは宣言しておらず、《アイーダ》と《フィガロの結婚》の指揮を止める、というのが発表内容である。ローマ歌劇場では、記者会見を開いて「ムーティは終身名誉指揮者のままである」と離任説を否定している。ルイゾッティの背景は不明。一方、ルスティオーニについては、劇場の経営状況が不安定で公演中止が続いているため、安定した仕事ができないことが理由だという。

ガッティがコンセルトヘボウ管の首席指揮者に
 ダニエーレ・ガッティが、2016年よりロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席指揮者に就任するという。同オーケストラでは、この春にマリス・ヤンソンスが今シーズン一杯で同ポストを退任することを発表していた。
 ガッティは、今季はマーラー他のプログラムで3回コンセルトヘボウ管に客演する。両者の関係が近接していることは、しばらく前から明らかであった。

次号の「ベルリン・フィル・ラウンジ」は、2014年10月24日(金)発行を予定しています。

©2014 Berlin Phil Media GmbH, all rights reserved.

フェイスブック:ベルリン・フィル日本語版公式アカウント
ツイッター:ベルリン・フィル日本語版公式アカウント

DCHアーカイヴ検索