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2014年8月7日 (木)



ロリン・マゼール/ザ・クリーヴランド・イヤーズ(19CD)
マゼール&クリーヴランド管弦楽団〜デッカ録音全集


マゼール&クリーヴランド管弦楽団が英デッカにセッション録音した全音源がまとまったセットになりました。
 マゼールがクリーヴランド管弦楽団の音楽監督を務めたのは1972年から82年にかけてのことで、前任者ジョージ・セルの時代に培われた高度なアンサンブルはそのままに、より、ダイナミックで表現の振れ幅の大きな音楽を志向して行くことになります。
 当時のデッカによるセッション録音の音響特性は、そうしたマゼールの芸風と相性が良く、1973年から1979年の6年間にロマン派作品中心におこなわれた録音の数々は、どれも注目度の高いものばかりです。
 ちなみにマゼール&クリーヴランド管弦楽団は、ソニーにもセッション録音をおこなっていましたが、そちらはシャープさを狙ったものが多かったので、より肉感的なデッカ録音とはまた違った個性のサウンドという印象がありました。結果としてどちらもこのコンビの演奏の魅力を十分に伝えていたというのはやはり凄いことだと思います。

【高水準な演奏】
演奏はどれも、この時期のマゼール&クリーヴランド管ならではの緻密な音響と、徹底的に追求されたフォルムの美感や、細部に至るまで掘り起こされる音楽情報の豊富さが印象的なもので、ベートーヴェン、ブラームスからガーシュウィンに至るまで、それぞれの作品にふさわしいスタンスを維持しながらも、場合によってはデフォルメも辞さないその方針はやはり見事というほかありません。
 たとえばリムスキー=コルサコフの『シェエラザード』では、細部まで調整を怠らない色彩感の丁寧な表現が情景描写に大きく寄与、名技的管弦楽法によるアラビアン・ナイトの世界を隅々まで堪能させてくれましたし、プロコフィエフの交響曲第5番では、第1楽章でのスローテンポによる超巨大な盛り上げやその後の切れ味鋭い進行とのコントラスト形成で聴き手を大いに刺激したものです。
 一方で同じプロコフィエフの『ロメオとジュリエット』では、各曲の表情を精緻にバランス良く描き分けてストーリー性を際立たせ、全曲盤ならではの各情景をつなぐ部分まで魅力たっぷりに聴かせてくれていました。
 ラヴェルとドビュッシーは、まだまだフランス音楽が雰囲気的に捉えられていた時代に、鮮烈なサウンドと大胆な表現で話題になったもので、ときに緩急自在に大きな起伏で表情を思い切って変化させるマゼールの手法が実に面白く、加えてオーケストラのクールで技巧的魅力も満載のサウンドが、ラヴェルでもドビュッシーでも奥の奥まで音の情報をえぐり出すかのような面白さがありました。
 こうしたマゼールの手法はベルリオーズとも相性が良く、巨大なレクィエムのほか、『イタリアのハロルド』と『ローマの謝肉祭』でも作品を緊密に構築し、壮大さや敏捷さのどちらにも完璧に対応、高度な統率力ゆえの引き締まった演奏を聴かせる手腕がさすがです。
 オペラにも強かったマゼールは、クリーヴランド管ともオペラ全曲盤を制作。しかもそれまであまり重視されていなかった『ポーギーとベス』というチャレンジングなレパートリーで、なおかつ非常に高度な演奏を実現して、結果的に30年以上に渡って作品を代表する録音として位置づけられてきたのですからやはりその実力恐るべしです。(HMV)

【収録情報】
Disc1
ドビュッシー:
● 交響詩『海』
● 夜想曲
● 管弦楽のための映像〜イベリア

 録音時期:1977〜1978年

Disc2
● ドビュッシー:バレエ音楽『遊戯』
● ラヴェル:バレエ音楽『ダフニスとクロエ』全曲

 録音時期:1974年、1978年

Disc3
● レスピーギ:交響詩『ローマの祭り』
● レスピーギ:交響詩『ローマの松』
● リムスキー=コルサコフ:歌劇『金鶏』組曲

 録音時期:1976年、1979年

Disc4
● プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調 op.100
● リムスキー=コルサコフ:序曲『ロシアの復活祭』
● リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲

 録音時期:1977年、1979年

Disc5
● グリンカ:『ルスランとリュドミラ』序曲
● リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』
● スクリャービン:交響曲第4番『法悦の詩』

 録音時期:1975年、1977年、1978年

Disc6-7
● ベルリオーズ:レクィエム
● ベルリオーズ:交響曲『イタリアのハロルド』

 ケネス・リーゲル(テノール)
 ロバート・ヴァーノン(ヴィオラ)
 録音時期:1978年、1977年

Disc8
● ビゼー:『アルルの女』組曲第1番、第2番
● ビゼー:子供の遊び
● フランク:交響曲ニ短調

 録音時期:1978年、1979年、1976年

Disc9-10
● プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』全曲

 録音時期:1973年

Disc11-13
● ガーシュウィン:歌劇『ポーギーとベス』全曲

 ウィラード・ホワイト(ポーギー)
 レオーナ・ミッチェル(ベス)
 バーバラ・ヘンドリックス(クララ)、他
 録音時期:1979年

Disc14
● ガーシュウィン:パリのアメリカ人
● ガーシュウィン:キューバ序曲
● ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

 アイヴァン・デイヴィス(ピアノ)
 録音時期:1974年

● フランク:交響的変奏曲

 パスカル・ロジェ(ピアノ)
 録音時期:1976年

Disc15-17
ブラームス:
● 交響曲第1番ハ短調 Op.68
● 交響曲第2番ニ長調 Op.73
● 交響曲第3番へ長調 Op.90
● 交響曲第4番へ長調 Op.98
● 悲劇的序曲 Op.81
● 大学祝典序曲 Op.80
● ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a

 録音時期:1975年、1976年

Disc18
● ヴェルディ:歌劇『オテロ』よりバレエ音楽(第3幕)
● ヴェルディ:歌劇『ドン・カルロ』よりバッロ・デラ・レジーナ(第3幕)
● ヴェルディ:歌劇『シチリア島の夕べの祈り』〜バレエ音楽『四季』(第3幕)
● ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
● ベートーヴェン:『プロメテウスの創造物』序曲
● ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』

 録音時期:1974年、1975年

Disc19
● エルガー:チェロ協奏曲
● チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲
● チャイコフスキー:カプリッチョ風小品 ロ短調 Op.62

 リン・ハレル(チェロ)
 録音時期:1979年

● ロッシーニ:歌劇『どろぼうかささぎ』序曲

 録音時期:1975年

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール(指揮)

 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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ロリン・マゼール&クリーヴランド管弦楽団/デッカ録音全集(19CD)

CD 輸入盤

ロリン・マゼール&クリーヴランド管弦楽団/デッカ録音全集(19CD)

ユーザー評価 : 5点 (3件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥10,152
会員価格(税込) : ¥7,821
まとめ買い価格(税込) : ¥6,599

発売日:2014年10月10日
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